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職業大図鑑/インタビュー

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J1からJFLまで経験しているプロサッカー選手!
河野選手の挑戦に迫る

河野 諒祐

企業・団体名
プロサッカー選手(ファジアーノ岡山)
出身
神奈川県
学歴
高校卒業
職歴
湘南ベルマーレ-福島ユナイテッド‐ヴェルスパ大分-YSCC横浜-水戸ホーリーホック‐ファジアーノ岡山〈2024年7月現在〉
子供の頃の夢
プロサッカー選手
中学生の時の部活動
サッカー部(クラブチーム所属)
  • 「プロサッカー選手を目指したきっかけ」

    河野(かわの)選手が、プロサッカー選手を目指そうと思ったきっかけを教えてください。

    2002年の日韓ワールドカップを見て、「サッカー選手ってかっこいいな」と思い、近所のサッカーチームでサッカーを始めました。その後、当時、小学5年生だった私は、今J1リーグに所属している湘南ベルマーレの小学生チームに入りました。そこでは、プロの選手と同じ練習場で練習をするため、プロサッカー選手がとても身近に感じられるようになりました。それがきっかけで、少しずつ本気でプロを目指すようになりました。

  • 小学5年生からプロ選手と同じ練習していた経験が、大きく影響しているとのことでしたが「本気でプロになりたい」と感じた瞬間は、どのタイミングだったのでしょうか?

    中学3年生の時、初めてプロチームの練習に呼ばれました。その後、プロの2軍チームメンバーとして試合に出場するようになり、その経験から、サッカー選手が自分にとってよりリアルな存在に感じられるようになりました。その頃から「もしかしたら自分もプロでやれるんじゃないか」という思いが芽生え、憧れだけでなく、本気でプロを目指そうという気持ちに変わりました。

  • 「挫折の経験と改めて気づいた幸せ」

    そこから、実際にサッカー選手を目指されていく中で、挫折の経験はありましたか?

    正直に言うと、プロを目指す過程で大きな挫折を感じたことはほとんどありませんでした。中高時代には、試合に出られないこともありましたが、それが原因で夢が弱まったり、目標が変わったりすることは一度もなかったです。サッカー選手になるという強い思いは常に持ち続けていました。

  • プロサッカー選手になった後、J1からJFLなど様々なカテゴリーでの経験をされていますが、それぞれのリーグでの経験について教えてください。

    プロ選手として湘南ベルマーレで2年プレーしましたが、20歳の時に契約切れとなりました。それが初めての大きな挫折で、一瞬サッカーをやめようかと考えたほどです。でも、その時に「誰も自分を知らない環境でサッカーをしてみたい」という気持ちもあり、仕事をしながらサッカーをするアマチュアリーグのJFL(日本最高峰アマチュアリーグ)のチームに移籍することにしました。朝9時から夕方6時まで働いて、夜に練習するという生活で、休みもなかったので、体的にはきつかったですが、普通の仕事も経験したことで、サッカー選手がどれだけ幸せか、改めて感じました。

  • 働きながらサッカーをしていた時期に、サッカー選手のどんなところが「幸せだな」と感じたのでしょうか?

    一番は、観客がいる中で応援されながらプレーできることです。また、普通に仕事をしたことで、サッカー選手を客観的に見る立場になり、好きなサッカーをして生活していけるというのは、本当に幸せなことだと感じて、サッカーで成功したいなっていう思いがより強くなりました。

  • 「夢を追いかける河野選手が語る目標の立て方 」

    ここからは、河野選手の中高生時代のお話を聞かせてください。河野選手は、中高生時代どのような学生でしたか?

    正直なところ、文武両道はあまりできていなかったですね(笑)ただ、サッカー選手になりたいという夢は明確に持っていたので、それを追いかけていた感じです。

  • サッカー選手になるという目標を追いかけて、まさにその目標を達成していると思うのですが、目標の立て方について中高生にアドバイスをお願いします。

    僕の場合はサッカー選手を目指していたので、プロになれるかどうかの大きな分岐点は高校卒業のタイミングだと考えていました。なので、まず高校卒業後にプロ選手になることを目標にして、そこから中学時代にどのぐらい成長しておくべきかを逆算して考えていました。まずは、大きな目標を決めて、それに向かって具体的に行動していった感じです。

  • 中高生に向けて、今のうちに頑張っておいた方が良いこと、考えておくべきことはありますか?

    まずは夢や目標を持って、それに夢中になってほしいです。また、夢や目標を持つ理由、なぜそれをやりたいのかを言語化(言葉や文章に)することが大事だと思います。理由が明確になると、挫折しそうな時でも頑張れるエネルギーが湧いてくると思います。

  • 私のおすすめの1冊!
    「登山家から学ぶ、挑戦し続ける勇気」

    河野選手が中高生におすすめしたい本を教えてください。

    登山家である栗城史多さんの『一歩を超える勇気』はおすすめです。登山は人生のようで、挫折や失敗がある中で頂上を目指すという姿勢が、自分たちの人生にも当てはまると思います。

  • 探究チャレンジ!
    「プロスポーツ選手がセカンドキャリアで困らないようにするには、どんなことが必要か考えてみよう」

    河野選手が、中高生に考えてほしい探究テーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!
    ー【探究学習のテーマ名】
    「プロスポーツ選手がセカンドキャリアで困らないようにするには、どんなことが必要か考えてみよう」

    ー「考えてほしいこと」
    「スポーツ選手は、現役選手のときはとても輝いて見えることが多いですが、実は現役でいられる期間は短く、引退後に新しいセカンドキャリアの問題に直面する選手が多くいます。サッカーの場合、多くの選手が25~26歳くらいで引退すると言われています。最近では、現役選手の時から勉強の時間を取り、次のキャリアに備える選手も増えてきましたが、それでも引退後に急に社会に出ると、周りに追いつけなかったり、新しい仕事や活動を見つけるのが難しいことがあるのが現状としてあります。
    たとえば、ある有名なサッカー選手は、引退後にできる仕事がなく経済的な問題に直面しました。こうした問題を防ぐには、どうすればいいでしょうか?ぜひ、みなさんの興味ある分野で、プロスポーツ選手が引退後に困らないためにはどんなことが必要かを考えてほしいです。選手自身が取り組むべきことでも、社会全体で取り組むべきことでもかまいません。この問題が解決すれば、現役時代も引退後の心配をせずに、競技に集中できるようになるはずです。」

    ー「基本知識」
    「”セカンドキャリア”とは、現役を引退した後に新しく始める仕事や活動のことです。プロスポーツ選手は現役時代に大きな成功を収めても、その後のキャリアで苦労することがあります。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「なぜプロスポーツ選手はセカンドキャリアで困るのか?原因を考えてみよう」

    ②調べる:
    「引退後に成功しているスポーツ選手の例などを探して、彼らがどのように準備していたかを調べよう。(例:選手の時から若手選手の指導をしている、栄養士など資格の取得など)」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、スポーツ選手が引退後に困らないようにするためには、どのような支援や現役時代からの準備が必要か考えてみよう。(例:キャリア支援プログラムの活用など)」

みんなが安心して暮らせる公正な社会を作る

千代延 博晃

企業・団体名
検察官
出身
宮崎県
学歴
東京大学法学部卒業
職歴
福岡地検-奈良地検-さいたま地検-福岡地検-鹿児島地検-東京地検立川支部-佐賀地検-福岡地検-佐賀地検-法務省保護局
子供の頃の夢
検察官
中学生の時の部活動
硬式テニス部
  • 「父の背中を追って検察官の道へ」

    千代延(ちよのべ)さんが、現在の仕事についたきっかけを教えてください。

    私は父が副検事(※副検事は、検察官の一種で、主に窃盗事件や交通事件などを取り扱っています。検察事務官として一定の経験を積んだ後、副検事になるための試験に合格すると任官できます。)で、小学校時代まで検察庁の宿舎に住んでい
    たため、周りには検察庁の職員が多く、自然と父と同じ道に進みたいと思うようになりました。小学 6 年生のときの作文には、「将来、司法試験に合格して検察官になりたい」と書きました。また、中学生時代には、父が担当していた裁判を傍聴しに行ったことがあります。そのとき、法廷できびきびと活動する父の姿を見
    て、「かっこいいな」と思い、ますます検察官になりたいという気持ちが強まりました。どんなに困難な事件を担当することになっても「自分がやり遂げるんだ!」と挑戦し、情熱をもって仕事に向き合っている父の姿に、私は大きな影響を受けました。
    大学時代には、狙撃された国松警察庁長官(当時)の講演を聴く機会がありました。彼の「若者よ、治安の分野に来たれ!」という言葉を聞いたとき、治安を守ることの大切さを再認識し、私は検察官になって治安の維持に貢献したいと強く思うようになりました。

  • 小学生6年生の時点で、作文に将来は「検察官になる」と書かれていたようですが、その思いというのはずっと変わらなかったのでしょうか?

    そうですね、逆に言うと、父の影響が大きかった分、視野が狭く深く考えていなかったというのが正直なところです。それでも、その道に自然と進むように感じていたのは、父の背中を見て育ったからこそだったと思います。
    あとは、シンプルに「悪いことをしたらきちんと罰を受ける」という考え方は、自然に受け入れられていたのかもしれません。検察官は社会正義を実現するために真相を解明し、その解明した真実に見合った適切な刑罰を実現するという役割を担っています。自分にとっては、そのような役割を担う立場になることに、全く違和感がなかったので、検察官の道に進むことに迷いがなかったのだと思います。

  • 「検察官ってどんな仕事?」

    検察官の具体的なお仕事の内容を教えてください。

    検察官の主な仕事は、「捜査」と「公判」です。

    「捜査」とは、本当に犯罪があったかどうかを調べて、犯人を突き止めて捕まえたり、証拠を見つけて集めたりすることです。警察がまとめた事件の書類(証拠書類と言います)を読んで、必要があれば警察に追加の捜査を頼んだり、自分で現場に行って確認したりすることもあります。事件で亡くなった人の身体を調べる「司法解剖」に立ち会うこともあります。また、被疑者 (犯罪の嫌疑をかけられている人のことを言います。ニュースなどでは容疑者と呼ばれることもあります。)や被害者、目撃者など事件に関わる人たちから直接話を聞いて、何が真実であるかを自分で見極めながら、有罪の方向、無罪の方向を問わず様々な証拠を集めます。そして、集めた証拠をもとに被疑者を裁判にかけるかどうかを決めます。このとき、検察官は、有罪を立証するために十分な証拠があるからといって、必ず被疑者を裁判にかけるわけではありません。犯罪の重さや反省の程度、年齢、境遇、弁償の有無や被害者の処罰感情など様々な事情を考慮し、刑罰を科すよりも、被疑者の更生を図るべきと判断した場合には、裁判にかけないという判断をすることもあります。被疑者が更生するということは、再び罪を犯してしまう人が減るということであり、犯罪の少ない社会の実現にもつながります。

    「公判」とは、集めた証拠を使って、被告人(裁判で犯罪をしたとして裁判にかけられている人)が犯罪をしたことや、刑罰の重さを決めるための重要な事実を立証し、裁判官に適正な処罰を求める活動です。証拠書類を取り調べる以外に、証人(事件の被害者や目撃者など事件の解決に役立つ情報を提供する人)に質問をしたり、被告人に直接質問したりすることもあります。

  • ”捜査”の仕事は、警察との強い協力のもとで行われてていくのでしょうか?

    捜査の仕事は、警察との密接な連携が欠かせません。多くの事件は、まず警察が一次的には捜査を行い、検察がその事件を引き継ぎます。検察官は、警察から送られてきた事件記録を検討して、必要に応じて追加の捜査を依頼し、警察と連携を保ちながら事件の捜査を進めるのが一般的な流れです。
    また、最終的に公判を担当するのは検察官であるため、公判で自信を持って主張できることが重要です。現場の状況や環境は、写真や書類だけでは完全に把握できないことがあるため、自ら現場に足を運び、直接確認することもあります。警察の捜査を信頼しつつ、それを補う形で捜査を進めるのが検察官の重要な役割です。もちろん、警察の捜査に誤りがないかは常にチェックしており、誤りがあれば是正しています。

  • 「真実を明かし、社会を守る」

    千代延さんが思う検察官の魅力を教えてください。

    検察官の仕事の魅力は、警察と協力して事件をしっかり調べ、真実を明らかにできるところにあります。法律を正しく、そして早く使って適正な刑罰を実現すること、こうしたことを通じて、国民が安心して暮らせる公正な社会を作る手助けをしていることに、とてもやりがいを感じます。

    また、日本では、個人が復讐することは許されておらず、被疑者を裁判にかける権限は検察官だけに与えられています。そのため、適正な刑罰の実現に貢献し、被害者の悔しさや無念を晴らすことは、検察官の大切な役割です。警察などと一緒にチームで真相を解明し、例えば、不合理な言い訳をし続ける被疑者に適正な刑罰を受けさせることができたときには、大きな達成感があります(もちろん、裁判は勝ち負けではないのですが)。

  • 「検察官の大きな責任と重圧」

    一方で、大変だなと感じる点についても教えてください。

    被疑者を逮捕した事件では、被疑者を拘束できる時間は限られていて、その間に真相を解明して処分を決めなければならないのですが、絶対に無実の人を裁判にかけてはいけないという大きなプレッシャーがあります。そのため、大量の資料を時間をかけてしっかり確認したり、少ない証拠をかき集めたりして、どうにか真実にたどり着けるように知恵を絞ります。この作業はとても大変です。また、被疑者を裁判にかけるのか、かけるとして裁判官に対してどのような刑罰の実現を求めるのかを適切に判断するのも難しい仕事です。

  • 検察官のお仕事には、事実をしっかり突き詰めていく責任がある中で、人が人を裁くという重圧や難しさもあると思います。その中で千代延さんは、感情の揺れ動きや判断の難しさに日々のお仕事でどのように向き合っていらっしゃるのでしょうか?

    本当に悩ましい点です。捜査において、人の証言がどれだけ信頼できるか、その証言が真実かどうかを見極めることは非常に難しい点です。私たちは思い込みや決めつけによる誤った判断は避けなければなりません。その一方で、慎重になりすぎて真犯人を逃してしまうということも避けなければなりません。ここが非常にデリケートで、究極のバランスが求められる部分です。こうした状況の中で、どのように証拠を集め、集めた証拠に基づいて冷静に判断するかが毎回の課題です。もちろん、明確な証拠があれば問題はありませんが、実際にはそうしたストレートな証拠がない事件も多く、非常に難しい決断を迫られることが少なくありません。 
    常にその重圧と向き合いながら、どうすれば公正で正しい判断ができるのかを悩みながら進めています。これは、検察の仕事の中でも特に苦しい部分だと感じますが、同時に、それだけ責任の重い仕事をさせてもらえるという意味で、やりがいでもあります。

  • 「社会に対する広い視野、謙虚さ、忍耐強さ、論理的思考」

    検察官になる上で必要なスキルを教えてください。

    検察官になるには、まず司法試験に合格する必要があります。
    また、法律だけでなく、社会の問題を正しく理解し、どう解決するかを見通す力が求められます。そのため、時代の変化にもついていけるように様々な本を読んだり、多くの人の話を聞いたりして、法律以外の分野についても知識を広げることが大切です。
    他にも、常に、犯人がどういう気持ちで行動したのかを想像しながら証拠を集めるため、人の行動や考え方を理解する力、そして常識的な考えを持っていることが重要です。相手の立場に立って考えることを忘れずに、膨大な量の情報を忍耐強く精査する力も必要です。そして何よりも、取調べでは、相手の話を注意深く聞き、正確に理解する力が非常に重要です。その際には、謙虚な姿勢を保つことや、相手を思いやる心が求められます。相手の置かれている状況や感情を理解しようとする姿勢が、真実を引き出す鍵となるからです。

  • 「受験勉強や部活に打ち込んだ学生時代」

    ここからは千代延さんの中高時代のお話も聞かせてください。中高時代はどのように過ごされてきましたか?

    中高時代は、親元を離れて松山市内で寮生活をしていました。父が、転勤が多い仕事だったので、転校しないで済むように、寮のある学校に入学しました。
    そこで、私は硬式テニス部に所属し、高校2年生で引退するまでテニスに没頭していました。寮では、全国から集まってきた仲間たちと勉強や遊びを共にし、楽しい時間を過ごしました。医者や弁護士、裁判官を目指す友人も多く、彼らと切磋琢磨することができ、非常に刺激的な環境でした。

  • まさに“文武両道”を実現されている千代延さんですが、何か意識されていたことありました か?

    確かに、部活は部活でしっかり取り組みながら、宿題や勉強も「先生に怒られたくないから」という理由ではありましたが、さぼらずにやっていたというのはありましたね(笑)。でも、「言われたことを最低限やる」というくらいでした。

  • 法律の世界で活躍されている千代延さんでも、先生に怒られないために宿題をやるという 動機は、この記事を読んでいる多くの中高生たちが親近感を覚えて共感できるものだと思います(笑)

  • 千代延さんが中高生の時に、やっておいて良かったなと思うことはありますか?

    中高生のうちにやっておいて良かったこととして、受験勉強に真剣に取り組んだことがあります。受験勉強を通じて、目標に向かって努力し続ける大切さや、困難を乗り越える力、忍耐力を学びました。これらは、今の仕事で膨大な資料を地道に精査したり、事件の重要な問題点について勉強したりするときに非常に役立っています。
    また、部活動に打ち込んだ経験も大切です。部活ではチームプレーの精神を学びましたが、それは今も、様々な人々と協力して捜査を進める際に役立っています。

  • 私のおすすめの1冊!
    「困ったときに勇気をもらえる言葉集」

    千代延さんが、中高生におすすめしたい本とその理由も教えてください。

    「元気語録400選 竹内均」です。これは、各界の著名人の言葉を集めた本で、困ったときにヒントや勇気をもらえるので、気軽にパラパラとめくってみることをお薦めします。

  • 探究チャレンジ!
    「一度、罪を犯してしまった人が、もう一度罪を犯さないようにするにはどうすればよいのだろうか」

    千代延さんが、仕事の中で取り組んでいる問題や社会的課題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「一度、罪を犯してしまった人が、もう一度罪を犯さないようにするにはどうすればよいのだろうか」

    ー「考えてほしいこと」
    「もし、罪を犯して刑務所に入っていた人が、刑務所から出て、あなたたちが住んでいる街に帰ってきたら、あなたはその人に対して何を思い、どう行動しますか?また、その人がもう一度罪を犯してしまうとしたら、どんな理由があると思いますか?
    私は、罪を犯した人を孤独にしてしまうと、やけになってまた犯罪を犯してしまうことがあると考えています。犯罪や更生の問題を、他人事ではなく、自分ごととして考えることが大切です。誰かに寄り添って、その人を理解しようとする姿勢が、社会をより良いものにするために必要だと感じます。
    そこで、皆さんには、人が一度罪を犯してしまったとき、その人が再び罪を犯さないためには、どんな支援や対策が必要か考えてみてほしいです。」

    ー「基本知識」
    「一度罪を犯してしまった人が、もう一度罪を犯してしまうことを「再犯」といいます。再犯を防ぐためには、仕事を見つけたり、社会とつながりを持つことが重要だとされています。例えば、社会復帰を支援するための教育プログラムや、地域社会での支援活動が役立つことがあります。日本では、再犯を防ぐために様々な取り組みが行われていますが、実際には再犯率が高いという問題があります。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「なぜ、人は一度罪を犯した後、再び罪を犯してしまうのでしょうか?その原因を考えてみましょう。(例:社会から孤立してしまったなど)」

    ②調べる:
    「再犯を防ぐためにどのような対策が行われているかを調べてみましょう。(例:刑務所での教育プログラムや再犯防止のための取り組みについてなど)」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、どのような支援や対策があれば、再び罪を犯さないようにできるか具体的な方法を考えてみましょう。(例:刑務所での教育、社会復帰を助ける仕事の提供など)」

いつか操縦してみたい
幼き頃の夢を叶えて大空に!

嘉山 元気

企業・団体名
パイロット
出身
神奈川県
学歴
桜美林大学フライトオペレーションコース卒
職歴
JAL-日本航空株式会社日本航空株式会社
子供の頃の夢
パイロット
中学生の時の部活動
水泳部
  • 「幼き頃からの夢あこがれ~パイロットを目指した理由〜」

    嘉山(かやま)さんが、現在やっている仕事の内容を教えてください。

    私は現在、日本航空でエアバスA350の副操縦士として乗務しています。国内線は、東京を中心として札幌・大阪・福岡・沖縄へ就航しています。また国際線は、現在ニューヨーク・ダラスへ就航していて、少しずつ乗務できる路線を増やしています。

  • 嘉山さんが、パイロットを目指そうと思ったきっかけを教えてください。

    この仕事を志したきっかけとしては、幼い頃に飛行機に触れる機会が多かったことが挙げられます。旅行などで飛行機に乗る度に「いつか自分の手で操縦して海外に行ってみたい、空を飛んでみたい」という夢がありました。

    子供ながらにエアラインパイロットという職業は狭き門だと認識していましたが、時代が変わるとともにパイロットになるための選択肢が増えていき、自分にもチャンスがあるのではないかと思い、チャレンジをしました。

  • 「コックピットから見る景色はパイロットの特権」

    パイロットの魅力ややりがいを教えてください。

    この職業の最大の魅力としては、やはり世界中の都市に行けることだと思います。旅行が好きな人であればこの上ない天職ですよね。私も見聞を広めるために海外では可能な限り外出し、自分の目で世界遺産や有名スポットへ出向きます。また現地での食事も楽しみの1つで常にガイドブックやインターネットで調べています。

    コックピットから見える景色も格別です。大きな窓から外の眺望を見ることが出来るのはパイロットの特権ではないでしょうか。たくさんの都市へ乗務してきましたが、その中でも特に大好きなのはハワイ線の到着前の景色です。ホノルル空港へのアプローチ中に見えるカウアイ島やワイキキの街並み、さらに上空から見るダイヤモンドヘッドはとても綺麗で何度も見たくなるような美しい景色です。私はいつもこの景色を見るとパイロットになってよかったなぁとつくづく感じています。

  • 一方で、パイロットのお仕事をしていて大変だなと感じる点はどんなところですか?

    大変だと思うことは日々の勉強ですね。刻々と変化する各国のルールや規定に対応するために自分の知識をアップデートする必要があります。
    仕事が終わっても今後のより良いフライトを提供するために研究する毎日です。こうやってパイロットは、お客さまに最高のサービスを提供できるように準備をして毎フライトに臨んでいます。

  • 「理系・文系偏りなく勉強しておこう」

    どうやったらパイロットになれるのか気になっている人も多いと思います。パイロットになるために必要なスキルや知識を教えてください。

    パイロットといえば、機械を操作しないといけないので、理系のイメージを持つ人も多いかもしれませんが、実はそのようなことは全くありません。

    パイロットには理系・文系のそれぞれのスキルが求められます。例えば、理系の要素においては、実際に飛行機をどう動かして飛ばしていくかを考える上で必要な計算力や力学といったスキル。文系の要素においては、機長・副操縦士の間でお互いの共通認識を確立するために言語能力や英語力が求められます。つまり、満遍なく勉強することが大切です。近年は特に、パイロットのミスによる事故を防ぐために、この言語能力というスキルが強く求められています。

    また「英語が流暢に話せなければパイロットになれないですか?」とよく尋ねられることがあります。これは私も学生時代にとても気になっていた悩みでした。
    結論から言えば、実際に飛行している時は航空用語を使用しているため、そこまで高度な英語は必要ありません。

    国際線に乗務する場合には、航空英語能力証明というライセンスが必要になりますが、中・高校レベルの英会話で取得ならびに維持することが可能です。なので、得意分野はそのまま伸ばしつつ、苦手分野も克服していくことがとても重要です。とはいえ、高い英語力があると何かと役に立ちます。仕事の特性上海外に行くことが多々ありますので、現地である程度会話が出来たりすると楽しく過ごせますよね。

  • 「日々、大切なお客様の命を預かる責任を」

    ここからは嘉山さんの中高時代のお話もお聞かせください。嘉山さんは、中高生学生時代はどんな学生生活を送られていましたか。

    学生時代はとにかく部活に打ち込む日々でした。2歳から始めた水泳も気づけば高校3年生まで続けていました。中学生時代には、日本一になることもできました。今思えば辛いことも多くありましたが、目標に向かって仲間と切磋琢磨し努力してきたことは今のパイロット生活にも活かされていると思います。

    私生活では、規則正しい生活を心がけていました。水泳のためということもありましたが、将来パイロットを目指すにあたって自己管理が出来なければならないといこともあり本気で取り組んできました。

  • 中高校生のうちにやっておいてよかったなと思うことはなんでしょうか?

    やっておいてよかったことは健康管理だと思います。毎年厳しい身体検査を受験しないといけないのですが、昔からの習慣で自分を律することが継続して出来ているので、そこまで苦になることはありません。大切なお客さまの命をお預かりしているため、常に健康には留意して生活しています。

  • 私のおすすめの1冊!
    「旅を通して広がる世界の大きさを知ろう」

    中高生におすすめしたい本とその理由を教えてください。

    沢木耕太郎の『深夜特急』です。
    この本を読んでから私の人生観は変わりました。時代こそ違いますが、現地での実体験が記されておりワクワクしながら読んでいた記憶があります。旅を通して様々な国の情景や生活様式を知ることができ、旅行が大好きになるきっかけとなりました。

    皆さんにはこの本から地球の大きさを想像してほしいです。1つ国を越えるだけで言葉も文化も人種も、何もかもが変わっていきます。この本には学校だけでは学べないことがたくさん記されています。

  • 探究チャレンジ!
    「皆さんの周りで、簡単にできる環境問題への対策を考えてみよう」

    嘉山さんの仕事の中で取り組んでいる問題や社会課題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「皆さんの周りで、簡単にできる環境問題への対策を考えてみよう」

    ー「考えてほしいこと」
    「近年世界中の航空会社で、環境問題に取り組んでいます。具体的にはCO2排出量削減を目的とした取り組みが全航空会社の義務となっており、2050年までにCO2排出量実質ゼロを目指しています。

    みなさんも環境問題に関してなにか考えていることはありますか?
    私たちは、地球温暖化や大気汚染など、さまざまな環境問題に直面しています。しかし、日々の生活の中で私たちが少し意識を変えるだけで、環境を守るための大きな力になることがあります。例えば、プラスチックごみを減らす、電気を節約する、植物を育てるなど、環境に優しい行動を考えてみましょう。」

    ー「基本知識」
    「環境問題は、地球温暖化、大気汚染、プラスチックごみの増加など、多くの要因から起こりますが、一人一人の小さな行動が解決に向けた第一歩です。環境を守るために簡単にできることはたくさんあります。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「なぜ、私たちは環境問題に取り組まなければならないのでしょうか?(例:地球温暖化が進むとどうなるか、ゴミが増えるとどんな問題が起こるかを考えてみましょう)」

    ②調べる:
    「皆さんの周りでできる環境対策について調べてみましょう。インターネットなどで、身近な生活の中でどんな行動が環境を守るのに役立つのかを探してみてください。(例:エネルギーの使い方、リサイクルの仕方、プラスチックを減らす方法など)」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、皆さんの周りで簡単にできる環境対策を考えてみましょう。(例:家で使う電気を節約するためにどうするか、ゴミの分別をどう徹底するか、リサイクルをもっと進めるにはどうするかなど)」

1つの洋服が世に出るまで
そこには沢山の人の思いがあった

加藤 快

企業・団体名
モデル
出身
神奈川県
学歴
日大藤沢高校-日本大学
職歴
アパレル-モデル
子供の頃の夢
サッカー選手
中学生の時の部活動
サッカー部
  • 「自分の名前をもっと広めていきたい」

    加藤さんが、モデルを目指そうと思ったきっかけと今やられているお仕事の内容を教えてください。

    もともとアパレル業界で働き、お金を貯めてアメリカに留学しようと考えていましたが、そのタイミングでコロナが流行し、留学は難しくなりました。そこで、以前から「自分で何かしてみたい」という想いがあったので、コロナの影響で海外に行けない中、モデル活動を始めました。これが26歳の時です。

    現在は主に雑誌撮影やアパレルブランドの広告モデルをしていますが、時々CMやファッションショーにも出演しています。

  • モデルになりたいと思ったら、どのような手順でモデルになれるでしょうか?

    基本的に、事務所にプロフィールを送って試験を受けに行きます。僕も当初、モデルは街でスカウトされるものだと思っていたので、自分から事務所に行ってお願いするのはカッコ悪いと思っていました。ただ、そうも言っていられないので「ダメ元で挑戦してみよう」という気持ちで、5〜6社に自分のプロフィールを送りました。最初は全く返事が来なくて、当時26歳という年齢やコロナの影響もあって、すぐにはうまくいかなかったんです。そこから、モデルについて詳しい友達に聞いて、モデル業界のことを少しずつ学びながら、色々な事務所に連絡を取っていきました。

  • 「自信を持って、自分をアピールすることが大切」

    モデルというお仕事は、やはり容姿とかが大事で、誰もが目指せる仕事でないと感じている人もいると思います。

    よく「モデルは身長が高くないといけない」とか「顔がすごくカッコよくないとダメだ」と思われがちですが、実はそんなことはありません。実際は、様々な人が、ランウェイ、つまりファッションショーで歩いています。だから、『自分には無理だ』と思ってあきらめちゃうのはもったいないと思います。

    大切なのは、自分の強みをしっかりと伝えられること。僕の場合は、サーフィンやスケートが趣味で、真剣に取り組んでいました。その趣味を活かして、こういう仕事をしたい、こういう雑誌に関わりたい、という自分だけの目標を持っていました。自信を持って、自分の得意なことをアピールすれば、必ず誰かが聞いてくれると思います。

    モデルの仕事って、みんなが思っているほど決まった条件があるわけじゃないんです。だから、挑戦しやすい仕事のひとつだと思いますよ。

  • 「趣味を持つこと、好きなことに夢中になること、そして続けること」

    そんな加藤さんがモデルをしていて大事にしていることはありますか?

    いろいろな人と話してみて感じたのは、趣味をたくさん持っている方が良いということです。今は”モデルだけ”というのはあまり通用しなくなってきていて、ゴルフ、バイクが趣味とか、何かもう一つ強みがある方が仕事にも役立ちます。趣味が多いと話が広がるし、どんな仕事をするにも影響してくると思います。だから、自分の好きなことにもっと夢中になったり、趣味を増やしたりすることは、モデルに限らずどんな仕事でもプラスになると思います。

    あとは、続けることの大切さは本当に実感しています。今、モデルの仕事を4年続けていますが、続けていたからこそ、出たかった雑誌”OCEANS”に毎月出られたり、目標を達成できたりしています。途中でやめていたら、その先にあった新しい雑誌やCMに出れる未来があったことを知らないまま、やめていたことになります。そういった経験上、続けるっていうことをすごい大事にしてますね。

  • 「モデルとして商品が世に出る瞬間に携われている喜び」

    モデルのお仕事の魅力ってなんでしょうか。

    確かに、モデルは、写真を撮ってもらうので、すごい気分が上がります。モデルをやってよかったと感じるのは、いろんな人と出会えることです。
    たとえば、撮影のときには、ブランドの宣伝をしている人や、ディレクター、カメラマン、スタイリスト、さらにはブランドの社長にも会ったことがあります。そうやって、モデルを通していろんな業界の人たちと出会えるのが毎回すごくが新鮮で、たくさんのことを学ぶことができます。また、商品を作り上げて、売るまでにどれだけ時間やお金がかかるのかを知ることもできます。そういった多くの人たちが一つの商品に携わっているというのを感じたうえで、最後にその商品を僕に任せてくれて、モデルとして商品が世に出る瞬間に携われている、それはやっぱりすごく力が入るし、このモデルという仕事の魅力かなと思います。

  • 「時には落ち込む。それでも前向きに進むメンタルも大切」

    一方で、モデルのお仕事で、大変なところはありますか?

    モデルは、オーディションもよくありますが、ほとんど落ちるんです。僕も最初は落ち込んでいました。ただ、オーディションで落ちる理由は自分がダメだからだけじゃなくて、いろんな状況がかみ合わさって選ばれるので、自分が良くても落ちることもあります。だから、あまり考えすぎて落ち込まないことが大事です。モデルの仕事はメンタル(心の強さ)も大切なんです。

  • 「部活を通して得られること」

    ここからは加藤さんが中高生時代のどんな生活を送ってきたのか聞いていきたいと思います。加藤さんは学生時代、どのように過ごしていましたか?

    中高生の頃はサッカーしかしていませんでした。本当にサッカーだけの毎日で、プロを目指していたわけではないけど、サッカー中心の生活でしたね。

  • 加藤さんが中高生でやっておいてよかったことなどあれば、中高生への アドバイスを含めてお願いします。

    部活ってやっぱり大切だと思います。今振り返ると、部活に入って何かをやり遂げる経験はとても良かったと思います。部活がサッカーじゃなくても、スポーツじゃなくてもいいんですが、何か一つのことを続けることが大事です。

    特に、仲間と一緒に頑張ることやチームとして協力することは、すごく良い経験になりました。今の仕事でも、撮影の現場でいろんな人とコミュニケーションを取ることや、チームで協力する場面がたくさんあります。部活で学んだことが、そういうところで役立っているんじゃないかなと思います。

  • 加藤さんのお話を聞いて、私たちはモデルというと見た目ばかりに注目しがちですが、それ以上に大切なのは、その人の人間性や内面的な魅力だと気づきました。外見だけでなく、常に挑戦を続け、人としての魅力を高めていくことが本当に大事なんですね。

  • 私のおすすめの1冊!
    「早めの行動が成功を引き寄せる鍵」

    加藤さんが中高生におすすめしたい本とその理由を教えてください。

    僕がおすすめする本の1つに『20代で得た知見』という本があります。自己啓発の本をたくさん読んできたんですが、この本のポイントは、何をやるにしても早めに行動することが大切だということです。先延ばしにせず、やりたいと思ったらすぐに動くことが成功に繋がります。しかも、この本はとても読みやすいので、スラスラと読めて内容が頭に入りやすいです。ぜひ読んでみてください!

  • 探究チャレンジ!
    「日本人の強みってなんだろう?」

    加藤さんが取り組んでいる問題や社会的課題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「日本人の強みってなんだろう?」

    ー「考えてほしいこと」
    「僕は、モデルとして自分の強みや特徴を生かして仕事をしています。日本人は、国際的な舞台でも様々な分野で活躍していますが、日本人にはどんな強みがあるのでしょうか?ファッション業界やモデルの世界でも、日本人らしさや強みが評価されています。今回は、日本人が持つ特有の強みについて考えてみてほしいです。」


    ー「基本知識」
    「日本人の強みは、文化や習慣から生まれるものが多くあります。例えば、仕事に対する真面目さや、他人への思いやり、礼儀正しさは日本の社会で大切にされている価値観です。ファッションの世界では、日本の繊細で細やかなデザインや独自のスタイルが注目されています。また、チームワークや協調性も日本人の強みの一つです。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「なぜ日本人は『礼儀正しさ』や『丁寧さ』で知られているのでしょうか?その理由や、日本人の強みがどのようにして生まれたかを考えてみましょう。(例:日本の文化や歴史、教育方法など)」

    ②調べる:
    「日本人の強みとして、国際的に評価されているポイントを調べてみましょう。(例:几帳面さや、礼儀正しさ、ファッション業界で日本のデザインが注目されている理由、海外で日本人や日本の企業が作った商品などがどのように評価されているかなど)」

    ③解決策を考える:
    「日本には多くの外国人が観光やお仕事で訪れています。これからの国際的な社会で、そういった外国人に、日本人が活躍したり日本のよさをアピールしたりするためには、どんな強みを生かしていけばよいか、調べたことをもとに考えてみましょう。(例:仕事では集団で協力して目標を達成するチームワーク、観光客にはおもてなしの心でもてなすなど)」

大好きな”スポーツ✖アフリカ”で
「挑戦者」を生み出していく

棚原 彩

企業・団体名
アパレルブランド経営✖講演家
出身
大阪府
学歴
大阪体育大学卒業
職歴
JICA海外協力隊(タンザニア/体育教師)-Pa moja代表
子供の頃の夢
アフリカの大草原で動物たちと駆け回る
ユニバーサルスタジオジャパンのお姉さん
中学生の時の部活動
野球部
  • 「きっかけは、鏡の前に立った自分」

    棚原(たなはら)さんは現在、ご自身のアパレルブランド『pa moja』をやられているとお聞きしました。ご自身でアパレルブランドを始めようと思ったきっかけを教えてください。

    私はタンザニアでJICA海外協力隊として体育の先生をしていました。そこで、アフリカの人々の明るく楽観的な考え方に感銘を受け、「人生をもっと自由に生きていいんだ!」と気づいたんです。それまでは「お金のために仕事をしなきゃ」と、自分に制限をかけてばかりでした。でも、アフリカの人たちの思考が、私の中の制限を取り払ってくれて、この考えを日本の人たちにも届けたいと思うようになりました。

    その後、タンザニア滞在中にコロナが流行し、緊急帰国することになりました。帰国後の隔離期間で「アフリカの明るさを日本の人たちにどうやって伝えよう」とずっと考えていた時、タンザニアでの思い出に浸りながら、アフリカの伝統的な布で作った洋服とスポーツ用ジャケットを重ねて着てみたら、鏡に映った自分の姿がめっちゃかわいくて、「これやっ!!」って頭の中に舞い込んできたんです(笑)

    スポーツウェアとアフリカを組み合わせた商品なら、アフリカにあまり興味がない人にも魅力を届けられる。それに、私が大好きなスポーツとも関わることができる。「私の好き」がすべてがそろっていると思ったんです。そこからスポーツウェアブランド『pa moja』が誕生しました。

  • アフリカの魅力を伝えたいという思いから、ご自身のアパレルブランドを立ち上げられて、現在は具体的にはどのようなお仕事をされているんですか?

    私の仕事はスポーツウェアを作って売りながら、夢を追う勇気を届ける活動をしています。服をデザインする時は「どんな服を作ったら勇気が出てくるだろう。」ということを1番に考えて制作しています。アフリカの布をタンザニアから取り寄せて、スポーツウェアのデザインに使っている商品もあります。また、アフリカで教わった生き方をSNSで配信したりもしています。このようにアフリカの明るさを通じて、一歩踏み出す勇気を届けることが私の仕事です。

    これらの商品はInstagramなどを通じてみんなに届け、ネットショップで販売しています。

  • 「”pa moja”に込められた思いとは」

    ところでブランド名の”pa moja”には、どのような意味が込められているのですか。

    ”pa moja”は、タンザニアの言語、スワヒリ語で「一緒に」の意味があります。1人で挑戦するのは誰だって怖い、だからpa mojaという共通言語で繋がって「一緒に進んでいこう」という意味でネーミングしました。

    ロゴは、タンザニアの山、キリマンジャロからゾウが一歩踏み出しているシルエット。「pa mojaの服で自信をまとい、共に1歩踏み出そう」と言う意味を込めてます。

  • 「好奇心と憧れでアフリカ、タンザニアへ」

    そもそも、棚原さんがアフリカに行こうと思ったきっかけはなんだったんですか?

