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職業大図鑑/インタビュー

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元箱根駅伝ランナー「たむじょー」に聞く
YouTuberってどんな仕事?

田村 丈哉

職業・団体名
YouTuber
(たむじょーチャンネル)
出身
千葉県
学歴
【酒井根中学校卒業】
帝京大学医療技術学部スポーツ医療学科トップアスリートコース卒業
職歴
YouTuber
<YouTubeリンク>
→→たむじょーチャンネル
子供の頃の夢
箱根駅伝ランナー
中学生の時の部活動
陸上部(長距離)
  • 「人を笑わせたい!
    大学卒業式の日に始めたYouTuberとしての挑戦」

    まずはじめに、たむじょーさんが YouTubeを始めたきっかけを教えてください。

    私がYouTubeを始めたのは、大学卒業式の日でした。もともと、お笑いが好きで、「お笑い芸人」になることを夢見ていました。ただ、その夢は残念ながら、相方が見つからないという形で断念することとなりました。

    しかしその後も、人を笑わせる仕事をしたいという想いを捨てきれず、Youtuberを目指すことにしました。私が大学生の時、YouTuberが注目を集めるようになり、「ヒカキンさん」や「はじめしゃちょーさん」などの活躍を毎日のように目にするようになりました。そして、自分も「この人たちのように有名になって皆を笑わせたい」と感じたのを覚えています。

    そして2020年3月20日。大学卒業式の日、YouTubeに初めての投稿をしYouTuberとして一歩を踏み出しました。

  • 現在、たむじょーさんの Youtubeでは、陸上競技を中心とした内容で発信をされていますが、このコンテンツにしたきっかけは何だったのでしょうか。

    私には、小学4年生から大学4年生まで打ち込んできた「陸上競技」という強みがありました。みんなもよく知っている″箱根駅伝″に出場した経験もあります。
    YouTubeを始めた当初は、陸上競技について発信している人も少なかったので、「お笑い」と「走ること」、自分の好きなものを掛け合わせて発信していけば、誰にも真似できない自分だけのコンテンツができると考えたんです。

    そして、自分の好きなことを仕事にできたら、こんな素晴らしいことはないだろうなと、『たむじょーチャンネル』として、走ることの楽しさを伝えられるようなランニング系Youtuberになりました。

  • 「箱根駅伝で叶えた夢、その後に選んだ新たな道」

    たむじょーさんは、箱根駅伝も走られており、社会人チームへ進んで陸上競技を続けたり、大学卒業後に一般企業で勤めるという道もあったかと思います。その中で、YouTuberになるという決断をしたのは、なにか強い思いがあったのでしょうか。

    小学校4年生の時に陸上競技を始め、夢は常に箱根駅伝に出場することでした。目標シートにもずっと「箱根駅伝出場」と書いていて、その夢を叶えるために中学、高校、大学と陸上競技一筋で努力してきました。大学時代には1回だけですが、箱根駅伝を走ることができました。

    そして、1つの夢が叶い、今後の進路について考えた時、社会人チームの一員として陸上競技を続けていくことに情熱を持つことができませんでした。もし陸上競技を続けたとしても箱根根駅伝以上の目標を見つけられず、モチベーションを維持するのが難しいと感じました。それならば、自分のやりたい道を進んで、後悔しない生き方をしようと、YouTuberになることを決意しました。

  • 「走るだけじゃない!
    イベントに企画に。YouTuberのお仕事とは?」

    ここからたむじょーさんがYouTuberとして、現在やられているお仕事内容について教えてください。

    YouTubeの活動は、平日が中心です。基本的に、自分で企画を立て、撮影した動画は担当者が動画編集をし、投稿するという流れです。

    また、最近では、いろいろな企業から注目していただき、企業との会議も増えてきました。

    土日は全国各地で行われるマラソン大会やイベントに参加することが中心で、自分自身でイベントを開催することもあります。

  • 「人気が出るまでの下積み時代」

    現在は、YouTubeのお仕事以外にもイベントなどのお仕事もされているということですが、YouTubeを始めた当時についても教えてください。

    最初の1年半は、現在のようなマラソン大会のゲスト出演や企業とのコラボといった活動はなく、YouTubeに毎日、動画投稿をしていました。本当に必死に撮影と動画編集をして、多い時には1日に2本動画撮影することもありました。

    YouTubeを始めた当初から「下積みなしで、成功できる世界ではない」ということはわかっていたので、地道な努力を積み重ねてきた結果、今のような活動につながっていると感じています。

  • 「YouTube活動がもたらす新たな喜び」

    たむじょーさんにとってYouTuberとしてのやりがいや魅力を教えてください。

    YouTube活動を始めたことで、オリンピック選手や世界で活躍する選手、さらには箱根駅伝で活躍した選手と話す機会を持てたり、その様子を動画で撮影したりするという機会をいただけるようになりました。そういう方々と関わることができるのは、自分にとって大きな意味を持っています。

    また、自分の動画を見て「目標タイムを達成できました」「練習メニューを取り入れて成果が出ました」といった声をいただくと、本当に嬉しい気持ちになります。誰かの役に立つ活動ができていると実感する瞬間が、何よりの励みになり、「やっていてよかった」と心から思います。

  • 「視聴者を離さないために必要なこと」

    一方で大変な点はどんなところでしょうか。

    YouTubeの世界では、投稿頻度が減ってしまうとすぐに視聴者が離れてしまいます。だからと言って、投稿を続けるだけでは不十分で、内容も妥協はできません。このように「継続してクオリティを保つ」という点が最も難しい部分だと感じています。

    最近では、イベントや企業との仕事など、他の活動とも並行して行っているため、時間やエネルギーの配分を工夫する必要があります。それでも、YouTuberとして長く続けていくためには、継続力と質の維持が何よりも重要だと改めて実感しています。

  • 「ゴールを見据えて走る
    -経験から学んだ目標設定の大切さ-」

    YouTubeの世界で活躍されているたむじょーさんから、この記事を読んでいる中高生に向けて、これからの学生生活を送る上でのアドバイスをお願いいたします。

    学生の頃は、とにかくいろいろな経験を通じて、目標を見つけることが大事だと思います。私は小学校3年生のマラソン大会で1位になったことをきっかけに走る楽しさに出会い、箱根駅伝を見た際に、あの舞台に立ちたいという夢を抱きました。その夢のおかげで、小学校から大学まで陸上競技一筋で努力を続けてきました。

    夢や目標があると、その目標を達成するために、逆算して小さな目標を考えられるようになります。目標がないと進む道がブレたり遠回りしたりすることもあります。マラソンで例えるなら、スタートからゴールまで42kmをまっすぐ進むのと、右へ左へ寄り道しながら50km走るのでは、到達するスピードが大きく違うということです。

    このように、この記事を読んでいる皆さんも、沢山の経験をして、夢中になれるものや目標を見つけ、その目標に向かって進んでほしいと思っています。

  • 私のおすすめの1冊!
    「″ドラゴンボール″から学ぶ。〜漫画がくれる成長のヒント~」

    たむじょーさんが中高生におすすめしたい本とその理由を教えてください。

    私がおすすめしたい本は、漫画の「ドラゴンボール」です。主人公の悟空は普段は″おちゃらけ″ているキャラクターですが、いざやる時には真剣に取り組み、勝利を掴んで目標を達成する姿が描かれています。私は、そのギャップにすごく惹かれ、悟空のような存在になりたいと思いながら日々活動をしています。 

    ぜひ皆さんも、自分が好きな漫画や物語から、こんな風になりたいと思える憧れの存在を見つけてみてほしいです。きっと、そんな憧れが新しい目標や自分を成長させるきっかけを与えてくれると思います!

  • 探究チャレンジ!
    「自分の好きなYouTubeチャンネルの人気の理由を探ろう!」

    たむじょーさんが、中高生に考えてほしい探究テーマを教えてください。

    ー「考えてほしいこと」
    「YouTuberは、年齢、国籍関係なく誰でも参加できます。その分、多くの人に見てもらえる人気のチャンネルを作るのは非常に難しいです。

    多くの人に動画を見てもらうためには、「自分だけの強み」や「武器」を見つけて、それを活かすことが大切です。私の場合は「箱根駅伝に出場したこと」を強みとして活用しました。他にも、私は「お笑い芸人になりたい」と思うほど、人を楽しませることが好きでした。そのお笑いの要素を取り入れ、「普段は面白いけど、実はめっちゃ速いランナー」というギャップを見せることができたのです。この工夫のおかげで、多くの人に「面白い」と感じてもらえる動画を作ることができました。

    みなさんが普段見ているYouTubeチャンネルにも、たくさんの人に見てもらえる「人気の秘密」があります。面白い内容や役に立つ情報、分かりやすい説明、楽しい雰囲気など、どんな工夫があるのでしょうか?」

    ー「基本知識」
    YouTubeの人気チャンネルには、次のような工夫がされています。
    ①「内容が分かりやすかったり、面白い」
    役に立つ情報や、楽しく見られる内容となっている。(例:勉強のコツ、料理のレシピ、スポーツのテクニックなど。)
    ②「映像や編集の工夫」
    テロップ(字幕)や音楽を使って、見やすく楽しい動画となっている。
    ③「出演者の個性や魅力」
    出演している人の性格や特技、楽しいトークができる。
    ④「テーマの工夫」
    「つい見てみたくなる内容」や「みんなが知りたいこと」をテーマにしている。


    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!
    ー「学習の進め方」
    STEP1『探究テーマ』:
    「自分の好きなYouTubeチャンネルの人気の理由を探ろう!」

    STEP2『原因の予想』:
    「自分がよく見るYouTubeチャンネルについて、あなたが好きな理由を考えてみよう。」

    STEP3『調べる』:
    「自分の好きなYouTubeチャンネルの動画を見て、次のポイントを調べてみましょう。」
    ①内容:「どんな動画?」 → 面白い、役に立つ、感動するポイントは?
    ②工夫:「どこが見やすい?」 → 編集や映像、音楽、トークの工夫は?
    ③出演者の魅力:「なぜこの人が好き?」 → 明るさ、話し方、特技、個性など。

    STEP4『解決方法を考える』:
    「調べたYouTubeチャンネルがなぜ人気なのか」をまとめてみましょう。
    まとめ方に困ったら、人気の理由を「3つのポイント」に絞ってその詳細をまとめてみるのも、おすすめです。(例:「分かりやすい説明」「楽しいトーク」「面白い編集」などについて詳しく書く)」

J1からJFLまで経験しているプロサッカー選手!
河野選手の挑戦に迫る

河野 諒祐

職業・団体名
プロサッカー選手
出身
神奈川県
学歴
【本町中学校卒業】
秦野曽屋高校卒業
職歴
湘南ベルマーレ-福島ユナイテッド-ヴェルスパ大分-YSCC横浜-水戸ホーリーホック-ファジアーノ岡山-鹿児島ユナイテッドFCーSC相模原
子供の頃の夢
プロサッカー選手
中学生の時の部活動
サッカー部(クラブチーム所属)
  • 「プロサッカー選手を目指したきっかけ」

    河野(かわの)選手が、プロサッカー選手を目指そうと思ったきっかけを教えてください。

    2002年の日韓ワールドカップを見て、「サッカー選手ってかっこいいな」と思い、近所のサッカーチームでサッカーを始めました。その後、当時、小学5年生だった私は、今J1リーグに所属している湘南ベルマーレの小学生チームに入りました。そこでは、プロの選手と同じ練習場で練習をするため、プロサッカー選手がとても身近に感じられるようになりました。それがきっかけで、少しずつ本気でプロを目指すようになりました。

  • 小学5年生からプロ選手と同じ練習していた経験が、大きく影響しているとのことでしたが「本気でプロになりたい」と感じた瞬間は、どのタイミングだったのでしょうか?

    中学3年生の時、初めてプロチームの練習に呼ばれました。その後、プロの2軍チームメンバーとして試合に出場するようになり、その経験から、サッカー選手が自分にとってよりリアルな存在に感じられるようになりました。その頃から「もしかしたら自分もプロでやれるんじゃないか」という思いが芽生え、憧れだけでなく、本気でプロを目指そうという気持ちに変わりました。

  • 「挫折の経験と改めて気づいた幸せ」

    サッカー選手を目指されていく中で、大変だったことや挫折をした経験などはありましたか?

    正直に言うと、プロを目指す過程で大きな挫折を感じたことはほとんどありませんでした。中高時代には、試合に出られないこともありましたが、それが原因で夢が弱まったり、目標が変わったりすることは一度もなかったです。サッカー選手になるという強い思いは常に持ち続けていました。

  • プロサッカー選手になった後、J1からJFLなど様々なカテゴリーでの経験をされていますが、それぞれのリーグでの経験について教えてください。

    プロ選手として湘南ベルマーレで2年プレーしましたが、20歳の時に契約切れとなりました。それが初めての大きな挫折で、サッカーをやめようかと考えたほどです。でも、その時に「誰も自分を知らない環境でサッカーをしてみたい」という気持ちもあり、仕事をしながらサッカーをするアマチュアリーグ"JFL(日本最高峰アマチュアリーグ)"のチームに移籍することにしました。朝9時から夕方6時まで働いて、夜に練習するという生活で、休みもなかったので、体的にはきつかったですが、普通の仕事も経験したことで、サッカー選手がどれだけ幸せか、改めて感じました。

  • 働きながらサッカーをしていた時期に、サッカー選手のどんなところが「幸せだな」と感じたのでしょうか?