    高校生のころから、大学を卒業したら絶対に海外に行きたいと思っていて、アメリカやオーストラリアなど、おしゃれな場所を想像していました。でも、大学2年生のときに「JICA海外協力隊」という言葉を初めて知って、実際にアフリカから帰ってきた人の話を聞いてみようと思いました。
    その人が話すアフリカはとても明るく元気で、まるで大阪のおばちゃんがいっぱいいるような国だと言われたんです。それを聞いて、「私も行ってみたい!」と思って。困っている人を助けたいとかそういう気持ちがきっかけではなく、ただその人がとてもかっこよくて、その人が見た景色を自分も見てみたい、その好奇心と憧れだけで、JICA海外協力隊に行くことを決めました。

  • 発展途上国といわれる国には「世界を良くしたい」「貧しい国を助けたい」という理由で行く人が多いと思われがちですが、棚原さんのように純粋に「興味」や「憧れ」から行動する人もいるというのは、とっても新しい視点だと思いました。

  • ただ、当初のアメリカやオーストラリアとは、全然違う環境ですよね。発展した国ではなく、発展途上の国に行くことになるので、その点での不安や迷いはあったんですか。

    めっちゃいい質問をありがとうございます(笑)実は、不安はたくさんありました。アフリカに行く前に、調べれば調べるほど怖いニュースが出てきて。だから、その不安を解消するために、JICA海外協力隊に行ったことがある人にたくさん会って、話を聞きに行きました。どうやって不安を解消するかを考えたとき、たくさんのOB・OGに会って、実際に行った人たちから話を聞くことが一番だと思ったんです。

  • 「”挑戦者を生み出していく”ブランドであり続けるために、まずは自分が体現する」

    アパレルブランドを立ち上げるまでのお話を聞いてきましたが、今のお仕事を始めて数年たつ中で、改めてこの仕事の魅力を教えてください。

    私、この仕事は、自分の夢を叶える手段だと思っています。自分自身がこの仕事を使って、夢をどんどん叶えている感じです。これは、タンザニアで学んだ「もっと自由に生きていいんだ」「自分のやりたいことに真っ直ぐ向かっていいんだ」というところからきていて、まさに私自身がそれを体現して、この仕事ができるのが魅力です。

    そして、私がそうやって生きている姿を見せることで、お客さんも「一歩踏み出してみよう」と思ってくれるきっかけのブランドになるんじゃないかって思っています。「挑戦者を生み出していく」というのがブランドの理念なんですが、pa mojaの服を着た人が自分に自信を持って、理想の自分に向かって進んでいけるように目指しています。

  • 一方で、このお仕事をされて棚原さんが感じている「大変だな」と思う部分はどんなところですか?

    大変さ…ひと昔前なら、 迷わず”孤独”だったんですが、今は全くそうは思わなくって。すごい仲間が増えてくれているので。なので、今思うところは、 たまに自分を疑ってしまうところ。自分の言葉が信じられなくなったりとか、自分が迷い出したりする時にすごい辛さを感じて、で、また立ち返って。みたいなのを繰り返したりはしています。

  • 「ビジョンボードで3年後や5年後をみえる化」

    そういう時、棚原さんはどうやって乗り越えられるんですか?

    私、「敵」はずっと自分だと思っているので、今自分はどんな気持ちでいるのか、と毎日、自分と向き合い続けています

    あと「ビジョンボード」というものを作っています。3年後や5年後の目標や夢をボードにして、それを見つめるんです。そうすると、目標のために今やらなきゃいけないことが、明確になりますし、モチベーションを保つ効果もあります。
    ビジョンボードは、文字だけじゃなくて、人の写真を貼ったりしています。思い描いたビジョンを写真にすることで、より鮮明に頭で思い描くことができて「これ、叶えられるな」と思えてくるんです。

  • 「未来を妄想する力」

    ここからは棚原さんの学生時代のお話も聞けたらと思います。 棚原さんは、学校生活や学生時代はどのように過ごしていましたか。

    中高生のころは、自分に全然自信がなかったんですね。12年間も硬式野球をやっていたのに、ずっと補欠だったし、勉強もできなくて。海外に行きたいと思っても英語が全くできないし、まるで「夢見るミルコちゃん」みたいでした(笑)
    でも、その「夢見るミルコちゃん」でも、行動すれば、できないことがたくさんあっても、夢は叶うんだということを実感しました。アフリカは、私にとってすごく大きな1歩で、行動が大切だと気づいたんです。

  • 棚原さんからみて、中高生のうちにやっておいた方がよいことがあれば、アドバイスをお願いします。

    1個だけあります!!!私、飛び抜けた特別な能力があったわけではないんですが、『未来を妄想する力』だけはめっちゃ飛び抜けてたんですよ。だから、自分はなんでもできるスーパーマンだって信じて、理想の未来を描いてほしいです。理想の未来を思い描くことで、きっとその夢に向かって頑張れる力が湧いてくると思いますよ。夢は、信じきったら叶うので。

  • 私のおすすめの1冊!
    「様々な問いかけから自分が大切にしていることに気づかせてくれる一冊」

    棚原さんが、中高生におすすめしたい本とその理由を教えてください。

    高校1年生のときに読んだ、ひすいこうたろうさんの「明日死ぬかもよ」という本です。題名の通り、冒頭「明日死ぬかもよ」って考えた時、今悩んでいること、まだ悩みますか?っていう問いかけから始まります。90歳以上の入院している方にアンケートを取ったところ、98%の人が「もっと冒険しておけばよかった」って答えたっていう話が出てくるんです。やっぱり冒険しなかったことって後悔するんだなって。

    この本はワークが付いていて、ノートとペンを片手に、本が問いかけてくる問いかけに、何回も止めながら進める本で、この本を読むと、どんどん自分の考えを引き出してくれて、自分が人生で大切にしていきたいことを知ることができると思います。

  • 探究チャレンジ!
    「ほかの人の良いところを自分にも生かすにはどうすればいい?」

    最後に、棚原さんが感じる社会的課題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「ほかの人の良いところを自分にも生かすにはどうすればいい?」

    ー「考えてほしいこと」
    「タンザニアの人たちは、とてもおおらかで楽観的に、毎日を楽しんで生活していました。それと比べると、日本では仕事や勉強に追われて、少し余裕がない人が多いように感じます。でも、日本のような厳しさがあるからこそ、国が発展してきたのも事実です。良いところもあれば、そうでないところもあるのは、どの国でも同じですね。歴史や文化の違いもあるため、他の国の良いところをすぐに取り入れるのは簡単ではありませんが、アフリカの良さと日本の良さが合わされば、お互いにもっと素敵な国にできると私は信じています。

    そこで、皆さんの周りに、『あの人のこういうところが素晴らしいな』と思う人はいませんか?その人の良いところを、自分の生活や学びに活かせたら、もっと成長できるかもしれません。今回は、他の人の強みや良いところを自分にも取り入れて、どうやって自分を成長させるか考えてみましょう。
    自分らしさを大切にしつつ、身近な人の素敵なところを見つけて、それを自分の成長に役立てていけば、あなたはもっと魅力的な人になれると思います。…でも、どっかの誰かみたいに鏡を見た自分に惚れ過ぎないでね(笑)」


    ー「基本知識」
    「他の人の良いところを学び、自分に活かすことは「ロールモデル」としての学び方の一つです。自分が尊敬する人や憧れの人の行動や考え方を観察し、それを真似することで、自分自身の能力や性格を成長させることができます。これは、仕事や生活、どんな場面でも役立ちます。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「周りの人(家族、友達、先生、または有名な人物など)で「この人のここが素晴らしい!」と思うところを考えてみましょう。その人のどんな点があなたにとって魅力的で、自分に取り入れたいと思いますか?(例:友達がいつも前向きで、誰とでも仲良くできる)など)」

    ②調べる:
    「その人の良いところを、自分にどうやって取り入れられるか調べてみましょう。(例:時間管理が得意な人の習慣や、コミュニケーションが上手な人のやり方などをインターネットなど調べ、自分にどう応用できるかを考えてみてください。)」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、他の人の良いところを自分に活かすために、どんな工夫ができるか考えてみましょう。(例:その人の習慣を少しずつ自分の生活に取り入れてみたり、その人の考え方を真似してみるなど、具体的な行動を考えてみましょう。)」

医療とAIが交わる未来へ!
医学と工学の架け橋になりたい

東郷 三四郎

企業・団体名
医師
出身
神奈川県
学歴
サウスイースト・ミズーリ州立大学(アメリカ)-東京大学大学院
職歴
浜松医科大学病院
子供の頃の夢
医師
中学生の時の部活動
サッカー部
  • 「医療とAI研究に挑む」

    この仕事に就いたきっかけや、現在の仕事内容について教えてください。

    現在、私は医師として病院で働きながら、医療に関わるAIの研究もしています。
    アメリカの大学を卒業した後、東大の大学院でデータサイエンス(大量のデータを分析し、そこから役立つ情報を見つける学問)を学びました。そこで医療AIの研究を進めていくうちに、実際の医療現場での経験が必要だと感じ、学士編入試験を受けて浜松医科大学に入りました。

    最近では、AIやデジタル技術がいろいろな分野で大切になってきており、医療の世界でも工学とのつながりがますます重要になっています。将来は、これまでの経験を活かして、医学と工学をつなぐ役割を果たしたいと考えています。

  • 「医師になるために大切な3つのこと」

    医師のお仕事に必要なスキルや知識を教えてください。

    1つ目が、ずっと勉強をし続けていける好奇心または覚悟です。医学部を卒業してもずっと勉強は続きます。
    2つ目は自ら課題を見つけて解決のために取り組む主体性です。
    そして3つ目が、人を助けたい、医療人として仕事をしたいという思いです。
    医学部は、そんなに楽な道ではありません。何となくで医学部を進路に選ぶとしんどい経験をすることもあります 。

  • 「医師として理想と現実の間で感じたこと」

    医師のやりがいと、大変だなと思うことってどんなところですか?

    医師としてのやりがいは、治療を通して患者さんが元気になり、その喜んでいる姿を見ることができる点だと思います。しかし、現代の医療でも助けられない患者さんも多く、時には人の命を見送る役割も医師の仕事であり、その厳しさを感じます。

    また、医学部に入る前は、医師は高い給料をもらい、社会的に尊敬される仕事だと思っていましたが、実際に働いてみると、地道で大変な作業もたくさんあり、勉強が苦手な人にとっては、ずっと学び続ける覚悟が必要な職業だと感じました。

  • 「好きなことに全力投球—自主性ゼロだった私が気づいた本当に大切なこと」

    どんな中高生時代を送ってきましたか?

    自主性は0、主体性は100といった学生生活を送ってきました。自分がこれをしようと思ったことはとことんやり尽くし、やりたくないことは一切やらないという学生でした。そのため高校まではまだやりたい仕事も夢もなかったため、大学進学のための勉強を一切やらないような学生でした。試験の追試は常連で、成績は赤点だらけで夏休みは補講の毎日でした。一方で音楽がとても好きで毎日のように楽器を弾いて、ギター、ピアノ、ドラムがどんどん上達していきました。

    今思えば、もう少し高校までに勉強をしておけば良かったとは思いますが、自分がやりたいまたは、やる必要があると思わない限り、最大限の効果はないと思います。「好きなことをやる」ということが何よりの上達の秘訣だと思います。

  • 「全力で頑張った経験が未来を支える」

    中高校生のうちに、やっておいてよかったなと思うことはなんでしょうか。

    自分の全てを捧げて頑張ったという経験です。私にとってのその経験は、高校時代に椎間板ヘルニア(腰の病気)になり、高校を同級生と一緒に卒業するために治療に励んだことです。体調が悪い時は学校に行くのも大変でしたが、腰に痛み止めの注射を打って通学し、部活のようにリハビリに励みました。

    ある人にとっては、その経験は部活かもしれないし、受験かもしれないです。短期間でもいいし、目標もなんでもいい、さらに結果も決して望むものでないかもしれないです。しかし、若い時の全力で頑張ったという経験は、将来困難に出くわした時の大きな力に変わります。

  • 私のおすすめの1冊!
    「宮沢賢治『虔十公園林』が教えてくれた大切なこと」

    中高生におすすめしたい本とその理由を教えてください。

    宮沢賢治が作った短編物語の「虔十公園林」です。
    私は、これを小学校の国語の時間に初めて読みました。当時は読んでみても特に印象に残りませんでしたが、それから20年後にもう一度読んでみた時に、自分の中で大きな感動がありました。世界に残っていくもの、社会でずっと変わらずに必要とされるものとは何なのか。そして、それらを残していく、または作っていくような人というのは、物語に登場する虔十のように周りにバカにされるような人なのかもしれません。

  • 探究チャレンジ!
    「AIが進化する時代において、AIに頼ってはいけないことはないだろうか」

    あなたの仕事の中で取り組んでいる問題や社会的課題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「AIが進化する時代において、AIに頼ってはいけないことはないだろうか」

    ー「考えてほしいこと」
    「AI(人工知能)は、私たちの生活にどんどん大きな影響を与えています。医療の分野でも、診断や治療のサポートにAIが使われるようになってきました。しかし、AIには限界もあります。AIに頼りすぎることで、私たち人間が大切にしなければならないことを見失ってしまう可能性もあるかもしれません。では、どんな場面で、AIには頼らない方がよいか、考えてみましょう。」

    ー「基本知識」
    「AIはたくさんのデータを調べたり、何かのパターンを見つけるのが得意です。例えば、病気を見つけるのを早くしたり、どんな病気になりそうかを予想することもできます。でも、AIにもできないことがあります。例えば、人の気持ちを理解することや、人として何が正しいか間違っているかを決めるのは苦手です。また、医療のほかにも、いろんなところでAIに頼りすぎると、危ないことが起こるかもしれません。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「なぜ、AIに頼りすぎると問題があるのでしょうか?(例:AIは感情がないため、患者の気持ちを理解できない など)」

    ②調べる:
    「AIに頼ってはいけない場面について、世界では、どのような議論がされているか調べてみましょう。(例:AIが正確にデータを処理できても、判断をするときに人間の感情が必要な場面を探してみるとよいでしょう)」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、AIにはできないことをもとに、これからの時代を生きる私たちはどのような力やスキルを身につけておく必要があるかを考えてみましょう。(例:相手の心を理解して話す力、新しいアイデアを考える力、協力して問題を解決する力など」

全国の子どもたちが、
「学校が好き」 と言える世の中を目指して

岡本 真穂

企業・団体名
国家公務員(文部科学省)
出身
兵庫県
学歴
大阪府立大学(現・大阪公立大学)卒業
職歴
文部科学省(初等中等教育局児童生徒課生徒指導室生徒指導第一係) ー 文部科学省(総合教育政策局地域学習推進課家庭教育支援室家庭教育振興係)
子供の頃の夢
小学生の時キャビンアテンダントに憧れた時期がありましたが、英語がとても苦手だったので、早々に断念しました。
中学生の時の部活動
バドミントン部
  • 「みなさんが通っている学校と深いつながりがある
    文部科学省ではどんな仕事をしているの?」

    岡本さんが働いている文部科学省とは、どのような組織なのか教えてください。

    私が働いている文部科学省とは、簡単に言うと、日本の教育、科学技術・学術、文化、スポーツを支えるための国の機関です。

    例えば、全国の子どもたちが平等に学べるよう、皆さんが学校で習う勉強の内容や学習の方法をより良くするために、教育に関する法律やルールを作るといった仕事をしています。

    また、オリンピック・パラリンピックなどの競技大会で選手が活躍できるようにしたり、みんなが楽しくスポーツができるような環境を整えたりもしています。
    <参考>:「文部科学省」ってどんなところ?:文部科学省

  • 「家庭と社会をつなぐ:文部科学省で働く岡本さんの挑戦」

    文部科学省で、岡本さんが現在行っている取り組みについて教えてください。

    私の所属している部署は、家庭教育を支援する役割を担っています。

    「家庭教育」と言うと、あまり聞きなじみがないかもしれませんが、簡単に言うと、お箸の持ち方や挨拶、子どもにいつからスマホを持たせるか…など、保護者が子どもに対して行う「しつけ」のようなものです。

    このような「しつけ」については、もちろん各家庭の方針があるので、保護者が責任をもって自分たちの考えで行っていただくものですが、保護者もどうしたら良いかわからないなど不安や悩みを抱えています。その時に保護者の方がすぐ相談できるようにするなど、安心して子育てをしていただける環境を作るための取組をしています。

    例えば、「家庭教育支援チーム」という元教員や子育て経験者など地域の様々な立場の方で構成されたチームが各地域にあります。ここでは、頑張って取り組んでいるチームに対して、文部科学省から「お墨付き」のようなものを与えるなど各チームの取組を後押ししています。
    <参考>:「家庭教育支援チーム」とは?:文部科学省

    また、私の部署では「こども霞が関見学デー」という大きなイベントを行っています。このイベントは、主に小中学生・幼児等を対象としており、普段なかなか立ち入ることができない霞ヶ関にある28府省庁等(法務省や外務省 といった、国の様々な問題や分野に対応するための組織)に、子どもたちを招待し、社会や国が現在取り組んでいることについて学んでもらう機会を提供しています。

    会場にはさまざまなブースが出展されており、文化祭のような雰囲気の中で楽しく学べるような場になっています。私の部署では、各省庁の調整を行い、特に文部科学省が主催するイベントの中心的な役割を担って、この企画を進めています。
    <参考>:「こども霞が関見学デー」とは?:文部科学省

    文部科学省へ入省した当初は、不登校の子どもたちを支援する部署に所属していました。学校に通えなくても、将来の社会的自立に向けて、その子に合った学びの場を提供できるように支援する役割です。もちろん、文部科学省として学校は重要だと考えていますが、私自身の最終的な目標は、日本の子どもたちみんなが自信を持って自分は幸せだと言えるような環境を作ることです。そのため、この仕事は私にとって、とてもやりがいがありました。
    <参考>:「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策」について:文部科学省

    一方、この仕事を通して、家庭が子どもにとって一番の居場所であり、根幹となる大切な場であることから、家庭での教育にも関心を持つようになりました。文部科学省では視野を広げるためにも、定期的に部署を異動することとなっているので、人事担当に関心を伝えたところし、希望が叶って家庭教育に関連する仕事ができる今の部署に異動することとなりました。

  • 「みんなが”学校が好き”と言える環境を実現したい」

    岡本さんが、文部科学省で働こうと思ったきっかけを教えてください。

    私は中学生・高校生の頃、特に「これになりたい!」といった夢がなく、大学進学時も、将来の職業については意識せず、当時、興味をもっていた分野に進学しました。
    しかし、就職について考え始めた頃、もともと「学校」という場所が好きだったこともあり、学校に関わる仕事に就きたいなと思うようになりました。

    そして、私がそうであったように、日本に住む子どもたちが、全国のどこに行っても「学校が好きだ」と堂々と言えるような環境を実現したいという思いから、文部科学省に入省しました。

    多くの人は、「学校に関わる仕事=教員」とイメージするかもしれませんが、私は全国の学校と関われるという点に惹かれ、教員ではなく文部科学省の道に進むことにしました。

  • 「国の機関で働く岡本さんの、やりがいと大変なところってなんだろう?」

    岡本さんにとって、文部科学省職員としてのやりがいや魅力を教えてください。

    私が特にやりがいを感じた2つの経験をお話しします。

    1つ目は、「こども霞が関見学デー」の企画・運営に携わった時です。
    文部科学省は普段、各都道府県や市町村に設置されている「教育委員会」を通じて学校・保護者・子どもたちへ発信したり、支援したりすることが多く、保護者や子どもたちに直接関わる機会は限られています。
    しかし、このイベントにおいては、子どもたちが実際に来場し、省庁の活動について様々なことに興味を持ってもらえる場となっています。
    実際に子どもたちと会うことができ、子どもたちの興味や関心を近くで見られたことでやりがいを感じましたし、さらにこの仕事を頑張っていこうと思いました。

    2つ目は、国の機関として、新しい施策(取り組み)などの発表があると、テレビや新聞といったメディアに取り上げられて大きな反響を呼ぶことです。
    私が参加した会議の映像がニュースに流れたり、会議で決まったことが特集として扱われたりすることで、自分たちの仕事が社会に大きな影響を与えていると実感できる瞬間が多くあります。ちなみに、私がこの仕事に就いて2週間後に携わった会議の映像もテレビで放送されていました。
    これは、国の機関の仕事ならではのやりがいを感じられるところです。

  • 一方で、大変だなと思うことはありますか?

    先ほどの話とも重なりますが、文部科学省の取組は大きな反響を得ていると感じつつも、 その施策によって、先生方の負担が増えてしまっていないか、子どもたちの学ぶ環境がそれによって本当に良くなっているのかといった具体的な変化は、見えにくい部分があります。
    実際に学校の視察に行って子どもの反応を見たり、先生方と直接お話しする機会を設けたりなど、現場の声を聞く努力はしていますが、限界を感じることもあり、そういった部分はこの仕事の難しいところだと感じています。

  • 「子どもたちの輝く姿は、この仕事の原点!」

    岡本さんが文部科学省で働かれる中で、印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

    以前、不登校を担当する部署にいた際に、「学びの多様化学校」に関わる仕事をしていました。「学びの多様化学校」とは、不登校の子どもたちを対象として、自分に合った学習が行えるような教育を行う学校のことです。当時は全国で20校程度と非常に少ない状況で、各自治体もこうした取り組みの経験がほとんどありませんでした。

    しかし、不登校の子どもたちに安心して学べる場を提供したいという熱い思いを持った方々が、どうしたら子どもたちが安心して楽しく通うことができるか、カリキュラム(学ぶ内容)はどのようなものが良いかなどについて議論を重ねてくださり、私たちも微力ながらお手伝いをさせていただきました。

    そして、たくさんの苦労を乗り越えて開校できた学校に子どもたちが通い始め、楽しそうな表情を見せているという話を聞いたり、実際に訪問した学校でキラキラと輝く子どもたちの姿を目にしたりしました。前の学校でうまくいかなかった過去を感じさせないほど生き生きとしている子どもたちの姿を見られたことは、私がもともと目指していた「学校が好きだ」と子どもたちが思える環境づくりにもつながり、大変印象深い経験となりました。

  • 「いろんな人と関わってみよう!」

    ここからは、岡本さんの中高生時代のお話もお聞かせください。岡本さんは、中高生の頃はどんな学生だったんですか?

    私の中学生時代は、部活動が生活の中心でした。高校時代は、文化祭の実行委員や、1年生へ向けて行うオリエンテーションの委員など様々な学校行事の委員を経験しました。
    先生からすると良い生徒ではなかったかもしれませんが、勉強よりも、部活や行事に夢中になっていた学生時代でしたね(笑)

  • この記事を読んでいる中高生に向けて、岡本さんの経験を踏まえて、中高生時代にやっておいたほうが良いことなどアドバイスをお願いします。

    中高生時代は、「いろんな人と関わる」ことが、とても重要だと感じています。仲の良い友達と過ごすことも大事ですが、学校には、気軽に話せるような人から、そうでない人まで、様々な人がいます。

    私自身、イベントの企画・運営をするのが好きで、学生時代は、実行委員としていろんな人と関わる機会が多くありました。このような活動では、必ずしも親しい友達だけではなく、様々な考えを持った人たちと一緒に活動します。異なる意見や視点を持つ人たちと1つのものを作り上げるには、時として、意見がぶつかることもありますが、折り合いをつけたり、さらに良いアイデアを見つけるなど、最終的には同じ方向を向いて活動していくことが必要です。

    この経験は、社会に出てからも役立つ大切な経験として生きています。特に、学生のうちは、失敗しても先生や周りの人が助けてくれることが多いので、こうした経験をたくさん積んでほしいなと思います。

  • 私のおすすめの1冊!
    「“図書館戦争”から学ぶ人生のヒント」

    岡本さんが中高生におすすめしたい、本はありますか?

    私が高校生の時に大好きだった本に、「図書館戦争」があります。この作品は、言葉や表現が規制される時代に、本を守る「図書隊」が表現の自由を守るために戦うというお話です。
    最近の世の中では、SNSでのちょっとした発言が誤解を招いたり、人を傷つけてしまったりすることが増えています。そういった点からも、言葉や表現について改めて考えさせられる本だと思います。

    個人的な意見としては、是非、この本に出てくるキャラクターたちに注目してほしいです。特に私は「柴崎麻子」というキャラクターが好きです。彼女は図書隊のメンバーですが、戦闘に直接参加するのではなく、情報や人とのつながりを駆使して後方支援に徹しています。
    「図書館戦争」というと、戦闘シーンをイメージしがちですが、彼女は自分の得意分野で戦う強い女性として描かれています。

    この作品は、自分の得意な方法で戦うことや、いろいろな考え方や性格を持つ人たちとの交流がテーマになっていて、キャラクターたちから「自分にもこんな道があるのかもしれない」「こういう生き方はかっこいいな、自分もこんなふうになりたい」と思えるヒントを見つけられるかもしれない、魅力的な物語だと思います。

  • 探究チャレンジ!
    「皆さんが通っている学校をもっと魅力的にするにはどうすればよい?」

    岡本さんが、中高生に考えてほしい探究テーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!
    ー【探究学習のテーマ名】
    「皆さんが通っている学校をもっと魅力的にするにはどうすればよい?」

    ー「考えてほしいこと」
    『私が一番考えてほしいのは、「どうやったら自分の学校がもっと魅力的になるか」「どうしたらみんながこの学校が好きと思える場所にできるか」という点です。いきなり学校全体について考えるのが難しい場合は、まずはクラスや学年単位で「どうしたらみんなが楽しく過ごせるか」を考え、その後、学校全体に発展させると良いかもしれません。段階的に取り組むことで、具体的なアイデアも生まれやすくなると思います。』

    ー「基本知識」
    『学校を楽しく魅力的にするために、日本各地でさまざまな取り組みが行われています。例えば、「校舎の工夫」「学校行事の充実」「地域との連携」などが挙げられます。他にもどんな工夫がされているか、調べてみましょう』

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「現在、学校生活で困っていることや、もっとこうなったらいいなと思うことを書き出してみましょう。」

    ②調べる:
    「他の日本の学校がどんな工夫をしているか調べてみましょう。外国の学校にも目を向けてみると、ユニークな例が見つかるかもしれません。」

    ③解決策を考える:
    「自分たちの学校(クラス)をもっと魅力的にするためには、どんな工夫ができるでしょうか?例えば、新しい行事を企画する、施設を使いやすくするアイデアを考える、先生や友達との関係をよくするための工夫などを考えてみましょう。」

スイーツの世界へようこそ!
~パティシエの魅力に迫る~

堀口  豊

企業・団体名
パティシエ
出身
神奈川県
学歴
国際フード製菓専門学校
製菓製パン科
職歴
西鎌倉レ・シュー-ケーキハウス 幸せの丘-しあわせのお菓子ツリーオーブン
子供の頃の夢
プロ野球選手
中学生の時の部活動
野球部
  • 「パティシエを目指した理由とその背景」

    堀口さんが、パティシエになられたきっかけを教えてください。

    昔から手に職をつけたいと漠然と思っていたのですが、自分は器用なタイプではないので、一つのことを極める方が合っていると感じていました。また、甘いものやケーキが好きだったこともあり、自然とこの道に興味を持ちました。それに、いとこが同じような仕事をしていたこともあって、その影響も少なからずありました。

    専門学校では、パンや和菓子、洋菓子を学べるコースがあり、そこで色々なジャンルを学びながら、最終的に洋菓子を選びました。

  • 様々な選択肢がある中で、堀口さんが洋菓子を選択した理由と、パティシエとして働くには他にどんな選択肢があるのか教えてください。

    一口に洋菓子屋と言っても、自分の興味や目指すキャリアによって、たくさんの道があるんです。店舗を構えて働くだけでなく、ホテルのパティシエ部門や、大手の工場でケーキを作る道、新しい商品を開発する研究職に進むこともできます。

    私は、自分が作ったお菓子を買ってくれたお客様の顔が見たいと思っていたので、接客を通じて、自分の作ったものを直接お渡しできる個人店で働くという道に進みました。

  • 「朝6時から始まるこだわりの一日」

    パティシエの1日のお仕事内容について教えてください。

    朝は早く、日によっては、6時からスタートします。お店が10時に開店するので、それまでにショーケースにケーキやシュークリームを並べる準備を行います。その後は仕込みがメインになります。すべてのケーキがその日の朝に作られるわけではなく、焼き菓子やムースなどは、冷凍保存して1週間分を少しずつ使うこともあります。

    他には、予約されたケーキを作ったり、ショーケースで減ったケーキを補充したり、季節やイベントに合わせた新しいケーキの試作を行うこともあります。また、在庫管理や食材の発注、衛生管理なども大切な仕事です。常にケーキやお菓子を作り続けながら、お客様の要望に応える柔軟な対応も求められるのがパティシエの一日の流れです。

  • 「届ける喜び、広がる笑顔」

    パティシエとしてのやりがいは何ですか?

    やっぱり自分が作ったものを直接お客様に届けられることですね。イメージしやすいのが、バースデーケーキで、お祝いの場で喜んでいただけるのを見ると、本当にやりがいを感じます。お客様が笑顔でケーキを受け取る姿は何度見ても嬉しいです。

  • 一方で大変な点はありますか?

    立ち仕事や力仕事が多く、仕事で体力を使う部分はやっぱり大変ですね。ただ、体力的に厳しい仕事ばかりではなく、カフェなどの選択肢もあります。ケーキをコーヒーと一緒に提供し、接客も楽しめるカフェは女性に人気です。パティシエの専門学校からそうした道に進む人も多く、様々な選択肢があるので、そこは安心してもらえればと思います。

  • 仕事の中で、特に印象に残っているエピソードがあれば教えてください 。

    世間的な話ですが、友達にケーキを作ってあげられるのは、この仕事の特権だと思います。友達にとって大切なウエディングやプロポーズのサプライズ用ケーキなど、一生の思い出になるような特別なケーキをお願いされることがあります。先日は、まるで工芸品のようなケーキを作って友達を驚かせたんですが、そんな時は感動して泣きそうになりますね。

    ケーキを見て笑顔になって、ケーキを食べてさらに笑顔になって、その空間にどんどん笑顔が広がっていく瞬間は、本当にうれしいです。

  • 「考える力とセンスを磨く」

    この記事を読んでいる中高生に向けて、大切にしてほしいことはありますか?

    考える力を養うことが大切です。勉強はもちろん重要ですが、実際の仕事では頭を使う場面が多くあります。ケーキ作りでも、科学や数学の知識が役立ちます。卵白や砂糖の分量など、理論を理解することで、より良いものを作れるようになります。

    あとは、自分のセンスを磨くために、日々いろいろなものに触れることが大切ですね。 日常生活の中で、ファッションや美容、コスメなど、さまざまなものを見て感じ取ることが大切です。「この色にはこの色が合うんだな」とか「今の流行はこれだな」といった感覚を取り入れる能力が大事です。
    センスというのは生まれつきのものではなく、磨くものです。自分にはセンスがないと思って諦める必要はありません。磨けば良くなっていくものなので、諦めずに努力していけば必ず向上すると思います。

  • 私のおすすめの1冊!
    「パティシエになるためにー専門書で学ぶプロの技術と知識-」

    中高生におすすめしたい本はありますか?

    本屋にある厚いケーキ本や専門書では、ケーキの仕組みや背景まで詳しく解説されているものが多く、それを見るとケーキ作りの理解が深まります。作る際の細かなポイントや、どういうイメージで仕上げているのかなども載っているので、そういった本はとても役立ちます。

  • 探究チャレンジ!
    「職人の人手不足を解決するために、技術を効率的に磨く工夫を考えてみよう」

    堀口さんが取り組んでいる問題や社会的課題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「職人の人手不足を解決するために、技術を効率的に磨く工夫を考えてみよう」

    ー「考えてほしいこと」
    「日本では、パティシエや他の職人たちの世界で人手不足が深刻な問題になっています。昔は長い修行期間が必要でしたが、現在の労働環境では、効率的に技術を磨く方法が求められています。職人として一流の技術を持ちながらも、働きやすい環境を整えるためには、どのような工夫ができるでしょうか?技術を早く身につけ、現場で活躍できるようなアイデアを考えてみてほしいです。

    例えば、最新の技術を使ったトレーニング方法や、オンラインで学べるシステムなど、現代のツールを活用する方法が考えられます。また、職場での指導方法や、学びやすい環境をどう整えるかも重要であると思っています。」


    ー「基本知識」
    「日本では、多くの職人が人手不足の影響を受けています。特に、パティシエのように長時間労働や厳しい修行が必要とされる職業では、新しい人材が集まりにくくなっています。実際に、経済産業省のデータでは、飲食業や製菓業での人材不足は年々深刻化しており、職場での効率的な技術習得が求められています。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「どうして職人の世界では人手不足が問題になっていると思いますか?」

    ②調べる:
    「職人が効率的に技術を身につけられる方法や工夫を調べてみましょう。例えば、デジタル技術やオンライン学習の活用、職場での教育システムの改善などについてインターネットなどで探してみてください。」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、あなたは職人が短時間で技術を身につけるために、どんな工夫が必要だと思いますか?」

お客さんがお店に来るには秘密があった!
〜データ分析でお店をつくる〜

齊藤 和也

企業・団体名
ホームセンター企画部
出身
神奈川県
学歴
法政大学デザイン工学部システムデザイン学科
職歴
【株式会社カインズ】カインズ 御殿場店 ‐カインズ 香取小見川店 - 次世代推進統括部次世代店舗オペレーション開発室 - Style Factoryららぽーと湘南平塚店 - 店舗改装企画部販売効率改善グループ
子供の頃の夢
料理人
中学生の時の部活動
卓球部
  • 「人と関わる楽しさと商品を届ける仕事がしたい 」

    齊藤さんが現在のお仕事に就いたきっかけを教えてください。

    学生時代に経験した接客業のアルバイトを通じて、人と関わる仕事が好きになったことが大きなきっかけの1つですね。また、大学生時代はモノづくりに関する学部に通っていたので、商品を作って世の中に届ける仕事に興味を持ち、カインズに入社しました。就職活動では、接客業の他にもいろいろな職種・業種を見てきましたが、当時からカインズが一番接客に力を入れているなと感じていました。

  • 大学時代の経験が今の仕事に繋がったんですね。入社後はどのようなご経験をされましたか?

    カインズに入社して3年半ほど店舗での勤務を経験した後、本部に異動して、新しいシステムの導入に関わる仕事に携わりました。その後、1年半ほどで「スタイルファクトリー」という業態の店舗で2年間働いたのち、再び本部に異動し、現在に至ります。現部署では、店舗で実施した改装の効果を分析する業務を行っています。改装の前後で売り上げやお客様の反応がどのように変化したのかを数値化して、改装の効果を検証する業務に取り組んでいます。

  • 店舗改装の効果を分析する部署とはどんなお仕事するところなんでしょうか?

    改装後の効果検証の内容を報告することで、店舗の改装に関わる会社全体の方向性が変わる可能性が大きくあります。「この改装は成功だった」と評価されれば、それが今後の店舗改装の基準になり、「やらない方が良かった」と判断されれば、次回以降の改装の計画に影響を与えます。そういった意味で、自分の分析結果が次の店舗の改装に影響を与えるので、大きな責任とともに、やりがいも感じられる部署に来ることができたと感じています。

  • 「店舗のデータ分析で感じるやりがいと難しさ 」

    そのお仕事の中で、齊藤さんが感じる魅力ややりがいは何でしょうか?

    改装後の効果検証の内容を報告することで、店舗の改装に関わる会社全体の方向性が変わる可能性が大きくあります。「この改装は成功だった」と評価されれば、それが今後の店舗改装の基準になり、「やらない方が良かった」と判断されれば、次回以降の改装の計画に影響を与えます。そういった意味で、自分の分析結果が次の店舗の改装に影響を与えるので、大きな責任とともに、やりがいも感じられる部署に来ることができたと感じています。

  • 一方で、大変だなと思うところはありますか?

    分析に使うデータを整理しながら、どのように分析すべきか模索しながら進めている部分があり、その点が大変だと感じます。店舗の改装について、分析や効果検証を行う仕事が本格的に始まってから、数年で少しずつ作業方法が改善されてきたものの、1つ1つデータを整理しながら、最適な分析方法を探りつつ進めている状況で、まだまだ改善の余地があるように考えています。

  • 「お客様と一緒にDIYで作り上げた達成感 」

    お客様と関わる中で、特に印象に残っているエピソードはありますか?

    くらしのDIY※に力を入れた業態「スタイルファクトリー」でのエピソードです。スタイルファクトリーは、ただ商品を買うだけでなく、「自分で何かを作りたい」という思いを持って来店されるお客様が多い店舗です。ある日、キッチンの収納棚を自分で全部作りたいというお客様が来店されました。しかし、作り方が全く分からないとのことでご相談をいただきましたので、私もそのお客様と一緒に、何度も作業を行い棚の完成を目指しました。最後は、お客様が喜びの報告と共に完成品の写真を見せてくださり、この仕事をしていて本当に良かったと思いましたし、大きなやりがいを感じました。
    ※DIY:Do It Yourselfの略。自分自身で棚や家具など何かを作ってみることをいう。

  • 「好きなことを追求した学生時代が今につながる」

    ここからは斎藤さんの中高生の頃のお話も聞かせてください。齊藤さんが中高生の頃は、どのような生徒でしたか?

    中高生の頃は、正直そんなに勉強熱心ではなくて、部活や友人との交流が中心でした(笑)ただ、そんな時間を過ごす中で、仲間と一緒に何かを達成する楽しさや、友だちと話し合いながら自分の考えを深める大切さを学びました。その時の経験は今の自分にとってかけがえのない財産だと思っています。

  • 齊藤さんが中高校生のうちにやっておいてよかったなと思うことがあれば、ぜひ教えてください。

    勉強も大切ですが、特に好きなことをとことん追求することが大事だと思います。私は数学が好きで、それを極めることで大学に進学できました。好きなことを深掘りすることで将来の武器になると感じます。中高生時代には具体的になりたい職業は決まっていませんでしたが、モノを作ることが好きだったので、大学もその方向で選び、現在もモノづくりに関わる仕事をすることができています。勉強に限らず、好きなことをしっかり追求することが将来の道を切り開く力になると感じています。

  • 私のおすすめの1冊!
    『未来を考える力を養う「SF思考 ビジネスと自分の未来を考えるスキル」』

    齊藤さんが、中高生におすすめしたい本とその理由を教えてください。

    「SF思考 ビジネスと自分の未来を考えるスキル」という本は、考え方を壊されるようなインパクトがある本で、中高生にもおすすめです。私の場合は、この本を通じて接客業や小売業といった分野の固定観念を打破して、未来のビジネスをどう考えるかを学びました。10年後や30年後の未来を想像して、ゼロから考える「SF思考」という考え方は、ビジネスだけでなく、自分自身の未来をどう切り開くかを考えるための力を養うのに役立つと思います。この本は、物語的な構成になっているため、中高校生にも非常にわかりやすい内容で、読みやすく勉強になる部分が多いと思います。将来の進路や自分のやりたいことを考える上で、ぜひ一度手に取ってみる価値があると思います。

  • 探究チャレンジ!
    「あなたが住んでいる街の特徴を踏まえて、どんな商品があったらいいか考えてみよう」

    最後に、 齊藤さんの仕事の中で取り組んでいる問題や社会的課題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「あなたが住んでいる街の特徴を踏まえて、どんな商品があったらいいか考えてみよう」

    ー「考えてほしいこと」
    「私の仕事は、より多くのお客様がカインズの店舗に来てもらえるように、どんな商品を取り扱うか、どのようなレイアウトにすると良いか考えることです。その時には、店舗がある地域の特徴や特色を考慮しながら考えます。そこで、皆さんが住んでいる街では、どんな商品を売れば、多くの人が買ってくれそうか考えてみてください。
    例えば、気候(暑い地域・寒い地域、雨が多い地域・少ない地域)、人口(若者や子供が多い地域、お年寄りが多い地域)、立地(車の通りが多い・少ない)などを踏まえて考えてみてです。他にも、キャンプ場が近くにあるなどの特色があれば、キャンプ用品が売れるかもしれません。」

    ー「基本知識」
    「ホームセンターは生活に必要な商品全般、生活していて、これが欲しい、あったら便利と思う商品をなんでも提供しています。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「今、世の中で流行っている商品はどうして人気があるのでしょうか?また、人々が欲しがっている物はなんでしょうか?(例:今年の夏は、非常に暑かったため、小型の扇風機が売れていた。台風や地震などのニュースが多くやっていたので、災害に備えて防災グッズが売れていたなど)」

    ②調べる:
    「地域の人々がどんな商品を求めているのか調べてみましょう。(例:他の地域で売れている人気商品や、今流行しているものなどをインターネットなどで調べてみてください)

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、あなたが住んでいる街の特徴を踏まえて、どんな商品があったらいいか考えてみましょう。(例:観光地➡観光客向けの商品、自然豊かな街➡環境に配慮した商品など)」

自分と同じ思いはさせない!
〜未来のサッカー選手を支えるフィジカルコンディショニングコーチの役割とは?〜

小山 大貴

企業・団体名
スポーツトレーナー
(清水エスパルスJY三島 フィジカルコンディショニングコーチ) 
出身
栃木県
学歴
国際医療福祉大学 保健医療学部 理学療法学科卒業
職歴
フジ虎ノ門整形外科病院ー清水エスパルスジュニアユース三島
子供の頃の夢
サッカー選手
中学生の時の部活動
サッカー部
  • 「怪我からの転機〜サッカー選手を支える仕事を目指した理由〜」

    小山さんは、現在プロサッカーチーム、清水エスパルスの中学生チームのフィジカルコンディショ ニングコーチをされているとお聞きしました。現在のお仕事に就かれたきっかけについて 教えてください。

    もともと、私自身がサッカーで怪我をした経験から、サッカーに携わる仕事をしたいという思いがあり、理学療法士になるための大学に進学しました。そして、就職を考えた時、スポーツのリハビリに力を入れている病院で働くことが、サッカーに携わる仕事をする近道だと思い、静岡の病院に就職することとなりました。その病院で、スポーツ疾患の患者様だけでなく、様々な病気やケガの患者様を担当しながら、サッカーの現場にも携わるようになり、サッカー専門のリハビリ経験も積んでいきました。

    そして、清水エスパルスジュニアユース三島(中学生のためのサッカーチーム)が新しく設立されるというタイミングで、縁があって、フィジカルコンディショニングコーチとして所属することになりました。

  • ご自身の怪我がきっかけで、理学療法士を目指されたとのことでしたが、そこにはどんな思いがあったのでしょうか?