    一番は、観客がいる中で応援されながらプレーできることです。また、普通に仕事をしたことで、サッカー選手を客観的に見る立場になり、好きなサッカーをして生活していけるというのは、本当に幸せなことだと感じて、サッカーで成功したいなっていう思いがより強くなりました。

  • 「夢を追いかける河野選手が語る目標の立て方 」

    ここからは、河野選手の中高生時代のお話を聞かせてください。河野選手は、中高生時代どのような学生でしたか?

    正直なところ、文武両道はあまりできていなかったですね(笑)ただ、サッカー選手になりたいという夢は明確に持っていたので、それを追いかけていた感じです。

  • サッカー選手になるという目標を追いかけて、まさにその目標を達成していると思うのですが、目標の立て方について中高生にアドバイスをお願いします。

    僕の場合はサッカー選手を目指していたので、プロになれるかどうかの大きな分岐点は高校卒業のタイミングだと考えていました。なので、まず高校卒業後にプロ選手になることを目標にして、そこから中学時代にどのぐらい成長しておくべきかを逆算して考えていました。まずは、大きな目標を決めて、それに向かって具体的に行動していった感じです。

  • 中高生に向けて、今のうちに頑張っておいた方が良いこと、考えておくべきことはありますか?

    まずは夢や目標を持って、それに夢中になってほしいです。また、夢や目標を持つ理由、なぜそれをやりたいのかを言語化(言葉や文章に)することが大事だと思います。理由が明確になると、挫折しそうな時でも頑張れるエネルギーが湧いてくると思います。

  • 私のおすすめの1冊!
    「登山家から学ぶ、挑戦し続ける勇気」

    河野選手が中高生におすすめしたい本を教えてください。

    登山家である栗城史多さんの『一歩を超える勇気』はおすすめです。登山は人生のようで、挫折や失敗がある中で頂上を目指すという姿勢が、自分たちの人生にも当てはまると思います。

  • 探究チャレンジ!
    「プロスポーツ選手がセカンドキャリアで困らないようにするには、どんなことが必要か考えてみよう」

    河野選手が、中高生に考えてほしい探究テーマを教えてください。

    ー「考えてほしいこと」
    「スポーツ選手は、現役選手のときはとても輝いて見えることが多いですが、実は現役でいられる期間は短く、引退後に新しいセカンドキャリアの問題に直面する選手が多くいます。サッカーの場合、多くの選手が25~26歳くらいで引退すると言われています。

    最近では、現役選手の時から勉強の時間を取り、次のキャリアに備える選手も増えてきましたが、それでも引退後に急に社会に出ると、周りに追いつけなかったり、新しい仕事や活動を見つけるのが難しいことがあるのが現状としてあります。

    たとえば、ある有名なサッカー選手は、引退後にできる仕事がなく経済的な問題に直面しました。こうした問題を防ぐには、どうすればいいでしょうか?ぜひ、みなさんの興味ある分野で、プロスポーツ選手が引退後に困らないためにはどんなことが必要かを考えてほしいです。選手自身が取り組むべきことでも、社会全体で取り組むべきことでもかまいません。この問題が解決すれば、現役時代も引退後の心配をせずに、競技に集中できるようになるはずです。」

    ー「基本知識」
    「”セカンドキャリア”とは、現役を引退した後に新しく始める仕事や活動のことです。プロスポーツ選手は現役時代に大きな成功を収めても、その後のキャリアで苦労することがあります。」


    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!
    ー「学習の進め方」
    STEP1『探究テーマ』:
    「プロスポーツ選手がセカンドキャリアで困らないようにするには、どんなことが必要か考えてみよう」

    STEP2『原因の予想』:
    「なぜプロスポーツ選手はセカンドキャリアで困るのか?原因を考えてみよう。」

    STEP3『調べる』:
    「引退後に成功しているスポーツ選手の例などを探して、彼らがどのように準備していたかを調べよう。(例:選手の時から若手選手の指導をしている、栄養士など資格の取得など)」

    STEP4『解決方法を考える』:
    「調べたことをもとに、スポーツ選手が引退後に困らないようにするためには、どのような支援や現役時代からの準備が必要か考えてみよう。(例:キャリア支援プログラムの活用など)」

みんなが安心して暮らせる公正な社会を作る

千代延 博晃

職業・団体名
検察官
出身
宮崎県
学歴
東京大学法学部卒業
職歴
福岡地検-奈良地検-さいたま地検-福岡地検-鹿児島地検-東京地検立川支部-佐賀地検-福岡地検-佐賀地検-法務省保護局
子供の頃の夢
検察官
中学生の時の部活動
硬式テニス部
  • 「父の背中を追って検察官の道へ」

    千代延(ちよのべ)さんが、現在の仕事についたきっかけを教えてください。

    私は父が副検事(※副検事は、検察官の一種で、主に窃盗事件や交通事件などを取り扱っています。検察事務官として一定の経験を積んだ後、副検事になるための試験に合格すると任官できます。)で、小学校時代まで検察庁の宿舎に住んでい
    たため、周りには検察庁の職員が多く、自然と父と同じ道に進みたいと思うようになりました。小学 6 年生のときの作文には、「将来、司法試験に合格して検察官になりたい」と書きました。また、中学生時代には、父が担当していた裁判を傍聴しに行ったことがあります。そのとき、法廷できびきびと活動する父の姿を見
    て、「かっこいいな」と思い、ますます検察官になりたいという気持ちが強まりました。どんなに困難な事件を担当することになっても「自分がやり遂げるんだ!」と挑戦し、情熱をもって仕事に向き合っている父の姿に、私は大きな影響を受けました。
    大学時代には、狙撃された国松警察庁長官(当時)の講演を聴く機会がありました。彼の「若者よ、治安の分野に来たれ!」という言葉を聞いたとき、治安を守ることの大切さを再認識し、私は検察官になって治安の維持に貢献したいと強く思うようになりました。

  • 小学生6年生の時点で、作文に将来は「検察官になる」と書かれていたようですが、その思いというのはずっと変わらなかったのでしょうか?

    そうですね、逆に言うと、父の影響が大きかった分、視野が狭く深く考えていなかったというのが正直なところです。それでも、その道に自然と進むように感じていたのは、父の背中を見て育ったからこそだったと思います。
    あとは、シンプルに「悪いことをしたらきちんと罰を受ける」という考え方は、自然に受け入れられていたのかもしれません。検察官は社会正義を実現するために真相を解明し、その解明した真実に見合った適切な刑罰を実現するという役割を担っています。自分にとっては、そのような役割を担う立場になることに、全く違和感がなかったので、検察官の道に進むことに迷いがなかったのだと思います。

  • 「検察官ってどんな仕事?」

    検察官の具体的なお仕事の内容を教えてください。

    検察官の主な仕事は、「捜査」と「公判」です。

    「捜査」とは、本当に犯罪があったかどうかを調べて、犯人を突き止めて捕まえたり、証拠を見つけて集めたりすることです。警察がまとめた事件の書類(証拠書類と言います)を読んで、必要があれば警察に追加の捜査を頼んだり、自分で現場に行って確認したりすることもあります。事件で亡くなった人の身体を調べる「司法解剖」に立ち会うこともあります。また、被疑者 (犯罪の嫌疑をかけられている人のことを言います。ニュースなどでは容疑者と呼ばれることもあります。)や被害者、目撃者など事件に関わる人たちから直接話を聞いて、何が真実であるかを自分で見極めながら、有罪の方向、無罪の方向を問わず様々な証拠を集めます。そして、集めた証拠をもとに被疑者を裁判にかけるかどうかを決めます。このとき、検察官は、有罪を立証するために十分な証拠があるからといって、必ず被疑者を裁判にかけるわけではありません。犯罪の重さや反省の程度、年齢、境遇、弁償の有無や被害者の処罰感情など様々な事情を考慮し、刑罰を科すよりも、被疑者の更生を図るべきと判断した場合には、裁判にかけないという判断をすることもあります。被疑者が更生するということは、再び罪を犯してしまう人が減るということであり、犯罪の少ない社会の実現にもつながります。

    「公判」とは、集めた証拠を使って、被告人(裁判で犯罪をしたとして裁判にかけられている人)が犯罪をしたことや、刑罰の重さを決めるための重要な事実を立証し、裁判官に適正な処罰を求める活動です。証拠書類を取り調べる以外に、証人(事件の被害者や目撃者など事件の解決に役立つ情報を提供する人)に質問をしたり、被告人に直接質問したりすることもあります。

  • ”捜査”の仕事は、警察との強い協力のもとで行われてていくのでしょうか?

    捜査の仕事は、警察との密接な連携が欠かせません。多くの事件は、まず警察が一次的には捜査を行い、検察がその事件を引き継ぎます。検察官は、警察から送られてきた事件記録を検討して、必要に応じて追加の捜査を依頼し、警察と連携を保ちながら事件の捜査を進めるのが一般的な流れです。
    また、最終的に公判を担当するのは検察官であるため、公判で自信を持って主張できることが重要です。現場の状況や環境は、写真や書類だけでは完全に把握できないことがあるため、自ら現場に足を運び、直接確認することもあります。警察の捜査を信頼しつつ、それを補う形で捜査を進めるのが検察官の重要な役割です。もちろん、警察の捜査に誤りがないかは常にチェックしており、誤りがあれば是正しています。

  • 「真実を明かし、社会を守る」

    千代延さんが思う検察官の魅力を教えてください。

    検察官の仕事の魅力は、警察と協力して事件をしっかり調べ、真実を明らかにできるところにあります。法律を正しく、そして早く使って適正な刑罰を実現すること、こうしたことを通じて、国民が安心して暮らせる公正な社会を作る手助けをしていることに、とてもやりがいを感じます。

    また、日本では、個人が復讐することは許されておらず、被疑者を裁判にかける権限は検察官だけに与えられています。そのため、適正な刑罰の実現に貢献し、被害者の悔しさや無念を晴らすことは、検察官の大切な役割です。警察などと一緒にチームで真相を解明し、例えば、不合理な言い訳をし続ける被疑者に適正な刑罰を受けさせることができたときには、大きな達成感があります(もちろん、裁判は勝ち負けではないのですが)。

  • 「検察官の大きな責任と重圧」

    一方で、大変だなと感じる点についても教えてください。

    被疑者を逮捕した事件では、被疑者を拘束できる時間は限られていて、その間に真相を解明して処分を決めなければならないのですが、絶対に無実の人を裁判にかけてはいけないという大きなプレッシャーがあります。そのため、大量の資料を時間をかけてしっかり確認したり、少ない証拠をかき集めたりして、どうにか真実にたどり着けるように知恵を絞ります。この作業はとても大変です。また、被疑者を裁判にかけるのか、かけるとして裁判官に対してどのような刑罰の実現を求めるのかを適切に判断するのも難しい仕事です。

  • 検察官のお仕事には、事実をしっかり突き詰めていく責任がある中で、人が人を裁くという重圧や難しさもあると思います。その中で千代延さんは、感情の揺れ動きや判断の難しさに日々のお仕事でどのように向き合っていらっしゃるのでしょうか?

    本当に悩ましい点です。捜査において、人の証言がどれだけ信頼できるか、その証言が真実かどうかを見極めることは非常に難しい点です。私たちは思い込みや決めつけによる誤った判断は避けなければなりません。その一方で、慎重になりすぎて真犯人を逃してしまうということも避けなければなりません。ここが非常にデリケートで、究極のバランスが求められる部分です。こうした状況の中で、どのように証拠を集め、集めた証拠に基づいて冷静に判断するかが毎回の課題です。もちろん、明確な証拠があれば問題はありませんが、実際にはそうしたストレートな証拠がない事件も多く、非常に難しい決断を迫られることが少なくありません。 
    常にその重圧と向き合いながら、どうすれば公正で正しい判断ができるのかを悩みながら進めています。これは、検察の仕事の中でも特に苦しい部分だと感じますが、同時に、それだけ責任の重い仕事をさせてもらえるという意味で、やりがいでもあります。

  • 「社会に対する広い視野、謙虚さ、忍耐強さ、論理的思考」

    検察官になる上で必要なスキルを教えてください。

    検察官になるには、まず司法試験に合格する必要があります。
    また、法律だけでなく、社会の問題を正しく理解し、どう解決するかを見通す力が求められます。そのため、時代の変化にもついていけるように様々な本を読んだり、多くの人の話を聞いたりして、法律以外の分野についても知識を広げることが大切です。
    他にも、常に、犯人がどういう気持ちで行動したのかを想像しながら証拠を集めるため、人の行動や考え方を理解する力、そして常識的な考えを持っていることが重要です。相手の立場に立って考えることを忘れずに、膨大な量の情報を忍耐強く精査する力も必要です。そして何よりも、取調べでは、相手の話を注意深く聞き、正確に理解する力が非常に重要です。その際には、謙虚な姿勢を保つことや、相手を思いやる心が求められます。相手の置かれている状況や感情を理解しようとする姿勢が、真実を引き出す鍵となるからです。

  • 「受験勉強や部活に打ち込んだ学生時代」

    ここからは千代延さんの中高時代のお話も聞かせてください。中高時代はどのように過ごされてきましたか?

    中高時代は、親元を離れて松山市内で寮生活をしていました。父が、転勤が多い仕事だったので、転校しないで済むように、寮のある学校に入学しました。
    そこで、私は硬式テニス部に所属し、高校2年生で引退するまでテニスに没頭していました。寮では、全国から集まってきた仲間たちと勉強や遊びを共にし、楽しい時間を過ごしました。医者や弁護士、裁判官を目指す友人も多く、彼らと切磋琢磨することができ、非常に刺激的な環境でした。

  • まさに“文武両道”を実現されている千代延さんですが、何か意識されていたことありました か?

    確かに、部活は部活でしっかり取り組みながら、宿題や勉強も「先生に怒られたくないから」という理由ではありましたが、さぼらずにやっていたというのはありましたね(笑)。でも、「言われたことを最低限やる」というくらいでした。

  • 法律の世界で活躍されている千代延さんでも、先生に怒られないために宿題をやるという 動機は、この記事を読んでいる多くの中高生たちが親近感を覚えて共感できるものだと思います(笑)

  • 千代延さんが中高生の時に、やっておいて良かったなと思うことはありますか?

    中高生のうちにやっておいて良かったこととして、受験勉強に真剣に取り組んだことがあります。受験勉強を通じて、目標に向かって努力し続ける大切さや、困難を乗り越える力、忍耐力を学びました。これらは、今の仕事で膨大な資料を地道に精査したり、事件の重要な問題点について勉強したりするときに非常に役立っています。
    また、部活動に打ち込んだ経験も大切です。部活ではチームプレーの精神を学びましたが、それは今も、様々な人々と協力して捜査を進める際に役立っています。

  • 私のおすすめの1冊!
    「困ったときに勇気をもらえる言葉集」

    千代延さんが、中高生におすすめしたい本とその理由も教えてください。

    「元気語録400選 竹内均」です。これは、各界の著名人の言葉を集めた本で、困ったときにヒントや勇気をもらえるので、気軽にパラパラとめくってみることをお薦めします。

  • 探究チャレンジ!
    「一度、罪を犯してしまった人が、もう一度罪を犯さないようにするにはどうすればよいのだろうか」

    千代延さんが、中高生に考えてほしい探究テーマを教えてください。

    ー「考えてほしいこと」
    「もし、罪を犯して刑務所に入っていた人が、刑務所から出て、あなたたちが住んでいる街に帰ってきたら、あなたはその人に対して何を思い、どう行動しますか?また、その人がもう一度罪を犯してしまうとしたら、どんな理由があると思いますか?
    私は、罪を犯した人を孤独にしてしまうと、やけになってまた犯罪を犯してしまうことがあると考えています。犯罪や更生の問題を、他人事ではなく、自分ごととして考えることが大切です。誰かに寄り添って、その人を理解しようとする姿勢が、社会をより良いものにするために必要だと感じます。
    そこで、皆さんには、人が一度罪を犯してしまったとき、その人が再び罪を犯さないためには、どんな支援や対策が必要か考えてみてほしいです。」

    ー「基本知識」
    「一度罪を犯してしまった人が、もう一度罪を犯してしまうことを「再犯」といいます。再犯を防ぐためには、仕事を見つけたり、社会とつながりを持つことが重要だとされています。例えば、社会復帰を支援するための教育プログラムや、地域社会での支援活動が役立つことがあります。日本では、再犯を防ぐために様々な取り組みが行われていますが、実際には再犯率が高いという問題があります。」

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!
    ー「学習の進め方」
    STEP1『探究テーマ』:
    「一度、罪を犯してしまった人が、もう一度罪を犯さないようにするにはどうすればよいのだろうか」

    STEP2『原因の予想』:
    「なぜ、人は一度罪を犯した後、再び罪を犯してしまうのでしょうか?その原因を考えてみましょう。(例:社会から孤立してしまったなど)」

    STEP3『調べる』:
    「再犯を防ぐためにどのような対策が行われているかを調べてみましょう。(例:刑務所での教育プログラムや再犯防止のための取り組みについてなど)」

    STEP4『解決方法を考える』:
    「調べたことをもとに、どのような支援や対策があれば、再び罪を犯さないようにできるか具体的な方法を考えてみましょう。(例:刑務所での教育、社会復帰を助ける仕事の提供など)」

町を走り、町の魅力を届ける

伊藤 正臣

職業・団体名
俥夫(人力車運転手)
出身
神奈川県
学歴
【南足柄市岡本中学校】
短大卒業
職歴
真珠養殖ー家具の配送ー園芸店員ー小田原観光人力車 人車屋
→→小田原観光人力車 人車屋 
子供の頃の夢
コメディアン
中学生の時の部活動
バレーボール部
  • 「俥夫として町の魅力を届ける」

    伊藤さんが、現在やられているお仕事について教えてください。

    私は、神奈川県の小田原市で、俥夫(しゃふ)[人力車運転手]として観光ガイドをしています。人力車を引きながら、お客様に、街の歴史や魅力を案内しています。

    また、人力車の仕事を通じて地域の魅力を伝える一方で、お米や野菜を作ったり、茅葺き(かやぶき)屋根の補修や茅苅り、隣の町でアジサイ祭りが行われる際には観光ガイドなどもしたりと色々なお仕事をしています。

  • 「将来を模索する20歳からの旅
    -俥夫という仕事にたどり着くまで-」

    伊藤さんと人力車との出会いについて教えてください。

    私は、高校生の頃から、様々な仕事を経験してきました。コールセンターやピザ屋の店員、警備員、建設現場、真珠養殖、園芸店、家具の配送、海の家など、興味のあることがあれば、なんでも挑戦してみたんです。

    こうしてたくさんの仕事を経験する中で、自分が「好きなこと」や「やりたいこと」が少しずつ見えてきて、最終的に、俥夫という現在のお仕事にたどり着きました。

  • 様々な経験から、最終的に俥夫の道に進まれた大きな要因は何だったのでしょうか。

    「将来を考え始めた20歳の頃」
    私も、今これを読んでいるみなさんと同じように、「将来どんな仕事がしたいのか」と悩む時期がありました。それまでは、短期大学に通い、資格を取って就職するという、なんとなく決まった道を歩むつもりでした。しかし、20歳を迎えたとき、「自分を見つめ直して、自分の良さを生かせる仕事を見つけたい」と思うようになりました。そして、その答えを探すために選んだのが「旅に出ること」でした。

    「旅先で出会ったさまざまな仕事」
    バックパッカーとして東南アジアを旅し始めると、写真家や絵描き、編み物の職人など、さまざまな職業の人たちと出会いました。日本ではあまり目にしない仕事に触れ、私はとても刺激を受けました。そして、興味を持ったことは積極的に行動に移し、カメラマンの撮影現場を見たり、旅行家の活動に同行したりしました。このような経験が、私に新しい視点を与え、自分の可能性を考えるきっかけになりました。

    「旅を通じて気づいた日本の良さ」
    そして、日本と東南アジアを行き来する生活を続けるうちに、「日本の良さ」に改めて気づきました。自然の美しさや伝統文化、人々の暮らしの中にある独自の魅力が、特別なものだと感じられるようになったのです。そして、日本に戻り、その思いを多くの人に伝えられる仕事はないかと探していたとき、浅草で観光人力車を引く仕事に出会いました。浅草には、伝統的な文化が色濃く残り、日本の魅力を伝えるには最適な場所でした。当初は、アルバイトとして働きながら、俥夫という仕事の面白さに気づき、将来も続けていけたらいいなと思うようになりました。その後、一つの縁から人力車を譲ってもらう機会に恵まれ、小田原という地域で人力車を走らせる活動をスタートさせました。

    「ディジュリドゥ」との出会い
    また、余談ですが、私は楽器の演奏活動もしており、これまで20年間、「Dachambo」というバンドチームで音楽活動をしてきました。演奏活動のきっかけになったのは、旅先で出会った「ディジュリドゥ」という オーストラリアの民族楽器でした。路上でディジュリドゥを演奏している人を見て、「自分もあの楽器を演奏してみたい!」と思ったんです。その後、オーストラリア全土を回り、特に、アボリジナルの保護区を訪れて、現地の人たちから楽器の演奏や文化を教えてもらいました。帰国後は、ディジュリドゥの演奏を始めた縁がつながり、「Dachambo」に入りました。海外や日本中をツアーで回ったり、日本のたくさんのフェスに出演したりして、音楽活動に夢中になりました。当時は、プロとしてのバンド演奏活動を行いながら、浅草で人力車のガイドの仕事も掛け持ちで行っていました。今は「Dachambo」を離れ、ソロ演奏を中心に活動していますが、両方の仕事を通じて、たくさんの人と出会い、刺激を受ける日々を過ごしていました。

  • 「人力車がつなぐ観光と地域の未来」

    伊藤さんが、俥夫として大切にしていることは何でしょうか。

    人力車での観光を通じて、町を好きになってもらい、素敵な思い出をたくさん作ってほしいと思っています。そのために、単に「山が綺麗」「このお米が美味しい」と伝えるだけではなく、農家の方々がどれほどの苦労を重ねてお米を作っているのか、茅葺き屋根の建物がどのような植物から作られ、どのように地域の文化を支え続けてきたのかといった、その背景にあるストーリーもお話しするよう心がけています。
    また、それらを自分の経験を交えて話せるように、私自身も農業に携わり、お米や野菜を実際に育てたり、茅葺き屋根の補修作業に参加するなど、自ら体験することも大切にしています。

    そして、その先には、私の活動を通じて、町全体がどんどん発展し、「私がこの地域で人力車を引くことで、街がどんどん明るくなって、活気づいてきたよね」と言われるような変化を生み出したい。そんな想いを胸に、この仕事に取り組んでいます。

  • 「日々の新しい出会い」

    伊藤さんにとって俥夫という仕事の魅力をおしえてください。

    俥夫は、幼稚園児からおじいちゃんおばあちゃんまで、幅広い世代の方々と接する機会があります。そして、お客様にその土地の魅力を伝える立場でありながら、そういった人との出会いを通じて、私自身の考えが広がったり、新たな考え方を学んだりすることがこの仕事の大きな魅力だと思っています。団体ツアーとは違い、人力車は個別にお話ができ、お客様の本音や考えを聞き出すことができます。そういった中で、毎日、新しい出会いや学びがあるこの仕事は、本当に面白いものだと実感しています。

  • 「自分の長所を知り、未来への道を見つける」

    この記事を読んでいる中高生にアドバイスをお願いします。

    将来の仕事を考えるときに大切なことは、「自分が何を得意とし、何に興味を持ち、どんなことを楽しめるのか」を深く理解することです。自分の長所や魅力は1つや2つだけではなく、気づいていないものも含めてたくさんあります。それを発見することが、人生の幸せや将来の方向性を見つけるための第一歩です。そのためには、若いうちからいろいろな経験をしてください。色々なことを経験することで、自分が何に興味を持ち、何が得意で、どんなことが好きなのかが見えてくると思います。

  • 「自分の足跡が未来をつくる」

    伊藤さんにとっての"仕事"とは、なにか教えてください。

    私は、自分が経験したことや、作り上げてきたものがどれだけ残るかということを大切に仕事をしています。もちろんお金を稼ぐことはとても大切ですが、死んでしまったら自分にはお金を残せません。

    なので、自分の成長や経験を通じて、そこからどんな世の中になっていったら面白いのか、どんな変化が生まれるのかを考えながら働いています。自分が積み上げてきた経験や成果が社会や未来にどんな影響を与えるのか、これを考えながら働くことが、私にとっての仕事です。

  • 私のおすすめの1冊!
    本田健さんの『自分の才能の見つけ方』

    伊藤さんが、中高生におすすめしたい本を教えてください。

    本田健さんの「自分の才能の見つけ方」は、自分の得意なことや好きなことを見つけるヒントを教えてくれる本です。「楽しいと思うこと」や「少し得意なこと」が才能の手がかりになり、好きなことを活かして周りを喜ばせる大切さが伝えられています。また、失敗を恐れず挑戦することで新しい自分を発見できるとも書かれています。新しいことに挑戦する勇気をもらえる一冊なので、ぜひ読んでみてください!

  • 探究チャレンジ!
    「人力車に乗ることで得られる特別な体験を多くの人に広める方法を考えてみよう!」

    伊藤さんが、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ー「考えてほしいこと」
    「技術が進化し、車や公共交通機関が発達することで、私たちの生活は確かに便利になりました。道具を使いこなすことは素晴らしいことであり、私たちの日常を大いに支えています。しかし、その一方で、効率を優先するあまり、人間が本来持つ感覚や価値観、そして文化といったものが失われつつあるのではないかと感じることもあります。こうした時代において、人力車のような伝統的な仕事には、どのような意義があるのでしょうか。現代では、人力車を移動手段として使うことはほとんどありません。しかし、人力車は観光案内の一つの方法として残り、その地域の風景や文化、人とのつながりを感じることができる特別な体験を提供しています。そこで皆さんには、是非、人力車に乗ることで得られる特別な体験を多くの人に知ってもらうためにはどのような方法があるか考えてほしいと思います。」

    ー「基本知識」
    人力車の発祥は、19世紀後半、日本で考案され、当時は主要な移動手段として利用されていました。移動手段として広く使われた後、自動車や公共交通機関の普及で、現在では、観光用途に変化しました。

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!
    ー「学習の進め方」
    STEP1『探究テーマ』:
    「人力車に乗ることで得られる特別な体験を多くの人に広める方法を考えてみよう!」

    STEP2『原因の予想』:
    「なぜ人力車が現代においても特別な体験として価値を持っているのか、その理由を考えてみましょう。
    (例:人力車は便利さではなく、ゆっくりとした時間や地域文化とのふれあいを提供しているから。運転手との会話を通じて地元の歴史や魅力を知ることができるから)」

    STEP3『調べる』:
    「人力車が持つ特別な価値について、以下の点を調べてみましょう。」
    ・現在、人力車がどのような場面で使われているか(観光地など)
    ・乗ったことがある人が周りにいれば人力車に乗った感想や体験談を聞く(印象に残ったこと)、いなければ、どんな経験ができそうかイメージしてみましょう。
    ・他の移動手段と比較した際の違い(便利さ以外の価値)