    高校でもサッカーを続ける予定でしたが、中学3年生の時に怪我をしてしまい、手術が必要な状況でした。高校1年生の春、手術を受け、理学療法士の方にお世話になりました。しかし、結局、高校サッカーは、不完全燃焼で終えてしまい、私の中で「もっと自分にできることがあったのではないか」という思いが芽生えました。それがきっかけで、同じような経験を他の人にはしてほしくないという気持ちが強くなり、理学療法士を目指すきっかけになりました。

  • 「フィジカルコンディショニングコーチのお仕事とは」

    小山さんのフィジカルコンディショニングコーチとしての、具体的なお仕事内容について教えてください。

    私は、中学1年生から3年生までの合計、約60人の選手を担当しています。選手が怪我をした際には保護者や提携する病院のスポーツドクターと連絡を取りながら、復帰までのプランを立て、リハビリメニューを考えます。
    練習前には、各学年のコーチとコミュニケーションを取り、選手のリハビリテーションの進捗状況などを共有します。状態によっては参加できるトレーニングメニューもあるので、どの程度プレーできるか、その都度コミュニケーションをとることは非常に大切です。

    また、サッカーでは走る力やジャンプ力、身体の強さが重要です。そこで、中学生からフィジカルトレーニングを取り入れ、怪我予防にも努めています。選手の疲労を考慮し、トレーニングの負荷はコーチと相談しながら調整します。
    さらに、中学生は成長期で、身体が大人に近づいていく時期でもあるため、食事や栄養、睡眠、体のケアについても指導します。

    ここで重要なのは、選手だけでなく、選手を支えるスタッフや保護者とも協力しながら、子どもたちが最適な状態でサッカーに取り組める環境を作ることです。

  • 「選手の成長を見守る日々」

    小山さんの思うフィジカルコンディショニングコーチのお仕事の魅力はなんでしょうか?

    ありきたりですが、怪我をして試合に出られなかった選手が元気に走り回って、楽しそうにサッカーをしている姿を見るときです。選手たちは、最終的には、プロ選手を目指していますが、まずは、サッカーが好きという気持ちでプレーをしているので、楽しそうにボールを追いかけている姿を見ると嬉しくなります。また、年間を通じてリーグ戦や主要な大会もあるので、その結果に一喜一憂できることも楽しいです。勝って安心したり、負けて悔しい思いをしたり、そういった感情の起伏があるところも、この仕事のやりがいであり、面白さかもしれません。

  • 一方で、大変だなと思う部分はどこにありますか?

    私たちの仕事は、勤務時間が決まっているわけではありません。朝一番に子供たちから体調不良の連絡や怪我の相談などといった連絡が来ることもあります。常に、子供たちのことを考えているので、少し気が休まらないのは大変なところかもしれません(笑)

  • 「たくさんのことに触れて視野を広げよう」

    ここからは小山さん自身の中高生時代についてお聞きしたいです。中高生の頃を振り返って、中高生の時にやっておいて良かったなと思うことがあれば、ぜひ教えてください。

    学生の頃から、本や映画、雑誌など、いろんなものに触れていたことです。それによって、サッカー選手を目指しつつも、この仕事もいいな、あの仕事もいいな、と思うことが多くありました。たまたま怪我をしたことで理学療法士になりたいという気持ちが強くなりましたが、1つのことにこだわらずに、色々なことに興味を持っていた子供時代だったと思います。これも面白そう、あれも面白そう、と落ち着かない学生でしたが、そのおかげで視野が広がった部分もあったのかもしれません。

  • 小山さんのようにスポーツに関わり続けたいと思っている中高生にむけて、現段階で頑張っておいた方がいいことなどアドバイスがあればお願いします。

    現場でサッカーに関わりたいと思っても、その道はたくさんあります。スポーツ選手になることだけではなく、スポーツに関わる仕事は沢山あります。普段テレビで見ているスポーツの試合などを開催するにあたって、沢山の方が関わっています。情報を集め、どのような職業があるか知っておくことが大切であり、目標が定まったときに選択肢が狭くならないように、日ごろから勉強を頑張っておくべきだと思います。

  • 実際、フィジカルコンディショニングコーチとして働くには理学療法士以外の資格でもなることができるのでしょうか?

    私は理学療法士の免許を持ち、フィジカルコンディショニングコーチとして働いていますが、クラブによってはアスレチックトレーナーなど、様々な資格を活かして働いている方がいます。
    もちろん、この分野で働くためには、それに関連した勉強は必要です。もし、スポーツの分野を目指したいのであれば、まずはその入り口から考えていかないといけません。どれだけ経験があっても、免許や資格がないと「本当にできるのか?」と疑われてしまうことがあります。資格は、いわば自分を証明する名刺のようなものです。

  • 私のおすすめの1冊!
    「″大切なものは目に見えない″『星の王子様』が教えてくれた人生の気づき」

    小山さんが中高生におすすめしたい、本を教えてください。

    皆さんもご存じかと思いますが、『星の王子様です』。“大切なものは目に見えない”という一文がありますよね。忙しい毎日を過ごしていると、家族と過ごす「時間」というものが非常に貴重であると実感できます。また、現在の仕事に就くきっかけとなった「人との縁」なども大切にしたいと感じます。子供の頃にその本を読んだ時は、この言葉の意味がよく分かりませんでしたが、今になって“大切なものは目に見えない”という言葉が心に響くようになりました。

  • 探究チャレンジ!
    「夏場に安全にスポーツを楽しむためにはどのような工夫ができるか考えてみよう」

    小山さんが、仕事の中で取り組んでいる問題や社会的課題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「夏場に安全にスポーツを楽しむためにはどのような工夫ができるか考えてみよう」

    ー「考えてほしいこと」
    「 最近の日本の夏の暑さは、スポーツ活動において大きな課題となっています。炎天下での運動は体に大きな負担がかかります。そこで、夏場に安全にスポーツを楽しむためにはどのような工夫ができるか、みんなで考えてみましょう。」

    ー「基本知識」
    「日本では近年の気温の上昇が問題となっており、熱中症患者が増加しています。環境省によると、2020年には全国で約65,000人が熱中症で病院に搬送され、そのうち多くが夏場に集中しています。また、気象庁のデータによれば、過去100年間で日本の平均気温は約1.2℃上昇しており、猛暑日(35℃以上の日)の数が増えています。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「どうして夏場にスポーツをすると危険なことがあるのでしょうか?暑さが体にどのように影響するか、そしてどんな危険があるのかを考えてみましょう。」

    ②調べる:
    「熱中症を予防する方法を調べてみましょう。水分補給の仕方や、暑さを避けるための方法など、インターネットなどで調べてみてください。」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、夏でも安全にスポーツを楽しむためには、どんな工夫ができるでしょうか?水分補給の方法や、場所、時間の工夫など、具体的なアイデアを考えてみましょう。」

より良い国の仕組みやルールを考えたい!
私がルールを作れる官僚になった理由とは

西村 七瀬

企業・団体名
国家公務員(法務省 保護局)
出身
神奈川県
学歴
青山学院大学-一橋大学大学院 
職歴
法務省保護局総務課-仙台保護観察所-法務省大臣官房会計課-法務省大臣官房人事課-厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課-法務省保護局総務課(被害者等施策班)
子供の頃の夢
医者、獣医
中学生の時の部活動
陸上部
  • 「ルールを作る仕事で人々を守る」

    西村さんが、現在やられているお仕事について教えてください。

    どの立場で話せば、読み手の皆さんのイメージが湧きやすいか悩んでおります。国家公務員としてか、法務省の職員としてか、それとも保護観察官として話した方がいいのか・・・(笑)

    全部をザックリ説明すると、官僚(国家公務員)は、制度とか法令を作ったり、今すでにある法令や制度を改正したりするのが1番大きな仕事になります。
    法務省保護局での仕事は、犯罪をした方や非行のある少年が過ちを反省し、健全な一員として更生できるようサポートなどをする「保護観察」などの制度を作ったりするのが主な仕事になります。
    その中でも、今私が取り組んでいるのは、犯罪被害者支援です。犯罪被害者の方にどのような支援・制度が必要かを考えたり、今ある制度をさらに良くしていくために考え、実行したりするという仕事をしています。
    さらに、現場の話で言うと、「保護観察官」っていう仕事があって、裁判で保護観察処分を受けた人とか、刑務所から仮釈放された人が、再び罪を犯さないように、社会での生活を支えて指導するっていうのが保護観察官の役割です。

  • 保護観察官というお仕事は、初めて聞く人も多いかもしれません。対象となるのは、犯罪をした方たちになるのでしょうか。

    犯罪をした人と、非行のある少年ですね。刑罰という観点の大人と、教育という観点の少年では少し違いがありますが、再犯を防止するという目標は同じです。

    もう少し詳しく話すと、保護観察官の仕事は、基本的に罪を犯した人や非行のある少年との面接等を通じて、更生をサポートすることです。例えば、窃盗を繰り返してしまった人であれば、「最近、盗みたいという気持ちが出てきていない?」と確認して、もし「またやってしまいそうで怖いんだ」と言われたら、「その気持ちをどうやって抑えるか、一緒に考えてみよう」と同じことを繰り返さないように一緒に考えます。

    ちなみに最近、よく言われるのが、仕事をしていない人が再び犯罪をしてしまう確率が高いということです。そのため、再び罪を犯してしまわないように仕事をしてもらったり、住む場所を確保してあげたりもします。

  • 「自分を知ることが将来への一歩になる」

    西村さんが考える、今の中高生がこれからの人生を考えるときに、大切にしてほしいことがあれば教えてください。

    やりたいこと、やりたくないこと、そして得意なことや不得意なことを早い段階で知ることが大事だと思います。
    やりたいけど苦手なこともありますよね。苦手なことがあれば、それに対して「じゃあどう乗り越えようか、どう解決しようか」と考えることができるし、もしやりたいことで得意なことが見つかれば、それを信じて進んでいけばいいと思います。

    例えば、ゲームでもアイドルでもスポーツでもいい。それが将来どうキャリアに繋がるかを考えていく過程こそが将来につながると思います。将来のことを考える時、好きなことをどう発展させていくか、あるいは絶対にこれはやりたくないということをしっかりと考えることが自分の人生を見つめる上で大切だと思いますね。

  • 「理不尽な思いをしている人や、辛い思いをしている人を支えたい」

    西村さんが、将来について考え始めたのっていつぐらいの時期からですか?

    小学校の時から「将来の夢は何ですか?」って聞かれることがあったと思いますが、私はそれを真面目に考えていたタイプでした。

    幼稚園の頃なんかは「セーラームーンになりたい」くらいの夢だったんですが(笑)、それでも真面目に考えていたなと思います。
    今の夢に行き着いたのは大学生の時ですが、軸としては小学校や中学校くらいの頃から「理不尽な思いをしている人や、辛い思いをしている人を支えたい」という気持ちがずっとありました。それは、最初は、友人関係に対して抱いていたものですが、最終的に「仕事でもそういうことができたらいいな」と漠然と思っていました。
    「お医者さんになろう」と思っていたこともあるんですが、高校生になって「医学部はお金がかかるな」という壁にぶつかりました。それで、「医療以外にも人を支える仕事ってあるよな」と考え始めて、まずは大学でいろいろ学んでみようと決めました。

    大学では生命倫理や先端医療などを学んでいく中で、法のルールに引っかかる場面に直面し、そこから「法令や規制を変えることでも、人や生活の基盤を支えられるのではないか」と考えるようになりました。いま考えると、軸が決まったのは小中学生の頃「人の役に立ちたい」という気持ちが芽生え、それがいろいろな壁にぶつかりながら今に繋がったという感じです。

  • 今目指していることや、なりたい職業がある人でも何らかの理由で断念することってありますよね。その時に、なんでその職業に就きたかったのかという根本的なところを考え直すと、西村さんのように職業は違うけど、最終的には「人を支える」というところで繋がっている、そういう考え方もあるなと感じました。

  • 「行事に一生懸命取り組むことでわかる大事なこと」

    中高生時代を振り返って、西村さんがやっておいてよかったなって思っていることがあれば、中高生へのメッセージを踏まえてお願いします。

    やってみたいことは何でも挑戦してみたらいいと思っています。
    その中で自分的に特に大切だったな思うことは2つあります。1つは、学校の行事を全力で楽しむことです。面倒に感じる時期もあるかもしれませんが、クラスでの団結や体育祭、文化祭の一体感って、振り返ってみると、それが受験勉強や学生生活、人生においてもすごく大きな原動力になると思うんです。

    もう1つは、ボランティア活動です。私はユネスコの青少年グループに所属していて、「相互理解(知らない人とお互いに理解しましょう)」っていうのをテーマに活動していました。日本に住んでいる外国の方を招いて話を聞いたり、その文化に触れたりする中で、日本の問題に気づいたり、海外の方の熱意に驚かされたりしました。いろんな人と出会うことで新たな発見があるので、ボランティア活動はやってよかったなと思います。

    やりたいことがあっても何らかの事情でやれない、という壁がある場合には、それを助けてくれる仲間をみつけましょう。周囲にいる「良い大人」はきっと皆さんを助けてくれます。

  • 学校行事を一生懸命取り組むことがなぜ大切なのか、もう少し詳しく教えてもらえますか。

    様々な立場で行事に参加することがあると思いますが私自身、まとめ役を任されることが多くありました。そこで、その行事をやりたい子から、やりたくない子、得意な子から苦手な子まで、いろんな人がいる中で「どうすればクラス全体が盛り上がるか」を考えるのがすごく楽しかったですね。

    その経験を通じて、いろんな立場の人がいることを理解しながら「どうやったらみんなで楽しめるか」を考えること自体がとても大事だと思いました。それは、人のことを考える力を養いますし、自分ができることを率先してやる力もつきます。そして、みんなで一緒に取り組んだ結果、優勝はできなくとも「楽しかったよね」とみんなで言える経験は、結果以上に大事なものだと感じます。

    また、目の前のことに全力を出す、力を出すべき時に力を出すという経験は、この先も役立つ時が来ると思います。学生時代のこの思い出が、いつか皆さんの背中を押してくれるのではないかと思います。

  • 「社会のため、人のため」

    法務省の職員として働かれている魅力ややりがいをお聞かせください。

    魅力で言うと、やっぱり官僚(国家公務員)としては国の仕組みそのものを変えられるというところが大きいです。
    私が公務員を目指したきっかけにも繋がるんですが、実は大学院まで行って、研究者になろうかなって考えていたんです。ところが、研究をしていると、法令や規則に縛られて、自由にできないことが多いんだなと感じるようになりました。

    その中で、「今の技術ならもっとできるのに、なぜ規制されているんだろう?」という疑問を抱きながら研究をしていました。そこで、国の仕組みそのものを変えるには、自分がその立場にいないと変えられないんだって思ったんです。そういう思いがあってこのお仕事をしているので、私にとっては国の仕組みを変えられるというのは、本当に大きなやりがいです。

    また、出向していた厚生労働省での話になりますが、障害福祉に関する仕事をしていて、たくさんの当事者の方から生の声を聞きました。中には、かなり強い言葉や批判のようなものもありました。

    例えば、「次の法改正でこういう新しいサービスがあれば多くの人が助かるよね」というのを考えながら制度を作っていきますが、その新しいサービスを国民が使ってくださり、またそのサービスに対するよかったりダメだったりの生の声が聞ける、そういうことを実感できるのがこの仕事の大きなやりがいです。
    法務省での仕事について言えば、罪を犯してしまった人たちの立ち直りを支えることで、社会全体の貢献にもなります。これは、罪を犯した人のためだけでなく、社会全体や、被害者を生まないためにも大事な仕事です。こういった点で、社会のため、人のために直接貢献できるのが、この仕事の魅力だと思います。

  • 一方で、大変だなと感じる点はありますか。

    大変だと思うのは、すべての人にとって完璧な制度を作るのは、非常に難しいということです。
    正直なところ、全ての人に受け入れられる制度を作るのは不可能に近いことなのかもしれません。新しい制度を作っても、それを良いと思う人もいれば、「なんでこんなのが必要なんだ?」と思う人もいる。日本国民全員を幸せにする制度を作るのは非常に難しい。そういう意味で、いつまでたっても解決できない課題があるというのが大変だと感じます。

  • 私のおすすめの1冊!
    「条例のある街〜一つの条例をつくるために奔走した行政官の話〜」

    西村さんが中高生におすすめしたい本を教えてください。

    一冊を選ぶのは難しいんですが、あえて自分の役職やこの記事のテーマに合わせて選ぶとすれば、『条例のある街』という本です。
    この本は、千葉県で初めて障がい者差別に対する条例を作るために奔走する人々の話で、まさにいろんな人の意見を聞きながら反発も受けつつ、一つの条例を作り上げていく熱い思いが描かれています。この本を読んで、行政の仕事のかっこよさや魅力に惹かれました。

  • 探究チャレンジ!
    「どういうサポートやルールがあったら皆が学校に行きたくなる?」

    西村さんの仕事の中で取り組んでいる問題や社会課題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「どういうサポートやルールがあったら皆が学校に行きたくなる?」

    ー「考えてほしいこと」
    「今の日本では、”生きづらさ”を感じている人がたくさんいます。”生きづらさ”を感じる人の例として、子どもなら学校に行けなくなる不登校があります。大人なら、障がいを持っていることで、社会でうまく生活できない人がいます。そういう時に、「何が原因で学校に行けなくなってしまうのか?」「何があれば、社会に出て仕事ができるようになるのか」を考えるのはとても大切なことです。

    様々な理由から、学校に通うことが難しい人もいますが、学校に行くことが楽しく感じられない生徒もいます。そこで、どんなサポートやルールがあれば、みんなが学校に行くことを楽しみになるか考えてみましょう。(サポートとして考えられるのは、人だけでなく、物やサービス、友達など、さまざまありますね!)」

    ー「基本知識」
    「学校には、みんなが安心して学べるように、さまざまなルールやサポートがあります。しかし、それが十分でないと感じる生徒もいるかもしれません。保護観察官は、社会に戻るためのサポートやルール作りをしていますが、同じように学校でも、生徒がもっと行きたくなるようなサポートがあると良いかもしれません。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「どうして学校に行きたくないと感じる人がいるのでしょうか?その原因を考えてみましょう。(例:勉強が苦手、友達がいない、先生に相談できないなど)」

    ②調べる:
    「他の学校や国でどのようなサポートやルールがあるかを調べてみましょう。(例:個別のカウンセリング制度、友達との交流を増やす時間、またはユニークな授業内容など、みんなが学校に行きたくなる工夫など)」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、自分の学校に、どんなサポートやルールがあれば、みんなが行きたくなる学校になるか、具体的な提案を考えてみましょう。」

大変な事もあるけど、やっぱり動物が好き!

竹内 侑子

企業・団体名
トリマー
出身
大分県
学歴
どうぶつ専門学校卒業
職歴
一般企業-ペット専用美容室
子供の頃の夢
パン屋さん
中学生の時の部活動
吹奏楽部
  • 「”動物が好き”から始まったトリマーへの道」

    竹内さんがトリマーになったきっかけを教えてください。

    きっかけは、小さい頃から動物が大好きだったことです。特に犬や猫の世話をするのが楽しくて、動物と一緒に過ごす時間が私にとって幸せでした。小学生の時、家の犬をトリミングサロンに連れて行ったとき、トリマーさんがとても丁寧に犬をきれいにしてくれるのを見て、「私もこんな風に動物のお世話をしてみたい!」と思ったのが始まりです。それから月に一回のサロンが楽しみで仕方なくなりました。

    ただ、実際は高校卒業後、一般企業に就職したんです。親からも、まずは一般企業に就職しなさいと言われて(笑)

    でもそこから、どうしてもトリマーになりたくて、仕事をしながら専門学校に通い、卒業してからは今の仕事である、トリマーをしています。

  • 動物が好きで、トリマーになりたいという強い思いがあったんですね。竹内さんが、専門学校に通い始めた時は親からの反対はありませんでしたか?

    そこは特になかったんです。親も私がそこまでトリマーになりたいならとあきらめたのかもしれません。
    私自身も、いったん一般企業に勤めたからこそ、トリマーになりたいという強い気持ちに改めて気づけました。

  • 現在はトリマーとして、どんなお仕事をしているか教えてください。

    今の仕事は、主に犬や猫などのペットのトリミングをしています。トリミングというのは、ペットの毛をカットしたり、シャンプーをしてきれいにしたり、爪を切ったりすることです。動物たちが健康で快適に過ごせるように、毛のもつれを取ったり、皮膚の状態をチェックしたりもします。

    毎日、色々な性格や体型のペットが来るので、その子に合ったお世話が必要です。怖がりな子はゆっくり落ち着かせてから始めたり、元気いっぱいの子には遊びながら進めたり、ペットに合わせた方法を考えるのも大切な仕事です。

  • 「動物への愛と確かな技術が求められる仕事」

    トリマーに必要なスキルや知識はなんですか?

    動物たちは言葉を話せないので、彼らの気持ちや体の状態をよく観察して、怖がっているのか、リラックスしているのかを感じ取る力が必要です。技術的なスキルとしては、ハサミやバリカンを使って毛をきれいにカットする技術や、シャンプーやドライヤーの使い方などがあります。

    また、動物の健康に関する知識も大切です。皮膚の状態や爪の長さ、耳や歯のチェックなど、ペットの健康に気を配ることができなければなりません。特に病気やけがの兆候を見つけたときには、飼い主さんに早めに知らせることが重要です。

    でも、何より、動物が好きという気持ちが何よりも大切だと思います!!

  • 「動物たちが心を開いてくれる瞬間」

    トリマーのやりがいや魅力を教えてください。

    一番大きいのは、動物と直接触れ合って、彼らの生活をより快適にしてあげられることです。動物たちがきれいになり、飼い主さんに喜ばれて「ありがとう」と感謝される瞬間は、何度経験しても本当にうれしいものです。

  • 「トリマーの大変さと人手不足の現実」

    一方で、トリマーの大変だなと思うところ教えてください。

    犬や猫はトリミングが苦手だったり、初めての場所で緊張したりすることがあります。そうすると、怖がって暴れたり、じっとしてくれなかったりすることがあるんです。その中でも、飼い主さんの要望にも応えなければいけないというプレッシャーがあります。

    後は、現実的な話になってしまうのですが、意外とハードなお仕事でもありながら、給料面がそれに見合っていないんじゃないかという声も実際にはあり、そういう意味での大変さもあります。

  • 「トリマーを続ける理由」

    確かに、一見、動物と触れ合いながらのお仕事で動物が好きな方ならピッタリのお仕事かと思っていましたが、大変な点も多いんだと感じました。そんな中でも、竹内さんがトリマーとして続けられている一番の要因は何ですか?

    やはり動物たちの笑顔と飼い主さんの喜びを見ることができるからです。トリミングが終わった後、毛がふわふわになって元気そうに動き回る犬や猫を見ると、「やってよかったな」と心から思います。特に、最初は緊張していた動物が、回数を重ねるごとに慣れてきて、リラックスしてくれる瞬間は本当にうれしいです。

    動物たちの健康をサポートできるのも、続ける理由のひとつです。定期的にトリミングをすることで、皮膚や毛のトラブルを早く発見できることがあります。小さな異変を見つけて、ペットが元気に過ごせるようにお手伝いできることは、とてもやりがいがあります。

    やっぱり、根底には動物が好きっていうのがあるんだと思います。

  • 「友達や家族との時間を大切にすること」

    ここからは竹内さんの学生時代のお話も聞かせてください。竹内さんはどんな中高生時代を送ってこられましたか?

    中高生の時は、控えめな学生でした。部活にもそんな熱心でもなく、勉強もテストで悪い点を取らなければいいやくらいにしか思ってなかったです。
    学校の友達とは、動物の話をしたり、休日に一緒に遊びに行ったりして楽しい時間を過ごしていた記憶があります。

  • 竹内さんが、中高生のうちにやっておいて良かったなと思うことは何ですか?

    そういわれると特にないんですが、、、(笑)

    強いて言うなら、友達や家族との時間を大切にしたことです。友達や家族と過ごす時間は、中高生時代の大切な思い出で、なんでもない日々でも、仲間と一緒に笑ったり、助け合ったりすることで、心の支えになりました。
    家族は私の夢を応援してくれて、どんな時も励ましてくれたので、自分の目標に向かって頑張ることができました。そうした人間関係は、今でも私の強い支えです。

    だから、今、何かに頑張らなきゃって思っている人もいるかもしれませんが、そんなに焦らず、今周りにいる友達や家族との時間を大切にするという過ごし方も一つなんじゃないかなと思います。

    大人になると、そういうみんなとの時間ってなかなか取れないので、今できることとして、そういう時間を大切に過ごしてほしいです。 

  • 私のおすすめの1冊!
    『自分の生き方を考える「君たちはどう生きるか」』

    竹内さんが、中高生におすすめしたい本、その理由を教えてください。

    『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎著)です。この本は、主人公の中学生である「コペル君」が、日々の出来事や友人との関わりを通じて成長し、自分がどう生きるべきかを考える物語です。

    中高生は、学校や友達、家族との関わりの中で、自分の生き方や価値観について悩むことが多い時期だと思います。この本では、そうした悩みや疑問に対して優しく問いかけてくれます。特に、他人との違いや、自分の正義や良心をどのように保っていくかというテーマが心に響きます。

  • 探究チャレンジ!
    「日本で、捨て猫や捨て犬を減らすためにはどんなルールがあればいいんだろう」

    竹内さんのお仕事のなかで現在取り組まれている問題や社会課題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「日本で、捨て猫や捨て犬を減らすためにはどんなルールがあればいいんだろう」

    ー「考えてほしいこと」
    「私が考える社会的課題は、捨て猫や捨て犬の問題です。日本では、まだ多くの猫や犬が捨てられてしまうことがあります。みなさんには、捨て猫や捨て犬を減らすために、どんなルールや仕組みを導入すればよいかを考えてほしいです。」

    ー「基本知識」
    「捨て猫や捨て犬を減らすためには、ペットの飼い方や責任をもっとしっかり教える仕組みが必要です。また、飼い主が責任を持ってペットを育てられるように、適切なルールや社会でサポートする仕組みを作ることも大切です。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「どうして捨て猫や捨て犬が増えてしまうのでしょうか?その原因を考えてみましょう。(例:飼い主が途中で世話を放棄してしまうなど)」

    ②調べる:
    「捨て猫や捨て犬を減らすために、日本や他の国ではどのようなルールや取り組みが行われているか調べてみましょう。(例:ドイツの動物保護法など)」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、捨て猫や捨て犬を減らすために、どんなルールや仕組みが日本に必要か考えてみましょう。」

子どもたちの成長を支える挑戦

深井 昌子

企業・団体名
幼稚園教諭・保育士
出身
静岡県
学歴
静岡大学教育学部
職歴
保育士
子供の頃の夢
獣医
中学生の時の部活動
家庭部
  • 「子どもの未来を育む保育士の仕事とは」

    深井さんの現在のお仕事内容について教えてください。

    今は公立の保育園で働いていて、4歳のクラスを担当しています。食事の手伝いをしたり、一緒に遊んだりして、子どもたちが元気に成長できるようサポートしています。また、子どもの成長を見守りながら、保護者とも話をして、一緒に子どもを育てるお手伝いをします。

    さらに、子どもたちに基本的な生活習慣を身につけさせることも仕事の1つです。朝の身支度や片付けの仕方、衣服の着脱の仕方やご飯の食べ方など、自分の身の回りのことを自分でできるようにサポートしています。特に、子どもたち一人ひとりの発達段階に合わせて支援をすることが大切で、同じ年齢の子どもでも発達の度合いが全然違うので、その子に合った援助を心がけています。

  • 「獣医から保育士へ!進路を変えた運命の出会い」

    深井さんが、保育士になられたきっかけは何だったんですか?

    高校3年生のときまで、ずっと獣医になりたくて、理系のクラスで勉強してたんです。でも、血を見るのが苦手だし、動物を解剖するのも怖くて、だんだん自分には合ってないかもしれないって思うようになり、獣医になるのをやめることにしました。そのあと、何になりたいか全然わからなくなってすごく悩んでたんです。
    でも、大学の進路を決める時期が来て、どうしようかって焦っていたとき、気分転換にお母さんが通っていた柔道教室についていきました。そこで子どもたちと遊ぶ機会があって、子供の可愛さに触れたときに、「子どもと関わる仕事がしたい!」と思うようになり、幼児教育を勉強できる大学に進学することに決めました。

  • 大学に進学してからは、幼児教育の道を進んでいくことに迷いが出たり悩んだりすることはなかったんですか?

    実際に大学に入ってからは、幼稚園や保育園で実習をしたり、ボランティアをしたりして、子どもたちとたくさん関わる機会がありました。
    子どもたちの考え方や発想ってすごく面白くて、自分には無い新しい視点を持っているんです。それがとても新鮮で、逆に自分も「こういう考え方があるんだ」と気づかされることが多くて、成長させてもらえました。

    また、子どもたちが少しずつ成長していく様子を間近で見て、その成長を手助けできるのがとても楽しく感じました。「自分が関わったことで、こんなに成長してくれるんだ」と思うと、本当に嬉しくなりました。そんな経験を通して、「やっぱりこの仕事を続けたいな」という気持ちがどんどん強くなっていきました。

  • 「子どもの成長を間近で見守る特別な喜び」

    深井さんにとって、保育士の一番の魅力は何ですか?

    子どもたちが成長する様子をそばで見られるのが本当に嬉しいです。目に見える成長もですが、少しずつ気持ちを切り替えられるようになったり、友達に優しくできるようになったりと、目には見えないけれど確かに成長している瞬間があって、そういうときは本当に感動します。

    また、子どもたちの考え方や発想もとても新鮮で、自分にはない新しい視点をたくさん持っています。特に、子どもたちが描く絵や使う言葉、そしてその発想が大好きで、それを知るたびに楽しくなります。子どもたちは大人が思いつかないようなアイデアをどんどん出してくれるので、それを見るたびに新しい発見があり、私自身も成長していると感じます。

  • 一方で大変な点はありますか?

    保育には答えがないことが多いので難しいなと感じます。子どもの成長を助けたり、環境を整えたりするなかで、「これで本当にいいのかな?」と常に考えます。
    また、子どもたちとのコミュニケーションも難しいと感じることがあります。大人でも自分の気持ちをうまく言葉にできないことがあるのに、子どもたちはなおさらです。まだ言葉が使えない子どももたくさんいるので、その子たちの見えない感情や気持ちを読み取るのは本当に難しいです。

    でも、こちらが一生懸命に子どもたちの気持ちを理解しようとして、少しでもわかってあげられると、子どもたちがとても嬉しそうな顔をするんです。それを見ると、ちゃんとわかってあげられたんだなと感じて、すごく安心します。

  • 「好きなことや得意なことはなんでも活かせる」

    保育士に必要なスキルはなんですか?

    ピアノとかのスキルは、多少必要ですが、完ぺきに弾ける必要はありません。私も苦手でしたが、簡単な楽譜を使って少しずつ練習し、少しは弾けるようになりました。得意な先生もたくさんいるので、あまり心配しなくて大丈夫です。

    また、保育では、制作活動や集団遊びなども行います。そこで自分の得意なことを活かす場面も多くあります。たとえば、ダンスが得意、絵を描くのが好き、旅行好きならその経験を活かして、子どもたちに色々な文化を教えることもできます。
    スキルというよりは、好きなことや得意なことを持っていると、保育でも活かせるとおもいます。

  • 「選択肢を広げるための勉強」

    深井さんが中高生時代に、頑張ってよかったなと思うことはありますか?

    勉強ですかね。私も最初は、勉強を好きではありませんでした。何のために勉強しているのかわからないことが多かったんです。
    でも、テストでよい点数を取れたとき、「頑張れば成果が出るんだ」と感じて、覚えたことがすぐ結果に繋がるところが、勉強の面白さかもしれないと考えるようになりました。

    目標がないと難しいこともありますが、まずは近い目標、たとえば次のテストを頑張ることから始めるとよいと思います。私も、好きな分野から勉強を始め、知らなかったことを知る楽しさに気づいてからは、少しずつ楽しめるようになりました。苦手な科目も「どうしたら効率よくできるか」を工夫するようになりました。

    最終的に、勉強して良かったなと思うのは、選択肢が広がったことです。将来の具体的な目標がなくても、勉強しておくと進路を選ぶときに役立ちます。将来やりたい事や目的がない人こそ、選択肢を広げるために勉強はしておくとよいかもしれません。

  • 「たくさんの仕事を知ることで広がる選択肢」

    一方で、深井さんが中高生時代にやっておけばよかったと思うことはありますか?

    勉強をしておくと選択肢が増えます。ただ、もっと欲を言えば、中高生時代から沢山の仕事を知っておきたかったです。中高校生の時は、自分の周りにいる人や環境に限られた世界で過ごすことが多いと思います。そして、そのまま、知っている仕事の中から、将来の仕事を決めます。

    しかし、大人になってから「こんな職業もあったんだ」や「こんな働き方をしている人もいるんだ」と気付くことが多くあります。今の仕事はもちろん楽しくてやりがいもありますが、もし、もっと若い頃にさまざまな職業について知る機会があったら、自分の可能性がさらに広がったかもしれないと感じることもあります。

    今では、授業やインターネットなど様々な仕事について知ることができます。そういった機会を通じて、選択肢が広げることは非常に重要だと感じています。知ることが、将来の選択肢を広げるための一歩になるからです。

  • 私のおすすめの1冊!
    「”星の王子さま”から学ぶ心の大切さ」

    深井さんが中高生におすすめしたい本はありますか?

    「星の王子さま」という本に、「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。肝心なことは目に見えないんだよ。」という言葉があります。

    私は、この言葉の意味を、”物事を本当に理解するためには、心で感じることが大事”という意味だと思っています。私の仕事でも、目に見えないけれど、人の気持ちや感情を感じ取り、考えて、寄り添うことがとても大切だなと感じています。この考え方に私はすごく共感しました。ぜひ、みなさんにも読んで欲しいおすすめの1冊です。

  • 探究チャレンジ!
    「保育士不足を解決するためにできることを考えてみよう」

    保育士の視点から社会的課題や直面する問題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「保育士不足を解決するためにできることを考えてみよう」

    ー「考えてほしいこと」
    「今の日本では、保育士として働く人が少ないという問題が起きています。保育士が少ないと、働きたいけど子どもが預けられなくて働きに出られなかったり、保育の質も低下するなどの問題が発生します。みなさんには、保育士不足を解決するための対策や、保育士を増やすためにできることを一緒に考えてほしいです。」

    ー「基本知識」
    「今の日本では、約10万人の保育士が不足しており、特に都市部でその影響が大きく現れています。この不足は、保育園で働く保育士の負担を増やし、保育の質を低下させるだけでなく、保護者や子どもたちにも深刻な影響を与えています。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「なぜ保育士不足が起きているのでしょうか?保育士の仕事の大変さや、働く環境などがどのように影響しているかを考えてみましょう。(例:労働時間、1人の先生が担当する子供の人数、どんな作業で大変と感じているのかなど)」

    ②調べる:
    「保育士不足を解消するために、日本ではどんな取り組みが行われているかインターネットなどで調べてみましょう。(例:男性の先生が増えるような取り組み、キャリアアップ制度など)」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、保育士不足を解決するためには、どんな取り組みや工夫ができそうか具体的なアイデアを出してみましょう。」

農業で笑顔をつなぐ
〜私が農家として成し遂げたいこと~

井上 和樹

企業・団体名
農家
出身
神奈川県
学歴
専修大学文学部
職歴
フリーター‐湘南Farm かずみ園
子供の頃の夢
高校教師
中学生の時の部活動
バスケ部
  • 「農業のクリエイティブ(創造的)な魅力に気づいて」

    井上さんが、農家になろうと思ったきっかけを教えてください。

    私の家は親が農業をしているので、子どものころから農業に関っていました。ただ、当時の子供の私には、農家を「やりたい!」と思えるような仕事には見えなかったんです。だから僕自身は中学、高校、大学と普通科に進んで、学校の先生になろうと思っていました。でも、自分の中でいろいろ考えることがあり、最終的に先生にはならず、23歳の時に上京して様々な仕事を経験しました。それと同時に、実家の事情もあり2週間に1回程度、実家に帰って農業を手伝うようになりました。

    そんな中、ふと自分が育てた作物を見たとき、"とてもきれい″と感じたんです。その時に初めて、「農業ってこんなにクリエイティブ(創造的)な仕事なんだ」と心から思いました。それがきっかけで、本気で農業をやってみようかなと考えるようになりました。

  • 井上さんはどんな作物を作っているのでしょうか?

    私が育てているメインの作物は、ビニールハウスで作るトマトです。8月にトマトを植えて、10月の終わりごろから収穫を始めます。そして、次の年の7月まで収穫が続きます。日本では冬に外で作物を育てるのは難しいので、ハウスの中で暖房を使ってトマトを育てています。
    それに加えて、夏はナス、ピーマン、きゅうりなどの夏野菜を育て、冬になるとサツマイモや里芋、白菜、キャベツ、ブロッコリーなどの根菜(こんさい)を栽培しています。

  • 「農業の新しい魅力〜農業が繋ぐ笑顔の場所〜」

    井上さんが感じる、農業の魅力はなんでしょうか。

    僕がこの農業を始めたきっかけは、先ほどお話しした通りですが、そこから、実際に農家を続けていく中で、農家の新しい魅力に気づいたんです。それは、農業を通しての人との繋がりです。今、僕を含めて4人で働いています。そのうち2人は、小学校からの友達です。もう1人は、その友達の友達で、今は僕の妻になっています。小学校からの繋がりある4人で、今この仕事を一緒にしています。

    最初は、作物がきれいで、農業がクリエイティブな仕事だと感じたことがやりがいでした。私の農園のコンセプトが「農業が繋ぐ笑顔の場所」なんですが、まさに農業を通して、中学からの友達と一緒に仕事ができたり、妻と出会ったりすることができました。時々、友達やお客さんと一緒にバーベキューをすることもあります。こうしていろんな人とつながり、笑顔が広がっていくことが、この仕事の新しい魅力だと気づきました。

  • 「気候の変化と周りへの配慮が農業の難しさ」

    農業のお仕事をされていて大変だなと感じる点は、どんなところですか?