    STEP4『解決方法を考える』:
    「調べたことをもとに、人力車に乗ることで得られる特別な体験を多くの人に広める方法を考えてみよう!(例:学校教育で人力車を通じた地域文化体験を取り入れる。など)」

スイーツの世界へようこそ!
~パティシエの魅力に迫る~

堀口  豊

職業・団体名
パティシエ
出身
神奈川県
学歴
【藤沢第一中学校卒業】
国際フード製菓専門学校
製菓製パン科
職歴
西鎌倉レ・シュー-ケーキハウス 幸せの丘-しあわせのお菓子ツリーオーブン
子供の頃の夢
プロ野球選手
中学生の時の部活動
野球部
  • 「パティシエを目指した理由とその背景」

    堀口さんが、パティシエになられたきっかけを教えてください。

    昔から手に職をつけたいと漠然と思っていたのですが、自分は器用なタイプではないので、一つのことを極める方が合っていると感じていました。また、甘いものやケーキが好きだったこともあり、自然とこの道に興味を持ちました。それに、いとこが同じような仕事をしていたこともあって、その影響も少なからずありました。

    専門学校では、パンや和菓子、洋菓子を学べるコースがあり、そこで色々なジャンルを学びながら、最終的に洋菓子を選びました。

  • 様々な選択肢がある中で、堀口さんが洋菓子を選択した理由と、パティシエとして働くには他にどんな選択肢があるのか教えてください。

    一口に洋菓子屋と言っても、自分の興味や目指すキャリアによって、たくさんの道があるんです。店舗を構えて働くだけでなく、ホテルのパティシエ部門や、大手の工場でケーキを作る道、新しい商品を開発する研究職に進むこともできます。

    私は、自分が作ったお菓子を買ってくれたお客様の顔が見たいと思っていたので、接客を通じて、自分の作ったものを直接お渡しできる個人店で働くという道に進みました。

  • 「朝6時から始まるこだわりの一日」

    パティシエの1日のお仕事内容について教えてください。

    朝は早く、日によっては、6時からスタートします。お店が10時に開店するので、それまでにショーケースにケーキやシュークリームを並べる準備を行います。その後は仕込みがメインになります。すべてのケーキがその日の朝に作られるわけではなく、焼き菓子やムースなどは、冷凍保存して1週間分を少しずつ使うこともあります。

    他には、予約されたケーキを作ったり、ショーケースで減ったケーキを補充したり、季節やイベントに合わせた新しいケーキの試作を行うこともあります。また、在庫管理や食材の発注、衛生管理なども大切な仕事です。常にケーキやお菓子を作り続けながら、お客様の要望に応える柔軟な対応も求められるのがパティシエの一日の流れです。

  • 「届ける喜び、広がる笑顔」

    パティシエとしてのやりがいは何ですか?

    やっぱり自分が作ったものを直接お客様に届けられることですね。イメージしやすいのが、バースデーケーキで、お祝いの場で喜んでいただけるのを見ると、本当にやりがいを感じます。お客様が笑顔でケーキを受け取る姿は何度見ても嬉しいです。

  • 一方で大変な点はありますか?

    立ち仕事や力仕事が多く、仕事で体力を使う部分はやっぱり大変ですね。ただ、体力的に厳しい仕事ばかりではなく、カフェなどの選択肢もあります。ケーキをコーヒーと一緒に提供し、接客も楽しめるカフェは女性に人気です。パティシエの専門学校からそうした道に進む人も多く、様々な選択肢があるので、そこは安心してもらえればと思います。

  • 仕事の中で、特に印象に残っているエピソードがあれば教えてください 。

    世間的な話ですが、友達にケーキを作ってあげられるのは、この仕事の特権だと思います。友達にとって大切なウエディングやプロポーズのサプライズ用ケーキなど、一生の思い出になるような特別なケーキをお願いされることがあります。先日は、まるで工芸品のようなケーキを作って友達を驚かせたんですが、そんな時は感動して泣きそうになりましたね。

    ケーキを見て笑顔になって、ケーキを食べてさらに笑顔になって、その空間にどんどん笑顔が広がっていく瞬間は、本当にうれしいです。

  • 「考える力とセンスを磨く」

    この記事を読んでいる中高生に向けて、大切にしてほしいことはありますか?

    考える力を養うことが大切です。勉強はもちろん重要ですが、実際の仕事では頭を使う場面が多くあります。ケーキ作りでも、科学や数学の知識が役立ちます。卵白や砂糖の分量など、理論を理解することで、より良いものを作れるようになります。

    あとは、自分のセンスを磨くために、日々いろいろなものに触れることが大切ですね。 日常生活の中で、ファッションや美容、コスメなど、さまざまなものを見て感じ取ることが大切です。「この色にはこの色が合うんだな」とか「今の流行はこれだな」といった感覚を取り入れる能力が大事です。
    センスというのは生まれつきのものではなく、磨くものです。自分にはセンスがないと思って諦める必要はありません。磨けば良くなっていくものなので、諦めずに努力していけば必ず向上すると思います。

  • 私のおすすめの1冊!
    「パティシエになるためにー専門書で学ぶプロの技術と知識-」

    堀口さんが中高生におすすめしたい本はありますか?

    本屋にある厚いケーキ本や専門書では、ケーキの仕組みや背景まで詳しく解説されているものが多く、それを見るとケーキ作りの理解が深まります。作る際の細かなポイントや、どういうイメージで仕上げているのかなども載っているので、そういった本はとても役立ちます。

  • 探究チャレンジ!
    「職人の人手不足を解決するために、技術を効率的に磨く工夫を考えてみよう」

    堀口さんが、中高生に考えてほしい探究テーマを教えてください。

    ー「考えてほしいこと」
    「日本では、パティシエや他の職人たちの世界で人手不足が深刻な問題になっています。昔は長い修行期間が必要でしたが、現在の労働環境では、効率的に技術を磨く方法が求められています。職人として一流の技術を持ちながらも、働きやすい環境を整えるためには、どのような工夫ができるでしょうか?技術を早く身につけ、現場で活躍できるようなアイデアを考えてみてほしいです。
    例えば、最新の技術を使ったトレーニング方法や、オンラインで学べるシステムなど、現代のツールを活用する方法が考えられます。また、職場での指導方法や、学びやすい環境をどう整えるかも重要であると思っています。」

    ー「基本知識」
    「日本では、多くの職人が人手不足の影響を受けています。特に、パティシエのように長時間労働や厳しい修行が必要とされる職業では、新しい人材が集まりにくくなっています。実際に、経済産業省のデータでは、飲食業や製菓業での人材不足は年々深刻化しており、職場での効率的な技術習得が求められています。」

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!
    ー「学習の進め方」
    STEP1『探究テーマ』:
    「職人の人手不足を解決するために、技術を効率的に磨く工夫を考えてみよう」

    STEP2『原因の予想』:
    「どうして職人の世界では人手不足が問題になっていると思いますか?」

    STEP3『調べる』:
    「職人が効率的に技術を身につけられる方法や工夫を調べてみましょう。例えば、デジタル技術やオンライン学習の活用、職場での教育システムの改善などについてインターネットなどで探してみてください。」

    STEP4『解決方法を考える』:
    「調べたことをもとに、あなたは職人が短時間で技術を身につけるために、どんな工夫が必要だと思いますか?」

農業で笑顔をつなぐ

井上 和樹

職業・団体名
農家
出身
神奈川県
学歴
【長後中学校卒業】
専修大学文学部
職歴
フリーター‐湘南Farm かずみ園
子供の頃の夢
高校教師
中学生の時の部活動
バスケ部
  • 「農業のクリエイティブ(創造的)な魅力に気づいて」

    井上さんが、農家になろうと思ったきっかけを教えてください。

    私の家は親が農業をしているので、子どものころから農業に関っていました。ただ、当時の子供の私には、農家を「やりたい!」と思えるような仕事には見えなかったんです。だから僕自身は中学、高校、大学と普通科に進んで、学校の先生になろうと思っていました。でも、自分の中でいろいろ考えることがあり、最終的に先生にはならず、23歳の時に上京して様々な仕事を経験しました。それと同時に、実家の事情もあり2週間に1回程度、実家に帰って農業を手伝うようになりました。

    そんな中、ふと自分が育てた作物を見たとき、"とてもきれい″と感じたんです。その時に初めて、「農業ってこんなにクリエイティブ(創造的)な仕事なんだ」と心から思いました。それがきっかけで、本気で農業をやってみようかなと考えるようになりました。

  • 井上さんはどんな作物を作っているのでしょうか?

    私が育てているメインの作物は、ビニールハウスで作るトマトです。8月にトマトを植えて、10月の終わりごろから収穫を始めます。そして、次の年の7月まで収穫が続きます。日本では冬に外で作物を育てるのは難しいので、ハウスの中で暖房を使ってトマトを育てています。
    それに加えて、夏はナス、ピーマン、きゅうりなどの夏野菜を育て、冬になるとサツマイモや里芋、白菜、キャベツ、ブロッコリーなどの根菜(こんさい)を栽培しています。

  • 「農業の新しい魅力〜農業が繋ぐ笑顔の場所〜」

    井上さんが感じる、農業の魅力はなんでしょうか。

    僕がこの農業を始めたきっかけは、先ほどお話しした通りですが、そこから、実際に農家を続けていく中で、農家の新しい魅力に気づいたんです。それは、農業を通しての人との繋がりです。今、僕を含めて4人で働いています。そのうち2人は、小学校からの友達です。もう1人は、その友達の友達で、今は僕の妻になっています。小学校からの繋がりある4人で、今この仕事を一緒にしています。

    最初は、作物がきれいで、農業がクリエイティブな仕事だと感じたことがやりがいでした。私の農園のコンセプトが「農業が繋ぐ笑顔の場所」なんですが、まさに農業を通して、中学からの友達と一緒に仕事ができたり、妻と出会ったりすることができました。時々、友達やお客さんと一緒にバーベキューをすることもあります。こうしていろんな人とつながり、笑顔が広がっていくことが、この仕事の新しい魅力だと気づきました。

  • 「気候の変化と周りへの配慮が農業の難しさ」

    農業のお仕事をされていて大変だなと感じる点は、どんなところですか?

    この仕事をしていて難しいと感じることが2つあります。
    1つ目は、最近の天気や気候が安定しないことです。特に近年は夏の暑さがとても厳しく、ゲリラ豪雨のような急に降る大雨もあります。その影響で、普通は夏にたくさん収穫できるはずのナスやピーマン、オクラなどの野菜が、うまく育たないことが増えています。

    2つ目は、僕たちが農業をしている場所は住宅街の中にあり、近隣に住まれている方への配慮が難しく頭を悩ませています。農業では、害虫や病気を防ぐために農薬を使いますが、農薬をまくときにはエンジンを使うので、どうしても音が出てしまいます。朝や早朝は風がないことが多く、農作業には良い時間ですが、早朝に騒音を出すと近所から苦情がくることもあります。また、夏には「高温障害」という問題もあり、暑い時期に農薬をまくと、通常は問題のない農薬でも作物にとって毒のようになってしまうことがあります。そのため、暑い時間を避けて早朝や夕方に農薬をまくのですが、その時間は限られています。このような周りへ配慮しながら農業をしなけらばならない点は、とても難しさを感じています。

  • 「みんなで作った喜びを分かち合える瞬間」

    農業をしている中で、思い出に残っているエピソードはありますか。

    うちで作った作物はスーパーにも納品しています。あるとき、納品していると、お客さんが「この前買ったけど美味しかったわよ」と声をかけてくれました。作物は、メンバーみんなで作ったものなので、その喜びを皆で感じられるんです。まるでみんなで褒められたみたいな感じですね。

  • 「農業を通じて人が集まる場所を作る」

    この先、井上さんがやりたいことがあれば教えてください。

    今、父は野菜の直売所をやっているのですが、その場所を、人が集まれる拠点のような場所にしていきたいと考えています。
    農業や作物を中心にして、人々を巻き込んで進めていく。少し変に聞こえるかもしれませんが、農業はあくまで、人が集まれる空間や場所を作るための1つの手段だと思っています。『農業を通じて、人が集まれる空間や場所を作る』ことが、今の私の夢です。

  • 「過去を振り返っても後悔は1つもない」

    ここからは井上さんの中高生時代のお話も聞かせてください。井上さんは中高生の時、どんな学生でしたか?

    中学生のときはバスケ部に入り、学級委員もやっていました。高校では部活には入らず、1年生のときから生徒会をやっていました。理由は、中学校で行われた合唱祭が高校にはなかったため、高校でも実現したいと思ったからです。
    中学校で合唱祭をやったとき、クラスのみんなで1つのものを作り上げるという達成感や、クラスの一体感がとてもすごくて、とても感動しました。結果として、高校でも合唱祭を行うことができました。今思うと、周りと一緒に何かを成し遂げることが好きな学生で、今もそれは共通することがありますね。

  • 自身の過去を振り返った時に、こういうことをやっておけばよかったなと思うことはありますか?

    過去を振り返ってやっておけばよかったなと思うことは、本当にないんです。中学生、高校生、大学生の時を振り返っても後悔していることもありません。周りの支えがあったからこそ、こう言えるんだと思いますが、やりたいことは全部やってきたし、自分のやりたいように過ごせたんです。

    今、一緒に働いてくれている友達やスタッフとの関係も築いてこれました。そして、今こうして、自分のやりたいことを仕事にできています。過去にどんな失敗があっても、その失敗を未来のステップにできれば、それは失敗じゃなくて成長のための一歩だと思っています。

  • 「沢山挑戦して後悔のない学生生活を!」

    この記事を読んでいる中高生が、井上さんのように後悔のない学生生活を送るためにやっておいた方がよいことなどあれば教えてください。

    やりたいことがあれば、なんでも迷わずやってみたほうがいいと思います。親や周りの人に迷惑をかけることもあるかもしれないけど、それでもやりたいことをやるのが大切だと思います。

    やらない理由や言い訳はいくらでも作れますし、自分に言い聞かせることもできます。でも、やろうと思えば、ある程度はできるものです。だから、言い訳せずに、挑戦すべきだと思います。遊びでも勉強でも、週末の活動でも、何でもいいので、やろうとしないのはもったいないです。やってみることが大切です。

  • 「夢を持つことで農業を続ける力になる」

    これから農家を目指している人や自身の夢や目標に向かって歩んでいく中高生にアドバイスがあればお願いします。

    正直、農業は楽な仕事ではないと思います。どんな仕事も大変ですが、農業もその一つです。その中で、農業を続ける上で大切なのは「夢を持つこと」だと思います。僕には、農業を通して人が集まれる場所を作りたいという夢があり、その夢があるからこそ続けられています。

    農業をすること自体が目的になってしまうと、行き詰まることもあるかもしれません。これは、どんな仕事にも通じることだと思います。

  • 私のおすすめの1冊
    「フーコーの哲学から学ぶ人生のヒント」

    井上さんが中高生におすすめしたい本を教えてください。

    ミシェル・フーコーの『性の歴史 〜知への意志〜』を大学時代の卒業論文で使用するために読みました。この本は確かに哲学的で読むのには難しいと感じる部分が多いですが、深く読み込むことで多くの気づきを得られる本だと思います。フーコーの作品は、特に権力や社会の仕組みについての考察が深く、読むたびに新しい発見があるのが特徴です。少し難しい本ですが、皆さんが大学生、大人になった時にこの本を手に取り、人生を歩むヒントになれば嬉しいです。

  • 探究チャレンジ!
    「人々が安全だと思う作物をつくるには、どうしたらよいだろう?」

    井上さんが農家のお仕事で直面する問題や社会課題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ー「考えてほしいこと」
    「みんなが毎日食べる野菜などの作物は、安心して食べられるように、私たち農家はいろいろな工夫をしています。その一つに『農薬』というものがあります。
    農薬は、作物を虫や病気から守るために使われますが、使うときにはとても厳しいルールがあります。ルールを守って農薬を使えば、食べ物は安全です。でも、ニュースなどで「農薬が危ない」と聞くと、不安になることがあるかもしれません。皆さんには、農薬を使った食べ物の安全性や、どうすればみんなが安心して食べられるのかを考えてほしいです。」

    ー「基本知識」
    「農薬は、野菜や果物を虫や病気から守って、食べ物をたくさん作るために使われます。もし農薬を使わなければ、食べ物が病気にかかってしまったり、虫に食べられたりして、十分な量が作れないこともあります。農薬を使うときは、体に悪い影響が出ないように、厳しいルールのもとで使われているため、安全です。ただし、農薬が安全でも、みんながそれを安心と思うためには、もっと情報を分かりやすく伝えることが必要です。」


    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!
    ー「学習の進め方」
    STEP1『探究テーマ』:
    「人々が安全だと思う作物をつくるには、どうしたらよいだろう?」

    STEP2『原因の予想』:
    「どうして農薬を使った食べ物に不安を感じる人がいるのでしょうか?その理由を考えてみましょう。」

    STEP3『調べる』:
    「農薬を使った食べ物が安全だと分かるために、日本ではどんなルールがあるかインターネットなどで調べてみましょう。農薬を使うときに守らなければならないルールや、どうやって安全が確認されているかも調べてみましょう。」

    STEP4『解決方法を考える』:
    「農薬を使った食べ物について、どうすればみんなが安心できるようになるでしょうか?調べたことを参考に、農薬を安全に使っていることを分かりやすく伝える方法や、安心して食べられる工夫について考えてみましょう。」

東京パラリンピック銀メダリストに聞く
選手と仕事を両立するアスリート社員とは?

鈴木 亜弥子

職業・団体名
アスリート社員
(東京パラリンピック銀メダリスト)
出身
埼玉県
学歴
【栄進中学校卒業】
東京経済大学卒業
職歴
一般企業-アスリート社員(銀行員) -日本パラスポーツ協会
子供の頃の夢
猫カフェで働くこと
中学生の時の部活動
バドミントン部

いつか操縦してみたい
幼き頃の夢を叶えて大空に!

嘉山 元気

職業・団体名
パイロット
出身
神奈川県
学歴
桜美林大学フライトオペレーションコース卒
職歴
JAL-日本航空株式会社日本航空株式会社
子供の頃の夢
パイロット
中学生の時の部活動
水泳部

未来のサッカー選手を支える
フィジカルコンディショニングコーチの役割とは

小山 大貴

職業・団体名
スポーツトレーナー
(清水エスパルスJY三島 フィジカルコンディショニングコーチ) 
出身
栃木県
学歴
【市貝中学校卒業】
国際医療福祉大学 保健医療学部 理学療法学科卒業
職歴
フジ虎ノ門整形外科病院ー清水エスパルスジュニアユース三島
子供の頃の夢
サッカー選手
中学生の時の部活動
サッカー部

医療とAIが交わる未来へ!
医学と工学の架け橋に

東郷 三四郎

職業・団体名
医師
出身
静岡県
学歴
職歴
浜松医科大学病院
子供の頃の夢
医師
中学生の時の部活動
サッカー部
  • 「医療とAI研究に挑む」

    この仕事に就いたきっかけや、現在の仕事内容について教えてください。

    現在、私は医師として病院で働きながら、医療に関わるAIの研究もしています。
    アメリカの大学を卒業した後、東大の大学院でデータサイエンス(大量のデータを分析し、そこから役立つ情報を見つける学問)を学びました。そこで医療AIの研究を進めていくうちに、実際の医療現場での経験が必要だと感じ、学士編入試験を受けて浜松医科大学に入りました。

    最近では、AIやデジタル技術がいろいろな分野で大切になってきており、医療の世界でも工学とのつながりがますます重要になっています。将来は、これまでの経験を活かして、医学と工学をつなぐ役割を果たしたいと考えています。

  • 「医師になるために大切な3つのこと」

    医師のお仕事に必要なスキルや知識を教えてください。

    1つ目が、ずっと勉強をし続けていける好奇心または覚悟です。医学部を卒業してもずっと勉強は続きます。
    2つ目は自ら課題を見つけて解決のために取り組む主体性です。
    そして3つ目が、人を助けたい、医療人として仕事をしたいという思いです。
    医学部は、そんなに楽な道ではありません。何となくで医学部を進路に選ぶとしんどい経験をすることもあります 。

  • 「医師として理想と現実の間で感じたこと」

    医師のやりがいと、大変だなと思うことを教えてください。

    医師としてのやりがいは、治療を通して患者さんが元気になり、その喜んでいる姿を見ることができる点だと思います。しかし、現代の医療でも助けられない患者さんも多く、時には人の命を見送る役割も医師の仕事であり、その厳しさを感じます。

    また、医学部に入る前は、医師は高い給料をもらい、社会的に尊敬される仕事だと思っていましたが、実際に働いてみると、地道で大変な作業もたくさんあり、勉強が苦手な人にとっては、ずっと学び続ける覚悟が必要な職業だと感じました。

  • 「好きなことに全力投球—自主性ゼロだった私が気づいた本当に大切なこと」

    東郷さんは、どんな中高生時代を送ってきましたか?

    自主性は0、主体性は100といった学生生活を送ってきました。自分がこれをしようと思ったことはとことんやり尽くし、やりたくないことは一切やらないという学生でした。そのため高校まではまだやりたい仕事も夢もなかったため、大学進学のための勉強を一切やらないような学生でした。試験の追試は常連で、成績は赤点だらけで夏休みは補講の毎日でした。一方で音楽がとても好きで毎日のように楽器を弾いて、ギター、ピアノ、ドラムがどんどん上達していきました。

    今思えば、もう少し高校までに勉強をしておけば良かったとは思いますが、自分がやりたいまたは、やる必要があると思わない限り、最大限の効果はないと思います。「好きなことをやる」ということが何よりの上達の秘訣だと思います。

  • 「全力で頑張った経験が未来を支える」

    東郷さんが、中高校生のうちに、やっておいてよかったなと思うことはなんでしょうか。

    自分の全てを捧げて頑張ったという経験です。私にとってのその経験は、高校時代に椎間板ヘルニア(腰の病気)になり、高校を同級生と一緒に卒業するために治療に励んだことです。体調が悪い時は学校に行くのも大変でしたが、腰に痛み止めの注射を打って通学し、部活のようにリハビリに励みました。

    ある人にとっては、その経験は部活かもしれないし、受験かもしれないです。短期間でもいいし、目標もなんでもいい、さらに結果も決して望むものでないかもしれないです。しかし、若い時の全力で頑張ったという経験は、将来困難に出くわした時の大きな力に変わります。

  • 私のおすすめの1冊!
    「宮沢賢治『虔十公園林』が教えてくれた大切なこと」

    中高生におすすめしたい本とその理由を教えてください。

    宮沢賢治が作った短編物語の「虔十公園林」です。
    私は、これを小学校の国語の時間に初めて読みました。当時は読んでみても特に印象に残りませんでしたが、それから20年後にもう一度読んでみた時に、自分の中で大きな感動がありました。世界に残っていくもの、社会でずっと変わらずに必要とされるものとは何なのか。そして、それらを残していく、または作っていくような人というのは、物語に登場する虔十のように周りにバカにされるような人なのかもしれません。

  • 探究チャレンジ!
    「AIが進化する時代において、AIに頼ってはいけないことはないだろうか」

    東郷さんが、中高生に考えてほしい探究テーマを教えてください。

    ー「考えてほしいこと」
    「AI(人工知能)は、私たちの生活にどんどん大きな影響を与えています。医療の分野でも、診断や治療のサポートにAIが使われるようになってきました。しかし、AIには限界もあります。AIに頼りすぎることで、私たち人間が大切にしなければならないことを見失ってしまう可能性もあるかもしれません。では、どんな場面で、AIには頼らない方がよいか、考えてみましょう。」

    ー「基本知識」
    「AIはたくさんのデータを調べたり、何かのパターンを見つけるのが得意です。例えば、病気を見つけるのを早くしたり、どんな病気になりそうかを予想することもできます。でも、AIにもできないことがあります。例えば、人の気持ちを理解することや、人として何が正しいか間違っているかを決めるのは苦手です。また、医療のほかにも、いろんなところでAIに頼りすぎると、危ないことが起こるかもしれません。」

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!
    ー「学習の進め方」
    STEP1『探究テーマ』:
    「AIが進化する時代において、AIに頼ってはいけないことはないだろうか」

    STEP2『原因の予想』:
    「なぜ、AIに頼りすぎると問題があるのでしょうか?(例:AIは感情がないため、患者の気持ちを理解できない など)」

    STEP3『調べる』:
    「AIに頼ってはいけない場面について、世界では、どのような議論がされているか調べてみましょう。(例:AIが正確にデータを処理できても、判断をするときに人間の感情が必要な場面を探してみるとよいでしょう)」

    STEP4『解決方法を考える』:
    「調べたことをもとに、AIにはできないことをもとに、これからの時代を生きる私たちはどのような力やスキルを身につけておく必要があるかを考えてみましょう。(例:相手の心を理解して話す力、新しいアイデアを考える力、協力して問題を解決する力など」

大好きな[スポーツ✖アフリカ]で
「挑戦者」を生み出したい

棚原 彩

職業・団体名
アパレルブランド経営✖講演家
出身
大阪府
学歴
【山田東中学校卒業】
大阪体育大学卒業
職歴
JICA海外協力隊(タンザニア/体育教師)-Pa moja代表
子供の頃の夢
アフリカの大草原で動物たちと駆け回る
ユニバーサルスタジオジャパンのお姉さん
中学生の時の部活動
野球部

全国の子どもたちが、
「学校が好き」 と言える世の中を目指して

岡本 真穂

職業・団体名
国家公務員(文部科学省)
出身
兵庫県
学歴
大阪府立大学(現・大阪公立大学)卒業
職歴
文部科学省(初等中等教育局児童生徒課生徒指導室生徒指導第一係) ー 文部科学省(総合教育政策局地域学習推進課家庭教育支援室家庭教育振興係)
子供の頃の夢
小学生の時キャビンアテンダントに憧れた時期がありましたが、英語がとても苦手だったので、早々に断念しました。
中学生の時の部活動
バドミントン部

お客さんがお店に来るには秘密があった!
〜データ分析でお店を支える〜

齊藤 和也

職業・団体名
ホームセンター企画部
出身
神奈川県
学歴
法政大学デザイン工学部システムデザイン学科
職歴
【株式会社カインズ】カインズ 御殿場店 ‐カインズ 香取小見川店 - 次世代推進統括部次世代店舗オペレーション開発室 - Style Factoryららぽーと湘南平塚店 - 店舗改装企画部販売効率改善グループ
子供の頃の夢
料理人
中学生の時の部活動
卓球部

より良い国の仕組みやルールを考えたい!
私がルールを作れる官僚になった理由とは

西村 七瀬

職業・団体名
国家公務員(法務省 保護局)
出身
神奈川県
学歴
【荻野中学校卒業】
青山学院大学-一橋大学大学院 
職歴
法務省保護局総務課-仙台保護観察所-法務省大臣官房会計課-法務省大臣官房人事課-厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課-法務省保護局総務課(被害者等施策班)
子供の頃の夢
医者、獣医
中学生の時の部活動
陸上部

子どもたちの成長を支える挑戦

深井 昌子

職業・団体名
幼稚園教諭・保育士
出身
静岡県
学歴
静岡大学教育学部
職歴
保育士
子供の頃の夢
獣医
中学生の時の部活動
家庭部

動物が好き!から始まったトリマー人生

竹内 侑子

職業・団体名
トリマー
出身
大分県
学歴
どうぶつ専門学校卒業
職歴
一般企業-ペット専用美容室
子供の頃の夢
パン屋さん
中学生の時の部活動
吹奏楽部

1つの洋服が世に出るまで
そこには沢山の人の思いがあった

加藤 快

職業・団体名
モデル
出身
神奈川県
学歴
【湘洋中学校卒業】
日大藤沢高校-日本大学
職歴
アパレル-モデル
子供の頃の夢
サッカー選手
中学生の時の部活動
サッカー部

探究心をくすぐる場所で働きたい!
〜なんとかなる!根拠ない自信でドイツへ〜

平 一馬

職業・団体名
設計士
出身
神奈川県
学歴
【大谷中学校卒業】
法政大学大学院
職歴
Kaufmannbau (ドイツ)
子供の頃の夢
サッカー選手
中学生の時の部活動
サッカー部

地域の代表としてあなたの住む街の課題に取り組む市議会議員のお仕事とは?