    この仕事をしていて難しいと感じることが2つあります。
    1つ目は、最近の天気や気候が安定しないことです。特に近年は夏の暑さがとても厳しく、ゲリラ豪雨のような急に降る大雨もあります。その影響で、普通は夏にたくさん収穫できるはずのナスやピーマン、オクラなどの野菜が、うまく育たないことが増えています。

    2つ目は、僕たちが農業をしている場所は住宅街の中にあり、近隣に住まれている方への配慮が難しく頭を悩ませています。農業では、害虫や病気を防ぐために農薬を使いますが、農薬をまくときにはエンジンを使うので、どうしても音が出てしまいます。朝や早朝は風がないことが多く、農作業には良い時間ですが、早朝に騒音を出すと近所から苦情がくることもあります。また、夏には「高温障害」という問題もあり、暑い時期に農薬をまくと、通常は問題のない農薬でも作物にとって毒のようになってしまうことがあります。そのため、暑い時間を避けて早朝や夕方に農薬をまくのですが、その時間は限られています。このような周りへ配慮しながら農業をしなけらばならない点は、とても難しさを感じています。

  • 「みんなで作った喜びを分かち合える瞬間」

    農業をしている中で、思い出に残っているエピソードはありますか。

    うちで作った作物はスーパーにも納品しています。あるとき、納品していると、お客さんが「この前買ったけど美味しかったわよ」と声をかけてくれました。作物は、メンバーみんなで作ったものなので、その喜びを皆で感じられるんです。まるでみんなで褒められたみたいな感じですね。

  • 「農業を通じて人が集まる場所を作る」

    この先、井上さんがやりたいことがあれば教えてください。

    今、父は野菜の直売所をやっているのですが、その場所を、人が集まれる拠点のような場所にしていきたいと考えています。
    農業や作物を中心にして、人々を巻き込んで進めていく。少し変に聞こえるかもしれませんが、農業はあくまで、人が集まれる空間や場所を作るための1つの手段だと思っています。『農業を通じて、人が集まれる空間や場所を作る』ことが、今の私の夢です。

  • 「過去を振り返っても後悔は1つもない」

    ここからは井上さんの中高生時代のお話も聞かせてください。井上さんは中高生の時、どんな学生でしたか?

    中学生のときはバスケ部に入り、学級委員もやっていました。高校では部活には入らず、1年生のときから生徒会をやっていました。理由は、中学校で行われた合唱祭が高校にはなかったため、高校でも実現したいと思ったからです。
    中学校で合唱祭をやったとき、クラスのみんなで1つのものを作り上げるという達成感や、クラスの一体感がとてもすごくて、とても感動しました。結果として、高校でも合唱祭を行うことができました。今思うと、周りと一緒に何かを成し遂げることが好きな学生で、今もそれは共通することがありますね。

  • 自身の過去を振り返った時に、こういうことをやっておけばよかったなと思うことはありますか?

    過去を振り返ってやっておけばよかったなと思うことは、本当にないんです。中学生、高校生、大学生の時を振り返っても後悔していることもありません。周りの支えがあったからこそ、こう言えるんだと思いますが、やりたいことは全部やってきたし、自分のやりたいように過ごせたんです。

    今、一緒に働いてくれている友達やスタッフとの関係も築いてこれました。そして、今こうして、自分のやりたいことを仕事にできています。過去にどんな失敗があっても、その失敗を未来のステップにできれば、それは失敗じゃなくて成長のための一歩だと思っています。

  • 「沢山挑戦して後悔のない学生生活を!」

    この記事を読んでいる中高生が、井上さんのように後悔のない学生生活を送るためにやっておいた方がよいことなどあれば教えてください。

    やりたいことがあれば、なんでも迷わずやってみたほうがいいと思います。親や周りの人に迷惑をかけることもあるかもしれないけど、それでもやりたいことをやるのが大切だと思います。

    やらない理由や言い訳はいくらでも作れますし、自分に言い聞かせることもできます。でも、やろうと思えば、ある程度はできるものです。だから、言い訳せずに、挑戦すべきだと思います。遊びでも勉強でも、週末の活動でも、何でもいいので、やろうとしないのはもったいないです。やってみることが大切です。

  • 「夢を持つことで農業を続ける力になる」

    これから農家を目指している人や自身の夢や目標に向かって歩んでいく中高生にアドバイスがあればお願いします。

    正直、農業は楽な仕事ではないと思います。どんな仕事も大変ですが、農業もその一つです。その中で、農業を続ける上で大切なのは「夢を持つこと」だと思います。僕には、農業を通して人が集まれる場所を作りたいという夢があり、その夢があるからこそ続けられています。

    農業をすること自体が目的になってしまうと、行き詰まることもあるかもしれません。これは、どんな仕事にも通じることだと思います。

  • 私のおすすめの1冊
    「フーコーの哲学から学ぶ人生のヒント」

    井上さんが中高生におすすめしたい本を教えてください。

    ミシェル・フーコーの『性の歴史 〜知への意志〜』を大学時代の卒業論文で使用するために読みました。この本は確かに哲学的で読むのには難しいと感じる部分が多いですが、深く読み込むことで多くの気づきを得られる本だと思います。フーコーの作品は、特に権力や社会の仕組みについての考察が深く、読むたびに新しい発見があるのが特徴です。少し難しい本ですが、皆さんが大学生、大人になった時にこの本を手に取り、人生を歩むヒントになれば嬉しいです。

  • 探究チャレンジ!
    「人々が安全だと思う作物をつくるには、どうしたらよいだろう?」

    井上さんが農家のお仕事で直面する問題や社会課題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「人々が安全だと思う作物をつくるには、どうしたらよいだろう?」

    ー「考えてほしいこと」
    「みんなが毎日食べる野菜などの作物は、安心して食べられるように、私たち農家はいろいろな工夫をしています。その一つに『農薬』というものがあります。
    農薬は、作物を虫や病気から守るために使われますが、使うときにはとても厳しいルールがあります。ルールを守って農薬を使えば、食べ物は”安全”です。でも、ニュースなどで”農薬が危ない”と聞くと、不安になることがあるかもしれません。皆さんには、農薬を使った食べ物の安全性や、どうすればみんなが安心して食べられるのかを考えてほしいです。」

    ー「基本知識」
    「農薬は、野菜や果物を虫や病気から守って、食べ物をたくさん作るために使われます。もし農薬を使わなければ、食べ物が病気にかかってしまったり、虫に食べられたりして、十分な量が作れないこともあります。農薬を使うときは、体に悪い影響が出ないように、厳しいルールのもとで使われているため、"安全”です。ただし、農薬が安全でも、みんながそれを”安心”と思うためには、もっと情報を分かりやすく伝えることが必要です。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「どうして農薬を使った食べ物に不安を感じる人がいるのでしょうか?その理由を考えてみましょう。」

    ②調べる:
    「農薬を使った食べ物が安全だと分かるために、日本ではどんなルールがあるかインターネットなどで調べてみましょう。農薬を使うときに守らなければならないルールや、どうやって安全が確認されているかも調べてみましょう。」

    ③解決策を考える:
    「農薬を使った食べ物について、どうすればみんなが安心できるようになるでしょうか?調べたことを参考に、農薬を安全に使っていることを分かりやすく伝える方法や、安心して食べられる工夫について考えてみましょう。」

探求心をくすぐるような場所で働きたい!
〜なんとかなる!根拠のない自信でドイツへ〜

平 一馬

企業・団体名
設計士
出身
京都府
学歴
法政大学大学院
職歴
Kaufmannbau (ドイツ)
子供の頃の夢
サッカー選手
中学生の時の部活動
サッカー部
  • 「ドイツで、働くことになった理由」

    現在、平さんはドイツで設計士として活躍されていますが、このお仕事を始めたきっかけを教えてください。

    私が大学院を卒業したときの論文テーマが「木材の有効活用」でした。その論文を進める中で、「新しい家の建て方」について着目しました。そこで、研究の参考になる情報を探していたとき、ドイツ企業が行っている事例を見つけました。その研究が、今、働いているドイツの会社を知ったのが最初のきっかけです。その後、興味のある会社だったこともあり、就職活動の際に直接メールで連絡を取ったところ、縁がつながり、ドイツで働くことになりました。

  • 平さんが日本を飛び出して、ドイツに行こうって決めたのは理由があるのですか?

    1つは、少し言い方が悪いかもしれませんが、大学で髪を染めたり、自由に過ごしていた人たちが、いきなり真面目になって、みんな同じようなスーツを着て、就職活動を頑張るという日本の就職活動に対して違和感を覚えました。
    もう1つは、「どうせ生きていくなら、面白いことに挑戦したい」という気持ちが強かったことです。とにかく自分が興味を持てる分野、探求心をくすぐるような場所に行ければいいなと思っていて。それなら「もう行ってしまえ」と決断して、今の道を進んでいます。

  • ドイツに行く前から、ドイツ語は話せたんですか。

    全く話せませんでした。むしろ、ドイツ語だけでなく、英語もあまり得意ではなかったんです。
    でも、ドイツの田舎の方だったので、現地の人たちも英語を流ちょうに話せるわけではなく、カタコトでコミュニケーションを取っていたんです。それが逆に良かったのかもしれません。お互いカタコトの英語で少しずつ意思疎通しながら、徐々にドイツ語も話せるようになっていきました。

  • 「"何とかなる"根拠のない自信が必要な理由」

    言葉が通じないことや、違う国で生活するという恐怖はなかったんですか?

    ドイツに行く前は、ちょっと怖いなと思ってたんですけど、当時は「なんとかなる」っていう根拠のない自信をもっていましたね。今だったらできないかもしれません(笑)
    ドイツに来てしまったら、ある意味やるしかないので、思い切って行動してよかったです。

  • 平さんの、ドイツでのお仕事内容も教えてください。

    私は設計をメインにやっていて、たまに現場にも足を運びます。基本的には個人住宅が中心ですが、年に1回くらいは集合住宅の案件もあります。そして、まれに事務所や他の特殊な案件も手がけています。

  • 「大きなやりがいと大きな責任」

    お仕事の魅力と大変なところを教えてください。

    やりがいとしては、実際に家が建つというのがとても大きいですね。家を建てるというのは、人生で一番大きな買い物のひとつだと思います。それを依頼され、自分が設計したものが形になり、大きな建物として完成するのを見ると、本当にやりがいを感じます。

    大変なところは、「間違えられない」というプレッシャーがとても大きいです。もし間違えたら、家が建たなくなってしまいますからね。だから、その責任は非常に重く、難しいと感じる部分でもあります。

  • 平さんのお仕事に必要なスキルや資格とかはあるのでしょうか。

    日本で設計士として働く場合には資格が必要ですが、ドイツで働く場合は必ずしもそうではありません。なので、厳密にいうと私は日本の資格は持っていません。ドイツでは、会社に資格を持った人が1人いれば問題ないので、私自身は資格をもっていなくても大丈夫なんです。

    ただ、スキルに関しては、もちろんあった方が良いですね。パソコンで図面を描くスキルや、家が壊れないようにどう設計すれば良いかという知識は必要だと思います。

  • 「万博での経験と能登地震」

    これまでの仕事で、思い出に残ってるエピソードを教えてください。

    1つ目は、ドバイの万博でパビリオンの建物を手がけたことです。私にとって初めての国際的なプロジェクトだったこともあり、特に印象に残っています。ドバイとのやり取りは、時差があったり、現地の英語にインド訛りがあったりして、何を言っているのかわからないこともありました。その上、相手側が勝手にプロジェクトを進めてしまうこともあったので、非常に大変でした。でも、最終的に完成したときは、とても立派な建物ができたので、達成感がありました。

    もう1つは、この間の能登地震でのことです。もともと私が修士論文で研究していた家の建て方にとても興味持ってくれていた企業がありました。その企業が、能登半島地震の復興住宅を建てる際に、私が研究していた家の建て方を使用していることを聞きました。私の研究が、このような形で日本に還元されたことに、とても嬉しく思い印象に残っています。

  • 「もっと挑戦すればよかった」 

    世界で活躍されている平さんですが、中高生時代にやっておいてよかったなって思うところを教えてください。一方で、もっとこうしておけばよかったというようなこともあればお願いします。

    やっておいてよかったと思うことは、部活をずっと続けていたことですね。いろんな人と一緒に活動する中で、コミュニケーションの大切さを学ぶことができました。部活を通じて、異なる考え方や性格を持った人たちとどう関わるかを考えることができたのは、とてもよい経験でした。

    ただ、振り返ってみると、もっと何かに挑戦する機会があってもよかったのかなと思います。具体的に「これをやっておけば良かった」というのは今思いつかないんですが、もっとたくさん失敗を経験してもよかったかなと感じています。失敗を通じて学ぶことも多いので、そういう挑戦があれば、もっと成長できたかもしれませんね。

    特に若いうちは失敗しても、それが学びになって今後の人生にいかせますから。

  • 私のおすすめの1冊!
    「本は普段得られない知識を得るチャンス」

    平さんが、中高生におすすめしたい本はありますか。

    あえて日本語で書かれていない本を読むのも良いんじゃないかと感じています。そうすることで、普段は得られないような新しい知識を得るチャンスも広がると思います。写真が載っていて、その下に少し文章が書かれているような本があったら、「これ面白そうだな」と感じる部分を見つけて、その言葉をネットで調べてみると、そこから新しい発見が生まれるかもしれません。

    もちろん完璧に理解する必要はなくて、興味を引く写真を見つけたら、キーワードになりそうな言葉やアイデアを拾うことが重要なんじゃないかと。僕にとっては、それが建築の本だったけど、みんなも自分の興味がある分野で、そんな本に出会えるといいなと思います。

  • 探究チャレンジ!
    「木の廃材を使って、新たにどんな商品が作れるだろうか?」

    平さんのお仕事のなかで取り組まれている問題や社会課題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「木の廃材を使って、新たにどんな商品が作れるだろうか?」

    ー「考えてほしいこと」
    「僕自身のテーマでもあるのが”森林環境の保全”です。そこで、皆さんには是非、あまった木の廃材を使って、新たに商品としてこんなものが作れたら売れるんじゃないかというアイデアを出してほしいです。木の廃材を無駄にするのではなく、新しい商品に生まれ変わらせることができれば、環境にも優しく、持続可能な社会につながります。」

    ー「基本知識」
    「森を守るためには、意外にも「木を切ること」が重要です。木をそのままにしておくと、成長しすぎて太陽の光が地面に届かなくなり、新しい木が育ちにくくなるからです。そこで、少しずつ木を切り、新しい木を植えることで、森全体のバランスを保ち、元気な森を維持することが大切です。

    今の森にある木は、戦後に住宅のために大量に植えられたものですが、その後コンクリートの集合住宅が増え、木材の需要が減って放置されるようになりました。このままでは森のバランスが崩れるため、最近になって再び木材利用が注目されています。しかし、木を切っても多くが廃材になり、利益が少ないため、木を切る人が減っています。丸太の多くは廃材として燃料に使われますが、燃料は安価で売られるため、製品の価格が高くならない限り丸太の価値も上がりにくい状況です。

    そこで、廃材をただ捨てるのではなく再利用することで、資源を有効活用し、木材を使う機会を増やすことが期待されています。最近の建築業界では、廃材を使った家具やインテリアが注目され、DIYで作れるアイテムも人気があります。これにより、木を切る人が増え、環境への負荷を減らすことも可能です。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「木材をそのまま廃棄することが、環境にどのような影響を与えるか考えてみましょう。(例:健康な木が育たなくなり、土壌の環境が悪化するなど)」

    ②調べる:
    「木の廃材を使って作られた商品や、廃材を再利用して成功した事例について調べてみましょう。(例:家具、雑貨、建築資材など)」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、木の廃材を使って、どんな商品が作れるか考えてみましょう。(例:簡単に作れる家具、アクセサリー、収納グッズなど、日常生活で使えるアイテムを提案してみてください。また、廃材を使うことで商品の価格を抑えたり、環境に優しい商品の魅力をどう伝えるかも考えてみましょう)」

火事現場でのリアルな仕事!
消防士が語る「命の最前線」

田中 修平

企業・団体名
消防士
出身
岡山県
学歴
大学卒業
職歴
消防士
子供の頃の夢
警察官
中学生の時の部活動
陸上競技部
  • 「マンガがきっかけで消防士を目指す」

    田中さんはどうして消防士になろうと思ったのですか?

    僕が消防士を目指すようになったのは、漫画『め組の大吾』を読んだことがきっかけです。たまたま、小学生の時に友達から借りたその漫画を読んで、主人公の大吾が危険な火事現場で全力で人命を守る姿に心を打たれました。小学生ながらに。男らしくてかっこいいと思ったんです。彼が決して諦めず、どんなに困難な状況でも仲間と協力して人を助ける姿に「自分もこうなりたい」と強く思いました。それ以来、明確ではなかったのですが「人を助ける仕事がしたい」という気持ちがずっと心の中にありました。

  • 消防士として、普段どんな仕事をしていますか?

    消防士の仕事は、みなさんのイメージ通り、火事が発生したときに消火活動や救助活動行うことです。ですが、実際の仕事はそれだけではありません。

    交通事故や自然災害の現場に出動し、負傷者を助けたり、事故車両から人を救出したりすることもあります。実は火事よりも、救急や事故対応のほうが出動回数が多いことも少なくありません。特に交通事故の現場では、車に閉じ込められた人を救出するために特殊な工具を使ったりします。

    また、火事を未然に防ぐための防火指導も重要な仕事です。学校や会社で行う防災訓練に協力し、消火器の使い方や避難の方法を教えたり、家庭での火の扱いに注意を促したりしています。予防活動をしっかり行うことで、火災のリスクを減らすことができるのです。

  • 「"ありがとう"が力になる!」

    田中さんが、一番やりがいを感じるのはどんな時ですか?

    人を助けられた時ですね。特に、火事や事故で助けを求めている人を無事に救出できた瞬間は、本当にほっとしますし、「この仕事をしていてよかった」と心から思います。
    実際に助けた人やその家族から感謝の言葉をもらったときは、大きな達成感を感じます。

  • 田中さんが消防士として、大変なことは何ですか?

    火事の現場は危険がいっぱいですし、時には命をかけることもあります。また、災害時には長時間にわたって現場にいることもあるので、体力も精神力も必要です。
    そして、全ての人を助けられないときがあるのも事実で、その瞬間はとてもつらいです。しかし、それでも次の現場では一人でも多くの人を助けられるように常に最善を尽くしています。

  • 「命を守ったあの日」

    田中さんがこれまでに経験した中で、特に印象に残っているエピソードはありますか?

    実際に現場に出たエピソードでいうと、木造の住宅が火災に見舞われ、現場に到着した時には既に建物全体が炎に包まれていました。周囲は騒然とし、家族が中に取り残されているとの情報が入りました。煙が充満する中、呼吸装置をつけて中に突入し、家族を探しました。一瞬の判断ミスが命取りになる状況でしたが、幸いにも家族全員を見つけ、無事に救出することができました。その時の安堵と、家族が再び一緒に過ごせる瞬間を見届けた時の喜びは、今でも鮮明に覚えています。消防士としての使命感を再確認した瞬間でした。

    他には、日々の訓練はすごく印象に残っています。いざという時のために日頃からハードな訓練を行います。なので、実際の現場よりも訓練のほうが大変に感じます(笑)ただ、これも、皆さんの人の命を救うためなので乗り越えられます。

  • 消防士になるためには、どんなスキルや資格が必要ですか?

    消防士になるには、まず体力が求められます。これは、皆さんのイメージ通りですよね。火事や事故の現場では素早く行動しなければならないので、普段からトレーニングを欠かさずに行っています。
    また、人命救助に必要な応急処置や救急対応の知識を身につけるために、資格取得も求められます。

  • 「やりたいことを見つけるために挑戦を恐れないで」

    中高生に向けて、今のうちに頑張っておいた方が良いこと、考えておくべきことはありますか?

    自分のやりたいことを見つけるのは簡単ではないかもしれませんが、いろいろなことに挑戦することで、その道が見えてくると思います。
    消防士のような体を使う仕事でも、実は冷静な判断力や勉強が必要です。だから、体を動かすことも大切ですが、学校の勉強も頑張ってください。

  • 「悩んだときに前向きになれる!”かがみの孤城”」

    田中さんが中高生におすすめしたい本を教えてください。

    中高生におすすめしたい本は、やっぱり『め組の大吾』(曽田正人著)ですね(笑)

    主人公の大吾が、火災や災害という過酷な現場で恐怖や迷いと戦いながらも、自分の信念を持って困難に立ち向かい、夢や目標に向かって努力する姿勢、そして仲間との絆の大切さを教えてくれます。

    また、『め組の大吾』は消防士のリアルな現場や命をかけた仕事を描いており、「人の命を守る」という責任の重さや現実の厳しさを知ることができる一冊です。読んだ後には、命の大切さや、周りの人々とのつながりの重要性について考えさせられると思います。

  • 探究チャレンジ!
    「消防士の仕事で、ロボットやAIは活躍できる?」

    最後に、 田中さんの仕事の中で取り組んでいる問題や社会的課題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!
    ー【探究学習のテーマ名】
    「消防士の仕事で、ロボットやAIは活躍できる?」

    ー「考えてほしいこと」
    「火事の現場はとても危険で、危ない状況に置かれることもあります。そこで、ロボットやAI(人工知能)が消防の仕事を手伝うことで、もっと安全に効率よく火を消したり、人を救助したりできるようになるかもしれません。

    すでに医療の世界や工事現場など様々な分野でロボットやAIが導入され始めています。みなさんには、消防士の仕事を助けるために、ロボットやAIがどのように役立つかを考えてみてほしいです。」

    ー「基本知識」
    「ロボットやAIは、特に火事の現場や災害時の危険な場所で役立ちます。すでに、ドローンを消火活動の一環として取り入れている地域もあります。こうした技術を使うことで、命を守るための活動をもっと安全に行うことができます。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「なぜ、消防士の仕事を助けるためにロボットやAIが必要なのでしょうか?(例:火事の現場や災害現場で働く消防士さんにはどのような危険があるか考えてみましょう)」

    ②調べる:
    「消防士の仕事を助けるために、すでに使われているロボットやAIの技術について調べてみましょう。(例:火事の中で動けるロボット、ドローンを使った火事の監視、AIを使って人を探す技術など、インターネットなどで調べてみましょう)」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、消防士の仕事をもっと安全で効率的にするために、ロボットやAIをどう活用できるか考えてみましょう。(例:火の中で使えるロボットや、人を見つける技術などどんな機能があれば役立つか考えてみましょう)」

地域の代表としてあなたの住む街の課題に取り組む市議会議員のお仕事とは?

齋藤 仁礼

企業・団体名
政治家(元市議会議員)
出身
神奈川県
学歴
東海大学 政経学部卒業
職歴
一般企業-厚木市議会議員-厚木市議会議長
子供の頃の夢
野球選手
中学生の時の部活動
野球部
  • 「父の後を追い、市議会議員の世界へ」

    齋藤さんが市議会議員をやられていた当時のお話を聞かせてください。
    齋藤さんが、市議会議員になったきっかけをおしえてください。

    私は、もともと、サラリーマンとして働いておりました。

    しかし、私が33歳の時、父が亡くなったことがきっかけに、市議会議員を目指すことになりました。私の家系は、祖父の代から地域の市議会議員を務めており、地域に根付いた存在でした。

    しかし、父が亡くなった後、サラリーマンとして働いていた私のところに、地域の方々が何度も家を訪れて下さり、「お父様が果たせなかったことを果たしてほしい、これからは地元のために働いてほしい」という声をかけていただきました。

    市議会議員として大切なことは、地域に密着し、市民にとって身近な存在でいることです。地域の問題や住んでいる市のために直接働く役割があり、地域の「(※1)御用聞き」のような存在でもあります。家族と相談した結果、私もその役割を引き継ぐ決意を固め、選挙に出ることを決めました。
    (※1)御用聞き・・・地域を回り、住民の意見を行くこと

  • 『あなたの住んでいる街を支える議員のお仕事とは?」

    市議会議員の、お仕事内容について教えてください。

    市議会議員の仕事は、市の問題を解決したり、より良い街を作るための計画を立てたりすることです。

    たとえば、学校や病院の整備、公園や道路の安全対策、そして地域のイベントの開催など、市民が毎日安心して暮らせるようにさまざまなことを話し合い、決めていきます。

    また、市民の代弁者として、地域の声を政策(取り組み)に反映させ、街をもっと良くするために行動するのも市議会議員の大切な仕事です。よくテレビに出るような国会議員よりも、自分たちの住んでいる町や地域をどのように良くしていくかを考えるとても身近な存在です。

    地域の代表として、住民の声に耳を傾け、地域の課題に直接取り組むことが市会議員の使命であり、私がこれまで歩んできた道でもあります。

  • 齋藤さんが 市議会議員として、大切にしていたことはありますか?

    「人とのつながり」です。自分を応援してくれる人も大切ですが、「ここがダメだ」と厳しく指摘してくれる人もまた貴重です。

    そうした人脈を一番大切にし、時には敵とさえ思えるような相手も、自分にとって味方と考えることで、それがより広い仲間作りにつながるのだと思います。

  • 「市民の感謝の声がやりがいに」

    齋藤さんが市議会議員として活動されていた中で、思い出に残っているエピソードがあれば教えてください。

    市議会議員は地域の方々との距離が近い分、感謝の言葉や手紙をいただくことがあり、それが本当に励みになります。
    「助かりました」「やってくれてよかった」と感謝されると、苦労も報われる思いです。市議会議員の仕事はその分、苦労も多く、日々様々な課題に直面します。

    しかし、地域のために尽力し、その結果が直接感謝として返ってくるのは、この仕事の大きなやりがいだと感じています。

  • 「市議会議員として必要なスキルとは?」

    市議会議員を目指すうえで必要なスキルがあれば教えてください。

    各世代が抱える問題はさまざまで、高齢者は福祉、働く世代は年金、子育て世代は教育や育児環境など、それぞれ異なる要望があります。こうした市民からのさまざまな要望に応えるのは簡単ではありません。
    もちろん、自分の立場でできることを取り組みますが、市だけでは解決できない問題も多く、そうした場合は国や県と連携して解決を目指しています。

    そのためには、政策(取り組み)を理解してもらい、応援してくれる仲間を増やすための、人を巻き込む力やコミュニケーション力が重要になってきます。

  • 齋藤さんのように、政治家になりたいと思っている中高生にメッセージをお願いします。

    政治家として、最も大切なのは「情熱」です。
    情熱があれば、何でも実現できると思います。若い人たちの中にも、情熱を持って地域や町を良くしようと頑張っている立派な方がたくさんいます。何もないところからでも、情熱さえあれば前に進むことができ、その情熱に共感した人たちが自然と集まってきてくれるものだと感じます。

    ぜひ、夢を高く持ち、挫折を経験しても、諦めずに挑戦を続けてください。

  • 「やり続けること、仲間を作ること」

    齋藤さんの学生時代の経験を踏まえて、この記事を読んでいる中高生に、ぜひこれからの学生生活を送る上でのアドバイスをお願いします。

    私自身の学生時代は野球一色で、朝早く家を出て夜に帰る生活でした。そのため、勉強はほとんど手を付けていなかったように思います。
    それでも、スポーツを通じて情熱を持ってやり続けることや仲間の大切さを学びました。野球のように仲間と一緒に取り組むスポーツでは、自然とチームワークや人との繋がりの大切さが身に付きます。

    勉強が得意でなくても、部活やボランティア活動などで何かに打ち込むことができれば、そこには、同じ思いを持った仲間がいて、寄り添ってくれる仲間がいるはずです。
    一流を目指さなくても、一つ目標を見つけ、その目標に向かって努力する過程で、やり続けることの大切や仲間を作る大切さを学んでほしいです。

  • 私のおすすめの1冊!
    「自分の暮らす、日本という国の素晴らしさに気づく」

    齋藤さんが中高生におすすめしたい、本はありますか?

    私のおすすめしたい本は、田母神俊雄さんの「自らの身は顧みず」です。

    この本は、日本という国の素晴らしさについて書かれていて、深く感動しました。日本は春夏秋冬の四季があり、自然豊かな国です。しかし、災害も多く、地震や台風といった厳しい自然環境にさらされることも少なくありません。そうした中で、日本の国民同士が助け合うことの大切さが強調されています。

    日本は先人たちの努力のおかげで平和が築かれています。この美しい国に生まれたからこそ、私たちも災害に負けず、助け合いを大切にしながら生きていくことが大事だと改めて感じた本です。

  • 探究チャレンジ!
    「多数決で物事を決めることは、本当に良い方法なんだろうか?」

    齋藤さんが、中高生に考えてほしい探究テーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!
    ー【探究学習のテーマ名】
    「多数決で物事を決めることは、本当に良い方法なんだろうか?」

    ー「考えてほしいこと」
    「選挙や議会の採択では、多数決で物事が決められます。確かに、多数決は公平で効率的な方法ですが、少数派の意見や考えはどうなるでしょうか?みなさんも、学級会などで話し合った経験や多数決で物事を決めた経験があると思います。改めて多数決のよさや問題点に目を向けてみる機会にしてもらえたら嬉しいです。」

    ー「基本知識」
    「多数決は、民主主義の基本的な意思決定の方法です。日本でも、議会や学校の生徒会など、さまざまな場面で使われています。この方法の良いところは、みんなの意見を平等に扱い、多数派の意見を尊重する点です。しかし、少数派の意見が十分に考慮されないという欠点もあります。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「多数決で決めるとき、なぜ少数派の意見が反映されにくいのでしょうか?また、少数派の意見が無視されると、どんな問題が起きるでしょうか?」

    ②調べる:
    「多数決以外の方法として、どんなものがあるのか調べてみましょう。他の国や地域では、どのようにみんなの意見を取り入れる工夫が行われているのかを探してみてみるのも面白いかもしれません。」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、多数決に賛成・反対の理由を考えてみましょう。」
    ●多数決に賛成⇒なぜ多数決が良い方法だと思いますか?公平さや効率の観点から考えてみてください。
    ●多数決に反対⇒多数決以外で、みんなが納得できるような方法はあるでしょうか?意見をまとめたり、少数意見も尊重できる方法を考えてみてください。

生命の誕生に寄り添う
〜当たり前じゃない奇跡~

羽生 悦子

企業・団体名
助産師
出身
神奈川県
学歴
看護学校卒業
職歴
介護士-助産師
子供の頃の夢
中学生の時の部活動
吹奏楽部
  • 「命が生まれる瞬間をサポートする助産師の仕事とは?」

    助産師のお仕事について教えてください。

    助産師の仕事は、助産師は、妊娠中のケア、出産のサポート、母子の健康管理を行う専門職です。妊婦さんには定期的な妊婦検診を通じて、体調管理のアドバイスや保健指導を行っています。また、母親学級や両親学級では、お産の流れや育児の基本を教えたり、パパにもおむつ交換やお風呂の練習をしてもらったりします。

    お産の時には、陣痛が始まってから赤ちゃんが生まれるまでずっと付き添い、母子ともに安全であるかを見守ります。お産が順調に進めば良いのですが、時には進まない場合もあります。その時は、なぜ進まないのかを考え、医師と協力して対応します。

    そして、赤ちゃんが生まれる瞬間には、母子の健康状態を確認し、赤ちゃんが呼吸できるように適切な処置を行います。その後は授乳や沐浴のサポートをしながら、赤ちゃんとお母さんが一緒に過ごす時間をサポートします。

  • 羽生さんが、助産師になられたきっかけは何だったんですか?

    助産師になろうと思ったのは、看護学生の実習がきっかけでした。母性実習で産婦人科に行き、実際にお産を見せてもらったんです。
    朝から陣痛が始まった妊婦さんを受け持ち、その日の夜に赤ちゃんが生まれたのですが、その瞬間に「命が生まれる瞬間のすごさ」に圧倒されました。

    それまでは当たり前だと思っていたことが、実はとても特別なことだと感じました。実習を通して、人生観が変わり、そこから助産師として働きたいと思うようになりました。

  • 元々助産師を目指していたのですか?

    いえ、最初は全く違う道を考えていました。実は、看護学校に入る前は介護の仕事をしていたんです。
    資格を持たずに介護施設で働いていましたが、その中で「もっと医療的な知識があれば役立てる」と感じ、看護学校に進みました。

    初めは介護の道に戻るつもりでしたが、実習で助産師の仕事に出会い、その道に進むことを決意しました。

  • 「命を2つあずかる責任感をもって」

    助産師としてのやりがいは何ですか?

    一番のやりがいは、やはり赤ちゃんが生まれた瞬間ですね。
    お母さん、お父さんと赤ちゃんが幸せそうにしている姿を見ると、「この仕事をしていて本当に良かった」と感じます。

    新しい命が生まれる瞬間に立ち会うことは、本当に感動的です。

  • 一方で大変な点はありますか?

    お産は1つとして同じものがありません。正常か異常か、その境目にある状態を見極めながら進めるのがとても大変です。

    特に、命を2つ、つまりお母さんと赤ちゃんの命を預かっているというプレッシャーは非常に重く、常に緊張感を持って仕事をしています。

  • 助産師に必要なスキルや知識は何ですか?

    医療的な知識はもちろん重要ですが、何よりも「考える力」が大切です。

    私は感情で動くタイプだったので、考えることが苦手でしたが、助産師として患者さんの状態を常に観察し、適切な判断をすることが求められます。
    それを身につけるのが一番大変でした。

  • 「今私たちが生きているのは当たり前じゃない」

    助産師として、特に印象に残っている出来事は何ですか?

    印象に残っているのは、生まれてこられなかった赤ちゃんのケースです。もうすぐ生まれてくる予定だった赤ちゃんが、お母さんのお腹の中で亡くなってしまうこともあります。医療が進んでいても、防ぎきれないことがあり、そのようなときは自然に陣痛が始まる場合もあれば、薬を使ってお産を行うこともあります。お母さんは赤ちゃんが亡くなっていることを分かりながらも、出産しなければならず、どんな言葉をかけたらよいのか、毎回悩みます。

    生まれた後、希望があれば亡くなってしまった赤ちゃんを抱っこしてもらうことがあります。赤ちゃんが温かいのは生まれてすぐの瞬間だけで、その後すぐに冷たくなってしまいます。だからこそ、生まれてすぐにお母さんとお父さんに抱っこしてもらいたいと思っています。また、希望があれば赤ちゃんをお風呂に入れてあげたり、手形や足形を取ったりすることもあります。

    こうした経験をするたびに、妊娠中の保健指導の大切さを強く感じます。すべてを防ぐことはできませんが、できるだけ防ぐためにサポートには力を入れています。

  • 私のおすすめの1冊!
    「世界がもし100人の村だったら」

    羽生さんがおすすめしたい本はありますか?

    『世界がもし100人の村だったら』は、学生時代に読んで印象に残っています。
    世の中の広さや多様さをシンプルに伝えてくれる本で、自分が知らない世界がたくさんあることを感じさせてくれます。

    特に、いろいろな国の現状を知ることで、自分の生き方を考えるきっかけになると思います。

  • 探究チャレンジ!
    「命を大切にできる世の中の実現に向けて、できることを考えてみよう」

    羽生さんが、中高生に考えてほしい探究テーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!
    ー【探究学習のテーマ名】
    「命を大切にできる世の中の実現に向けて、できることを考えてみよう」

    ー「考えてほしいこと」
    「助産師は赤ちゃんの誕生をサポートし、命の尊さを目の当たりにしています。命は誰にとっても大切で、一人ひとりがかけがえのない存在です。私たちが命を大切にすることの意味を深く考え、自殺などで命を失うことがないようにするためには、どんなサポートや工夫が必要かを考えてみてほしいです。」

    ー「基本知識」
    「2023年に日本では約2万人以上の方が自らの命を絶ちました。過去10年間、自殺者数は徐々に減少傾向にありましたが、2020年に再び増加に転じたことから、新型コロナウイルスの感染拡大との関連性が指摘されています。 」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「どうして自殺してしまう人がいるのでしょうか?命を大切にすることが難しくなる理由には、どんなものがあるか考えてみましょう。」

    ②調べる:
    「世の中でどのように命を守る取り組みが行われているか調べてみましょう。自殺予防のための相談窓口や、心のサポートを行う仕組みについて調べてみてください。」

    ③解決策を考える:
    「自殺を防ぐためには、どんなサポートや工夫が必要でしょうか?調べたことをもとに、これからの時代にあったらよいなと思う取り組みや仕組みについて、考えてみましょう。」

挑戦と転機
〜理学療法士から大学の先生へ~

松本 千晶

企業・団体名
大学助教授
出身
栃木県
学歴
国際医療福祉大学 学士(理学療法学)
国際医療福祉大学大学院 修士(医療福祉教育・管理学)
職歴
順天堂大学練馬病院リハビリテーション科-医療法人社団顕伊会さい整形外科-株式会社東京リハビリテーションサービス-助教授(国際医療福祉大学理学療法学科)、女子サッカーチーム監督、社会人サッカーチームトレーナー
子供の頃の夢
サッカーに関わる仕事
中学生の時の部活動
サッカー部
  • 理学療法士とサッカーコーチから大学の先生へと転身

    松本さんが、現在のお仕事に就いたきっかけを教えてください。

    サッカーコーチと理学療法士の仕事をどちらも行っていましたが、サッカーコーチの契約が切れ、収入が減った時期がありました。
    その時、フルタイムで理学療法士として働くべきか、それとも新しい道を探すべきか悩んでいました。将来的にフルタイムの理学療法士として働くことにあまりイメージが沸かず、キャリアに行き詰まりを感じていた中、大学時代の恩師から「大学院で学びながら理学療法士の養成教育に関わらないか」と声をかけられました。

    それまで教育に興味があったわけではありませんでしたが、この機会を新しい挑戦と捉え、現在は大学で教える仕事をしています。サッカーの指導も、今も別のチームで続けています。

  • サッカーと共に歩んだ青春

    松本さんは、どんな学生生活送ってきましたか?

    中学生の頃は、週に1回女子のサッカースクールに通い、途中からは中学校のサッカー部にも入り、部活中心の生活を送っていました。それと並行して、地域のボランティア活動やイベントにも積極的に参加し、市役所主催の子供議会にも参加しました。そこで、他の学校の代表と一緒に地域の問題について討論する経験もしました。

    高校では女子校に進学し、勉強が優先される環境だったため、部活に熱心な仲間が少なく寂しさを感じることもありましたが、サッカーへの情熱は変わらず、社会人サッカーの練習に参加したり、フットサルコートに通ったりして続けていました。サッカーに対して一貫して取り組んできた記憶が、今も強く残っています。

  • 対面でのコミュニケーションの大切さ

    松本さんが、中高校生のうちから大切にしてほしいと思うことはなんですか?