齋藤 仁礼

職業・団体名
政治家(元市議会議員)
出身
神奈川県
学歴
東海大学 政経学部卒業
職歴
一般企業-厚木市議会議員-厚木市議会議長
子供の頃の夢
野球選手
中学生の時の部活動
野球部
  • 「父の後を追い、市議会議員の世界へ」

    齋藤さんが市議会議員をやられていた当時のお話を聞かせてください。
    齋藤さんが、市議会議員になったきっかけをおしえてください。

    私は、もともと、サラリーマンとして働いておりました。

    しかし、私が33歳の時、父が亡くなったことがきっかけに、市議会議員を目指すことになりました。私の家系は、祖父の代から地域の市議会議員を務めており、地域に根付いた存在でした。

    しかし、父が亡くなった後、サラリーマンとして働いていた私のところに、地域の方々が何度も家を訪れて下さり、「お父様が果たせなかったことを果たしてほしい、これからは地元のために働いてほしい」という声をかけていただきました。

    市議会議員として大切なことは、地域に密着し、市民にとって身近な存在でいることです。地域の問題や住んでいる市のために直接働く役割があり、地域の「(※1)ご用聞き」のような存在でもあります。家族と相談した結果、私もその役割を引き継ぐ決意を固め、選挙に出ることを決めました。
    (※1)ご用聞き・・・地域を回り、住民の意見を行くこと

  • 「あなたの住んでいる街を支える議員のお仕事とは?」

    市議会議員の、お仕事内容について教えてください。

    市議会議員の仕事は、市の問題を解決したり、より良い街を作るための計画を立てたりすることです。

    たとえば、学校や病院の整備、公園や道路の安全対策、そして地域のイベントの開催など、市民が毎日安心して暮らせるようにさまざまなことを話し合い、決めていきます。

    また、市民の代弁者として、地域の声を政策(取り組み)に反映させ、街をもっと良くするために行動するのも市議会議員の大切な仕事です。よくテレビに出るような国会議員よりも、自分たちの住んでいる町や地域をどのように良くしていくかを考えるとても身近な存在です。

    地域の代表として、住民の声に耳を傾け、地域の課題に直接取り組むことが市会議員の使命であり、私がこれまで歩んできた道でもあります。

  • 齋藤さんが 市議会議員として、大切にしていたことはありますか?

    「人とのつながり」です。自分を応援してくれる人も大切ですが、「ここがダメだ」と厳しく指摘してくれる人もまた貴重です。

    そうした人脈を一番大切にし、時には敵とさえ思えるような相手も、自分にとって味方と考えることで、それがより広い仲間作りにつながるのだと思います。

  • 「市民の感謝の声がやりがいに」

    齋藤さんが市議会議員として活動されていた中で、思い出に残っているエピソードがあれば教えてください。

    市議会議員は地域の方々との距離が近い分、感謝の言葉や手紙をいただくことがあり、それが本当に励みになります。
    「助かりました」「やってくれてよかった」と感謝されると、苦労も報われる思いです。市議会議員の仕事はその分、苦労も多く、日々様々な課題に直面します。

    しかし、地域のために尽力し、その結果が直接感謝として返ってくるのは、この仕事の大きなやりがいだと感じています。

  • 「市議会議員として必要なスキルとは?」

    市議会議員を目指すうえで必要なスキルがあれば教えてください。

    各世代が抱える問題はさまざまで、高齢者は福祉、働く世代は年金、子育て世代は教育や育児環境など、それぞれ異なる要望があります。こうした市民からのさまざまな要望に応えるのは簡単ではありません。
    もちろん、自分の立場でできることを取り組みますが、市だけでは解決できない問題も多く、そうした場合は国や県と連携して解決を目指しています。

    そのためには、政策(取り組み)を理解してもらい、応援してくれる仲間を増やすための、人を巻き込む力やコミュニケーション力が重要になってきます。

  • 齋藤さんのように、政治家になりたいと思っている中高生にメッセージをお願いします。

    政治家として、最も大切なのは「情熱」です。
    情熱があれば、何でも実現できると思います。若い人たちの中にも、情熱を持って地域や町を良くしようと頑張っている立派な方がたくさんいます。何もないところからでも、情熱さえあれば前に進むことができ、その情熱に共感した人たちが自然と集まってきてくれるものだと感じます。

    ぜひ、夢を高く持ち、挫折を経験しても、諦めずに挑戦を続けてください。

  • 「やり続けること、仲間を作ること」

    齋藤さんの学生時代の経験を踏まえて、この記事を読んでいる中高生に、ぜひこれからの学生生活を送る上でのアドバイスをお願いします。

    私自身の学生時代は野球一色で、朝早く家を出て夜に帰る生活でした。そのため、勉強はほとんど手を付けていなかったように思います。
    それでも、スポーツを通じて情熱を持ってやり続けることや仲間の大切さを学びました。野球のように仲間と一緒に取り組むスポーツでは、自然とチームワークや人との繋がりの大切さが身に付きます。

    勉強や部活、ボランティア活動などで何かに打ち込むことができれば、そこには、同じ思いを持った仲間がいて、寄り添ってくれる仲間がいるはずです。
    一つ目標を見つけ、その目標に向かって努力する過程で、やり続けることの大切や仲間を作る大切さを学んでほしいです。

  • 私のおすすめの1冊!
    「自分の暮らす、日本という国の素晴らしさに気づく」

    齋藤さんが中高生におすすめしたい、本はありますか?

    私のおすすめしたい本は、田母神俊雄さんの「自らの身は顧みず」です。

    この本は、日本という国の素晴らしさについて書かれていて、深く感動しました。日本は春夏秋冬の四季があり、自然豊かな国です。しかし、災害も多く、地震や台風といった厳しい自然環境にさらされることも少なくありません。そうした中で、日本の国民同士が助け合うことの大切さが強調されています。

    日本は先人たちの努力のおかげで平和が築かれています。この美しい国に生まれたからこそ、私たちも災害に負けず、助け合いを大切にしながら生きていくことが大事だと改めて感じた本です。

  • 探究チャレンジ!
    「多数決で物事を決めることは、本当に良い方法なんだろうか?」

    齋藤さんが、中高生に考えてほしい探究テーマを教えてください。

    ー「考えてほしいこと」
    「選挙や議会の採択では、多数決で物事が決められます。確かに、多数決は公平で効率的な方法ですが、少数派の意見や考えはどうなるでしょうか?みなさんも、学級会などで話し合った経験や多数決で物事を決めた経験があると思います。改めて多数決のよさや問題点に目を向けてみる機会にしてもらえたら嬉しいです。」

    ー「基本知識」
    「多数決は、民主主義の基本的な意思決定の方法です。日本でも、議会や学校の生徒会など、さまざまな場面で使われています。この方法の良いところは、みんなの意見を平等に扱い、多数派の意見を尊重する点です。しかし、少数派の意見が十分に考慮されないという欠点もあります。」


    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!
    ー「学習の進め方」
    STEP1『探究テーマ』:
    「多数決で物事を決めることは、本当に良い方法なんだろうか?」

    STEP2『原因の予想』:
    「多数決で決めるとき、なぜ少数派の意見が反映されにくいのでしょうか?また、少数派の意見が無視されると、どんな問題が起きるでしょうか?」

    STEP3『調べる』:
    「多数決以外の方法として、どんなものがあるのか調べてみましょう。他の国や地域では、どのようにみんなの意見を取り入れる工夫が行われているのかを探してみてみるのも面白いかもしれません。」

    STEP4『解決方法を考える』:
    「調べたことをもとに、多数決に賛成・反対の理由を考えてみましょう。」
    ●多数決に賛成⇒なぜ多数決が良い方法だと思いますか?公平さや効率の観点から考えてみてください。
    ●多数決に反対⇒多数決以外で、みんなが納得できるような方法はあるでしょうか?意見をまとめたり、少数意見も尊重できる方法を考えてみてください。

火事現場でのリアルな仕事!
消防士が語る「命の最前線」

田中 修平

職業・団体名
消防士
出身
岡山県
学歴
大学卒業
職歴
消防士
子供の頃の夢
警察官
中学生の時の部活動
陸上競技部

生命の誕生に寄り添う
‐当たり前じゃない奇跡‐

羽生 悦子

職業・団体名
助産師
出身
神奈川県
学歴
看護学校卒業
職歴
介護士-助産師
子供の頃の夢
中学生の時の部活動
吹奏楽部

挑戦と転機
〜理学療法士から大学の先生へ~

松本 千晶

職業・団体名
大学助教授
出身
栃木県
学歴
【星が丘中学校卒業】
国際医療福祉大学 学士(理学療法学)
国際医療福祉大学大学院 修士(医療福祉教育・管理学)
職歴
順天堂大学練馬病院リハビリテーション科-医療法人社団顕伊会さい整形外科-株式会社東京リハビリテーションサービス-助教授(国際医療福祉大学理学療法学科)、女子サッカーチーム監督、社会人サッカーチームトレーナー
子供の頃の夢
サッカーに関わる仕事
中学生の時の部活動
サッカー部

OLから看護師の道へ
集中治療室で助けられた私が目指したもの

阿部 未佳

職業・団体名
看護師
出身
東京都
学歴
【落合中学校卒業】
看護専門学校卒業
職歴
事務・経理-看護師
子供の頃の夢
幸せに生きる!
中学生の時の部活動
バレー部

アパレル業界への挑戦!大好きな服を届けたい

栗山 里於

職業・団体名
アパレルショップ店長
出身
東京都
学歴
【荒川第4中学校卒業】
拓殖大学
職歴
国内ジーンズメーカー企画職-アパレルショップRill店主
子供の頃の夢
サッカー選手
中学生の時の部活動
サッカー部

あの夏、僕を助けてくれたのは、理学療法士だった

田中 雄志

職業・団体名
理学療法士
出身
栃木県
学歴
職歴
芳賀赤十字病院
子供の頃の夢
サッカー選手
中学生の時の部活動
サッカー部

私が女性警察官として成し遂げたいこと

野村 早紀

職業・団体名
警察官
出身
石川県
学歴
大学卒業
職歴
子供の頃の夢
ピアノの先生
中学生の時の部活動
剣道部

誰もが夢に向かって努力できる社会へ!
NPO法人アラジの挑戦

下里 夢美

職業・団体名
シエラレオネ共和国支援団体
NPO法人(Alazi Dream Project)
出身
山梨県
学歴
【春日居中学校卒業】
桜美林大学 リベラルアーツ学群 国際協力専攻 卒業
職歴
NPO法人アラジ 代表理事/現地法人JaSiLe Foundation 代表/筑波大学 非常勤講師
子供の頃の夢
漫画家
中学生の時の部活動
吹奏楽部(トランペット)

<YouTubeリンク>
→→TED×KeioU登壇トーク

がん患者との出会いが私を変えた
私の薬剤師としての使命感

日高 里奈

職業・団体名
薬剤師
出身
宮崎県
学歴
薬科大学卒業
職歴
宮崎県庁薬剤師
子供の頃の夢
医師、獣医師
人助けになるような仕事をしたい
中学生の時の部活動
バドミントン部
  • 「薬剤師ってどんな仕事?」

    現在のお仕事内容について教えてください。

    現在は、主に病院で入院患者さんのお薬の調剤や、服薬指導を担当しています。医師が処方した薬が適正な量か、患者さんの病状に合ったものかを慎重に確認し、さらにもう一人の薬剤師がダブルチェックを行います。薬剤師のミスは命に直結するため、細心の注意を払う必要があります。

    また、私は県庁の薬剤師としても働いているので、保健所での業務や、行政職の仕事にも携わっています。さまざまな環境で、多様な役割を果たしているのが現在の仕事です。

  • 薬剤師になったきっかけを教えてください。

    小さい頃から「人を助ける仕事がしたい」という漠然とした思いがありました。理系科目が得意だったこともあり、自然と医療系の道に進むことを考え始めました。

  • 「がん患者との出会いが変えた薬剤師の道」

    現在は、がんの専門薬剤師でもあると聞きました。そのきっかけについて教えてください。

    私が薬剤師になって2年目の頃、まだ若い20代の女性ががんで入院していました。その方は激しい痛みを抱えていて、いつも「死にたい」と口にしていました。当時は、がんの痛みに対して十分な鎮痛薬がなく、私は薬剤師でありながら、その患者さんを助けられない無力感を強く感じました。

    それがきっかけで、「がん患者の痛みを少しでも和らげたい」と思うようになり、がんの専門薬剤師としての道を選びました。この経験は、私の薬剤師としての姿勢を大きく変えた瞬間でした。

  • 薬剤師のやりがいは何ですか?