    特に大切だと思うのはコミュニケーションスキルです。現在指導している女子サッカーチームでも、他の人に積極的に話しかけるのが苦手な子が多くいます。
    新しい部員が入った時など、私は「自分が相手の立場だったらどうしてほしいか」を考えるように伝えています。困っている時に誰かが声をかけてくれたら嬉しいはずだから、同じように新しい仲間にも声をかけてあげるように、と教えています。

    SNSでは気軽にやり取りできても、実際に顔を合わせて話すのは苦手な子が増えているので、直接コミュニケーションを取る力や、相手の気持ちを感じ取る力は、今後の生活でも非常に重要だと思います。

  • やり抜く力を育む教育—グリットの重要性

    松本さんは、大学で「グリット(やり続ける力)」に注目した研究をされていました。研究しようと思った理由を教えてください。

    医療・看護教育において、粘り強さやどういう気質の人が医療職に向いているのかといった研究が盛んに行われています。私も、理学療法士の教育やスポーツ選手において、「やり続ける力」について考え、それをテーマに研究を進めていました。特に、スポーツ選手や医療職において、諦めずに粘り強く取り組む力が必要だと思いますが、最近の若者は「粘り強くやるのはかっこ悪い」と感じたり、辛さを避ける傾向があるのではないかと感じています。

    ※グリット・・・グリット(Grit)とは、困難に直面しても粘り強く努力を続ける力や精神のことを指します。この考え方は、短期的な成功や才能だけではなく、続ける力や情熱が成功につながるという意味を持っています。

  • そういった若者たちが、どうしたらグリット(やり続けること)を身につけられると考えていますか?

    「やり続けること」の価値や目的を学生や中高生が理解するのは難しいですよね。どんなに大人が「続ければ良いことがある」と言っても、本人がその「良いこと」を実感する機会がなければ、イメージすらできないのが現実だと思います。
    大人が言うだけでは、彼らにとっては目の前にある大変なことや辛いことの方が大きく感じられてしまうでしょう。

    だからこそ、目標をもっと細かく分けて提示し、具体的に「この先にはこういう良いことがあるかもしれない」とステップごとに示していくことが大切だと思います。それがないと、やり続ける意味や成果を見通すのが難しく、途中で諦めてしまうことが多くなるのかなと思います。

  • 私のおすすめの1冊!
    自分の軸を持つ力の大切さ—『嫌われる勇気』

    松本さんが中高生におすすめしたい本を教えてください。

    『嫌われる勇気』が印象に残っています。
    この本では、自分の軸を持つことの大切さが描かれていて、中高生にも共感できる部分が多いのではないでしょうか。

  • 探究チャレンジ!
    「あなたがなりたい職業で、経験がない人が、なるべく早く成長するための仕組みや工夫を考えてみましょう」

    松本さんの仕事の中で取り組んでいる問題や社会的課題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「あなたがなりたい職業で、経験がない人が、なるべく早く成長するための仕組みや工夫を考えてみましょう」

    ー「考えてほしいこと」
    「どんな仕事でも、最初は経験がないので、覚えることや身につけるべきスキルがたくさんあります。でも、できるだけ早く成長して、仕事ができるようになるためには、どんな工夫や仕組みがあると良いのでしょうか?

    理学療法士の業界では、資格を持つ人が急増しており、理学療法士の質を保つことが問題になっています。リハビリは1回の値段が決まっているため、能力の差に応じて値段を変えることができません。さらに、患者さんは担当者を選べないことが現状です。この問題は、理学療法士だけでなく様々な仕事で同じことが起きていると思います。例えば、美容院で1年目の美容師と20年目の美容師がいたら、どちらにカットしてもらいたいか考えますよね。みなさんには、経験が少ない人でも早く成長するために必要な工夫を考えてもらいたいです。」

    ー「基本知識」
    「経験が少ない人が早く成長するためには、ただ教科書を読むだけではなく、実際に体験しながら学ぶことが効果的です。たとえば、理学療法士なら患者さんとの実習や、大学教授なら授業や研究を実際に行いながら学ぶことが必要です。また、仕事をしている先輩に教えてもらうメンター制度や、仕事に役立つシミュレーションを使うことも成長を早めるために有効です。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「なぜ、仕事を早く覚えるのが難しいのでしょうか?経験が少ない人が、どんな点で苦労するのか考えてみましょう。」

    ②調べる:
    「経験が少ない人が早く成長するために、他の職業や分野ではどんな仕組みや工夫があるか調べてみましょう。(例:実際の会社で行われているトレーニング方法や、研修制度などを調べてみましょう)」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、あなたがなりたい職業で、経験が少ない人が早く成長できるようにするために、どんな仕組みや工夫を取り入れたらよいか考えてみましょう。」

OLから看護師の道へ
集中治療室で助けられた私が目指したもの

阿部 未佳

企業・団体名
看護師
出身
東京都
学歴
専門学校卒業
職歴
事務・経理-看護師
子供の頃の夢
幸せに生きる!
中学生の時の部活動
バレー部
  • 「看護師を目指したきっかけとは—OLから看護師の道へ」

    阿部さんが、現在のお仕事に就いたきっかけを教えてください。

    実は、最初から看護師を目指していたわけではありませんでした。高校生のときに「将来は手に職をつけたい」と考え、大学受験の時期に図書館でいろいろと調べていたとき、看護師を紹介する本に出会ったことがきっかけで、看護師を目指すようになりました。

    高校を卒業して看護専門学校に入り、一生懸命勉強していましたが、2年生のときに大きな事故に遭って入院することになり、学業を続けることができなくなりました。そのため、退院後はOLとして働いていました。しかし、実際に自分が事故で入院し、患者として看護師の方々にお世話になった経験から、看護師になりたいという気持ちが忘れられず、再び看護学校に入学することを決めました。

    入院中に集中治療室(重い病気や大きなけがをした患者さんを集中的に治療・管理するための特別な病室)で出会った看護師さんに本当に助けられ、私もそのような看護師になりたいと思ったことが、今の仕事を選んだ大きな理由です。現在は、まさに集中治療室で看護師として働いています。

  • 集中治療室でのお仕事とは、具体的にはどのようなことをしているのですか?

    私が現在働いているのは、循環器の専門病院です。ここでは、心臓の手術を受けた患者さんや、全身の状態が急激に悪化した患者さんなどを看護しています。

    具体的な業務内容は専門的で複雑ですが、例えば、心電図(心臓の動きを見る機械)やその他多くの検査結果をもとに、患者さんに最適な治療を医師などと相談しながら提供しています。

  • 「看護の現場で感じるやりがいと葛藤—患者さんの回復を支える仕事の魅力と難しさ」

    阿部さんが思う看護師の魅力ややりがいを教えてください。

    身体の状態が特に悪かったり、大きな手術を受けたりして、大変な状況にあった患者さんが、少しずつ元気になっていく姿を見ると、こちらも本当に力をもらいます。
    その過程に自分が関わっていると実感できるときに、やりがいを強く感じますね。

  • 反対に、大変だなと思うことはなんですか?

    やっぱり勤務時間が不規則で、日勤があったり夜勤があったりとスケジュールがぐちゃぐちゃになるのは大変です。ただ、それはこの仕事の大前提としてあるものなので、あまり「大変だな」とは感じていないかもしれません。

  • 実際の患者さんとの関わりの中で、難しいと感じることはありますか?

    ご家族の希望で緊急手術を受けた患者さんなどは、目が覚めたときに自分が置かれている状況を理解できないことが多く、そこでのやり取りが難しいことがあります。また、そういった患者さんは、今自分に何が起こっているのかわからなくなり、パニックのような状態になってしまうこともあります。

    そういった患者さんには、治療の中で、点滴など絶対に抜いてはいけないものがある場合に、抑制といって手や体を動かせないように固定することがあります。本来はしたくない措置ですが、安全のためにやむを得ず行わなければならないこともあり、そのような場面では葛藤を感じることもあります。

  • 「患者さんの願いと医療の狭間で—看護師として感じるもどかしさ」

    看護師をしてきた中で、思い出に残っているエピソードを教えてください。

    ある患者さんが、私の病院で入院をしていたのですが、「治療はもうやめて家に帰りたい」という強い希望を持っていました。その気持ちはすごく理解できます。やはり、誰だって家に帰りたいですよね。

    ただ、患者さんの意思を尊重したい反面、治療が始まっている以上、私が「もう帰っていいですよ」とは言えないという葛藤がありました。個人的には、本人が強く希望すれのであれば、家で過ごしてもらいたいと思う気持ちもありました。ただ、ご家族の意見や看護師としての責任、医師の治療方針、退院の基準などがあるため、それを簡単に受け入れることはできません。その状況に対して、もどかしさを感じたことがとても印象に残っていますね。

  • 「イベントが大好きだった学生時代—人を巻き込み楽しんだ実行委員の思い出」

    阿部さんの中高生時代のお話も聞かせてください。阿部さんはどんな中高生時代を送ってきましたか?

    学生時代は、体育祭や音楽祭の実行委員をよくやっていました。イベントや行事が大好きで、そういった活動には積極的に参加していました。とてもアクティブな生徒で、人とのコミュニケーションを楽しみながら、人を巻き込んで何かをするのが好きでした。
    自分では「うるさい生徒」だったかなと思います(笑)。

  • 「学生時代に学んだ積極的なコミュニケーションの大切さ」

    阿部さん中高生のうちにやっておいてよかったと思うことはなんでしょうか?

    もともとの性格でもあるとは思うんですが、私はあまり人見知りをしないタイプで、先輩後輩、年齢関係なく、積極的に話しかけることが多かったです。クラスで端っこにいて静かに過ごしている子にも、自分から話しかけるタイプでしたが、実際に話してみると、その子が意外と面白かったりすることもありました。

    そういった経験は、今、振り返ってもやっていてよかったなと思います。学生時代に、「話してみないとわからない人ってたくさんいるんだな」と気づいた記憶があります。

  • 「人と関わる経験が未来を広げる」

    看護師さんになりたいという中高生が多くいます。これから看護師を目指す子どもたちに、どんなことを頑張ったらよいのか、アドバイスはありますか?

    人と関わる機会をたくさん持つことが大切だと思います。これは、将来のためにも、今後の人生においても決して損にはならないと思います。いろいろな人と関わることで、人それぞれ異なる関係の作り方を学ぶことができます。特に看護師は、相手が本当に辛いときに寄り添わなければならない場面も多いので、コミュニケーションの部分は特に大切になると思います。もちろん、勉強も重要です。(笑)

  • 私のおすすめの1冊!
    『進路に悩んだときに読みたい一冊—吉本ばななの『おとなになるってどんなこと?」』

    中高生におすすめしたい本とその理由を教えてください。

    中学生におすすめしたい本は、吉本ばななさんが書いている、『おとなになるってどんなこと?』という本です。
    最初に話しましたが、大きな事故で入院しているときに、家族からもらって読んだ本です。自分がわからなくなったり、人間関係に疲れたりした時に読むと心がすっきりした気分になります。

    何をするかを考える時に、背中を支えてくれるような本で、これから進路を考える皆さんにもピッタリな本だと思います。 私は、今でもたまに読みます。物語じゃないのでサクッと読めてとてもおすすめです。

  • 探究チャレンジ!
    「看護師不足を解決するために、どのような工夫ができるだろうか?」

    阿部さんが仕事の中で取り組んでいる問題や社会的課題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「看護師不足を解決するために、どのような工夫ができるだろうか?」

    ー「考えてほしいこと」
    「看護師は病院やクリニックで、患者さんのケアやサポートを行う重要な役割を担っています。しかし、高齢化が進む中、看護師の不足が深刻な問題となっており、患者さんへのケアが十分に行き届かないこともあります。看護師の免許を持つ人は多くいるものの、実際に医療現場で働いている看護師が少ないのが現状です。免許を取得しても、現場で活躍する人が限られていることが課題として指摘されています。そこで、看護師不足を解決するために、どんな方法や工夫ができるのかを考えてみてほしいです。」

    ー「基本知識」
    「看護師は、医療の現場で患者の世話や治療のサポートを行うだけでなく、心のケアも担当します。そのため、看護師の役割は非常に重要です。看護師が働きやすい環境を整えることや、看護師を目指す人が増えるような工夫が必要です。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「なぜ看護師が不足しているのでしょうか?その原因を考えてみましょう。(例:看護師の仕事が大変など)」

    ②調べる:
    「看護師不足を解決するために、どのような取り組みが行われているかインターネットなどで調べてみましょう。(例:看護師の働き方や、給料や職場環境の改善、看護師を目指す若者を増やすための教育支援など、具体例を探してみましょう)」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、看護師不足を解決するために、どんなサポートや制度が必要か考えてみましょう。(例:看護師が働きやすくなるような環境づくりや、看護師を目指す人が増えるような支援の仕組み、看護師が心身ともに負担を減らすための方法などを考えてみましょう)」

アパレル業界への挑戦!大好きな服を届けたい

栗山 里於

企業・団体名
アパレルショップ
出身
東京都
学歴
拓殖大学
職歴
国内ジーンズメーカー企画職-アパレルショップRill店主
子供の頃の夢
サッカー選手
中学生の時の部活動
サッカー部
  • 「ファッションへの興味とアパレル業界への挑戦」

    栗山さんのアパレルショップでのお仕事内容やどんなショップなのか教えてください。

    私のお店では、1970年代以前の「ヴィンテージ」と呼ばれるものや、1990年代頃の「レギュラー」と呼ばれるアメリカの古着を中心に販売しています。

    取り扱っている服のスタイルとしては、アメリカ古着の中でも「アイビースタイル」と言われるもので、これは優秀な大学に通うアイビーリーガーと呼ばれる学生たちが、1950年代や1960年代にしていたファッションです。

    仕事の内容としては、古着の買い付けから、お客様に販売するまでの全てをやっています。その過程には、商品のチェック、洋服の値段を決める、お店に並べる、客様の接客などたくさんあります。他にも、お店を皆に知ってもらうための活動もしています。

  • 栗山さんがアパレル業界に就いたきっかけ教えてください。

    きっかけは、大学時代にファッションに興味を持ち始めたことです。もともとファッションには興味があったのですが、ただ着るだけでなく、「どうやって服が作られているのか」や「誰がデザインしているのか」に疑問を持ち、もっと知りたいと思うようになりました。

    その結果、販売する側よりも、服作りの企画・生産する側に関わりたいと考え、大手ジーンズメーカーに入社しました。特に、ジーンズの企画や生産を担当し、素材選びからデザイン決定、展示会などの仕事に関わっていました。

  • 就職活動では、アパレル業界に絞って応募されたのですか?

    そうですね、洋服を作るという仕事に絞って探しました。
    私が最初に勤めていた大手ジーンズメーカーは企画や生産から携われるチャンスがありました。他にもブランドタグやボタンを製作する会社も受けましたが、最終的に大手ジーンズメーカーに就職することに決めました。

  • 「大企業を飛び出し、自分の店をオープン」

    ジーンズメーカーを辞めて、自分のお店を始めるには何かきっかけがあったのですか?

    コロナ禍で自宅にいる時間が増えたことで、自分の将来について考える機会が多くなりました。また、その時期に友人が古着屋を始めた影響もあり、自分でも挑戦してみたいと思ったんです。

    古着の買い付けやアメリカンカジュアルのスタイルに興味があったので、これをビジネスにできるかもしれないと考え、2023年10月に吉祥寺でお店をオープンしました。

  • 「自分のお店を持つ楽しさと大変さ」

    現在の仕事の魅力とやりがいは何ですか?

    自分の選んだ好きな服を直接お客様に届けられる、自分のやりたいことを実現できる場を持つというのは大きな魅力です。また、独立したことで、すべてを自分でコントロールできる自由さも感じています。自分のアイデアやスタイルを100%反映させられるというのは、会社員時代にはなかった経験です。

    もう一つは、自分でお店をやっていると、今まで出会ったことのないお客さんと知り合う機会が増えます。お店を通して、自分がやっていることを多くの人に直接知ってもらえるのは、会社で働いていた時には経験できなかったことです。
    「自分のやっていることが、こんなに多くの人に伝わって、実際に来てくれるんだ」と感じる時、この仕事の楽しさややりがいを強く感じます。これが、個人でお店を持つことの大きな魅力の1つだと思います。

  • 一方で、大変なところはありますか?

    一人で仕事をしているので、すべての業務を自分でこなすのはとても大変です。自分ひとりでやっている分、先輩から指示を受けたり、他の人の目を気にしたりしなくていいのは気楽ですが、その反面、良くも悪くも結果がすべて自分に返ってくるので、毎日緊張感は持っています。決して楽な仕事ではありませんが、それでもやりがいを感じています。

    今の大きな課題は、どうやって多くの人にお店を知ってもらい、来てもらうかということです。多くのお客様に喜んでいただけるように、いつも新しい工夫を考えています。

  • アパレル業界で必要なスキルや知識にはどのようなものがありますか?

    まず古着屋は、古物証許可書が必要です。これは、偽物とか盗難品を売ってませんよ、という証明になります。

    また、古着や服の素材に関する知識が重要で、販売の際のコミュニケーション能力や営業力も求められます。
    お客様との会話から欲しい物を読み取り、最適な提案をするスキルが大事です。

  • 「商品企画と販売の喜びとリアルな体験」

    アパレルのお仕事を始めてから特に印象に残っているエピソードはありますか?

    嬉しかったエピソードでいうと、自分が携わったジーンズを街中で履いている人見たりした時です。
    これは1番の喜びといっても過言ではないです。

    一方で、辛かったエピソードとしては、私が関わった商品が、私の経験不足からあまり良いものが作れず、返品されたことです。
    改めて、かっこいいものはもちろん、売れるものを作らなければいけないんだなと失敗を通じて学びました。

  • 「ファッションの楽しさを見つける方法」

    ファッションの楽しさを見つける秘訣ってありますか?

    学生のうちは、お小遣いやバイト代で洋服を買うことが多いと思うので、たくさんの服を持つのは難しいかもしれません。でも、お父さんやお母さんが持っている服を借りたり、友達がどんな服を着ているのかに興味を持ったりす観察したりすることも面白いですよ。

    たとえば、「なんでこの人はこの服を選んだんだろう?」とか、「このチェックの柄ってなんて言うんだろう?」と考えてみると、服に対する新しい興味が湧くかもしれません。いろんなスタイルを試してみることで、服に対する考えが広がり、自分の好きなスタイルも見つかるでしょう。オシャレが好きな人は、家にある服とかからいろんな組み合わせをしてみたりして、まずはオシャレを楽しんでください。

  • 私のおすすめの1冊!
    「ナイキを作ったフィル・ナイトが教える挑戦し続ける大切さ」

    中高生におすすめしたい本とその理由を教えてください。

    ナイキの創業者フィル・ナイトの『シュードッグ』です。
    この本は、ナイキがどのようにして世界的ブランドになったのか、その最初の苦労や情熱が描かれています。
    諦めずに挑戦し続けることの大切さが伝わってきて、部活や勉強など、何事にも通じるメッセージが詰まっているので、ぜひ読んでほしいです。


  • 探究チャレンジ!
    「環境に優しいファッションを考えてみよう」

    あなたの仕事の中で取り組んでいる問題や社会的課題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「環境に優しいファッションを考えてみよう」

    ー「考えてほしいこと」
    「今、アパレル業界でも環境を大切にすることがとても重要になっています。洋服を作るには、たくさんの燃料や水、電気が必要で、それが環境に悪い影響を与えています。このような問題を解決しながら、地球に優しいファッションをどうやって実現できるかが課題です。そういった点で、古着は、環境にいいファッションの一つではないかと思っています。そこで、皆さんにも、環境に優しいファッションを作るためには、どんな工夫が必要なのか考えてほしいです。」

    ー「基本知識」
    「ファッション業界が環境に与える影響は大きく、特に最近では、短期間で大量の衣服が作られ、すぐに捨てられてしまうことが問題視されています。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「なぜファッション業界が環境に悪影響を与えるのでしょうか?衣服の作り方や人々が服を捨てる理由について考えてみましょう。(例:服を大量に作りすぎている、流行に敏感になっているなど)」

    ②調べる:
    「環境に優しいファッションの取り組みについて調べてみましょう。リサイクル素材を使った衣服、環境によい素材の使用など、環境に配慮したファッションブランドや取り組みについて調べてください。」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、環境に優しいファッションを実現するために、私たちができることは何でしょうか?」

私が女性警察官として成し遂げたいこと

野村 早紀

企業・団体名
警察官
出身
石川県
学歴
大学卒業
職歴
子供の頃の夢
ピアノの先生
中学生の時の部活動
剣道部
  • 「部活を通して身近になった警察官という仕事」

    野村さんの警察官としてのやられているお仕事の内容を教えてください。

    私が現在担当している仕事は、主に地域の安全を守るパトロールや、事件・事故が起きた際の対応です。地域をパトロールし、困っている人を見つけたら声をかけたり、危険な状況がないか確認したりしています。また、交通安全や防犯のために地域の方々と話し合ったり、子どもやお年寄りに安全な生活の方法を教える活動もしています。

    事件や事故が発生した場合には、現場に急行して状況を確認し、必要に応じて応急手当を行ったり、関係者に話を聞いて調査を進めます。彼らが安心して話をできるように、慎重にコミュニケーションを取ることを心がけています。

  • 野村さんが警察官になったきっかけを教えてください。

    もともとは、親がピアノの先生をしていて、ずっとピアノの先生になりたかったんです。

    ただ、中学の時にたまたま行った剣道部の入部見学で剣道の面白さにはまり剣道部に入部しました。そこから大学まで剣道を続けてきたんですけど、剣道をしている人たちは警察官が多く、警察官という仕事がすごく身近になりました。

    人を助ける仕事に憧れていたからとかそういうきっかけではないんです。もちろん警察官の方と接する中で、だんだんと警察官ってかっこいいなっていう気持ちは芽生えてきました。

  • 警察官になることに、不安を感じることはありましたか?

    正直に、少しためらいを感じることもありました。私が警察官を目指し始めた頃、周りに女性警察官があまりいなくて不安になることもありました。特に、体力的な面や危険な状況に立ち向かうことを考えると、男性が多い仕事で女性が活躍できるか心配でした。

    でも、その不安を乗り越えたのは、警察には多様な仕事があることを知ったからです。力が必要な場面もありますが、女性ならではの強みもたくさんあります。たとえば、被害者や子どもと話をするとき、女性警察官がいることで安心感を与えられることがあります。それに、最近は、女性警察官の数も少しずつ増えてきていています。そういった経験を通して、「私にもできる!」と自信を持つようになりました。

  • 「体力、コミュニケーション力、そして冷静な判断力」

    警察官になるうえで必要なスキルはありますか。

    なんといっても体力は大切です。警察官の仕事は、時には走ったり、重いものを持ったり、長時間外でパトロールをすることもあるので、体力をつけることが必要です。
    他には、コミュニケーション能力も重要です。警察官は地域の人々や被害者、犯人など、いろいろな立場の人と話をします。相手が安心して話せるように、相手の気持ちに寄り添いながら話を聞く力や、わかりやすく説明する力が求められます。
    また、法律の知識も欠かせません。警察官は法律に基づいて仕事をするので、事件や事故に関する法律をよく理解していなければなりません。もちろん、採用後に研修で学ぶことができますが、基本的な法律の知識を持っていると役立ちます。

  • 「人を助けるやりがいと警察官としての責任」

    野村さんが思う警察官のやりがいや魅力を教えてください。

    ありきたりですけど、まず人を守ることができるという点が大きな魅力です。困っている人を助けたり、危険な状況から人々を守ることができたとき、感謝の言葉をもらうことがあります。自分の行動が誰かの役に立ち、地域や社会を安全にする手助けができるという実感は、非常にやりがいを感じる瞬間です。

  • 一方で、警察官の大変だなと思うところ教えてください。

    これもありきたりですが、危険な場面に直面することがある点です。事件や事故の現場に行かなければならないことが多く、時には非常に危険な状況に直面することもあります。こうした瞬間は体力や冷静さが求められ、自分の身を守りつつ、周りの人を助けなければならないので、非常に緊張することもあります。

  • 「剣道部で学んだ成長と礼儀の大切さ」

    野中さんは、どんな中高生時代を送ってきましたか。

    私の中高生時代は、活発にいろいろなことに挑戦する日々でした。部活動では剣道部に所属していて、毎日練習に励んでいました。
    文化祭や体育祭ではクラスメイトと協力して楽しい時間を作り上げたり、他の人と一緒に何かを成し遂げる達成感を味わうことができました。こういった経験が、今の仕事に対する責任感や人とのつながりの大切さに繋がっていると感じます。

  • 野中さんが中高生のうちに、やっておいて良かったなと思うことはなんですか?

    剣道部で、勝利を目指して努力したことは、今でも私の大切な思い出です。剣道は個人種目と思われがちですが、チームスポーツだと私は思っています。試合で勝った時の喜びや、負けた時の悔しさを通して、仲間と一緒に成長する楽しさを学びました。

    また、剣道では相手や先生、仲間に対して感謝の気持ちを持つという礼儀を学ぶことができました。他にも、剣道の試合では、辛い練習を乗り超えるための、忍耐力も鍛えられました。これは、まさに警察官の仕事でも生かされています。

  • 「夢を追いかける勇気をくれる”アルケミスト”」

    野村さんが中高生におすすめしたい本とその理由を教えてください。

    『アルケミスト』(パウロ・コエーリョ著)です。この本は、羊飼いの少年サンチャゴが「夢」を追い求めて旅をする物語です。彼は夢の中で宝物の場所を示され、その宝物を探しに冒険に出ますが、旅の途中で様々な困難や出会いを経験しながら、自分自身や人生の意味を見つけていきます。

    この本は、夢を追いかける勇気を与えてくれます。中高生の時期は、将来の夢や目標について考えることが多く、時には不安や迷いを感じることもあるでしょう。主人公が自分の心に従って冒険を続け、様々な困難を乗り越えながら成長していく姿を描いており、読者に「自分の夢を信じて進むことの大切さ」を教えてくれます。

  • 探究チャレンジ!
    「どうすれば警察官が、女性でも目指しやすい職業になるだろうか」

    野中さんがお仕事のなかで現在取り組まれている問題や社会課題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「どうすれば警察官が、女性でも目指しやすい職業になるだろうか」

    ー「考えてほしいこと」
    警察の世界も徐々に変わってきてはいますが、依然として男性が多い職場であり、女性警察官の数はまだ少ないのが現状です。実際の現場では、女性ならではの強みを活かして活躍する場面が増えていますが、女性警察官の割合が低いことには変わりありません。
    また、私自身も感じたことですが、警察官という仕事には「男性の仕事」というイメージがまだ強く残っています。このため、女性で警察官を目指す人が少ないのも事実です。しかし、実際には女性が活躍できる場面は増えており、男女を問わず、警察の仕事に取り組める時代になってきています。

    そこで皆さんには、どうすれば警察官という仕事が男性だけのイメージから変わり、女性でも目指しやすい職業になるのかを考えてみてほしいと思います。

    ー「基本知識」
    「警察官にはさまざまな仕事があり、犯罪捜査、交通整理、相談業務など、力仕事だけではなく、コミュニケーション能力や問題解決のスキルも必要です。女性も男性もそれぞれの得意分野を活かせる仕事がたくさんあります。また、警察組織では、女性が働きやすくなるように職場環境を改善する取り組みも進んでいます。例えば、女性専用の相談窓口や、家庭と仕事を両立するためのサポート制度があります。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「なぜ警察官の仕事は”男性向け”というイメージがあるのでしょうか?その原因を考えてみましょう。」

    ②調べる:
    「女性が警察官を目指しやすい環境を作るために、どんな取り組みが行われているかを調べてみましょう。女性警察官が活躍している具体例や、女性が警察官を目指しやすくするためのサポート制度などを探してみましょう。」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、女性が警察官になりやすいようにするための工夫や仕組みが必要か考えてみましょう。」

おもてなしのプロに聞く!
ホテリエのやりがいとは

綾瀬 みずき

企業・団体名
ホテリエ(ホテルスタッフ)
出身
東京都
学歴
専門学校卒業
職歴
ホテルスタッフ
子供の頃の夢
お花屋さん
中学生の時の部活動
バドミントン部
  • 「人を喜ばせる仕事がしたい」―あの時のおもてなしが忘れられない

    現在、綾瀬さんは具体的にどのようなお仕事をされていますか?

    私はホテルで勤務していて、フロント業務を中心に、日々お客様との接客を担当しています。チェックイン・チェックアウトの手続きだけでなく、観光のご案内やお客様からのリクエスト対応も重要な仕事です。お客様一人ひとりが快適に過ごせるように、細やかな気配りを心がけています。

    また、特別なお客様のためのVIP対応や、ホテル内で行われるイベントの企画・運営にも携わることがあります。例えば、ウェディングやビジネス会議の準備など、さまざまなリクエストに応じて対応します。お客様の特別な瞬間をサポートできることは、大きな喜びですね。

  • 綾瀬さんはどうしてホテリエを目指されたのですか?

    私がホテリエを目指したきっかけは、中学生のときに家族旅行で訪れたホテルのスタッフさんの対応に感動したことでした。チェックインから部屋への案内、食事の準備まで、すべてがスムーズで、私たち家族をとても温かく迎えてくれたんです。その時、「こんなふうに人を笑顔にできる仕事があるんだ」と思ったのが始まりです。

    高校に進学してからも、「人を喜ばせる仕事がしたい」という気持ちは変わらず、サービス業に興味を持つようになりました。特にホテル業界は、世界中からお客様が訪れ、さまざまな文化や価値観に触れられる点も魅力でした。そうして、ホテリエとして働くことを決意しました。

  • ”ありがとう”の一言が最高の報酬―お客様の笑顔が何よりも大切

    ホテリエとして一番やりがいを感じる瞬間はどんな時ですか?

    やはり、お客様が「ありがとう」と言ってくださる瞬間が何よりのやりがいです。特に、遠方からわざわざお越しになる方や、初めての場所に不安を抱えているお客様が、滞在を終えて満足そうに帰られる姿を見ると、「この仕事をしていてよかったな」と思います。

    例えば、以前、外国からいらしたお客様が日本語に不安を感じていたのですが、私が英語で対応して観光のサポートをしたところ、「またこのホテルに泊まりたい」と言ってくださったことがあります。実際は、そんなに英語が得意ではなく、カタコトの英語だったはずなんですが(笑)それでも、そう思ってもらえるサービスを提供できたことが、とても嬉しかったです。

  • ホテリエとしての仕事には難しい面もあると思いますが、特に大変だと感じることは何ですか?

    ホテルは24時間体制でお客様をお迎えしているので、予測できないトラブルが起こることも少なくありません。お客様の急なリクエストや、天候などによるイベントの変更、場合によってはクレーム対応などもあります。そんな時でも、私たちは常に冷静に対処し、お客様に最善のサービスを提供しなければなりません。

    また、体力的にもかなりハードな部分があります。特に繁忙期は、長時間立ちっぱなしでの対応や、複数のお客様のリクエストを同時に処理することが求められます。でも、どんなに忙しくても、笑顔を絶やさないことは心がけていますね。

  • ”一度きりの大切な瞬間をサポートできた”―心に残るウェディングの思い出

    これまでの仕事で特に印象に残っているエピソードはありますか?

    一番印象に残っているのは、ホテルでのウェディングのサポートを担当したときのことです。新郎新婦の方から「一生に一度の結婚式だから、何もかも完璧にしたい」と言われてプレッシャーを感じましたが、打ち合わせを重ね、全ての準備を整えて当日を迎えました。

    その日はあいにくの雨だったのですが、新郎新婦の方が「思い出に残る式になった」と喜んでくださり、式が終わった後も何度も感謝の言葉をいただきました。私たちスタッフ全員が一つのチームとなってお二人の大切な日を成功させたことに、大きな達成感を感じました。

  • 目立つのが苦手だった中高生時代―あの頃の人間観察が今にもつながる

    綾瀬さんは、どんな学生でしたか?

    正直なところ、私は中高生の頃、特に目立つ生徒ではありませんでした。大勢の前に立つことが得意ではなく、どちらかというと静かに過ごすことが多かったと思います。

    でも、その時間を通じて、周りの人をよく観察することが身につきました。友達が何を考えているのか、どんな気持ちでいるのかを感じ取ろうとすることが、自然とできるようになったんです。その「人をよく見る力」が、今のホテリエの仕事に大いに役立っています。

    特に、ホテルではお客様が自分から要望を言わないことも多いです。そういう時に、お客様の表情や様子を観察し、何が必要かを考えて行動することが大切です。今思えば、あの頃の人間観察が活きているように感じますね(笑)

  • 中高生に向けて、今大切にしてほしいことがあればお願いします。

    ホテル業界に限らず、人を思いやる気持ちを持つことがとても大切です。相手が何を求めているか、どんな気持ちでいるかを考えながら行動することは、どんな仕事でも必要なスキルです。私自身も、毎日お客様に接しながらその大切さを実感しています。

    また、夢に向かって努力することも忘れないでください。自分がやりたいことや目指したい職業が見つかったら、それに向かって一歩一歩進むことで、必ず道は開けていきます。どんな困難にも負けず、夢に向かって進んでいってくださいね。

  • 探究チャレンジ!
    「あなたの住んでいる地域の特色を活かしたホテルをつくってみよう」

    綾瀬さんが取り組んでいる問題や社会的課題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「あなたの住んでいる地域の特色を活かしたホテルをつくってみよう」

    ー「考えてほしいこと」
    ホテルは、お客様に宿泊の場を提供するだけではなく、その地域の文化や特産品、自然環境などを活かして、地域の魅力を伝える役割も果たしています。皆さんの住んでいる地域にも、観光客が楽しめる自然や名所、伝統文化、食べ物があるはずです。

    ぜひ、皆さんの住んでいる地域の特色を最大限に活かしたホテルを考えてみてほしいです。地域の魅力を引き出す宿泊施設を作ることで、地域の発展にも貢献することができるかもしれません。

    ー「基本知識」
    ホテル業界では、地域の観光資源を活かしてお客様にその地域ならではの体験を提供する「地域密着型ホテル」や「体験型宿泊施設」が増えています。地域の自然、歴史、文化、食べ物などを活かしたホテル作りは、その地域を訪れる観光客にとって忘れられない体験を提供するための重要なポイントです。

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「あなたの住んでいる地域の魅力を考えてみましょう。自然、観光名所、伝統文化、食べ物など、いろいろな視点で考えてみましょう。」

    ②調べる:
    「インターネットなどで、世の中にある「地域密着型ホテル」や「体験型宿泊施設」の工夫について調べてみましょう。」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、あなたの地域の魅力を最大限に活かしたホテルを設計してみましょう。どのような施設を作り、どんなサービスを提供することで観光客に地域の魅力を伝えられるかを具体的に考えてみてください。(例:自然を楽しめる施設や、地元の食材を使ったレストラン、地域の職人による体験コーナーなど、特色を生かしたアイデアを提案しましょう)」

飲食店を通して広がる輪

小谷 翔平

企業・団体名
カフェ&バー経営
出身
千葉県
学歴
駒沢大学-専門学校
職歴
一般企業-カフェ‐チョコレート屋さん-一般企業-カフェ&バー(Terra Cotta)
子供の頃の夢
バリスタ
中学生の時の部活動
バトミントン部
  • 「カフェへの思いを叶えた転機」

    小谷さんが、今のお仕事を目指そうと思ったきっかけを教えてください。

    大学生の頃からカフェの雰囲気が好きでよく通っていました。でも、カフェを開く知識もないし、現実的ではないと思っていたので、普通に就職活動をして、飲食とは関係のない営業の仕事に就いたんです。でも、1年も経たないうちに、その会社が自分のイメージと違っていたので辞めることにしたんです。

    そして、自分が本当にやりたいことや興味があることをやってみようと思い、コーヒーの専門学校に1年間通いながら、バリスタとして働くようになりました。こうして、飲食業界にしっかりと足を踏み入れることになりました。

  • 専門学校卒業後は、どこかのお店に勤められたんですか?

    専門学校卒業後、フリーターとしてカフェだけでなく、チョコレート屋さんのオープニングスタッフとしても働きました。その後、ある会社で店長になる予定だったんですが、コロナの影響でその話がなくなってしまいました。

    そこから、別の仕事をして飲食業を離れていましたが、やはり飲食業への思いは少し持っていたんです。そんなとき、タイミングよく、新卒で働いていた会社で知り合った、現在一緒に働いている代表から「一緒にお店をやらないか」と声をかけてもらい、今のお店を立ち上げることになりました。

  • 『「Terra Cotta」自分の名前が店名の一部に』

    店名に、小谷さんの名前が入ってるとお聞きました。

    そうですね。ずっと、カフェが好きで自分のお店を持つことを頭の片隅で思い描いていたので、自分の名前が店名になるいうのは、より一層喜びがありました。ただその反面、自分の店というプレッシャーや責任感をすごく感じています。

    ちなみに、代表はテラウチという名前で、僕がコタニなので、2人の名前を合わせて『テラコッタ』という店名にしました。テラコッタはレンガ色のような色の名前でもあるんです。お店全体もオレンジ系の温かい色合いを基調にしています。

  • 現在やられているお仕事の、具体的な内容も教えてください。

    うちのお店はカフェ&バーのスタイルで、朝の11時から夜の24時までずっと営業しています。途中で休みの時間はなく、ランチの時間にはカフェを、ディナーの時間には、バータイムという感じで営業しています。営業時間、僕はずっと現場に立って接客もしますし、ケーキなどは手作りしているので、お客さんが少ないタイミングでケーキ作りなどもしています。

  • 「やりがいは、お客様の”来てよかった!”」

    自分のお店を経営している中でのやりがいや、大変なところを教えてください。

    「来てよかった」と思ってもらえた時は、本当に嬉しくて、それがやりがいになります。お客様がうちのお店に来て、少しでも笑顔になって、いい気持ちで帰ってもらえるようにすることが目標です。

    一方で、大変なところは、飲食業は、毎日どんなお客さんが来るかがその日によって違います。特にうちのお店はカフェ&バーなので、バーカウンターには常連さんがよく座って、僕たちスタッフと話をすることが多いです。お客様との会話を楽しむことも大事なんですが、お友達と話すのとは違って、気を使いながら話さないといけません。だけど、あまりよそよそしくならずに、親しみやすい雰囲気を出すようにしています。

  • 「人の輪が広がっていく仕事」

    小谷さんがやられているお仕事の、魅力はどんなところでしょうか?

    自分で立ち上げたお店で働いていると、嬉しい出来事がたくさんあります。たとえば、高校を卒業してからずっと会っていなかった友達が、僕がお店を開けたからとわざわざ来てくれたり、常連さんと話していたら、実はその人が自分の友達の知り合いだったりして、そこから新しいつながりが広がったりするんです。こういうことがあると、「お店をやっていてよかったな」って本当に思います。

  • 「とにかくなんでもやってみる!」

    ここからは小谷さんの中高生時代のお話も聞かせてください。小谷さんは中高生時代、どんな学生でしたか。

    僕は、勉強が特別できるわけでもなく、部活もそんなに熱心にやっていたわけじゃないので、目立たない生徒でした。ただ、友達とバンドを組んで文化祭に出たり、バドミントンが好きだったので、バドミントン同好会を作ったりしていました。目立つわけではないけど、行動するタイプだったと思います。

  • 小谷さんが、中高生時代に「こういうことをもっとやってけばよかったな」みたいなことってありますか?