    やはり、患者さんやその家族から「ありがとう」と言われる瞬間が、私にとっての最大のやりがいです。

    自分が調剤した薬が患者さんの痛みを和らげたり、健康回復に貢献できたと実感できることが、この仕事を選んで良かったと思える瞬間です。
    また、医療従事者として、他の医療スタッフとの連携もうまくいった時に感じる達成感も、やりがいのひとつです。

  • 薬剤師の大変な部分を教えてください。

    医療業界全体の課題として、やはり人手不足があります。
    時間外労働が多く、また薬剤師はミスが許されない職種のため、常に高い集中力を求められます。

    また、患者さんに薬の服用を促すこと自体も簡単ではありません。特にお薬が苦い場合や、飲みにくい場合には、患者さんへの丁寧な説明が必要です。それでも、薬の飲み方や副作用のリスクを理解してもらうために、できる限り患者さんに寄り添うよう心がけています。

  • 「中高生へのメッセージ」

    中高生時代にやっておいてよかったことはありますか?

    私自身、中高生の頃は特に目立つ存在ではなく、普通の学生生活を送っていましたが、興味のあることには積極的に挑戦していました。
    親が理解してくれていたこともあり、部活や習い事など、いろいろなことを経験させてもらえたのは良かったと思っています。

    その結果、自分の向き不向きが自然に見えてきました。自分に合うこと、合わないことを知るためには、できるだけ多くのことに挑戦することが大切だと思います。

  • 今の中高生に向けて、どのようなアドバイスがありますか?

    将来について漠然とした不安があるかもしれませんが、焦らず、自分の興味や得意なことを見つけてください。

    やりたいことが見つかるかもしれないし、見つからないこともあるかもしれません。
    それでも、挑戦を通じて自分を知ることができます。いろんなことに手を出して、自分の可能性を広げていってください。

  • 私のおすすめの1冊!
    「"死学"ー生き方を考えるために」

    中高生におすすめの本があれば教えてください。

    私がおすすめするのは『死学』という本です。

    ホスピス医が書いたこの本は、患者さんの死を看取る経験から、どのように生きるべきかを考えさせられる内容です。
    中高生の皆さんにとっては少し難しいかもしれませんが、死について考えることが、逆に自分の生き方を見つめ直すきっかけになるかもしれません。ぜひ読んでみてください。

  • 探究チャレンジ!
    「お薬のムダを減らせ!医療費を削減するために私たちができることは?」

    薬剤師の視点から社会的課題や直面する問題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ー「考えてほしいこと」
    「日本では、医療費が年々増加しています。特に「残薬」(飲み残したお薬)は社会的な問題になっており、1年間で400億円から1000億円分の薬が無駄になっていると言われています。特に高齢者の家庭では、多くの薬が適切に使用されずにたまってしまい、それが医療費の増加の原因の一つにもなっています。

    皆さんには、ぜひ身近な高齢者や家族が、無駄な薬を出さないために、どのようにサポートできるか考えてみましょう。適切に薬を飲むための工夫や、お薬の管理方法についてなど、医療費削減に貢献できるアイデアを提案してほしいです。」

    ー「基本知識」
    「医療費が増えている原因の一つに、高齢者の薬の「残薬」問題があります。薬をきちんと飲まないことで病状が悪化し、さらなる薬が必要になったり、医療費がかさむことが増えています。また、薬の価格自体も上がっていることから、残薬の問題が解決できれば、医療費全体を大幅に削減することができます。」

    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!
    ー「学習の進め方」
    STEP1『探究テーマ』:
    「お薬のムダを減らせ!医療費を削減するために私たちができることは?」

    STEP2『原因の予想』:
    「どうして多くの高齢者が薬を残してしまうのでしょうか?」

    STEP3『調べる』:
    「薬の飲み忘れを防ぐ方法や、残薬を減らすために行われている取り組みについてインターネットなどで調べてみましょう。」

    STEP4『解決方法を考える』:
    「調べたことをもとに、自分たちが身近な高齢者や家族が薬を適切に管理できるように、どんなサポートや工夫ができるかを考えてみましょう。」

おもてなしのプロに聞く!
ホテリエのやりがいとは

綾瀬 みずき

職業・団体名
ホテリエ(ホテルスタッフ)
出身
東京都
学歴
専門学校卒業
職歴
ホテルスタッフ
子供の頃の夢
お花屋さん
中学生の時の部活動
バドミントン部

飲食店を通して広がる輪

小谷 翔平

職業・団体名
カフェ&バー店員
出身
千葉県
学歴
駒沢大学-専門学校
職歴
一般企業-カフェ‐チョコレート屋さん-一般企業-カフェ&バー(Terra Cotta)
子供の頃の夢
バリスタ
中学生の時の部活動
バトミントン部

みんなの一日の始まりを支える電車運転士とは?

森田 亮介

職業・団体名
電車運転士
出身
岡山県
学歴
東海大学卒業
職歴
鉄鋼会社-大手鉄道会社
子供の頃の夢
電車の運転手
中学生の時の部活動
生徒会

私の願いは
人間と動物がずっと幸せに暮らせる社会!

野中 和希

職業・団体名
獣医
出身
岩手県
学歴
大学卒業
職歴
動物病院
子供の頃の夢
パン職人
中学生の時の部活動
バスケットボール部

髪を通じてお客様の人生に寄り添う!
~美容師の魅力とは? ~

川崎 昭太郎

職業・団体名
美容師
出身
兵庫県
学歴
淡路中学校-大阪ビューティーアート専門学校卒
職歴
20歳で上京し就職-21歳でスタイリストに昇格-23歳で1社目を退職し、2社目にアシスタントとして就職-25歳でスタイリストに再昇格-27歳で店長に就任-28歳で役員に就任-29歳で独立し会社設立、フリーランスと経営者を両立
子供の頃の夢
飲食店
中学生の時の部活動
バスケットボール部

世界を旅した私がたどり着いた場所
四国しまなみ海道での新たな挑戦!

西村 偵太

職業・団体名
ツア-プランナー
出身
神奈川県
学歴
大学卒業
職歴
株式会社WAKKA
子供の頃の夢
消防士
中学生の時の部活動
サッカー部

人見知りから教師の道へ
世界一周の経験を子どもたちに

嶋尾 遥

職業・団体名
教師(小学校)
出身
熊本県
学歴
大学卒業
職歴
教師(小学校)
子供の頃の夢
教師
中学生の時の部活動
テニス部

地図に残る仕事で
人々の生活を便利にする

宮入 駿

職業・団体名
建設業
出身
神奈川県
学歴
大学卒業
職歴
不動産業-建設業(池田組)
子供の頃の夢
中学生の時の部活動
サッカー部

剣道に捧げた青春が今にも続く

兵藤 裕則

職業・団体名
システムエンジニア
出身
愛知県
学歴
職歴
大手通信会社
子供の頃の夢
警察官
中学生の時の部活動
剣道部
  • 「東日本大震災で感じた通信技術の大切さ」

    現在、兵藤さんがやられているシステムエンジニアのお仕事内容を教えてください。

    私は、インターネットやスマホの通信サービスを提供している会社で働いていて、今年で10年目になります。これまでに、システム開発のほか、営業や人事など、いろいろな仕事を経験してきましたが、今は「システム開発」という仕事を中心に担当しています。

    この会社では、みなさんがスマホやパソコンを使ってインターネットをスムーズに使えるように、見えないところでいろいろな仕組みを作ったり、支えたりしています。私の仕事は、そのしくみをコンピューターで動かすための「システム」を作ったり、直したりすることです。

    たとえば、お客さんの情報を管理するためのシステムをつくったり、会社の人たちが効率よく仕事できるように、新しい仕組みを考えたりもしています。毎日、パソコンを使ってプログラムを書いたり、チームの人と相談したりしながら仕事をしています。目立つ仕事ではありませんが、社会を支える大切な仕事だと感じています。

  • 兵藤さんが、現在のお仕事に就いたきっかけを教えてください。

    今の仕事に興味を持ったきっかけは、高校3年生のときに経験した「東日本大震災」でした。あのとき、電話がつながらなかったり、インターネットが使えなかったりして、情報がなかなか手に入らず、とても不安だったことを覚えています。

    でも、その中でも、少しずつ通信が回復していって、家族や友だちと連絡が取れるようになったとき、「通信の力ってすごいな」と感じました。困っている人を支えたり、命を守ったりするために、通信はとても大切なものなんだと実感したんです。

    その経験から、「自分も誰かの役に立つような仕事がしたい」「社会の土台を支えるような仕事に関わりたい」と思うようになりました。そこで、通信技術に関わる仕事に興味を持ち、今の会社に入りました。今はその思いを胸に、毎日の仕事に取り組んでいます。

  • 「挑戦と行動で切り拓く—進化し続けるICT業界で求められる力」

    兵藤さんがやっているお仕事に必要なスキルや知識を教えてください。

    今の仕事に必要なスキルや知識についてですが、はじめから特別な知識や技術がなくても大丈夫です。大切なのは、新しいことにチャレンジする「挑戦する気持ち」と、周りの人と協力しながら仕事を進める「チームワーク」があることです。そうした気持ちがあれば、だれでも成長していける環境だと思います。

    もちろん、私たちが関わっている「ICT(アイシーティー)」という分野――たとえば、インターネットやスマホの仕組み、AIやクラウドなど――は、どんどん新しい技術が出てくる世界です。だからこそ、変化に興味を持ち、自分から学び続けることもとても大切です。

    たとえるなら、ICTの仕事は、毎日ちょっとずつ新しい「ゲームのルール」が追加されていくような世界です。そのルールを早く覚えて、自分で使いこなしてみよう!という気持ちがあれば、きっと楽しく働けると思います。

  • 「大きな目標に向けて—チームで成し遂げる喜びとは」

    兵藤さんが感じる、今の仕事のやりがいや魅力を教えてください。

    この仕事の魅力は、大きなプロジェクトに関わりながら、社会の役に立っていると実感できるところです。たとえば、地域の人たちや市役所などの自治体に向けて通信のしくみを整える仕事をすることで、「自分の仕事が人々のくらしを支えているんだ」と感じることができます。

    こういった大きな仕事は、1人ではとてもできません。たくさんの人と協力して進める必要があります。だからこそ、チームの中で「自分にできることは何か」「どうしたらうまく進められるか」を考えながら、自分らしさを出して働くことが大事になります。

    みなさんも、学校の行事や部活動で、仲間といっしょにひとつの目標に向かってがんばったとき、「やりきった!」と思ったことがあると思います。仕事でもそれと同じような気持ちを味わえることが、この仕事の一番の魅力だと思います。

  • 一方で、大変なところも教えてください。

    今の仕事で大変だと感じるのは、いつも「正解がひとつではない」ということです。たとえば、同じ問題に対しても、お客さんやチームの人によって考え方が違うことがあります。その中で、いちばん良い方法を探して、みんなが納得できる形にまとめていくのは、難しいと感じることもあります。

    また、通信の技術はとても早いスピードで進化していくので、つねに新しいことを学び続ける必要があります。勉強をサボってしまうと、すぐに時代に追いつけなくなってしまうので、自分を成長させ続ける努力も欠かせません。

  • 「剣道に捧げた青春—竹刀が教えてくれた強さと絆」

    兵藤さんは、どんな中高生時代を送ってきましたか?

    私は、小学校から大学まで剣道に打ち込みました。現在も続けていますが、特に学生時代は「日本で一番剣道が強くなりたい」という一心で、必死に竹刀を振っていました。
    私の地元には小学校から剣道部がありましたので、朝夕と学校で稽古をした後に、夜は町の道場に通い1日4時間以上の時間を剣道に費やしていたと思います。

    高校と大学は剣道留学のため地元を離れ寮生活を行い、最終的には全国大会で上位入賞できるほどまで上達しました。
    剣道を通じて基礎体力はもちろん、礼儀作法や人間関係など様々なことを学びました。恩師や仲間との出会いは一生の財産だと感じています。

  • 「続ける力が未来を変える—剣道が教えてくれた人間関係と成長のヒント」

    兵藤さんが中高校生の時に、やっておいてよかったなと思うことを踏まえて、この記事を読んでいる中高生にメッセージをお願いいします。

    小学1年生から続けている剣道はやっておいてよかったと思います。学業が大切なのはもちろんですが、スポーツによって学べることは様々あると思います。
    特に、礼儀や団体行動など、人間関係を円滑に構築する能力は自然と身についたと感じています。

    これは社会に出たときにとても重要で、学校の授業では学びきれない部分だと思っています。ジャンルはなんでもよいと思うので、何かひとつのことを長く続けてみてほしいと思います。
    中高生のうちにできるだけ多くの人と接し、自分にはない考え方や行動に触れることで視野を広げ、自分自身の成長につなげていくとよいと思います。

  • 私のおすすめの1冊!
    「与えられた場所で自分らしく咲く—前向きさを大切に」

    兵藤さんが、中高生におすすめしたい本とその理由を教えてください。

    渡辺和子さんの『置かれた場所で咲きなさい』という本を読んでみてほしいです。選択に迷ったときや、何かうまくいかないことがあるとき、不平不満を持つのではなく、常に前向きな考え方でいることの大切さを知ることができると思います。

    私自身も入社当初はシステム開発が多い職場に配属となりました。営業志望でこの会社に入ったのに…と思うこともありましたが、実際にシステム開発側の仕事を経験してみると、自社が構築するサービスがどのようにできているのかを深く理解することができ、その後営業職についたときに非常に役立ちました。
    時間は平等に与えられていて、どのように使うかは自分で決めることができます。ぜひ今しかない学生の時間にたくさんの経験を積んで、有意義なものにしてほしいと思います。

  • 探究チャレンジ!
    「さらに良い授業を受けるために、今の技術でできる工夫ってなんだろう?」

    兵藤さんのやられている仕事で直面する問題や社会課題について、中高生に考えてほしいテーマを教えてください。

    ー「考えてほしいこと」
    「これからの時代、インターネットを使ってどこでも勉強できるようになってきています。たとえば、学校に行かなくてもオンライン授業を受けたり、家で勉強できることが増えています。でも、もっと良い授業を受けるためには、何が必要でしょうか?みなさんには、自分たちがもっと便利に勉強できる方法を考えてみてほしいです。」

    ー「基本知識」
    「現在、多くの学校や家庭で、インターネットを使った学習が進んでいます。これからの時代は、インターネットをうまく活用することが重要になっています。」


    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!
    ー「学習の進め方」
    STEP1『探究テーマ』:
    「さらに良い授業を受けるために、今の技術でできる工夫ってなんだろう?」

    STEP2『原因の予想』:
    「どうしてインターネットを使うと勉強がもっと便利になるのか考えてみましょう。」

    STEP3『調べる』:
    「インターネットを使った授業や、便利な勉強方法には実際にどのようなものがあるか調べてみましょう。」

    STEP4『解決方法を考える』:
    「調べたことをもとに、インターネットを活用して、よりよい授業や学習をするための工夫を考えてみましょう。」

皆が見ているwebサイト!!
実は私が作ってるんです!