    僕はどちらかというと、めんどくさがりなところがあって、ぎょうじなどにあまり積極的に参加していませんでした。でも、高校2年生や3年生くらいで、「もったいないな」と感じるようになりました。今ではその反省から「とにかくなんでもやってみる」という精神が染み付いています。

    学生は忙しかったり、勉強や恋愛で悩んだりすることもあるかもしれませんが、いろいろ挑戦することは、後でとても役に立ちます。特に飲食店の仕事では、学生の頃の話ができると、話のネタとしても生きてきます。だから、「とにかくなんでもやってみる」ことをおすすめしたいですね。

  • 私のおすすめの1冊!
    「漫画で学ぶ接客やサービス業」

    小谷さんが中高生におすすめしたい本とその理由を教えてください。

    『バーテンダー』という漫画があって、アニメ化もされています。僕もお店の代表であるテラウチに勧められて読んでみたんですが、この漫画には接客やサービス業、人と接する仕事をする上での心構えや意識がしっかり描かれているんです。漫画だから読みやすく、すっと頭に入ってくると思います。それに、接客業だけでなく、仕事全般に対する向き合い方についても書かれているので、ぜひ読んでみるといいと思います。

  • 探究チャレンジ!
    「家の冷蔵庫の中で余っている食材を、無駄なく使い切るための料理を考案してみよう」

    小谷さんの仕事の中で取り組んでいる問題や社会課題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「家の冷蔵庫の中で余っている食材を、無駄なく使い切るための料理を考案してみよう」

    ー「考えてほしいこと」
    「飲食店では、メニューを考えるときに、どうやったら食材を無駄にせずに使えるか、いわゆる「食品ロス」について考えることがとても大切です。限られた食材を上手に使うことで、ゴミを減らし、環境にも優しい生活を送ることができます。例えば、1つの食材をいくつかのメニューで使うことで、食材の無駄が少なくなるんです。皆さんも、家の冷蔵庫に、食材が余ってしまい、無駄にしてしまった経験はありませんか?そこで、家の冷蔵庫の中を思い出しながら冷蔵庫にある余った食材を使って、無駄なく美味しい料理を作る方法を考えてみてください。」

    ー「基本知識」
    「食材を無駄なく使うためには、料理の工夫が必要です。食材を長持ちさせる保存方法や、冷蔵庫の中にある材料で作れるレシピを知っていると便利です。また、賞味期限が近いものから優先的に使うことで、食べ物の無駄を減らすことができます。飲食店では、限られた食材を上手に使い切ることが利益にもつながります。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「なぜ、冷蔵庫に食材が余ってしまうのでしょうか?原因を考えてみましょう。」

    ②調べる:
    「余っている食材を無駄なく使うためのレシピや食材の保存方法について、インターネットなどで調べてみましょう。(例:冷蔵庫にある野菜や卵、チーズなどを使った簡単な料理や、複数の食材を組み合わせて作れる料理などを調べてみましょう。また、保存方法や工夫も調べてみてください)」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、冷蔵庫にある食材を無駄なく使い切るために、どんな料理が作れるか考えてみましょう。(例:冷蔵庫に残っている野菜をまとめてスープにする、卵を使ったオムレツを作る、など簡単で美味しい料理を考えてみてください)」

あの夏、僕を助けてくれたのは、理学療法士だった

田中 雄志

企業・団体名
理学療法士
出身
栃木県
学歴
国際医療福祉大学
職歴
芳賀赤十字病院
子供の頃の夢
サッカー選手
中学生の時の部活動
サッカー部
  • 「自身のケガから理学療法士の道へ」

    田中さんが理学療法士になったきっかけを教えてください。

    私が理学療法士を目指したきっかけは、高校3年の夏前のことです。私はサッカー部に所属しておりましたが、筋肉が切れる大きなけがをしてしまいました。その時、再びサッカーをするためにはリハビリが必要となり、理学療法士のお世話になりました。そこから次第に理学療法士という仕事に興味を抱くようになりました。

    けがの状態から、夏の大会には間に合いませんでしたが、冬の大会には出場したいという強い気持ちがあり、リハビリに励みました。理学療法士の方々は一生懸命サポートしてくださり、体が回復していく中で、心も救われ、感謝の気持ちがどんどん強まりました。そしてリハビリの結果、冬の高校サッカー選手権には無事出場することができ、そのサポートに感動し、理学療法士を目指すことを決意しました。

  • 「患者さんにあわせたリハビリで心も体も元気に」

    現在は、実際に理学療法士として、スポーツにかかわるリハビリをされているのですか?

    最初はスポーツのリハビリを目指して大学に入りましたが、勉強を進めていくうちに、スポーツに関わる部分は実は少数派で、大部分は高齢者のリハビリや病院での患者さんが生活に復帰するためのサポートだということを知りました。大学でも高齢者のリハビリについて多く学ぶなかで、結果として、大学を卒業する頃には、高齢者のリハビリに関わる仕事をしたいという考えに変わり、卒業と同時に総合病院に就職しました。

  • 具体的にどんなリハビリを行っているかも是非教えてください。

    自分が働いている病院は、救急車がどんどん入ってくるような救急病院です。
    入院してきたばかりの時は、体がまだ完全には安定していない患者さんが多く、リハビリも少しずつ進めていきます。最初は、患者さんが寝たきりの状態から、体を起こし、座って、立ち上がるという基本的な動作をサポートするところから始まります。そして、体が徐々に安定してくると、歩く練習や筋力トレーニング、関節の可動域を広げるストレッチなど、患者さんの状態に合わせたリハビリを行います。

    主に80代の高齢者が多いですが、中には60代や70代の方もいらっしゃいます。患者さんそれぞれの体の状況や年齢に合わせて、リハビリの内容も変えながらサポートしています。

  • 「理学療法士のやりがいと難しさ」

    そんな理学療法士のやりがいはどういったところにありますか?

    リハビリの目標は、患者さんが入院前の状態に少しでも近づくことですが、サポートがうまくかみ合って驚くほどの回復を見せ、後遺症なく退院できる方もいます。 特に患者さんやご家族が「お家に帰りたい」という希望を持っている場合、その願いを叶えるためにサポートできるのは本当に嬉しいことです。直接患者さんやご家族と関わる職業なので、感謝の気持ちをいただくことが多く、それもまたやりがいの一つです。

  • 一方で理学療法士の大変だなと感じる点はありますか?

    人の体はまだまだ未知の部分が多く、どれだけ経験を積んでも解決が難しい問題が出てくることがあります。同じ怪我や病気でも、患者さん一人ひとりの状態が異なり、ある人はすぐに回復できても、別の人は思うようにリハビリが進まないことも多々あります。

    そういった時には、自分のやり方や治療の進め方に悩むことがあり、常に新しい方法を考え続ける必要があります。この「考える作業」がとても大切で、時には苦労も伴いますが、それもまたこの仕事の大切な部分だと思います。

  • 「一人ひとりの患者さんに向き合う先にある達成感」

    思い出に残っている患者さんとのエピソードはありますか。

    忘れられない患者さんがいます。その方は70代の男性で、肺炎のため入院し、人工呼吸器(呼吸を助ける機械)を使用することになりました。人工呼吸器を装着するには、患者さんを鎮静状態にする必要があるため、しばらくの間、寝たきりの状態が続きました。

    治療開始から1〜2週間が経過し、人工呼吸器が外されて意識が戻りましたが、その間に筋力が大きく低下していました。それでも患者さんは「必ず家に帰る」という強い意志を持ち、私たちは一緒にリハビリを始めました。立ち上がる練習や歩行訓練を続け、少しずつ筋力を取り戻し、最終的には日常生活に復帰することができました。

    この患者さんの回復は、私にとっても大きな達成感をもたらしました。寝たきりからリハビリを通じて目標を達成し、無事に家に帰ることができた時の喜びは、私にとって非常に特別な体験でした。

  • 「サッカーに打ち込んだ中高時代と将来の選択肢を広げる大切さ」

    ここからは、田中さんの中高生時代のお話も聞かせてください。田中さんは、中高生時代どんな学生でしたか?

    中高生の頃は、正直なところ、まだ将来について深く考えていませんでした。当時は、理学療法士という職業すら知りませんでしたし、中学生の時はただ「サッカー選手になりたい!」という夢だけを追いかけていました。

  • ご自身の経験を踏まえて、中高生のうちにやっておいてよかったこと、やればよかったと思っていることはありますか?

    高校時代、サッカー部の強豪校で100人ほどの部員の中、組織で動く力を学びました。上下関係が明確で、1年生は雑用をこなし、上級生は指導役を担っていました。また、学校内でも注目されていた部活だったので、常に見本となる行動を求められました。この経験が、今の仕事にも大きく影響しています。

    ただ、サッカーに集中するあまり、他のことに目を向ける時間が少なかったのも事実です。進路も漠然としており、もっと多様な経験を積むべきだったと思います。今の仕事は国家資格が必要で、進路が高校卒業時に限られてしまうため、学生時代に多くのことに触れ、選択肢を広げることが将来に重要だと感じています。

  • 私のおすすめの1冊!
    「平常心を保つために”心を整える”」

    そんな田中さんが中高生におすすめしたい本はありますか?

    元日本代表キャプテンの 長谷部誠選手の『心を整える』は、とても記憶に残る本です。

    彼がキャプテンとして心の平常心を保つために実践していた習慣や、メンタルの整え方が具体的に書かれていて、とても読みやすかったです仕事を始めてから、メンタル面の重要性をより強く感じるようになり、技術ももちろん必要ですが、それを支える向上心や、嫌でもやらなければならない仕事にどう向き合うか、といった部分は今でも通用すると思います。
    長谷部選手が20代後半の時に書いたものですが、その後も歴代最長のキャプテンを務めたことを考えると、彼の精神力がどれだけ実績に結びついていたのかがよくわかります。

  • 探究チャレンジ!
    「どうすれば老後に元気で、いきいきと過ごせるか考えてみよう」

    最後に、田中さんの仕事の中で取り組んでいる問題や社会的課題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「どうすれば老後に元気で、いきいきと過ごせるか考えてみよう」

    ー「考えてほしいこと」
    「今、日本では平均寿命は80代ですが、健康寿命、つまり介護が必要なく自立して生活できる期間は70代前半です。この差である約10年間は介護を必要としながら生活する期間ということになります。そのため、この期間をできるだけ短くし、自分らしく、生き生きとした生活を送る時間を長くすることが大切だと考えられています。
    では、どうすればおじいちゃんやおばあちゃんになっても、元気でいきいきと過ごせるのでしょうか?今回は、そのためにできる工夫を考えてみましょう。」

    ー「基本知識」
    「老後も元気でいるためには、体を動かすことがとても大切です。例えば、軽い運動を続けたり、散歩をしたりすることで、体力を維持することができます。また、体のケアだけでなく、心の健康も大事です。友達や家族と話をしたり、趣味を楽しむことも、心が元気でいられる方法です。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「なぜ年をとると体が元気じゃなくなることがあるのでしょうか?その原因を考えてみましょう。(例:体を動かさないことで筋肉が弱くなる、食事が偏る、友達や家族との交流が少なくなるなど)」

    ②調べる:
    「老後も元気で生き生きと過ごすために、どんな運動や生活習慣が効果的なのかを調べてみましょう。(例:簡単にできる体操にはどんな体操があるのか、健康に良い食事とはなにかなどを見つけてみましょう)」

    ③解決策を考える:
    「調べた効果的な事柄を、高齢者に実践してもらうためには、自分たちにどんな工夫や行動ができるか考えてみましょう。(例: 祖父母と一緒に体操をする、町でやっている運動クラブに参加するように伝える、趣味を楽しむ時間を増やすなど具体的なアイデアを考えてみましょう)」

お客様を安全に目的地まで届ける!
みんなの一日の始まりを支える仕事

森田 亮介

企業・団体名
電車運転士
出身
岡山県
学歴
東海大学卒業
職歴
鉄鋼会社-大手鉄道会社
子供の頃の夢
電車の運転手
中学生の時の部活動
生徒会
  • 「電車オタクが電車運転士に・・・?」

    あなたが電車運転士になったきっかけを教えてください。

    きっかけは、もともと子どものころから電車が好きだったことからはじまります。でも、大学を卒業した後は一般企業(鉄鋼製品を作る会社)に就職しました。最初はその会社でずっと働くつもりでしたが、働いているうちに自分が本当にやりたいことを考えるようになりました。

    そのときに思い出したのが、電車や鉄道に関わる仕事をしてみたいという子どもの頃の夢です。いわゆる電車オタクのような子でした。大好きな電車を運転して、たくさんの人々を安全に目的地まで運ぶことにすごく興味があって。だから思い切って会社を辞め、鉄道会社に応募して運転士になるための訓練を受けることにしたんです。

  • 電車が単純に好きだった頃と、お仕事として電車と関わるようになった今では、電車に対する思いの変化はありましたか?

    電車が好きという気持ちは今も変わっていませんが、仕事として関わるようになってから、好きな気持ちに加えて「責任感」という感覚が強くなりました。

    趣味として好きだったころは、ただ電車に乗ったり見たりするのが楽しかっただけでしたが、運転士として仕事にすると、自分が運転することで多くの人の命を預かっているということを毎日実感します。安全に運行するために細かいルールや確認作業がたくさんあって、思った以上に大変なこともあります。

    それでも、電車が好きだからこそ、毎日無事にお客様を目的地まで届けることに誇りを感じています。なので、ある意味、電車が好きという気持ちは、責任感ややりがいとともに深まったと言えるかもしれません。

  • 「電車運転士には、国家資格が必要!」

    電車運転士になるうえで必要なスキルや知識はなんですか?

    電車の運転士になるためには、資格が必要です。鉄道会社に入社して運転士を目指す場合、まずは会社が提供する訓練を受け、「動力車操縦者免許」という国家資格を取得しなければなりません。

    この免許には、いくつかの種類があって、電車を運転するためには「甲種電気車」という資格が必要です。資格を取得するためには、学科試験や実技試験をクリアする必要があります。試験の内容は、電車の仕組みや法律、安全に関することなど様々です。

    さらに、免許を取得した後も定期的な訓練や検査が行われ、常に安全運行に向けて技術や知識を磨き続けなければなりません。

  • 「人々を支え、特別な景色を楽しむ電車運転士のやりがい」

    電車運転士のやりがいや魅力を教えてください。

    電車運転士のやりがいや魅力はたくさんありますが、毎日、多くのお客様を目的地まで無事に届けるというのはとてもやりがいのある仕事です。特に通勤・通学時間にたくさんの人を運ぶとき、自分の仕事が多くの人の一日の始まりを支えているんだと実感します。

    また、運転席から見える景色は特別で、都会の風景から自然いっぱいの山や川の風景まで、速いスピードで次々に変わる景色を楽しめるところは魅力だと思います。

  • 「緊張感と迅速な判断が求められる仕事」

    一方で、電車運転士の大変だなと思うところを教えてください。

    緊張感が常に必要という点です。電車を運転している間は、お客様の命を預かっているので、常に集中していなければなりません。少しのミスが大きな事故につながる可能性があるので、どんなに疲れていても気を抜くことができません。
    さらに、緊急対応が求められる場面もあります。例えば、異常な天候や信号トラブル、車両故障などが起きたときは、すぐに対応しなければなりません。こういった予期せぬ状況に冷静に対処することが必要で、迅速な判断が求められます。

  • 「自分の得意なことや好きなことを見つけること」

    ここから森田さんの中高生時代のお話も聞かせてください。中高生時代は、どのような学生生活を送られてきましたか?

    中高生時代の私は、比較的まじめな生徒だったと思います。中学の時は生徒会に入って、学校行事の企画や運営に携わっていました。責任感が強く、人の役に立つことが好きだったので、行事の準備を手伝ったり、クラスメートの意見を聞いて提案したりすることが楽しかったですね。

    高校に進学してからは、生徒会活動はせず、休日には毎週のように友達と鉄道に乗って遠くまで行ってました。

  • 森田さんから今の中高生に向けて、今のうちにやっておいたほうが良いことなどあればメッセージをお願いします。

    自分の得意なことや好きなことを見つけることです。将来の仕事や進路を考えるとき、自分が何をやりたいのか、どんなことが得意なのかを知っていると、大きな助けになります。私の場合も、電車が好きという気持ちが将来の仕事につながりました。なので、今のうちにいろんなことを試して、自分の興味や関心を広げてください。

  • 「旅が教えてくれる新しい世界”たびする木”」

    森田さんが、中高生におすすめしたい本を教えてください。

    『たびする木』(星野道夫著)をおすすめします。この本は、冒険家で写真家の星野道夫さんが、アラスカを中心に旅をしながら感じた自然の美しさや人々との出会いについて書かれたエッセイ集です。

    文章がやさしく、星野さんが旅の中で感じた感動や考え方が伝わりやすいので、中高生でも読みやすいと思います。この本を読むと、旅をすることで新しい世界に触れ、知らなかったことを学ぶ楽しさを感じることができます。

  • 探究チャレンジ!
    「高齢者や車を持っていない人が、どんな移動手段やシステムが導入されたら便利に生活をできるようになるか考えてみよう」

    電車運転士の森田さんからみた社会的課題や問題直面について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「高齢者や車を持っていない人が、どんな移動手段やシステムが導入されたら便利に生活をできるようになるか考えてみよう」

    ー「考えてほしいこと」
    「高齢者や車を持っていない人にとって、移動する手段が限られていると、買い物や病院に行くのが大変になることがあります。特にバスや電車が少ない場所では、毎日の生活が不便になることもあります。みなさんには、そんな人たちがもっと便利に移動できる方法やシステムを考えてみてほしいです。」

    ー「基本知識」
    「高齢者や車を持っていない人にとって、公共交通機関は生活を支える重要な手段です。電車やバスが使いやすくなることで、移動がもっと楽になります。また、最近では、自動運転車やカーシェアリングといった新しい技術も注目されています。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「高齢者や車を持っていない人が移動で困る場面は、どういったときでしょうか?」

    ②調べる:
    「高齢者や車を持っていない人のために、どんな移動手段やシステムが日本では導入されているか調べてみましょう。(例:コミュニティバスなど)」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、あなたの住む街で、高齢者や車を持っていない人が便利に移動できるようにするために、どんなシステムやアイデアが役立つか考えてみましょう。」

私の願いは
人間と動物がずっと幸せに暮らせる社会!

野中 和希

企業・団体名
獣医
出身
岩手県
学歴
大学卒業
職歴
動物病院
子供の頃の夢
パン職人
中学生の時の部活動
バスケットボール部
  • 「大切な犬との別れが獣医を目指すきっかけに」

    野中さんが獣医になったきっかけを教えてください。

    きっかけは、子どもの頃に飼っていた大好きな犬が病気になったことでした。病気で苦しむ姿を見て、なんとか助けたいと思ったんです。でも、その時は自分には何もできませんでした。それがとても悔しくて、「動物を守るために何かできる仕事に就きたい」と強く感じました。それから、獣医という仕事があることを知り、動物の健康を守るために勉強しようと決めました。

  • 「動物の健康を支える獣医の幅広い役割」

    獣医としてどんなことをされているの教えてください。

    動物病院で犬や猫などのペットを診察し、病気やケガを治療したり、予防接種や健康診断を行ったりします。手術をすることもあります。

    また、動物の食事や生活環境についてアドバイスすることも大事です。例えば、適切な食べ物を提案したり、ストレスが少ない環境を作る方法を教えたりしています。また、飼い主さんが動物とのコミュニケーションをしっかり取れるように、健康に関する相談にも乗ります。

  • 獣医に必要なスキルや知識はなんですか?

    まず、一番大切なのは動物に関する医学的な知識です。動物も人間と同じように病気になりますが、種類によって症状や治療方法が違います。犬や猫だけでなく、ウサギや鳥などさまざまな動物についても勉強しなければなりません。これには、解剖学や薬学、病気の診断方法など幅広い知識が必要です。

  • 「動物と飼い主との信頼を築く」

    獣医のやりがいや魅力を教えてください。

    やりがいや魅力は、何といっても動物の命を守れることにあります。動物が苦しんでいたり、元気がないときに治療をして元気を取り戻した姿を見ると、本当にやりがいを感じます。動物が元気になって飼い主さんが喜んでいるのを見ると、「この仕事をやっていてよかったな」と心から思えます。

  • 獣医の大変だなと思うところ教えてください。

    まず一つは動物が言葉を話せないことです。動物はどこが痛いのか、どう苦しいのかを直接伝えることができません。そのため、症状を見逃さないように注意深く観察し、診断を下さなければならないのが難しいところです。

    また、どんなに頑張って治療をしても、病気やケガが治らなかったり、寿命を迎えてしまうことがあります。飼い主さんの悲しみや、動物の命を見送る瞬間に立ち会うのは、獣医としてとてもつらい部分です。それでも、最後までしっかり寄り添うことが大事なので、心の強さも求められます。

    これらの点は大変ですが、それでも動物を救うことができる喜びがあるので、やりがいを感じ続けられる仕事です。

  • 「中高生時代の挑戦と経験が今に繋がる財産に」

    野中さんは中高生時代に、どのような学生生活を送られてきましたか?

    高校までは、獣医になるという明確な夢があったわけでないですが、理科や生物が好きだったので、それを深く学ぶことが楽しみでした。動物に関する知識を学ぶ中で、次第に僕でも獣医になれるかもという気持ちが芽生えていきました。そのため、理科の授業は特に興味を持って取り組んでいました。中高時代の基礎知識が、獣医学部での勉強に非常に役立ちました。

  • 私のおすすめの1冊!
    「自分を見つめ直し、成長する物語”ブレイブ・ストーリー”」

    野中さんが、中高生におすすめしたい本、その理由を教えてください。

    宮部みゆきさんの『ブレイブ・ストーリー』を挙げたいです。この本は、主人公がさまざまな困難を乗り越えながら、自分自身を見つめ直し、成長していく物語です。ファンタジーの要素もある一方で、現実的な悩みや葛藤が描かれており、共感しやすい内容だと思います。
    中高生の時期は、自分が何を目指すのか、どう生きていきたいのかを考える時期だと思います。この本の主人公も、自分の弱さや限界に向き合いながら、成長していく姿が描かれており、読者が自分自身を見つめ直すきっかけになるかもしれません。

  • 探究チャレンジ!
    「ペットを大切にする社会をつくるためには、どうしたらよいだろう?」

    獣医の直面する社会的課題や問題直面について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「ペットを大切にする社会をつくるためには、どうしたらよいだろう?」

    ー「考えてほしいこと」
    「みなさんは”多頭飼育崩壊”(たとうしいくほうかい)という言葉を聞いたことがありますか?これは、ペットがたくさん増えてしまい、飼い主がちゃんと世話をできなくなることで、ペットたちが不幸になってしまうことを言います。最初はペットを大切に育てようと思っていても、数が増えることで、病気になったり、ごはんをあげられなくなったりすることがあります。みなさんには、”多頭飼育崩壊”が起こらないようにするには、どうしたらよいか考えてみてほしいです。」

    ー「基本知識」
    「ペットが増えすぎると、ごはんが足りなくなったり、病気になっても病院に連れて行けなかったりすることがあります。これによって、ペットがかわいそうな状態になるだけでなく、近隣住民など周りの人たちにも迷惑がかかることがあります。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「どうして多頭飼育崩壊が起こってしまうのでしょうか?」

    ②調べる:
    「多頭飼育崩壊を防ぐために、日本ではどのようなルールやサポートがあるか調べてみましょう。(例:ペットの数を制限する法律や、困ったときに相談できる機関など)」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、どうすれば多頭飼育崩壊を防げるか考えてみましょう。ペットを増やしすぎないためのルールや、飼い主が困ったときに助けてもらえる仕組みについて、どんなことができるか考えてみましょう。」

髪を通じてお客様の人生に寄り添う!
~美容師の魅力とは? ~

川崎 昭太郎

企業・団体名
美容師
出身
兵庫県
学歴
淡路中学校-大阪ビューティーアート専門学校卒
職歴
20歳で上京し就職-21歳でスタイリストに昇格-23歳で1社目を退職し、2社目にアシスタントとして就職-25歳でスタイリストに再昇格-27歳で店長に就任-28歳で役員に就任-29歳で独立し会社設立、フリーランスと経営者を両立
子供の頃の夢
飲食店
中学生の時の部活動
バスケットボール部
  • 「感謝を形に-美容師を選んだ理由とその想い-」

    川崎さんが、美容師になられたきっかけを教えてください。

    もともと髪をいじるのが好きだったのに加えて、おしゃれな仕事に就きたいという気持ちがありました。そこで、美容師かアパレルの道で迷ったのですが、美容師なら、親や友達の髪を切ってあげることで、お世話になった人たちに、直接感謝の気持ちを伝えることができ、恩返しができると思ったんです。アパレルだと、服を持って帰らなきゃいけないけれど、美容師ならその場で感謝の気持ちを表現できる。そんな思いが美容師を目指すきっかけでした。

  • 現在、やられている美容師の具体的なお仕事について教えてください。

    毎日お客様の髪の毛をカットするのが、メインの仕事になります。 一般的には、美容師=髪の毛を切る仕事って思っている人も多いと思います。でも、 美容師も種類が結構あって、ヘアカットをする人もいれば、ヘアメイクを担当する人、髪を切らないヘアセット専門の人など美容師というくくりの中でも色々あります。

  • 美容師になるためには必要なプロセスを教えてください。

    一般的に多いのは、高校卒業後、美容専門学校に2年間通い、国家試験に合格して美容師としてスタートするって流れです。私はその流れで専門学校に進みました。

    美容師としてのキャリアは、まずアシスタントから始まり、スタイリストになるまでの下積み期間があります。私もアシスタントとして1年ほど働きましたが、その時期は本当に大変でした。掃除やサポートが主な仕事で、技術を学ぶ時間は主に夜や休日を利用していました。お店が閉まった後も、自主練習やモデルを呼んでのカット練習を行っていました。特に最初の頃は、技術を習得するために何度も失敗しながら先輩に教えてもらい、その繰り返しで少しずつ上達していきました。今振り返ると、その時期の努力が今の自分に繋がっていると感じます。

  • 「美容師が感じるやりがいと課題」

    美容師としてのやりがいは何ですか?

    やっぱり「ありがとう」と直接言ってもらえる瞬間が一番のやりがいですね。特に長年お客様と関わっていると、人生の大切な節目に立ち会う機会が増えます。成人式や結婚式など、重要なイベントに携われることが多く、その時にお客様から感謝の言葉をもらえると、本当に美容師を続けてきて良かったと思います。

  • 一方で大変な点はありますか?

    大変な部分は、やはり労働環境や給料の問題ですね。特に下積み時代は長時間労働が当たり前で、昼食を取る時間がないこともありました。日中は、お客様の髪を切って、夜や朝に自分の練習をすることがよくありました。最近は、業務時間内に練習時間を割くことも増えてきましたが、それだけでは、十分とはいかないので、個人で練習する時間は必要です。

    給料面でも、特に新卒の頃はもらえるお給料も少なくて、家賃や生活費、さらに練習用の道具代などを差し引くと、本当にカツカツの生活でした。労働環境は少しずつ改善されつつありますが、まだまだ課題が多いです。とはいえ、お客様の「ありがとう」の言葉や、人生の節目に関われる喜びがあるからこそ、この仕事を続けられているんです。

  • 「お客様の人生の節目に寄り添う」

    川崎さんが美容師をされてきて思い出に残ってるエピソードを教えてください。

    やはり、この仕事は、成人式や結婚式など、お客様の大切な人生の節目に携われるのがとてもありがたいと感じます。まるでその人の「人生のしおり」の一部になれることに感謝しています。

    学生時代から担当していた方が「結婚しました」「成人しました」と報告してくれる瞬間には、この仕事をしていて本当に良かったと思います。人生の大切なタイミングに長く寄り添い続けられる仕事は、なかなかないですよね。

  • 「続ける力が可能性を広げる:美容師が伝えたい中高生への応援メッセージ」

    ここからは、川崎さんの中高時代のお話もお聞かせください。中高生時代はどのような学生でしたか?

    中学ではバスケットボール、高校では和太鼓を続けていました。この「何かに打ち込む」という経験が、今の美容師としての仕事に大いに役立っていると思います。美容師の技術を身につけるには時間がかかりますし、粘り強さが求められます。和太鼓で培った「継続する力」は、自分の成長に繋がる大切な要素でした。

  • この記事を読んでいる中高生に向けて、アドバイスをお願いいします。

    続けることの重要性は、中高生の皆さんにも伝えたいですね。何かに夢中になって取り組むことができれば、必ず自分の力になりますし、自信に繋がります。途中で挫折しそうになることもあるかもしれませんが、そこで諦めずに続けてみてください。何かを続けることで、将来の選択肢が広がり、自分の可能性を見つけることができると思います。焦らず、いろんなことに挑戦して自分の道を見つけてください。

  • 私のおすすめの1冊!
    「”7つの習慣”で学ぶ人との向き合い方」

    川崎さんが中高生におすすめしたい本を教えてください。

    私が中高生におすすめしたい本は『7つの習慣』です。この本からは、人との向き合い方やマインドセットについて多くを学ぶことができました。私も学生時代から読書が好きで、この本を読んで大きな影響を受けました。今では漫画版や簡易版も出ていますし、中高生にも手に取りやすい形でぜひ読んでみてください。きっと何かを感じ取ることができると思います。

  • あなたが美容院の店長だったら、また来たいと思ってもらうためにどんな工夫ができるか考えてみよう

    探究チャレンジ!
    川崎さんが、中高生に考えてほしい探究テーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「あなたが美容院の店長だったら、また来たいと思ってもらうためにどんな工夫ができるか考えてみよう」

    ー「考えてほしいこと」
    「美容院は、技術はもちろんながら、それ以上に居心地の良さやお客様に対するサービスが大切です。お客様に”また来たい”と思ってもらうためには、どんな工夫が必要でしょうか?例えば、お客様にリラックスしてもらえる空間を作ることや、心のこもった接客、最新のヘアスタイルの提案などが考えられます。

    お店の雰囲気や価格設定、SNSを活用した宣伝、さらにはお客様とのコミュニケーションの工夫も大事な要素です。あなたなら、どんなサービスや工夫をして、また来てもらえる美容院を作りますか?」


    ー「基本知識」
    「日本には非常に多くの美容院が存在しており、競争が激しい分野です。経済産業省の調査によると、2020年時点で日本全国には約25万軒の美容院があり、その数はコンビニエンスストアの約5倍にのぼります。各地域で多くの美容院がひしめき合っており、お客様に選ばれるためには、技術やサービスだけでなく、お店の独自性を打ち出すことが重要です。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「どうしてお客様が一度来ても、その後来なくなってしまうことがあるのでしょうか?お店の技術やサービス、価格設定など、お客様に満足してもらえない原因を考えてみましょう。」

    ②調べる:
    「成功している美容院がどのような工夫をしているかを調べてみましょう。インターネットなどを使って、人気の美容院の特徴や、お客様の意見を探してみてください。」

    ③解決策を考える:
    「調べた内容をもとに、お客様に”また来たい”と思ってもらうためには、どんな工夫ができるでしょうか?接客、サービス、店内の雰囲気、価格など、いろいろな面からアイデアを考えてみましょう。」

世界を旅した私がたどり着いた場所
四国しまなみ海道での新たな挑戦!

西村 偵太

企業・団体名
観光業
出身
神奈川県
学歴
大学卒業
職歴
株式会社WAKKA
子供の頃の夢
消防士
中学生の時の部活動
サッカー部
  • 「四国への移住から始まった新しい仕事」

    現在、西村さんは四国のしまなみ海道にある観光会社にお勤めだと聞きしました。まず、今のお仕事に就いたきっかけを教えてください。

    前から四国が好きで、四国のどこかに移住しようと考えていたんです。妻と一緒に、四国に親戚や友達がいるわけでもなかったので、車に荷物を積んで「よし、家探し行くぞ」って感じで家を探しに行きました。

    そんな中で子どもができて、家と仕事を探さなければいけない、という状況になって、急いで空き家を探してたら、気に入った家がしまなみ海道で見つかったので、そのまま急いで購入しました。そこから仕事を探し始めたんです。

    今の会社は元々知っていたわけではなく、市役所の移住促進課などに相談しながら探しました。海外旅行が好きだったので、旅行業やゲストハウスにも興味があって、そういったことに関わる仕事をしたいと思って、今の仕事を見つけて働き始めたんです。

  • 今の仕事内容について、教えてください。

    今はホテル業全般を担当しています。客室の清掃やフロント対応、メール対応、予約管理、サイクリストのサポートなど、幅広い業務をこなしています。しまなみ海道はサイクリングロードとしても有名で、海外からも多くのサイクリストが訪れるので、その対応もしています。さらに、釣り船のガイドや旅行プランの提案なども行っています。とにかく、色々なことをやっている感じです。

  • 「お客様にピッタリのプランを考える楽しさと難しさ」

    現在のお仕事の魅力や、大変さについて教えてください。

    魅力は、旅行って本当に十人十色で、それこそ、自分で1からプランを考えて、バックパッカーみたいに旅行するのが好きな人もいれば、全て計画が組まれた旅行が好きな人もいます。そんな中で、お客様の要望にぴったりなプランをこちらが提案できて、お客様が「このプランで行きます!」と言ってくれると嬉しいです。

    大変な点は、私自身どちらかというとバックパッカーみたいな自由な旅が好きなので、全て計画を決めてほしいというお客様への対応は難しく感じます。私自身が感じる楽しさとお客様が楽しいと思う感覚に、違いがあるのではないかと感じてしまうからです。お客様にとって何が楽しいか考えて、ぴったりの提案をするのって難しいなと思っています。

  • 「都会にワクワクしなくなった自分がいた」

    少し話が戻りますが、神奈川出身の西村さんが地方に移住した理由に興味があります。都会から地方への移住を決めた背景にはどんな思いがあったんでしょうか?

    確実に言えるのは、海外を回っている時に都会に行っても全然ワクワクしなくなったことです。ドバイのような大都市に行くたびに、「あれ、ここには心が動かないな」と感じるようになりました。
    その一方で、田舎の風景や自然豊かな場所に行くと、ストレスが一気に解消されるんですよ。都会にいるとどうしてもストレスが溜まりますし、田舎の方が自分には合っているんだと思います。
    そこで、住む場所を決める時に、一度夫婦で行って気に入った、しまなみ海道にしようかとなり、最終的にしまなみ海道に決めました。

  • 「世界一周の旅で学んだ自分らしい生き方」

    今、海外のお話もありましたが、世界一周や日本一周も経験されたと聞きました。その旅の経験が現在の生き方にどう影響していますか?

    高校までサッカー一筋で、夏の大会で引退した後、初めて海外に行ってみたいと思ったんです。
    そこでアルバイトをしてお金を貯めて、台湾に行きました。初めての海外だったのですが、すごく面白くて。それ以来、海外旅行が好きになりました。
    小さい頃からやったことのないことをやるのが好きで、海外だとその冒険心が爆発していた感じです。
    冒険や新しい体験が自分には向いていたんだなと気づかされました。

  • 「まずはやってみることが大切!」

    そんな行動力がある西村さんから、中高生向けて今のうちにやっておいた方がいいことはありますか?

    興味があるならとりあえずやってみることです。YouTubeで釣りの動画を見て「ちょっとやってみたいな」と思ったら、やってみる。意外と簡単で、そこから広がることもあります。

    自分も最初は世界一周なんてしたことないし、初めてのことは不安でした。でもやってみると意外となんとかなるものです。誰か特別な人だけができるわけじゃなくて、自分でもできるんだっていうのは、実際に挑戦してみるとわかりますね。

    あとは、自分がやりたいことがあっても、できない理由を考えてやめてしまうのはもったいないなと思いますね。例えば、起業したいと思っても、『自分には経験がないから無理だ』と思いがちです。加えて、TVとかネットでそういった人の情報を見ると『この人は特別だからできるんだ』って思ってしまうこともあります。でも、実際に自分でやってみると、意外となんとかなったりすることも多いんですよ。だからそういう経験を、部活でも勉強でも何でもいいですが、小さいことでも体験するというのは大切だと思います。まずは、何事も、まず一歩踏み出してみることですね。

  • 私のおすすめの1冊!
    「冒険と仲間の大切さを教えてくれる私の人生のバイブル」

    西村さんが中高生におすすめしたい本はありますか?

    活字は苦手なんで、あんまり本は読まないんですけど、漫画なら『ワンピース』が好きですね。
    冒険的な生き方や、ルフィのような生き方に共感します。皆さんも一度は読んだことがある人もいるかもしれませんが、冒険や挑戦することの楽しさ、仲間と共に目標に向かって船を走らせていく姿は勇気をもらえます。

  • 探究チャレンジ!
    「田舎に暮らしたいと思う人が増えるには、どうしたらいい?」

    最後に、西村さんの仕事の中で取り組んでいる問題や社会的課題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「田舎に暮らしたいと思う人が増えるには、どうしたらいい?」

    ー「考えてほしいこと」
    「田舎には子どもが少なくて、みんな都会に出て行っちゃうんですよね。農業や漁業の担い手がいなくなって、”俺の代で終わりだ”って言う人が多い。これが本当に大きな問題です。都会にも、田舎は好きで、住んでみたいという人は結構いるんですが、実際に田舎に住むとなると、仕事が無かったり、本当にやっていけるのかなど、様々な理由で田舎生活を断念する人が多くいます。確かに、仕事や交通の便など、都会と比べて不便なところもあります。一方で、実際に住んでいる私の経験ですが、自然豊かで、きれいな海も独り占めできます。ご飯もおいしいし、人もとてもやさしい。おまけに家を購入しても都会の10分の1とかの値段で買えます。住めば住むほどいいところなんですよね。そこで、みなさんには、多くの人に田舎の魅力に伝わり、田舎で暮らしたいと思うようになるための工夫について考えてほしいです!」

    ー「基本知識」
    「田舎には、自然環境、広々とした土地、地域の人との温かい交流など、多くの魅力があります。しかし、田舎に人が住みたくなるようにするためには、地域の魅力を伝えるだけでなく、生活しやすくなるための工夫も必要です。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「なぜ、田舎に住みたいと思う人が少ないのでしょうか?(例:都会の方が仕事が多いなど)」

    ②調べる:
    「田舎に住む人が増えるために、日本ではどのような取り組みが行われているか、インターネットなどで調べてみましょう。(例:仕事を増やすための政策や、生活環境(設備)の改善など、田舎を魅力的にする工夫を調べてみましょう)」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、田舎に住みたいと思う人が増えるために、どんな方法や工夫があれば良いか考えてみましょう。(例:地方での仕事を見つけやすくする方法、地域の魅力をもっとアピールする仕組みなど)」

人見知りから教師への道
~世界一周した先生が語る~

嶋尾 遥

企業・団体名
教師(小学校)
出身
熊本県
学歴
大学卒業
職歴
教師(小学校)
子供の頃の夢
教師
中学生の時の部活動
テニス部
  • 「母の夢を叶えるために教育の道へ」

    嶋尾(しまお)さんの、現在のお仕事内容について教えてください。

    現在は、小学校の先生として働いています。小学校の先生のお仕事内容は、みなさんのイメージ通り、授業を行うのはもちろんのこと宿題の丸つけや成績処理、保護者の方への連絡など様々です。また、放課後は次の授業準備や会議なども行われています。

    その他に、みなさんも係活動や委員会活動など担当があるように、先生方も一人ひとり委員会のような仕事が割り振られています。そういったクラス運営だけでなく、学校全体に関わる業務も担当しています。

  • 教師という職業に就いたきっかけはなんだったんでしょうか?

    きっかけは、私の母が、もともと小学校の先生になりたかったそうなんです。ただ、ピアノが弾けなくて諦めたという話を聞いていました。そこで、子供ながらに「お母さんの夢を私が叶えたい」という思いがあり、教員を目指しました。そこからは、小学校の先生になるための大学に進学し、夢を叶えることができました。

    一時期、人生の新たな経験を求めて世界一周の旅に出るため、小学校の先生を離れた時期もありましたが、その後は、再び教職への情熱が高まり、現在は小学校の先生として勤務しています。

  • 「子供たちの成長に立ち会える」

    嶋尾さんにとっての教師というお仕事の魅力はなんでしょうか?

    教師の魅力って、本当にたくさんあるんです。何と言っても、子どもたちの成長を毎日見られるっていうのが一番大きいです。人の成長ってすごく感動するものだと思うんですけど、それを日々目の当たりにする感覚なんです。まるで毎日がドラマみたいで。

    子どもたちが頑張っている姿だったり、時には苦しんでいる姿を見たりして、その頑張った先に笑顔が見れると、本当に嬉しいんです。そういう成長の瞬間に立ち会えるのが、この仕事の一番の魅力かなと思います。

  • 一方で大変なところは、どんなところでしょうか。

    これは、多くの先生も抱えている悩みだと思うのですが、とにかく業務量が多いんですよね(笑)小学校では10教科以上を教えるので、全ての教科の内容をしっかり理解して、教えるレベルの知識も必要です。

    さらに、保護者や地域の方々、そして先生同士と協力して進める仕事も多くあります。本当に沢山の仕事に追われる毎日です(笑)

  • 「自分がやりたいことを追い求め世界一周へ」

    冒頭で、教員を一度辞めて、世界一周をしたとありましたが、世界一周についても教えて下さい。

    もともと「世界の人と会いたい」「世界の絶景を見たい」という漠然とした希望がありましたが、「いつかできたらいいな」という程度のものでした。

    それが行動に変わったのは、コロナに感染してしまった時です。その時、誰とも話せず、窓の外の景色も変わらない環境で療養をする中で、これまで外向きだった意識が自分自身に向き、「本当に自分がやりたいことって何だろう」と考え、ノートにいろいろ書き出してみました。そこで、一番ワクワクしたのが「世界一周」でした。

    そして、コロナの経験を通して、「いつ人生が終わるかなんてわからない」と痛感し、「今やりたいことをやろう」と決意。教員を辞めて旅に出ることを決めました。

  • 実際に、世界を旅してみて、世界を見て回る前と後での変化も含めて、旅を通して感じたことがあれば教えていただきたいです。

    「幸せ」について考える機会がとても多くなりました。様々な国の人に出会い、様々な生き方を見るなかで、「自分にとっての幸せとは何だろう」と考えました。

    その結果、私にとって、幸せは「気づくもの」だということがわかりました。今、こうして自分の声が中学生に届いて、何か影響を与えられるかもしれないというのも幸せです。こういった日常の中に幸せがたくさんあるんだな、というのを強く感じました。

  • 「正解を押し付けない学びのサポート」

    そのような経験を通して嶋尾さんが、教師として生徒と接する中で大切にされていることはありますか?

    人は、本当にやりたいことをしている時にこそ、輝けるのではないかと思っています。なので「正解」に当てはめるような教育ではなく、その子のなかにある輝きや才能、本当にやりたいことを見つけて、それを伸ばしていくことを大切にしています。時には困難もあるかと思いますが、試行錯誤しながら乗り越えることで、自信や自己肯定感を高められるように導いていきたいと考えています。

  • 「"自分に向いているか"よりも"本当にやりたいか"どうか」

    ここから嶋尾さんの中高生時代のお話も聞かせてください。中高生時代は、どのような学生だったんですか?

    これを言うと「嘘でしょ?」って言われるんですが、私は本当に人見知りでネガティブな性格だったんです。中学3年生の時、転校したのですが、地域の文化のギャップがあまりに大きくて戸惑ってしまい、どのように友達とコミュニケーションを取ればいいのかわからなくなってしまいました。その結果、すごく人見知りになりクラス内で少し発言するだけでもドキドキするほどでした。

    しかし、高校で進路を考える時に「先生になりたい」と思ったんです。ただ、こんなにコミュニケーション能力が低い自分では、良い教育はできないだろうと感じて、そこから自分を変える努力を始めようと決心しました。

  • この記事を読んでいる中高生に、今のうちになっておけばよいことなどあれば、ぜひメッセージをお願いします。

    自分に向いているかどうかはそれほど重要ではなく、本当にやりたいかどうかが大事だと思っています。まずは、やりたいことになんでも挑戦してみてほしいと思います。進路を考える時にも、まずそういった考え方を持っておくことが大切だと思います。
    私の好きな言葉に「今の能力でできるかどうかを判断するな。現在進行形ではなく、未来進行形で能力を考えろ。」というものがありますが、私の経験から、まさにそう伝えたいです。

  • 私のおすすめの1冊!
    「心を軽く、未来を楽しく”夢を叶えるゾウ”」

    嶋尾さんが中高生に読んでほしいおすすめの本はありますか?

    『夢を叶えるゾウ』は、誰もが抱く「やりたいことが見つからない」という悩みを解決してくれる本です。ユーモアあふれるゾウの神様が、どうやって夢を見つけ、その夢を叶えるためにはどのようにすればよいか、具体的な方法を教えてくれます。私は、その方法を一つ一つ実行していきました。騙されたと思ってやってみたら、人生がもっと楽しくなりました。
    中学生の皆さんも、この本を読んだら「自分にもできるかも!」と感じられるはずです。

  • 探究チャレンジ!
    「校則が本当に必要なのか考えてみよう」

    嶋尾さんが、中高生に考えてほしい探究テーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!
    ー【探究学習のテーマ名】
    「校則が本当に必要なのか考えてみよう」

    ー「考えてほしいこと」
    日本の学校には、さまざまな校則があり、服装や髪型、持ち物など、いろいろなルールが定められています。しかし、校則がほとんどない学校や、生徒自身で校則を決める学校もあります。校則がある理由や、それが生徒にどのような影響を与えているのかを自分の頭で考えることが大切です。もし校則がなくなったら、学校生活にどんな変化があるのかを想像してみてください。校則が必要なのかどうか、自分なりの意見を考えてみてほしいです。

    ー「基本知識」
    「校則は、生徒が安心して学び、規律ある学校生活を送るために作られています。一方で、生徒の自由や個性を制限しているのではないかという意見もあります。世界中には、校則が少ない学校や、生徒自身が校則を決める学校もあり、そのような学校では異なる価値観やルールが存在します。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「なぜ学校には校則があるのでしょうか?校則があることのメリットとデメリットを考えてみましょう。」

    ②調べる:
    「日本の学校で行われている校則や、校則のない学校の取り組みの例をインターネットなどで調べてみましょう。」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、校則が本当に必要なのか、自分なりの考えをまとめましょう。もし校則がいらないと考えるなら、その代わりにどんなルールがあれば良いか、校則をどう変えればより良い学校生活が送れるか、具体的なアイデアを考えてみましょう。」

がん患者との出会いが私を変えた
私の薬剤師としての使命感

日高 里奈

企業・団体名
薬剤師
出身
宮崎県
学歴
薬科大学卒業
職歴
宮崎県庁薬剤師
子供の頃の夢
医師、獣医師
人助けになるような仕事をしたい
中学生の時の部活動
バドミントン部
  • 「薬剤師」ってどんな仕事?

    現在のお仕事内容について教えてください。

    現在は、主に病院で入院患者さんのお薬の調剤や、服薬指導を担当しています。医師が処方した薬が適正な量か、患者さんの病状に合ったものかを慎重に確認し、さらにもう一人の薬剤師がダブルチェックを行います。薬剤師のミスは命に直結するため、細心の注意を払う必要があります。

    また、私は県庁の薬剤師としても働いているので、保健所での業務や、行政職の仕事にも携わっています。さまざまな環境で、多様な役割を果たしているのが現在の仕事です。

  • 薬剤師になったきっかけを教えてください。

    小さい頃から「人を助ける仕事がしたい」という漠然とした思いがありました。理系科目が得意だったこともあり、自然と医療系の道に進むことを考え始めました。

  • がん患者との出会いが変えた薬剤師の道

    現在は、がんの専門薬剤師でもあると聞きました。そのきっかけについて教えてください。

    私が薬剤師になって2年目の頃、まだ若い20代の女性ががんで入院していました。その方は激しい痛みを抱えていて、いつも「死にたい」と口にしていました。当時は、がんの痛みに対して十分な鎮痛薬がなく、私は薬剤師でありながら、その患者さんを助けられない無力感を強く感じました。

    それがきっかけで、「がん患者の痛みを少しでも和らげたい」と思うようになり、がんの専門薬剤師としての道を選びました。この経験は、私の薬剤師としての姿勢を大きく変えた瞬間でした。

  • 薬剤師のやりがいは何ですか?

    やはり、患者さんやその家族から「ありがとう」と言われる瞬間が、私にとっての最大のやりがいです。

    自分が調剤した薬が患者さんの痛みを和らげたり、健康回復に貢献できたと実感できることが、この仕事を選んで良かったと思える瞬間です。
    また、医療従事者として、他の医療スタッフとの連携もうまくいった時に感じる達成感も、やりがいのひとつです。

  • 薬剤師の大変な部分を教えてください。

    医療業界全体の課題として、やはり人手不足があります。
    時間外労働が多く、また薬剤師はミスが許されない職種のため、常に高い集中力を求められます。

    また、患者さんに薬の服用を促すこと自体も簡単ではありません。特にお薬が苦い場合や、飲みにくい場合には、患者さんへの丁寧な説明が必要です。それでも、薬の飲み方や副作用のリスクを理解してもらうために、できる限り患者さんに寄り添うよう心がけています。

  • 中高生へのメッセージ

    中高生時代にやっておいてよかったことはありますか?

    私自身、中高生の頃は特に目立つ存在ではなく、普通の学生生活を送っていましたが、興味のあることには積極的に挑戦していました。
    親が理解してくれていたこともあり、部活や習い事など、いろいろなことを経験させてもらえたのは良かったと思っています。

    その結果、自分の向き不向きが自然に見えてきました。自分に合うこと、合わないことを知るためには、できるだけ多くのことに挑戦することが大切だと思います。

  • 今の中高生に向けて、どのようなアドバイスがありますか?

    将来について漠然とした不安があるかもしれませんが、焦らず、自分の興味や得意なことを見つけてください。

    やりたいことが見つかるかもしれないし、見つからないこともあるかもしれません。
    それでも、挑戦を通じて自分を知ることができます。いろんなことに手を出して、自分の可能性を広げていってください。

  • 私のおすすめの1冊!
    "死学"ー生き方を考えるために

    中高生におすすめの本があれば教えてください。

    私がおすすめするのは『死学』という本です。

    ホスピス医が書いたこの本は、患者さんの死を看取る経験から、どのように生きるべきかを考えさせられる内容です。
    中高生の皆さんにとっては少し難しいかもしれませんが、死について考えることが、逆に自分の生き方を見つめ直すきっかけになるかもしれません。ぜひ読んでみてください。

  • 探究チャレンジ!
    「お薬のムダを減らせ!医療費を削減するために私たちができることは?」

    薬剤師の視点から社会的課題や直面する問題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「お薬のムダを減らせ!医療費を削減するために私たちができることは?」

    ー「考えてほしいこと」
    「日本では、医療費が年々増加しています。特に「残薬」(飲み残したお薬)は社会的な問題になっており、1年間で400億円から1000億円分の薬が無駄になっていると言われています。特に高齢者の家庭では、多くの薬が適切に使用されずにたまってしまい、それが医療費の増加の原因の一つにもなっています。

    皆さんには、ぜひ身近な高齢者や家族が、無駄な薬を出さないために、どのようにサポートできるか考えてみましょう。適切に薬を飲むための工夫や、お薬の管理方法についてなど、医療費削減に貢献できるアイデアを提案してほしいです。」

    ー「基本知識」
    「医療費が増えている原因の一つに、高齢者の薬の「残薬」問題があります。薬をきちんと飲まないことで病状が悪化し、さらなる薬が必要になったり、医療費がかさむことが増えています。また、薬の価格自体も上がっていることから、残薬の問題が解決できれば、医療費全体を大幅に削減することができます。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「どうして多くの高齢者が薬を残してしまうのでしょうか?」

    ②調べる:
    「薬の飲み忘れを防ぐ方法や、残薬を減らすために行われている取り組みについてインターネットなどで調べてみましょう。」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、自分たちが身近な高齢者や家族が薬を適切に管理できるように、どんなサポートや工夫ができるかを考えてみましょう。」

皆が見ているwebサイト!!
実は私が作ってるんです!

岡田 優美

企業・団体名
WEBデザイナー
出身
新潟県
学歴
専門学校卒業
職歴
広告代理店
子供の頃の夢
料理人
中学生の時の部活動
美術部
  • 「アイデアを形にする喜びから始まったWebデザイナーへの道」

    まず初めに岡田さんがwebデザイナーになったきっかけを教えてください。

    きっかけは、小さい頃から絵を描いたり、色を使ってデザインすることが大好きで、高校生のとき、学校の授業で自分のホームページを作るプロジェクトがあって、そのとき「こんな風に自分のアイデアを形にできる仕事があるんだ!」と気づいたんです。それからは、もっと詳しく学びたいと思って、デザインソフトを使ったり、インターネットで色々調べて、自分のスキルを磨きました。最終的に、自分のデザインを使って人の役に立てる仕事として、webデザイナーを選びました。

  • 「お客様の頭の中のイメージを、少しずつ形にしていく仕事」

    webデザイナーのお仕事内容を教えてください。

    ウェブサイトのデザインを作成する前に、お客様がどんなサイトを作りたいのかを聞きます。会社の紹介をしたいのか、商品を売りたいのかなど、目的をしっかり確認します。それから、どんなデザインや色使いにするかを一緒に考え、パソコンでデザインを作り上げていきます。

    デザインは、ゼロから提案する場合もあれば、お客様の希望やブランドに合わせて作ることもあります。すでにロゴや色のイメージがある場合は、それに合わせてデザインを考えます。「どんなデザインにしたらいいかわからない」というお客様には、いくつかの提案をしていくことからはじまります。

    最初はお客様と話し合って、「どんな雰囲気がいいか」「どんな使い方をしてもらいたいか」を聞くことが多いですね。お客様の頭の中のイメージを、少しずつ形にしていくのが私の仕事です。

    デザインが完成したら、次はプログラマーと協力して、そのデザインを実際にウェブサイトとして動く形にします。

  • 「磨き続けるWebデザイナーの道」

    ホームページは私たちにとって身近な存在で、日常的にアクセスしていますが、実際には知らないことが多いんだなと感じました。そんなwebデザイナーになるうえで必要なスキルや知識を教えてください。

    デザインの基礎を理解することが大切です。色の使い方やレイアウトのバランスを知っていると、見やすくてわかりやすいデザインを作ることができます。また、きれいなデザインだけではなく、簡単に利用できるサイトにすることが重要です。

    さらに、HTMLやCSSといったプログラミング言語も必要です。これらの言語を使って、デザインしたサイトをインターネット上で正しく表示させることができます。

  • web デザイナーとしてのお仕事のやりがいを教えてください。

    ウェブサイトは多くの人が毎日利用するものなので、自分の作ったものが誰かの役に立っていると感じられるのも大きなやりがいです。オンラインショップをデザインした場合、そこで商品を買って助かる人がいます。自分の仕事が人々の生活に役立っていると思うと、達成感を感じます。

  • 一方で、webデザイナーとしての大変なところを教えてください。

    デザインの仕事はお客様の要望に応えることが大切なので、お客様がイメージするものを正確に形にするのが難しいことがあります。お客様が「もっとシンプルに」と言っても、その「シンプル」がどんなデザインを指しているのか、人によって感じ方が違うので、何度も修正を重ねることもあります。お互いに納得いくまで調整することが大変です。

  • 「好きなことを伝えてみる」

    ここから岡田さんの中高生時代のお話も聞かせてください。中高生時代は、どのような生活を送ってきましたか?

    中学では美術部に入っていて、絵を描くことがとても好きでした。学校のポスターや文化祭のチラシをデザインしたのが、私の初めての「デザインの仕事」でした。自分が作ったデザインが学校中に貼られて、みんなが見てくれるのがうれしかったです。

    高校の文化祭では、クラスの展示のデザインや装飾を任されることが多く、毎年本気で取り組んでいました。デザインを通じてみんなと一緒に何かを作り上げることがとても楽しく、その経験が今のwebデザイナーの仕事につながっていると思います。

  • まさに、昔から好きだったことを仕事にされているんですね。岡田さんのように好きなことを職業につなげるために、大切なことはなんですか?

    私がひとつやっておいて良かったなと思うことは「周りの人に自分の好きなことを伝える」ことです。私は学校でポスターや文化祭の装飾を頼まれることが多かったのですが、それは友達や先生たちが「デザインが好きなんだね」「センスがいいね」と気づいてくれたからだと思います。自分の好きなことを周りに伝えておくと、思わぬチャンスが巡ってきたり、新しい経験ができたりすることがあります。

  • 私のおすすめの1冊!
    「悩みすぎずに考えを広げる”思わず考えちゃう”」

    岡田さんが、中高生におすすめしたい本を教えてください。

    おすすめしたい本は、ヨシタケシンスケさんの『思わず考えちゃう』です。この本は、普段の日常の中で「どうしてだろう?」と思うことをユーモアたっぷりに描いていて、難しいことを考えすぎずに楽しく読み進められます。特に中高生の皆さんが、これからの人生や将来について少しずつ考え始める時期に、「悩みすぎないこと」「考えを広げること」の大切さに気づける本だと思います。
    この本は、絵本のようなイラストがたくさんあり、重くならずに明るく前向きな気持ちで読むことができます。

  • 探究チャレンジ!
    「皆さんが見ているwebサイトの情報、本当に正しい?」

    webデザイナーの視点から社会的課題や直面する問題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「皆さんが見ているwebサイトの情報、本当に正しい?」

    ー「考えてほしいこと」
    「私が課題と感じているのは情報の信頼性です。webデザインの仕事では、情報を見やすく、わかりやすく伝えることが求められますが、インターネット上にはたくさんの情報があふれていて、その中には誤った情報や嘘のニュースも含まれています。誰でもウェブサイトを簡単に作れる時代だからこそ、どの情報が信頼できるのかをしっかりと確認する力が必要です。

    例えば、テスト前に「数学の公式を覚えるための裏技」を調べるとします。いくつかの記事や動画が出てきますが、その中には信頼できるものもあれば、正しくない情報が混ざっていることもあります。もし誤った方法を信じてしまうと、テストで失敗するかもしれません。健康に関する情報では、これを食べるとすぐに痩せると書かれているウェブサイトを見つけたとします。でも、その情報の根拠がしっかりしていない場合、間違った方法で健康を損ねてしまうこともあります。信頼できる情報源かどうかを確認せずに信じると、体に悪い影響を与える可能性があります。

    そこで、皆さんが見ているWebサイトの情報が、本当に正しいかどうかを見極める方法を考えてみてほしいです。」

    ー「基本知識」
    「Webサイトの情報が正しいかどうかを確認するためには、いくつかのポイントがあります。まず、情報を発信しているのが信頼できる人や団体かどうかをチェックします。たとえば、政府の機関や大学、専門家が発信している情報は信頼できることが多いです。また、内容に証拠や出典があるか、更新日が新しいかどうかも確認するポイントです。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「どうしてインターネットには間違った情報があるのでしょうか?また、なぜその情報が広まってしまうのか考えてみましょう。(例:誰でも自由に情報を発信できる、確認せずに情報がシェアされるなど)」

    ②調べる:
    「Webサイトの情報が正しいかどうかを確認するための方法について調べてみましょう。(例:信頼できるニュースサイトや、専門家による記事の見分け方など、どうやって信頼性をチェックするのかを探してみてください)」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、皆さんがWebサイトの情報を正しく見極めるためには、どんな工夫やチェックポイントが役立つか考えてみましょう。(例:どんな点に注意すれば良いか考えてみましょう)」

乗り物愛からはじまったイマのキャリア
〜見えないところで社会を支える〜

山崎 絋一郎

企業・団体名
大手重工業メーカー
出身
神奈川県
学歴
横浜国立大学大学院
職歴
大手重工業メーカー
子供の頃の夢
船の操縦士
中学生の時の部活動
野球部
  • 「幼い頃の好きを形に ー乗り物への憧れを仕事にした理由」

    山崎さんの現在のお仕事の内容を教えてください。

    今のやっている仕事は、国内のゴミ処理場の焼却炉や、焼却した後のものを運ぶ機械、ゴミを受け入れる機械などの設計をやってます。具体的には、設計図を作成しそれを工場で製造してもらい、その後現地に導入するまでの工程を担当しています。私はその設計から導入までを手がける仕事に携わっています。

  • 山崎さんが、現在のお仕事に就いたきっかけを教えていただけますか?

    きっかけは、昔から大きな乗り物が好きで、「そういうものを作りたい、設計したい」という気持ちがありました。そこから理系の道に進みました。
    今の会社を選んだ理由は、航空機や電車、バイクなど、さまざまな製品を作っているメーカーだったため、多くの分野で機械に対する知識を深められるところに魅力を感じて、入社を決めました。

  • 小さい頃から、乗り物に興味があったんですか?

    そうですね。特に、僕は小さい頃から船が大好きでした。昔、お台場に「船の科学館」っていう施設があって、今はもうなくなってしまったんですけど、よく行くほど船が好きでした。それをきっかけに、船がたくさんの人や物を運んで、世の中を動かしている物流や人の流れに携われたら、自分にとって大きなモチベーションになるだろうと思いました。そういう思いが、今の会社を選んだ理由です。

  • 山崎さんが、幼いころから好きだった乗り物に関わる仕事へ進もうと考えたのはいつ頃だったんでしょうか?

    理系の大学に進んだ時点で、将来こういった分野に進むんだろうなという覚悟はありました。ただ、やっぱりそれが一番現実的に感じられるのは、就職活動の時期だと思います。働くことが自分にとって本当に身近なものになってきて、就職体験などを通して、「自分は具体的にどこを目指していくべきなんだろう」と考えました。そういったときに、いろいろな選択肢を提供してくれる会社はやっぱり魅力的に見えます。結果的に、乗り物や大きな機械を作れる大手の重工業系の会社が候補に上がったというわけです。

  • 「見えないところで社会を支える
          ーゴミ処理機械設計のやりがいと大変さ」

    山崎さんの仕事のやりがいについて、教えていただけますか?

    設計した機械が無事に完成して、しっかり動き出し、ゴミを受け入れて処理を始めたときは、達成感を感じます。ただ、普段はあまり注目されない仕事なんですよね。朝、ゴミ収集車がゴミを回収して街からゴミがなくなっていく様子を見て、「ゴミがなくなったな」と思うくらいで、深く考えないことが多いと思います。でも、もしゴミの処理がうまくいかなくなれば、匂いが出たり、ゴミ捨て場がいっぱいになったりします。そんな状況を陰ながら支えていることに気づくと、普段の生活では見えない部分ですが、私たちの仕事が役に立っているのだと実感します。

  • 一方で、大変な部分はありますか?

    ゴミを扱っているので、いろんな種類のゴミが入ってきます。それをきちんと燃やして処理し、最終的に適切に処分できる状態にする必要がありますが、その過程で機械に大きな負担がかかることが多いです。その対応はとても大変です。

    また、ゴミを受け入れる場所では、作業スペースによって匂いなどが厳しく感じられることもあります。そういった施設ならではの環境の中で、肉体的にも精神的にも大変な部分はあります。

  • 「好きなことに全力で挑戦 」

    山崎さんが中高生の頃は、どのような学生だったのでしょうか?

    中高生時代は、いろいろなことに挑戦していたと思います。勉強はそこそこできたので、人に教えることもありました。その一方で、部活動では野球をやっていて、合間の時間には音楽にも取り組んでいました。実は、坊主頭で合唱コンクールのピアノ伴奏と指揮をやったこともあります(笑)日焼けしながらやっていましたね。そう考えると、時間をフルに使って、いろんなことに取り組んでいた学生だったと思います。

  • 私のおすすめの1冊!
    「アイデアを形にする ”思考の整理学”」

    山崎さんが中高生におすすめしたい本はありますか?

    僕が学生時代に読んで「ハッ」とした本のひとつに、『思考の整理学』があります。アイデアって、思いついてもそのまま埋もれてしまうことが多いですが、この本では思いついたアイデアをどう整理できるかや、必要なときにそのアイデアを再び使えるようにするにはどうしたらよいかの方法がわかりやすくまとめられているので、おすすめです。

  • 探究チャレンジ!
    「子供から高齢者まで、便利で住み良い街にする方法を考えてみよう」

    最後に、山崎さんの仕事の中で取り組んでいる問題や社会的課題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「子供から高齢者まで、便利で住み良い街にする方法を考えてみよう」

    ー「考えてほしいこと」
    「今の日本は、少子高齢化が進み人口がどんどん減少するという大きな問題があります。昔はたくさんの若い人が1人のお年寄りを支えていましたが、今では少ない若者で多くのお年寄りを支えている状況です。その中で、若者も高齢者も住みやすい街にしていく必要があります。
    最近では、子どもを育てやすくするための支援を充実させたり、高齢者が元気に長く働けるようにしたりする取り組みも様々な地域で進んでいます。そこで皆さんの住んでいる街にどういう仕組みあれば、子供から高齢者まで幅広い世代にとって便利で住み良い街になるか考えてほしいと思います。」

    ー「基本知識」
    「少子高齢化とは、子供の数が減り、高齢者の割合が増える現象です。これにより、地域の設備やサービスを見直す必要があります。便利で住みやすい街づくりには、技術とデザインの両方が重要です。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「なぜ少子高齢化が進むと、街の設計を見直す必要があるのでしょうか?(例:高齢者が増えるとどんなサポートが必要になるか、子供や働く世代にはどんな設備が求められるかなど)」

    ②調べる:
    「少子高齢化を見据えた街づくりの成功事例や制度、新しい技術を活用した都市についてインターネットなどで調べてみましょう。」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、子供から高齢者まで、全ての世代が便利で住みやすい街にするためには、どんな技術や設備が必要だと思いますか?(例:高齢者が安心して使える交通手段、子供が安全に遊べる公園など具体的な工夫を考えてみましょう)」

サステナビリティってなに?
会計のプロが会社と地球を守る

東郷 円花

企業・団体名
大手監査法人
出身
宮崎県
学歴
米国大学卒業
職歴
大手銀行就職後-大手監査法人に転職
子供の頃の夢
海外で働く
中学生の時の部活動
ダンス部
  • 「サステナビリティを支える仕事—持続可能な未来のために企業をサポートする」

    現在のお仕事に就いたきっかけや、現在やられているお仕事の内容を教えてください。

    現在は、大手監査法人のサステナビリティ事業部で、企業がサステナビリティに関する情報をどう発信するかをサポートしています。サステナビリティは、日本語で「持続可能性」という意味で、環境、経済、社会を持続的に発展させるための考え方です。皆さんもSDGs(持続可能な開発目標)という言葉を聞いたことがあるかもしれません。最近、多くの企業がこのサステナビリティというテーマに注目していて、自分たちのサステナビリティの活動をホームページなどで報告しています。私はその報告する内容や方法について、企業にアドバイスをする仕事をしています。

    今の仕事に就く前は、大手銀行で海外の子会社の業績管理(お店や会社がどれだけ商品を売ったか、逆にどれくらいお金を使ったかなどを調べる仕事)を任されていたことがきっかけで、その道の専門家になりたいと思い、USCPA(米国公認会計士)の勉強を始めました。
    その後、この資格を活かした仕事をしたいと考え、今の会社で4年間、会社の決算書(会社がどれくらいお金を稼いだか、どれくらいお金を使ったのか書いてある書類)をチェックする仕事を経験しました。

    その後、最近、世界で注目されているサステナビリティの分野でも、専門性を高めたいと思い現在の部署に異動しました。


  • 「企業のお金が適切に使われているかを判断をする専門家」

    監査という言葉は、中高生にはあまり馴染みのない言葉かもしれません。このお仕事に必要なスキルや知識を教えてください。

    監査(会社が約束を守ってちゃんと仕事をしているかどうかを調べること)と会計(会社のお金の出入りを記録して、ちゃんと使えているか確認すること)の専門知識が必要となります。
    そのため、公認会計士またはUSCPA(米国公認会計士)という資格の取得が必要です。

  • 「監査の仕事の魅力—柔軟な働き方と専門知識が役立つ瞬間 」

    今のお仕事の魅力ややりがい、大変だなと思うところを教えてください。

    大手企業の監査をしていた頃は、4月から6月が一番忙しく(日本では3月に監査と呼ばれる会計のチェックをする企業が多いため)、その時期は長時間働くことが続いて大変だと思うこともありました。一方で、忙しい時期が終わると休みが取りやすくなり、仕事とプライベートのバランスがとりやすいところが魅力的だと感じました。

    また、監査の仕事は資格が必要なので、女性にとっても、子育てで少し仕事を休んだ後でも、資格さえあれば復職しやすいのが良い点だと思います。さらに、仕事で使う資料がデータ化されていることが多いので、リモート(自宅など)で仕事ができるのも良いところです。通勤時間がない分、本を読んだり朝の運動をしたりする時間に使えるのは便利ですよ!他にも、担当している企業の担当者から監査に関する質問を受けることが多いですが、そのたびに感謝されることで、自分の専門知識が役に立ったと実感しやりがいを感じますね。

  • 「質問魔だった学生時代—探究心と英語への情熱が私を変えた」

    ここからは東郷の中高生時代のお話を聞かせてください。東郷さんはどんな中高生時代を送ってきましたか?

    中高生時代は人前で発言や発表することが苦手で、あまり前に出るタイプではありませんでした。しかし、勉強面では先生に呆れられるほどの質問魔で、授業が終わるたびに必ず1つは先生に質問するなど探究心・好奇心は旺盛だったと思います。
    また、とにかく英語が大好きで、大学では必ず留学したいと思っていました。この時の経験が、今の私を作っている気がします。

  • 「英語を続けてきたことが将来の武器に—中高生のうちにやっておきたいこと」

    東郷さんが思う中高校生のうちに、やっておいてよかったことはなんですか?

    やっておいて良かったことは、英語の勉強(特にスピーキング)です。私は中学生の頃からアメリカの音楽やドラマが大好きで、英語の勉強を積極的にしていました。社会人になってから、英語を話せることが大きな強みになる場面がたくさんありました。英語を話せると、世界中の人とコミュニケーションができるので、将来の仕事の選択肢も広がると思います。

    また、就職活動や転職活動をする際には、今までで一番頑張ってきたことをよく聞かれます。中高生のうちに、何かを続けて取り組めることを見つけることが大切です。例えば、私が就職活動をしていた時は、幼稚園の頃からヒップホップダンスを習い、中高でもダンス部に所属し、副部長を務めたエピソードを話しました。このように、長く続けて頑張ってきたことがあると、それが自信になり、就職活動でも有利になるので、何かに挑戦して続けることをおすすめします。

  • 私のおすすめの1冊!
    「ストレス対策に瞑想(めいそう)を是非—”世界のエリートがやっている最高の休息法”で学ぶリラックス術」

    東郷さんが中高生におすすめしたい本とその理由を教えてください。

    私は、久賀谷亮さんの「世界のエリートがやっている最高の休息法」という本をおすすめします。今後、受験や社会人になると、今まで以上にストレスを感じたり、忙しくて十分な睡眠が取れなくなったりすることがあるかもしれません。
    そんなときに、瞑想(めいそう)のやり方を知っておくと、集中力が上がったり、リラックスしてストレスが軽くなることがあります。瞑想(めいそう)とは、目をつぶって、心を落ち着かせて行う呼吸法のことです。私も毎朝5分の瞑想をするようになってから、仕事の効率が良くなりました。興味がある方は、まずこの本を読んで瞑想(めいそう)について学んでみてください。

  • 探究チャレンジ!
    「なぜ環境を守ることは必要なのか、環境を守るために私たちにできることってなんだろう」

    東郷さんの仕事で取り組んでいる問題や社会的課題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「なぜ環境を守ることは必要なのか、環境を守るために私たちにできることってなんだろう」

    ー「考えてほしいこと」
    「ぜひ、私が今携わっているサステナビリティに興味を持ってほしいです。特に、皆さんにとって身近な「環境保護」については、一人一人の意識がとても大切です。サステナビリティとは何か、そしてなぜ環境保護が必要なのかを自分で調べてみて、今、自分にできることを考えてみてください。」

    ー「基本知識」
    「環境を守ることは、地球の資源を大切に使い、未来の世代に健康な環境を引き継ぐために必要です。私のいる会社では、企業が環境に配慮しているかどうかを確認し、持続可能な活動を促すための調査を行っています。このような活動は、企業が地球環境に対する責任を果たすのに役立ちます。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「なぜ環境を守ることが重要なのでしょうか?環境が破壊されるとどんな問題が起こるかを考えてみましょう。(例:温暖化が進むと海面が上昇し、人々が住めなくなる地域が増える、動物の住みかがなくなるなど)」

    ②調べる:
    「環境を守るために、企業がどのようにして環境問題に取り組んでいるか、また私たち個人が日常生活の中でできることについて調べてみましょう。」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、私たちが環境を守るために、具体的にどんな行動を取ることができるかを考えてみましょう。普段の生活の中で、簡単に実践できることでも構いません。」

『ビジネスの総合格闘技??』
部活の経験を活かし日本社会の課題に挑む

山田 雄樹

企業・団体名
投資ファンド
出身
群馬県
学歴
上智大学
職歴
外資系コンサルティングファーム-外資系M&Aアドバイザー
子供の頃の夢
中学生の時の部活動
サッカー部
  • 「スポーツから広がった自分の未来と仕事の選択」

    山田さんの現在のお仕事に就いたきっかけや、現在やられているお仕事の内容を教えてください。

    私は3歳から高校を卒業するまで、サッカーを中心に生活してきました。そのため、20歳くらいまでは「スポーツに関わる仕事がしたい」と漠然と思っていましたが、アメリカ留学や企業でのインターンシップ(企業体験)を通して、「世の中には本当にたくさんの仕事があって、それぞれが社会を支えているんだ」と学びました。

    この経験から、自分の将来の選択肢が一気に広がり、「スポーツだけじゃなく、これからの日本に必要とされる、成長が期待できる仕事に就きたい」と思うようになりました。そして、大学3年生で就職活動を始めたとき、「日本の問題を解決するために必要とされ、急速に広がっているM&A(企業の合併や買収)の仕事に関わりたい」と強く感じました。

    M&Aとは、企業の「合併」や「買収」を指します。簡単に言うと、ある会社が別の会社と一緒になったり(合併)、その会社を買い取ったり(買収)することです。このようなことを行うと、会社の規模が大きくなったり、新しい分野に挑戦できたりします。

    M&Aを手伝う仕事は、会社同士が合併や買収をスムーズに進められるようにサポートしたり、合併や買収をして成功するかどうかを調べたりします。

    例えば、あるおもちゃ会社が、新しいゲームの会社と合併することで、より多くの種類のおもちゃやゲームを作れるようになるかもしれません。このように、M&Aは会社が成長したり、強くなったりするための大切な方法の一つです。

    多くの企業のM&A(企業の合併や買収)をサポートしていく中で、段々と「サポートする立場として関わるだけでなく、自分が実際にM&Aを進める立場になりたい」と思うようになりました。この思いに加え、高齢化によって後継者がいないために廃業してしまう会社が多いという日本の問題を解決したいと考え、現在は、M&A(企業の合併や買収)を通じて後継者がいない会社を引き継ぎ、その会社がさらに成長できるようにサポートしています。

  • 「たくさんのスキルを使って成長できる仕事」

    山田さんの職業である「投資ファンド」に必要なスキルや知識を教えてください。

    私が行っている仕事は「ビジネスの総合格闘技」と呼ばれるほど、会計や法律、金融、ビジネスに関する幅広い知識やスキルが必要です。
    それに加えて、会社の経営者やたくさんの専門家とスムーズに仕事を進めるためのコミュニケーション力やどんなに厳しい状況でも頑張ることができる強い気持ちなども求められます。たくさんのことが必要なので大変な仕事ですが、その分、自分を成長させるチャンスが多い仕事でもあります。

  • 「日本社会への貢献と責任」

    山田さんの職業のやりがいと大変な部分を教えてください。

    大きな視点では日本社会の課題解決に貢献していることにやりがいを感じています。日々の仕事では、サポートしている会社の従業員や経営者の方から感謝されたときに、「この仕事をやっていてよかった」と嬉しくなります。

    一方で、私たちのサポートが上手くいかないときは、その会社の従業員や経営者の方々が仕事を失ってしまう可能性もあるため、彼らの人生や生活を背負っているというプレッシャーを常に感じながら仕事に取り組んでいます。

  • 「サッカー漬けの日々が教えてくれたもの」

    山田さんは中高生時代にどんな学生時代を送ってきましたか?

    高校までは勉強はほどほどにサッカー漬けの生活を送っていました。高校の部活動では全国大会を目指して、朝5時に起きて朝練に参加し、放課後は夜8時までサッカーの練習に明け暮れていました。どんなに努力をしても公式戦にスタメンで出られなく、思い通りにいかないことも多くありましたが、その時の経験や学びが今の自分を作り上げていると思っています。

  • 「部活と勉強で得た大切な経験と成長」

    山田さんが中高校生時代に、やっておいてよかったなと思うことはなんでしょうか?

    1つ目は熱心に部活動に取り組んだことです。一つの物事に長期間に渡って取り組んだことで、苦難があっても諦めずに取り組むことやトライアンドエラーを繰り返して成長していく経験を得ることができ、社会人になった今でもその経験が活きています。

    2つ目は死に物狂いで受験勉強をやったことです。普段の勉強がさぼり気味だったため受験勉強は大変でしたが、頑張ったことで知識が増え、アメリカ留学のチャンスを得るなど成長の機会に恵まれました。また、入学した大学では社会人になった今でもお互いに助け合うことのできる優秀な友人に出会うことができました。

  • 私のおすすめの1冊!
    「目標達成への道しるべになる本」

    山田さんが中高生におすすめしたい本を教えてください。

    ケリー・マクゴニガルの「スタンフォードの自分を変える教室」です。

    この本は「意思」の力について詳しく解説しており、目標を達成するためにはどうすればいいのか?という問いに対する解答を示してくれています。これから様々な目標に向けて努力される皆さんの道しるべになってくれる一冊だと思います。

  • 探究チャレンジ!
    「後継者不足によって消えてしまう会社を減らすには、どうすればよいか考えてみよう」

    山田さんがの仕事の中で取り組んでいる問題や社会的課題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「後継者不足によって消えてしまう会社を減らすには、どうすればよいか考えてみよう」

    ー「考えてほしいこと」
    「少子高齢化が進む日本では、後継者が見つからない、人手不足という理由で素晴らしい会社が次々と失われています。多くの企業が長年地域で愛されてきましたが、後継者が見つからないために、仕事を続けることができず、閉鎖してしまうケースが増えています。これを“後継者不足”と言い、特に家族経営の会社や中小企業に多く見られる問題です。では、どうすれば後継者不足によって会社が消えてしまうことを防げるのでしょうか?その解決策を考えてみてください。」

    ー「基本知識」
    「後継者不足は、特に高齢化が進む地域で深刻な問題です。投資会社は、企業にお金を投資して仕事を継続させるための支援を行うことができますが、それだけでは解決しない部分もあります。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「なぜ後継者が不足しているのでしょうか?(例:若い人が都会に出ていってしまうなど)」

    ②調べる:
    「後継者不足の問題を解決するために、どのような取り組みがされているかを調べてみましょう。(例:地域での仕事を引き継ぐための制度や、若者に会社の魅力を伝えるキャンペーンなど、後継者を育てるための成功例を調べてみましょう)」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、後継者不足によって消えてしまう会社を減らすために、どんな工夫や仕組みが必要か考えてみましょう。」

地図に残る仕事で
人々の生活を便利にする

宮入 駿

企業・団体名
建設業
出身
神奈川県
学歴
大学卒業
職歴
不動産業-建設業(池田組)
子供の頃の夢
中学生の時の部活動
サッカー部
  • 「幅広い業務をこなす現場監督の日常とは?」

    宮入さんは現在、どんな仕事をされていますか?

    現在は、現場監督として土木建築の現場に行くことが多いです。例えば、工事現場での指示出しや進行の管理といった仕事をしています。

    また、不動産業や解体作業、ドローンを使った測量なども担当しています。特にドローンを使った新しい技術の導入に興味があり、社内でもその分野に力を入れています。

  • 今の仕事を始めたきっかけを教えてください。

    もともとは全国転勤のある不動産の営業職に就いていました。しかし、富山で結婚して子どもができたときに、「全国転勤する仕事ではなく、これからは富山で家族と暮らそう」と考えたんです。それで転職を決意しました。

    就職活動中、たまたま見つけた会社に今勤めています。最初は営業職を考えていましたが、「全く違う職種にチャレンジしてみたい」という気持ちもあり、今の土木建築の仕事に飛び込みました。

  • 「"地図に残る仕事"のやりがいとは」

    宮入さんの、仕事のやりがいは何ですか?

    やりがいの一つは、仕事が「地図に残る」ことです。例えば、新幹線の駅や高速道路など、完成した建物や道路を見るたびに、自分が関わったことを子どもたちに話せるんです。
    「この道はお父さんが作ったんだよ」と誇らしく思える瞬間があります。

    また、全く同じ建物や道は二度と作れないという点も魅力です。どんなに似た場所でも、それぞれの現場で唯一無二のものを作っているというのもやりがいになりますね。

  • 仕事で難しいと思うところは、どんなところですか?

    一番大変なのは天候に左右されることです。雨の日でも仕事を進めなければならず、完成の期日に間に合わせるために常に調整が必要です。

    また、現場で働く他の業者さんとの連携が難しい時もあります。各業者の技術やレベルが違うので、皆がうまく協力できるように調整するのが大変ですね。

  • 「大雨と地震の中での挑戦」

    これまでの仕事で、特に印象に残っているエピソードはありますか?

    最近の現場で、特に印象深い出来事がありました。北陸地方で大雨と地震があった時、高速道路の横にある「のり面」という斜面が崩れてしまったんです。現場は泥だらけで、最初に見た時は「こんな場所で仕事ができるのか?」と正直不安でした。長靴が泥にはまり、抜けなくなるほどの状況でした。

    しかし、チーム全員で協力しながら作業を進め、無事に期限に間に合わせて完成させることができた時は、達成感が大きかったですね。

  • これからの目標や、挑戦したいことはありますか?

    今後は、さらに新しい技術やサービスに挑戦したいと考えています。特にドローンを使った測量技術はこれからの建設業界で重要な役割を果たすと思います。
    10年後、20年後にはドローンが資材を運ぶ時代が来るかもしれません。そうした未来に向けて、常に新しい技術にチャレンジし続けたいと思っています。

  • 「サッカーで学んだチームワークが今につながる」

    中高生の皆さんに向けて、どんなアドバイスがありますか?

    僕は中高生時代、サッカーに熱中していました。部活でチームワークを学び、協力することの大切さを身につけました。今の仕事でも、チームで協力して仕事を進めることがとても重要です。

    だから、何か一つでも夢中になれることを見つけて、その中でチームでの活動を大切にしてほしいです。何事も助け合いながら進めることで、社会に出ても役立つ経験が得られると思います。

  • 私のおすすめの1冊!
    「"運転者"が教えてくれたポジティブな人生観」

    中高生におすすめの本があれば教えてください。

    僕がおすすめするのは『運転者』という本です。ストーリー仕立てで、人生に対してポジティブな考え方を教えてくれる内容です。
    この本を読むと、親や先祖、友人との関係についても考えるきっかけになります。難しくなく、読みやすいのでぜひ手に取ってみてください。

  • 探究チャレンジ!
    「建設業のイメージをどうやって変えるか考えてみよう」

    宮入さんの視点から社会的課題や直面する問題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「建設業のイメージをどうやって変えるか考えてみよう」

    ー「考えてほしいこと」
    日本の建設業は、国内で2番目に大きな市場ですが、深刻な人手不足に直面しています。その理由の一つに、若い世代がこの職業に興味を持たないことが挙げられます。このため、建設業界では外国人労働者に頼ることが増えており、国内での人材不足がさらに問題となっています。皆さんには、建設業界のイメージを変えるために、どのような対策ができるか考えてもらいたいです。

    ー「基本知識」
    建設業は、私たちが住む家や学校、道路などの生活に必要な環境を支える重要な産業です。近年ではドローンやAI、ICTの導入が進み、働き方が大きく変わりつつあります。

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「なぜ建設業は人手不足になっているのでしょうか?思いつく理由を考えてみましょう。」

    ②調べる:
    「建設業界では、現在どのようなイメージアップの取り組みがされているか、インターネットなどで調べてみましょう。」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、建設業のイメージを良くして、若い世代や多様な人々が働きやすい業界にするためには、どんな取り組みが必要かを考えてみましょう。(例:テクノロジーを活用した働き方の改善や、建設業の魅力を伝えるキャンペーンなど、具体的なアイデアを提案してみましょう)」

企業のお助けマン!
コンサルタントの仕事ってなあに?

原 匠太郎

企業・団体名
コンサルタント
出身
神奈川県
学歴
千葉大学文学部卒業
職歴
銀行系証券会社-コスト削減コンサルティング会社-戦略コンサルタント(EY Japan株式会社)
子供の頃の夢
中学生の時の部活動
陸上部
  • 「いろんな仕事に挑戦して見つけた、自分の道 」

    原さんが、今のお仕事に就いたきっかけや、現在のお仕事内容を教えてください。

    私は大学で「社会心理学(社会の中で人がどう考え、行動するかを研究する学問)」を学び、社会や会社の問題を解決する仕事(シンクタンクやコンサルタント)を目指していました。しかし、就職活動を甘く見ていたため、希望する仕事の内定をもらうことができませんでした。やっと内定をもらえた大手の銀行グループの証券会社に入社し、経済の仕組みを学びながら、3年半ほど金融商品の営業(お金に関する商品をお客さんに紹介する仕事)をして成果を出すことができました。
    でも、自分がやりたい仕事ができる部署に異動できなかったため、転職を決意しました。そして、コスト削減(お金を無駄に使わないように工夫すること)に強みを持つコンサルティング会社に入りました。

    そこでは約3年間、いろいろな会社でコストを減らす手伝いをしましたが、コスト以外にも多くの問題に直面し、自分のスキルをさらに磨く必要があると感じて、今の会社に転職しました。現在は戦略コンサルタントとして、新しい部署の立ち上げや、国の補助金(国がお金を支援する制度)の設計など、さまざまな問題を解決する仕事をしています。

  • 「お客さんの立場になって考えることが大切な理由 」

    「コンサルタント」という職業は中高生にはあまり馴染みのない職業かもしれません。コンサルタントになるのに必要なスキルや知識はあるのですか。

    特にこの資格がないとコンサルタントになれないというのはありません。しかし、私が仕事をする中で一番大切だと思っているのは、「自分ごととして考えること」です。コンサルタントの仕事は、企業や政府が自分たちでは解決できないけど、どうしても解決しなければならない問題をサポートすることです。

    しかし、コンサルタントは外部の人(社外の人)なので、どんなに良い提案をしても、実際にそれがうまくいかないことがよくあります。そうなると、お客様にとってはお金を無駄にしただけになってしまいます。そうならないためには、「自分が依頼した人だったらどうするか」を常に考えて、その人の立場や気持ちを理解しながら解決策を考えることが大切だと思っています。

  • 「たくさんの知識を使って大きな影響を与える仕事」

    コンサルタントの魅力ややりがいと大変だなと思うところを教えてください。

    この仕事の魅力ややりがいは、自分の働きが大きな影響を与えられることです。企業の経営や政府の方針に関わるため、責任はとても重く、いつも高いレベルでの成果が求められます。
    また、仕事の性質上、依頼してくれる人は大企業の経営者や政府の重要な役職の人など、地位の高い人が多いです。だからこそ、幅広い知識や深く考える力が必要です。こういった部分がやりがいにもなりますが、同時に大変さも感じるところです。

  • 「自由に過ごした学生生活のツケから学んだ自己管理の大切さ」

    原さんの中高生時代のお話も聞かせてください。原さんはどんな中高生時代を送ってきましたか?

    正直なところ、不真面目な学生だったと思います(笑)。能力任せに必要最低限の勉強しかしておらず、今考えると比較的自由に生活していたなと。しかしサボればその分のツケは必ず回ってくるもので、大学受験は上手くいかず、結果的に浪人することとなりました。

  • 「考える力をつけることが大事な理由 」

    原さんが中高校生のうちに、やっておいてよかったなと思うことはなんでしょうか。

    大切なのは「考える習慣」を身につけることだと思います。私の場合、最初から自分でできるようになったわけではなく、小さい頃から親に「言いたいことを言っていいけど、必ずその理由も説明しなさい」と教えられてきました。理由を考えるのは難しいことですが、自分の意見を理解してもらうには、納得できる理由が必要です。振り返ってみると、「なぜそう思うのか」を何度も考える練習ができていたのだと思います。

    勉強でも、「なぜこうなるのか」をしっかり考えることで、理解が深まり、もっと効率よく学べるようになります。そして、仕事を始めても、「どうすればもっと仕事がスムーズに進むか」「なぜその方法が必要なのか」を考えることができなければ、評価されません。だからこそ、早い段階から考える習慣を身につけることが大切だと思います。

  • 「”なぜ僕らは働くのか”—仕事と人生を考える一冊」

    原さんが中高生におすすめしたい本とその理由を教えてください。

    池上彰さんが監修している『なぜ僕らは働くのか』(Gakken)です。

    ストーリー仕立てで、「働くこと」や「生きること」を学ぶことができます。どんな仕事があるのか、仕事をしながらどのように生きていくのかをリアルに考えることができると思います。私が今読んでも、こんな仕事があったのかと思うこともあり、もし中高生時代にこれを読んでいたら今とは違った私がいたのかもなと考えたりもします。

  • 探究チャレンジ!
    「皆さんが目指している職業で生成AIを、どのように活用できるか考えてみよう」

    原さんが今やられている仕事の中で取り組んでいる問題や社会的課題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「皆さんが目指している職業で生成AIを、どのように活用できるか考えてみよう」

    ー「考えてほしいこと」
    「生成AIは、私たちの生活や仕事に新しい可能性をもたらす技術です。文章を自動で作ったり、画像を生成したり、さまざまな分野で使われ始めています。皆さんが目指している職業に、この生成AIをどう活用できるかを考えてみると面白いと思います。AIはどのようにして仕事を助け、効率を上げることができるのでしょうか?」

    ※生成AI・・・人工知能(AI)の一種で、新しい文章や画像、音楽などを自動的に人工知能が作り出す技術。

    ー「基本知識」
    「生成AIとは、大量のデータを基にして新しい文章や画像を生成する技術です。この技術は、医療、教育、ビジネス分野など、多くの職業で使われるようになっています。AIは、単純な作業を自動化したり、大量のデータを素早く分析したりするのに役立ちますが、正確さや新しいアイデアを人間が手助けする必要もあります。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「なぜ生成AIが世界でこんなにも注目されているのでしょうか?」

    ②調べる:
    「生成AIが実際にどのように活用されているかを調べてみましょう。医療、教育、ビジネスの世界など、さまざまな分野でAIがどのように使われているか、具体例を探してみましょう。また、皆さんが目指している職業でどのようにAIが活躍しているか調べてみるのもよいですね。」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、皆さんが目指している職業で、生成AIを活用するための具体的なアイデアを考えてみましょう。」

剣道に捧げた青春が今にも続く

兵藤 裕則

企業・団体名
大手通信会社
出身
愛知県
学歴
中央大学
職歴
大手通信会社
子供の頃の夢
警察官
中学生の時の部活動
剣道部
  • 「東日本大震災で感じた通信技術の大切さ」

    現在のお仕事に就いたきっかけと、現在のお仕事内容を教えてください。

    私は、高校3年生の時に東日本大震災を経験し、通信技術(電話やインターネット回線など)の重要性を実感したことで今の会社に興味を持ちました。
    入社10年目になりますが、これまでシステム開発、営業と様々な経験をしてきました。現在は、新卒者を採用をするための仕事を行っています。

  • 「剣道に捧げた青春—竹刀が教えてくれた強さと絆」

    兵藤さんは、どんな中高生時代を送ってきましたか?

    私は、小学校から大学まで剣道に打ち込みました。現在も続けていますが、特に学生時代は「日本で一番剣道が強くなりたい」という一心で、必死に竹刀を振っていました。
    私の地元には小学校から剣道部がありましたので、朝夕と学校で稽古をした後に、夜は町の道場に通い1日4時間以上の時間を剣道に費やしていたと思います。

    高校と大学は剣道留学のため地元を離れ寮生活を行い、最終的には全国大会で上位入賞できるほどまで上達しました。
    剣道を通じて基礎体力はもちろん、礼儀作法や人間関係など様々なことを学びました。恩師や仲間との出会いは一生の財産だと感じています。

  • 「挑戦と行動で切り拓く—進化し続けるICT業界で求められる力」

    職業に必要なスキルや知識を教えてください。

    特に必要なスキルはありません。新しいことにチャレンジする「挑戦心」と周りの人と協力しながら物事を進められる「行動力」があれば、だれでも活躍できる環境だと思います。
    ただ、世の中のICT技術は常に進化していますので、そういったトレンドをいち早く取り入れることや、自ら新しい取り組みにチャレンジすることが重要な業界だと考えています。

  • 「大きな目標に向けて—チームで成し遂げる喜びとは」

    今の職業のやりがいと大変なところを教えてください。

    大きなビジネスを成功させること、地域や自治体向けの事業を行うことによって社会貢献していると感じることができるところだと思います。
    規模の大きな仕事をするには、決して1人で完結することはできず、多くの人を巻き込んで仕事を行う必要があります。

    そんな中で自分らしさを出して仕事を推進していくこと、そしてやり遂げることで大きなやりがいを味わうことができます。
    学校生活でも同じだと思いますが、一つの目標に対して皆の力を合わせて取り組むと、とても充実した日々になりますよね。

  • 「続ける力が未来を変える—剣道が教えてくれた人間関係と成長のヒント」

    中高校生のうちに、やっておいてよかったなと思うことはありますか?

    小学1年生から続けている剣道はやっておいてよかったと思います。学業が大切なのはもちろんですが、スポーツによって学べることは様々あると思います。
    特に、礼儀や団体行動など、人間関係を円滑に構築する能力は自然と身についたと感じています。

    これは社会に出たときにとても重要で、学校の授業では学びきれない部分だと思っています。ジャンルはなんでもよいと思うので、何かひとつのことを長く続けてみてほしいと思います。
    中高生のうちにできるだけ多くの人と接し、自分にはない考え方や行動に触れることで視野を広げ、自分自身の成長につなげていくとよいと思います。

  • 私のおすすめの1冊!
    「与えられた場所で自分らしく咲く—前向きさを大切に」

    中高生におすすめしたい本とその理由を教えてください。

    渡辺和子さんの『置かれた場所で咲きなさい』という本を読んでみてほしいです。選択に迷ったときや、何かうまくいかないことがあるとき、不平不満を持つのではなく、常に前向きな考え方でいることの大切さを知ることができると思います。

    私自身も入社当初はシステム開発が多い職場に配属となりました。営業志望でこの会社に入ったのに…と思うこともありましたが、実際にシステム開発側の仕事を経験してみると、自社が構築するサービスがどのようにできているのかを深く理解することができ、その後営業職についたときに非常に役立ちました。
    時間は平等に与えられていて、どのように使うかは自分で決めることができます。ぜひ今しかない学生の時間にたくさんの経験を積んで、有意義なものにしてほしいと思います。

  • 探究チャレンジ!
    「さらに良い授業を受けるために、今の技術でできる工夫ってなんだろう?」

    兵藤さんのやられている仕事で直面する問題や社会課題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「さらに良い授業を受けるために、今の技術でできる工夫ってなんだろう?」

    ー「考えてほしいこと」
    「これからの時代、インターネットを使ってどこでも勉強できるようになってきています。たとえば、学校に行かなくてもオンライン授業を受けたり、家で勉強できることが増えています。でも、もっと良い授業を受けるためには、何が必要でしょうか?みなさんには、自分たちがもっと便利に勉強できる方法を考えてみてほしいです。」

    ー「基本知識」
    「現在、多くの学校や家庭で、インターネットを使った学習が進んでいます。これからの時代は、インターネットをうまく活用することが重要になっています。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「どうしてインターネットを使うと勉強がもっと便利になるのか考えてみましょう。」

    ②調べる:
    「インターネットを使った授業や、便利な勉強方法には実際にどのようなものがあるか調べてみましょう。」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、インターネットを活用して、よりよい授業や学習をするための工夫を考えてみましょう。」

企業の成長を支える!
PEファンドってどんな仕事?

杉本 啓

企業・団体名
投資会社
出身
千葉県出身
学歴
慶應義塾大学卒業
職歴
日系投資銀行-外資系投資会社-丸の内キャピタル
子供の頃の夢
サッカー選手
中学生の時の部活動
サッカー部
  • 「企業の成長を支える喜びーPEファンドで実感する手応えとやりがい」

    現在のお仕事に就いたきっかけや、お仕事の内容について教えてください。

    私のお仕事は、言葉で説明するのが非常に難しい仕事になるのですが、 例えば、あるお店が新しい商品を作りたいとなった時やその商品を売るためにお金が必要なときに、その企業やお店にお金を提供します。そして、お店がうまくいくためのアドバイスまでを行い企業の成長を陰ながら支えていく仕事です。
    今の仕事では、支援するためにお金を提供する企業やお店を見つけるところから、その企業にお金を提供し、その後の成長をサポートするところまで担当しています。

    私がこの、プライベート・エクイティファンド((※1)PE ファンド) で働くことにしたのは、まさに企業が成長するのを自分の手で支えることに魅力を感じたからです。企業が抱える問題を解決し、その成長を目の前で見られるのはとてもやりがいがあります。特に、(※2)中小企業 が新しいことに挑戦して、どんどん成長していく姿を見るのは感動的です。企業と一緒に成長し、その成功を実感できる毎日は、とても充実しています。

    (※1) PEファンド ・・・企業にお金を提供して、その企業やお店が成功するようにアドバイスをします。そして、企業が成功したらその分の利益を得ることを目的とした会社のことです。
    (※2) 中小企業 ・・・比較的小規模な会社やお店のことを指しますが、日本にある会社のうち99.7%は中小企業と言われ、日本社会を支えています。大企業に比べて、従業員の数や売り上げが少ない会社が多いですが、地域に密着したサービスや独自のアイデアを活かして活動しているのが特徴です。地域の雇用を支えたり、独自の商品やサービスを提供したりするなど、地域社会にとって重要な役割を果たしています。

  • 「PEファンドの仕事に必要なスキルとは?ーお金の分析からチームワークまで」

    PEファンドというお仕事は、中高生にはあまり馴染みのない職業ですが、仕事に必要なスキルとはなんでしょうか?

    まず、お金を提供している会社のお金の使い方を正確に調べる力が必要です。つまり、お店がたくさんお金を使いすぎていないか、売れたものからどれくらい利益(もうけ)があるかを見て、会社が元気にやっていけるかを調べる力です。

    他には、その会社がどれくらい価値がある会社なのか調べる力です。つまり、お店で売っている商品が人気かどうか、お金をちゃんと稼げているお店かどうかを適切に評価して、その会社がどれくらいすごいかを判断する力です。

    また、交渉力とコミュニケーション能力も重要です。お金を提供するときや、お金を提供した後に会社を助けるとき、会社のリーダーや他の投資をしている人たちとうまく話し合うことが大事です。

  • 「企業を成長させる仕事ー企業を支え、成長させることのやりがいと大変さ」

    職業の魅力ややりがいと、大変だなと思うところを教えてください。

    最大の魅力は、企業の成長を支援できることです。お金を提供し、企業やお店がうまくいくアドバイスを行うことで企業の新製品開発などを手助けし、その成功を見られることは大きな達成感と喜びをもたらします。
    また、多様な業界に関わり、製造業、IT、医療などの分野で広範な知識を得ることができるのも魅力です。常に新しい情報や技術に触れる機会が多く、学び続けることが刺激的です。

    大変な点は、常に高い専門知識と分析力が求められ、日々変化する社会の状況に対応するために最新の情報を収集し続ける必要があります。
    さらに、企業との交渉には高度なコミュニケーション能力や交渉力が必要です。相手との人間関係を築くことは非常に重要で、意見が対立することもあります。

  • 「サッカーが教えてくれたチームワークー企業成長を支えるための原動力」

    ここからは、杉本さんの中高生時代を聞かせてください。杉本さんはどんな中高生時代を送ってきましたか?

    学生時代は、サッカーに打ち込んでいました。その中で、チームのために全力を尽くすことをモットーにしていました。毎日の練習や試合を通じて、チームワークやリーダーシップ、そして忍耐力を身につけました。特に、チームメイトと共に目標に向かって努力し、困難を乗り越える経験は、現在の仕事にも通じる重要な教訓となっています。

    サッカーを通じて学んだことの一つに、チームのために自己犠牲をいとわず、全員で協力し合うことの大切さがあります。例えば、チームがピンチの時には守備に回り、攻撃のチャンスがあれば全力で走る。その結果、試合に勝利した時の達成感は格別でした。この経験は、現在のPEファンドでの仕事においても、プロジェクトチームの一員として協力し合い、企業の成長を支援する際に非常に役立っています。

  • 「中高生のうちに挑戦すべきことー未来を切り開く経験と学び」

    中高校生のうちにやっておいてよかったなと思うことはなんでしょうか?

    中高生のうちにやっておいてよかったと思うことは、幅広い経験を積むことです。私は中学・高校時代、サッカーに打ち込みました。サッカーを通じて、チームワークや忍耐力を学び、目標に向かって努力し、困難を乗り越える経験は、社会に出てからも非常に役立っています。

    また、体育祭の応援団長を務めた経験も印象的です。チームをまとめ、士気を高めるために努力し、多くの人と協力して物事を成し遂げる達成感は、現在の仕事におけるプロジェクト管理やチーム運営にも通じるものでした。

    さらに、読書や興味のある分野の勉強も積極的に行いました。幅広い知識を身につけることで、新しい視点やアイデアを得ることができました。中高生の時期は、将来について考え始める大切な時期です。さまざまな分野に触れることで、自分が本当にやりたいことを見つけるきっかけになると思います。

    中高生のうちに多くの経験を積むことは、将来の大きな財産になります。勉強や部活動、学校行事を通じて得たスキルや知識、人間関係は、社会に出てからも必ず役に立ちます。興味を持ったことにはどんどんチャレンジし、多くの経験を積むことをお勧めします。それが、自分の未来を切り開く力になると信じています。

  • 私のおすすめの1冊!
    『「君たちはどう生きるか」自分の生き方を考えてみよう』

    杉本さんが、中高生におすすめしたい本とその理由を教えてください。

    中高生におすすめしたい本は、吉野源三郎さんの『君たちはどう生きるか』です。
    この本は、人生の生き方や価値観について考えるための深い洞察を提供してくれます。物語が進むにつれて自然に考えさせられる内容が多く、読後には心に残るものがあります。

    自分の人生にどう向き合い、どう成長していくかについて深く考えたい中高生にとって、この本は非常に有益な一冊です。ぜひ読んでみて、自分自身の価値観を見つける手助けにしてほしいと思います。

  • 探究チャレンジ!
    「あなたの住んでいる地域の会社やお店を支えるためにできることってなんだろう」

    杉本さんが仕事の中で取り組んでいる問題や社会的課題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!

    ー【探究学習のテーマ名】
    「あなたの住んでいる地域の会社やお店を支えるためにできることってなんだろう」

    ー「考えてほしいこと」
    「私が仕事で取り組んでいる問題の一つに、中小企業の成長を支援することがあります。皆さんの住んでいる地域にも、多くの中小企業があります。中小企業は地域の経済を支える重要な存在であり、地域に住む人々の生活に深く関わっています。しかし、これらの企業はお金が足りなかったり、経営に問題を抱えていたりして、成長が難しいことがよくあります。私たちは、資金を提供したり経営のアドバイスをしたりすることで、こうした企業が長く成長できるようにサポートしています。

    皆さんの地元の小さな飲食店や工場、手作りの商品を販売しているお店といった中小企業は地域に根ざしています。それらの企業がもっと成功するためには、どんな支援が必要でしょうか?皆さんの住んでいる地域の会社やお店が成長するために自分たちに、何ができるか考えてみましょう。」

    ー「基本知識」
    「中小企業といわれる会社やお店は、地域に密着したサービスや商品を提供しています。彼らが成長するためには、新しいアイデアやサポート、またはお金が必要です。PEファンドのような投資会社は、中小企業にお金を提供して成長を支援していますが、私たち一人ひとりも地域の中小企業を応援することができます。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「地域の会社やお店が成長することで、どんな良いことが起きるかを考えてみましょう。(例:仕事が増える、地元の商品やサービスの質がもっと良くなるなど)」

    ②調べる:
    「地域にある身近な会社やお店について、どんな課題を抱えていそうかインターネットなどを使って調べてみましょう。」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、地域の会社やお店が成長するために、あなたならどんな工夫ができますか?
    (例:地元の会社やお店と学校がコラボして応援・PRする方法ってないでしょうか。地域の人々がもっと地元の商品を買うようになるキャンペーンや、会社やお店を応援するためのイベントを考えてみましょう)」

世界のためにできること
~国際協力の現場から~

六川 彩水

企業・団体名
国際協力
出身
群馬県
学歴
宇都宮大学 国際学部卒業
職歴
食品関係商社-JICA海外協力隊-JICA職員
子供の頃の夢
お花屋さん
中学生の時の部活動
バレーボール部
  • 「国際協力の仕事ってどんな仕事?」

    現在の六川(ろくかわ)さんがやられているお仕事内容について教えてください。

    私は、現在(※1) JICA(国際協力機構)で働いています。現在の部署は、アフリカの保健分野に関わる案件を担当しています。

    例えば、日本から専門家を派遣し、現地の病院などに必要な機械の取入れや、使用方法の指導をします。アフリカの多くの地域では医療機器が不足していたり、機器があっても使い方がわからないという問題があります。こうした状況を改善するために、ただ単に機械を寄付したりお金を提供するだけでなく、人を通じて技術や日本のノウハウを現地に伝えることが重要な役割となっています。


    (※1) JICA(国際協力機構)・・・日本の政府が行う「国際協力」をする団体。世界中の発展途上国に対して、技術や知識を教えたり、お金の支援をしたり、日本から専門家を派遣して支援活動を行ったりする。

  • 「国際協力を目指したきっかけとは?」

    六川さんが、国際協力の仕事に就かれたきっかけは何だったんですか?

    きっかけは、テレビや報道で途上国の困難な状況で見たことです。特に貧困や医療、教育の問題についての報道を見て、こうした人々のために自分が何かできないかと考えるようになったんです。その頃は、具体的にどのような形で関わるかは決まっていなかったのですが、いつか途上国で働きたいという思いは強く持っていました。

    そこで、当時、国際協力に興味はあったものの、どの分野が自分に向いているのか、はっきりしていなかったため、大学では国際学部に進学し、国際的な事柄を広く浅く学べる環境を選びました。


  • 大学を卒業してからすぐに 国際協力の仕事に就かれたのでしょうか?

    国際協力の仕事に就く前は、食品関係の商社に入社ました。もともとは、海外の産地や加工現場に行きたいという希望があったのですが、人事部に配属されたため、実際はあまり海外出張の機会はありませんでした。

    そこで、実際に海外で生活したいという想いから、まずは、(※2) JICA海外協力隊ボランティアに参加し、発展途上国といわれる国での国際協力を体験し、自分がどのように貢献できるかを模索しながら、キャリアを積んでいこうと決心しました。


    (※2)JICA海外協力隊ボランティア・・・ JICA(国際協力機構)が実施するボランティアプログラム。日本から発展途上国に派遣されて、困っている人たちの力になるために活動するボランティアのこと。


  • 「最初の国際協力-JICA海外協力隊としてのマダガスカルでの活動-」

    JICA海外協力隊ボランティアでは、どのようなことをやられていたのか教えてください。

    私はマダガスカルというアフリカの国で、2年間ボランティア活動をしました。そこでは栄養局に配属され、母子の栄養改善や衛生啓発を中心に活動していました。具体的には、お母さんや乳幼児を対象に、栄養バランスの取れた食事のレシピを紹介し、自分で料理を作ってもらうということをしていました。いずれは、現地の人たちだけでも作れるように、現地の食材を使って、どうすれば美味しく簡単に調理できるかを工夫しながら、まるで料理研究のように活動していました。
    イメージ的には、スーパーの試食のようにサンプルを配ったり日本のスーパーにあるレシピカードを参考に、持ち帰りやすいサイズのレシピを作成し、配布したりしていました。

    また、現地に住むことで、現地の方たちと同じ目線で物事を見ることができるようになりました。そうすることで、一見小さなことでも、現地の人たちにとっては大きな変化であると気づきました。日本にいるときは、途上国のためにできることはないと思っていましたが、実際に現地に行って、小さなことからでも始められるということを知れたのは、とても大きな経験でした。


  • 「文化の違いを乗り越えて-国際協力のやりがいと難しさ-」

    現在での日本でのお仕事や現地でのボランティア活動を通じて六川さんが思う国際協力のお仕事のやりがいは何ですか?

    やっぱり現地の人々の生活が少しずつ変わっていく姿を見るときです。たとえば、栄養指導を通じて、子どもたちの栄養状態が改善されていくのを見ると、本当にこの仕事をしていてよかったと思います。母子保健のプロジェクトでは、私は日本からサポートする立場ですが、母親たちが健康な赤ちゃんを育てられるようになったという現地からのニュースを聞くと、大きな達成感があります。

  • 一方で、六川さんが感じる国際協力の難しさを教えてください。

    国際協力の難しさの一つに、文化や価値観の違いがあります。たとえば、我々にとっては良い支援を提供したとしても、相手国の考え方や習慣が異なるために、受け入れてもらえないこともあります。その結果、せっかくの支援が一時的なものになり、継続した支援にはなりません。

    相手国の背景や習慣を理解し、現地の人たちにとって本当に役立つ支援を考えることが、長く続く協力のカギになると思います。このような課題にどう向き合っていくかが、国際協力の難しさであり、同時にやりがいでもあります。


  • 「未来あるみなさんへメッセージ」

    ここからは六川さんの中高生時代のお話を聞かせてください。六川さんは学生時代にどのように将来を考えていましたか?

    中高校生の時は、まだ具体的な将来像が見えていませんでした。ただ、漠然と「国際的な分野に関わる仕事がしたい」という思いはありました。
    そのため、大学では国際学部に進学し、広く世界の課題について学びました。その中で、特に途上国の現状に関心を持つようになり、最終的に国際協力の道を選びました。大学で学んだことで、自分の進むべき道が見えてきたので、そうした選択が今のキャリアに繋がったのだと思います。

  • 中高生に向けて、大切にしてほしいことはありますか?

    テレビや報道で途上国の困難な状況を見たことがきっかけで、国際協力に興味を持ち、JICA海外協力隊ボランティアに参加する道を選びました。そこから、本格的に国際協力の道に進むことになりました。

    中高生の頃は、とにかくたくさんのことに関わってみることが大切だと思います。そうすることで、今まで興味がなかった分野にも関心が生まれ、将来やりたいことや就きたい職業が見つかるかもしれません。きっかけはどこにあるか分かりません。いろんなことに触れることで、選択肢が広がると思います。


  • 私のおすすめの1冊!
    「世界の多様性を学べる”世界がもし100人の村だったら”」

    六川さんがこれまでに読んだ本の中で、中高生におすすめの本があれば教えてください。

    『世界がもし100人の村だったら』です。皆さんも学校で触れたことがあるかもしれませんが、私はこの本を通じて世界の多様性や、いろいろな国や人種、文化が存在することを知ることができました。

    特に私の場合、外国人と言えば白人や欧米人しかイメージできていなかったんです。この本を読んだことで、世界にはもっとたくさんの国や人々がいて、それぞれ異なる環境や背景があるということに気づきました。世界の多様性を学ぶという意味では、とても良い入り口になる本だと思います。


  • 探究チャレンジ!
    「外国人が日本でより快適に過ごせるようにするため、どんな工夫ができるか考えてみよう」

    六川さんが、中高生に考えてほしい探究テーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!
    ー【探究学習のテーマ名】
    「外国人が日本でより快適に過ごせるようにするため、どんな工夫ができるか考えてみよう」

    ー「考えてほしいこと」
    「私自身のマダガスカルで暮らした経験から、外国人が異国の地で生活する中で、どんな対応が嬉しく、どんな対応が嫌な気持ちになるかを考える機会が多くありました。現在の日本にはさまざまな国や人種の方がいますが、私たちが当たり前に思っていることが、彼らには不便や不安に感じられることもあります。そこで、外国人が日本で快適に暮らせるように、私たちはどのように接し、どんなサポートをすれば良いでしょうか?例えば、外国人に対して相手の文化や背景に配慮した対応をすることが大切です。みんなが外国の方にとって優しい社会を作るために、どんな工夫ができるかを考えてみてほしいです。」

    ー「基本知識」
    「2023年の国の調査では、日本に住む外国人は約340万人と言われ、過去最多の人数となっています。これは、日本の人口の約3%を占めています。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「どうして外国人が日本で不便や不安を感じることがあるのでしょうか?(例:言葉の違いや、文化の違いなど、少数派の人が困る場面について考えてみましょう。)」

    ②調べる:
    「外国の人たちがどのように日本で生活しているか、またどんなサポートを受けているかを調べてみましょう。外国人をサポートするための活動や、他の国での取り組みについても探してみるのもよいですね。」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、外国の人たちが日本で安心して暮らせるようにするためには、これからどんなサポートや工夫ができるか考えてみましょう。(例:文化の違いに配慮した接し方や、言葉の壁を越えるための工夫など、あなたなりのアイデアを考えてみましょう。)」

子供の成長が最高のプレゼント
特別支援の先生の魅力とは

高良 大夢

企業・団体名
教師(特別支援学校 )
出身
沖縄県
学歴
大学卒業
職歴
教師(特別支援学校 )
子供の頃の夢
小学校教師
中学生の時の部活動
バドミントン部
  • 「 特別支援教育への道」

    高良(たから)さんが、特別支援教諭に就いたきっかけ教えてください。

    実は最初は小学校の教員を目指していました。でも、大学時代にボランティア活動を通じて、障がいを持つ子どもたちと触れ合う機会があったんです。その経験が大きな転機となり、「もっと一人ひとりの子どもたちに寄り添いたい」と強く感じるようになりました。それがきっかけで、特別支援教育の道を選ぶことになりました。
    また、特別支援教諭が不足しているという現状を聞いて、「自分にも何かできることがあるかもしれない」と思うようになりました。特別支援が必要な子どもたちに対して、少しでも力になりたいという気持ちが、私のこの道への決断を後押ししました。

  • 特別支援教諭のお仕事内容を教えてください。

    現在、私は小学部4年生のクラスを担当しています。クラスには7名の子どもたちが在籍しています。

    1限から4限まで授業を行い、生徒たちと一緒に給食を食べたり、掃除をしたりします。掃除後の昼休みのあとは、5限から6限の授業があり、その後、生徒たちをお見送りします。生徒たちが下校した後は、授業の準備や書類作成などを行って1日が終わります。

    授業では、一人ひとりの得意なことや苦手なことに合わせて、みんなと同じ勉強を少しずつ区切って教えたり、分かりやすい道具を使ったりします。また、着替えや食事、あいさつなど、生活で大事なことを一緒に練習して、自分でできるようにサポートもします。そして、自宅でも、ご家族が適切なサポートできるようにアドバイスします。

  • 特別支援教諭になるために必要なスキルはありますか?

    特別支援教諭の仕事には、完璧な答えがない場面が多くあります。だからこそ、子どもの考えや思いに寄り添いながら、最善の方法を見つける柔軟な対応力が求められます。

  • 高良さんが特別支援教諭として大切にしていることはありますか?

    私が大切にしているのは「待つこと」です。子どもにはそれぞれのペースがあり、その日の気分や調子によって上手くいかないこともありますよね。そんなとき、決して怒ったり焦らせたりはしません。「ゆっくりでいいよ」と声をかけて、安心させることを心がけています。

    そして、少しでもできたときは、その瞬間を逃さずにたくさん褒めることが大切だと思っています。どんな小さな一歩でも、認めて褒めることで、子どもたちは自信を持つようになります。そして、その自信が次の挑戦へとつながり、できることがどんどん増えていくんです。

  • 「子どもの成長が最高のプレゼント」

    高良さんにとって特別支援教育のやりがいは何ですか?

    一人ひとりの子どもたちとじっくり向き合い、その成長を間近で感じられることです。例えば、できなかったことが少しずつできるようになる瞬間は、私にとって本当に嬉しい瞬間です。

    最近では、子どもたちとボーリングを行った際の出来事が記憶に残っています。私のクラスには、自分の感情などを伝えるのが苦手な子どもがいます。でも、その子がストライクを取ったときに自然とポーズを決められるようになっていたんです。

    その瞬間を見て、「子どもの成長が感じられるこの仕事を選んでよかった」と感じました。

  • 一方で、お仕事をしていての悩みはありますか?

    子どもたち一人ひとり抱えている障がいも違うので、それぞれに合わせた教育を行うことが難しいなと感じます。

    でも、試行錯誤しながらその子にとっての最適解を日々目指しています。
    上手くいった日は、もう満足して帰れたりするんですけど。まだまだ失敗だらけですね。

  • 「挑戦を恐れずに広げる視野」

    高良さんの中高時代を振り返りながら、この記事を世読んでいる中高生に何かアドバイスをお願いします。

    中高生の頃は視野がとても狭く、部活動のバドミントンにばかり集中していました。それ自体も良い経験だったのですが、今振り返ると、もっといろいろなことに挑戦すべきだったと感じています。
    是非皆さんには、自分の可能性を広げるために、もっとたくさんの挑戦をしてほしいと思います。

  • 私のおすすめの1冊!
    「幸せとは何か”アルジャーノンに花束を”」

    中高生におすすめの本はありますか?

    おすすめしたい本は『アルジャーノンに花束を』です。
    この本は、知能を上げる手術を受けた主人公が、知識を得た先に待っていた現実に直面する物語です。

    障がいをテーマにしているだけでなく、自分自身の幸せとは何かを考えさせられる内容で、中高生にもぜひ読んでほしいと思っています。

  • 探究チャレンジ!
    「障がいを持つ人が、もっと活躍できる社会にするためにはどうしたらいいだろう」

    高良さんが、中高生に考えてほしい探究テーマを教えてください。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!
    ー【探究学習のテーマ名】
    「障がいを持つ人が、もっと活躍できる社会にするためにはどうしたらいいだろう」

    ー「考えてほしいこと」
    「私たちの社会には、目が見えにくかったり、体を自由に動かすのが難しかったり、いろいろな困難を抱える人がいます。でも、そうした障がいを持つ人たちも、工夫次第で私たちと同じように仕事をしたり、活躍したりしています。
    みなさんには、障がいを持つ人がもっと働きやすく、活躍できる社会にするためには、どんな工夫やサポートが必要かを考えてみてほしいです。」

    ー「基本知識」
    「障がいを持っている人の数は、国の調査によると、令和4年度時点で約960万いるとされています。そしてこの数は、15年前より約300万人も増えています。そのため、より一層障がい者の人たちも活躍できる社会づくりが求められています。」

    ー「学習の進め方」
    ①問題の原因を予想する:
    「どうして障がいを持つ人は、仕事をするのが難しいことがあるのでしょうか?困っていることや、どんなサポートが足りないのかを考えてみましょう。」

    ②調べる:
    「障がいを持つ人がどんな仕事をしているかや、どんな工夫で仕事をしているかを調べてみましょう。インターネットで、会社などのサポートの例を探してみてください。」

    ③解決策を考える:
    「調べたことをもとに、障がいを持つ人がもっと仕事をしやすく、社会で活躍できるためには、どんなサポートが必要か考えてみてください。(例:職場で必要な設備や、工夫できる取り組みなどを考えてみましょう)」

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