岡田 優美

職業・団体名
WEBデザイナー
出身
新潟県
学歴
専門学校卒業
職歴
広告代理店
子供の頃の夢
料理人
中学生の時の部活動
美術部

子供の成長が最高のプレゼント
特別支援の先生の魅力とは

高良 大夢

職業・団体名
教師(特別支援学校 )
出身
沖縄県
学歴
【仲井間中学校卒業】
大学卒業
職歴
教師(特別支援学校 )
子供の頃の夢
小学校教師
中学生の時の部活動
バドミントン部

乗り物愛からはじまった私のキャリア
〜見えないところで社会を支える〜

山崎 絋一郎

職業・団体名
機械設計エンジニア
出身
神奈川県
学歴
横浜国立大学大学院
職歴
大手重工業メーカー
子供の頃の夢
船の操縦士
中学生の時の部活動
野球部

サステナビリティってなに?
会計のプロが会社と地球を守る

東郷 円花

職業・団体名
公認会計士
出身
宮崎県
学歴
米国大学卒業
職歴
大手銀行就職後-大手監査法人に転職
子供の頃の夢
海外で働く
中学生の時の部活動
ダンス部

企業のお助けマン!
コンサルタントの仕事ってなあに?

原 匠太郎

職業・団体名
コンサルタント
出身
神奈川県
学歴
千葉大学文学部卒業
職歴
銀行系証券会社-コスト削減コンサルティング会社-戦略コンサルタント(EY Japan株式会社)
子供の頃の夢
中学生の時の部活動
陸上部

『ビジネスの総合格闘技??』
部活の経験を活かし日本社会の課題に挑む

山本 裕樹

職業・団体名
投資ファンド
出身
群馬県
学歴
上智大学
職歴
外資系コンサルティングファーム-外資系M&Aアドバイザー
子供の頃の夢
中学生の時の部活動
サッカー部

「命をつなぐ最前線」救命救急士の仕事とは?

吉岡 桂太

職業・団体名
救命救急士
出身
神奈川県
学歴
大学卒業
職歴
救命救急士
子供の頃の夢
中学生の時の部活動
陸上競技部(長距離)

企業の成長を支える!
PEファンドってどんな仕事?

杉本 啓

職業・団体名
ファンドマネージャー
出身
千葉県出身
学歴
【松葉中学校卒業】
慶應義塾大学卒業
職歴
日系投資銀行-外資系投資会社-丸の内キャピタル
子供の頃の夢
サッカー選手
中学生の時の部活動
サッカー部

齊藤シェフが語る
「食」の魅力とシェフとしての挑戦

齋藤 祐太

職業・団体名
シェフ(フランス料理)
出身
神奈川県
学歴
職歴
中目黒RODEO - 白金台三和 - 鎌倉restaurant takashi tanno - 長谷川稔
子供の頃の夢
料理人
中学生の時の部活動
野球部
  • 「包丁を握る楽しさから、本格的な料理の世界へ」

    齊藤シェフは、現在フランス料理人として活躍されていますが、齊藤さんが料理人を目指したき っかけを教えてください。

    私が、料理人になろうと思ったきっかけは、父の影響が強くあります。幼いころから、よく父が料理をしてくれていて、魚のさばき方だったりを教わるなかで料理の魅力に惹き込まれました。そして、小学校低学年の頃から、自然と「将来は料理人になりたいな」と思うようになっていきました。

    最初は包丁を使うのが楽しいという感覚でしたが、中学・高校と進むにつれて、料理への関心がどんどん本格的になっていき、進路を決めるときには、調理の専門学校に行くか、大学で栄養学を学ぶか、それとも経営を学ぶかで悩みましたが、最終的には栄養学を学べる大学に進学、そして、卒業後に料理人の道に進むことを決めました。

  • 「見た目も芸術  ー 洋食の奥深さに魅了されて」

    料理人には、和食や中華など様々なジャンルがあるなかで、フランス料理の道に進んだきっ かけは何だったのでしょうか。

    最初は、単純に洋食ってかっこいいなというイメージで、その憧れから洋食の道を選びました。でも、実際に料理を学んでいくうちに、洋食の意外な食材の組み合わせに驚かされることが多く「この食材とこの食材を組み合わせるのか!」という発見がたくさんあり、普段の生活では思いつかないような発想が詰まっていて、どんどんその奥深さに惹かれていきました。その中でも特に、フランス料理の仕上がりの美しさには魅了されました。フランス料理は、見た目の華やかさや繊細さが際立っていて、作れば作るほど奥深さを感じ、そうやって続けていくうちに、どんどん洋食の世界にはまっていったんです。

  • 「料理人のリアルな1日のスケジュール」

    齊藤シェフの一日の流れを教えてください。

    私の1日は、まずお店に行く前に食材の取引先の方と連絡を取ることから始まります。生産者の方と良好な関係を築いておくと、いい食材や新しい食材が入ったときに連絡をもらえることもあり、とても助かります。その後、お店に到着し、まずは仕込み作業に入ります。仕込みは料理の約 8 割を占めると言われるほど重要で、どれだけ丁寧に仕込めるかが料理の質を左右します。私は朝の10時ごろから仕込みを始め、夕方の4時くらいまでかかることが多いです。 仕込みが終わったら少し休憩をとり、夜6時ごろから営業がスタートします。私が働いているのは夜営業のお店で、夜11時ごろまで営業しています。 お客様が全員帰った後は、1時間ほど片付けや翌日の準備をし、その後30分、今日の振り返りのミーティングをして、最終的に退社するのは12時半ごろになります。

  • 「料理人の世界で求められる力」

    料理人を目指すのに必要なスキルを教えてください。

    料理人になるために必要なことは、単に料理の技術だけではななく、接客のスキルも重要だと感じています。料理人とお客様は一見遠い存在のように思われがちですが、実際には意外と距離が近いお店が多いです。お客様は普段とは違う料理を楽しみに来るため、料理について質問されることもよくあります。そのときにしっかり対応できるコミュニケーション力や、お 客様に好かれる人間性が求められると感じます。

    また、料理人にはある程度の「根性」も必要です。個人的には「根性」という言葉があまり好きではありませんが、それでも料理の仕事は長時間労働になることも多く、ある程度の精神的な強さが求められるのは事実です。ただ、それ以上に大切なのは「料理が好きだ」という気持ちを持ち続けること。この気持ちがあれば、どんなに大変なことがあっても乗り越えていけるのではないかと思います。

  • 「料理人として報われる瞬間」

    齊藤シェフにとって料理人という仕事の魅力を教えてください。

    やはり、自分が作った料理を「美味しい」と言ってもらえることが、一番の喜びです。お店ではお客様に、休みの日には家族や身内に料理をふるまうことがありますが、その「美味しい」という一言が、どんなに大変な仕込みや苦労もすべて報われる瞬間になります。

  • 「料理人として苦労・・・新メニューを生み出すまで」

    一方で大変なところも教えてください。

    料理人として、経験を積むにつれて、自分で新しいメニューを考えなければいけなくなります。特にフレンチでは、意外性がありながらも美味しい組み合わせが求められるため、メニューの考案は非常に苦労する部分です。試作を重ねても、自分のイメージと実際の仕上がりがズレることも多く、そこが難しいところです。1つの料理を作るのに1ヶ月ほどかけて構想を練ることもあります。その期間、仕事の合間を縫って本を読んだり、SNSやInstagramで世界の最新トレンドをチェックしたり、自分なりのアイデアを整理しながら作り上げていきます。 料理を作るだけでなく、「何を作るか」を考え、試行錯誤しながら新しい料理を生み出していくことが、シェフとしての重要な役割なのだと感じています。

  • 「料理人を目指す学生に今すぐできるおすすめの方法」

    私のおすすめの1冊!
    この記事を読んでいる中高生におすすめしたい本はありますか。

    料理人になりたい人は、自分が好きな料理本を読んだり、SNSを活用したりすることをおすすめします。実際にプロの料理人でも、SNSからヒントを得ている人は多くいます。気になった料理やアイデアがあれば、それを写真に残したり、ノートにメモしておくと、将来振り返ったときに「当時はこんなアイデアが流行っていたんだ」と思い出せるので、料理人になったときの大きな引き出しになります。こうした積み重ねが、料理人としての強みになっていくのではないかと思います。

    おすすめの料理本
    肉の火入れ フランス料理のテクニック (川手寛康)
    ワインは楽しい (アフェリー・ネマン)
    イタリアワイン最強ガイド (川頭義之)
    プロのためのわかりやすいイタリアン料理 (永作達宗)
    お菓子生地作りに困ったら読む本 (山﨑正也)
    ソース (上柿元 勝)
    調理法別フランス料理 (辻調理師学校)

  • 探究チャレンジ!
    「地産地消(地元の食材を使った料理)の魅力や大切さを皆に知ってもらうためにできることを 考えてみよう」

    斎藤さんが、中高生に考えてほしい探究テーマを教えてください。

    ー「考えてほしいこと」
    「私たちが食べている料理は、料理人の技術だけで作られているわけではありません。 その料理の「おいしさ」 は、生産者が育てた食材があってこそ成り立ちます。しかし、最近は 農業や漁業をする若い人が減ってきている ため、「このままでは、良い食材がなくなってしまうのでは?」 という問題が出てきています。そこで、多くの料理人が "地産地消” に取り組み、地元の生産者と協力しながら、地元の食材の良さを広めようとしています!しかし、地産地消の魅力や大切さはまだ多くの人に知られていません。では、どうすれば、もっと多くの人に地産地消の大切さを知ってもらえるでしょうか?是非、みなさんには、地元の食材をもっと多くの人に知ってもらうためのアイデア を考えてみえほしいです。」

    ー「基本知識」
    「地産地消とは・・・地元で作られた食材を、地元で消費すること。
    ➡地産地消のメリット➀食材が新鮮で美味しい!②地元の農家や漁師を応援できる!③輸送エネルギーを減らせるので、環境にもやさしい!」


    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!
    ー「学習の進め方」
    STEP1『探究テーマ』:
    「地産地消(地元の食材を使った料理)の魅力や大切さを皆に知ってもらうためにできることを考えてみよう」

    STEP2『原因の予想』:
    「どうして地産地消の魅力や大切があまり知られていないのか考えてみよう。(例:地産地消について知る機会が少ない、地産地消の食材がどこで買えるかわからないなど)」

    STEP3『調べる』:
    「地産地消を広めるために、どんな取り組みがあるか調べてみよう。(レストランやお店では、どんな食材を使っているのか、他の地域や国で行われている「地産地消の工夫」など)

    STEP4『解決方法を考える』:
    「調べたことも参考に、地産地消を広めるために、どんなことができるか考えてみよう。(例:学校給食やイベントで、地元の食材を使う提案をしてみる、SNSやポスターで、地元の食材の良さを発信するなど)」

世界のためにできること
~国際協力の現場から~

六川 彩水

職業・団体名
国際協力(JICA)
出身
群馬県
学歴
【前橋第五中学校卒業】
宇都宮大学 国際学部卒業
職歴
食品関係商社-JICA海外協力隊-JICA職員
子供の頃の夢
お花屋さん
中学生の時の部活動
バレーボール部

福岡県久留米市に伝わる160年の伝統を守る!

森山 典信

職業・団体名
重要無形文化財
久留米絣(くるめかすり)研修生
出身
福岡県
学歴
近畿大学生物理工学部 食品安全工学科 卒業
職歴
食品メーカー-絣職人(藍森山)
子供の頃の夢
サッカー選手
中学生の時の部活動
サッカー部

住まいをよみがえらせる技術者
補修職人の魅力とは?

野中 舞海

職業・団体名
補修屋
出身
東京都
学歴
高校卒業
職歴
物流4年(フォークリフトで倉庫内の荷物の運搬)‐補修屋(株式会社アールペア)
→→株式会社アールペア
子供の頃の夢
パン屋さん
中学生の時の部活動
バドミントン部

水と環境の未来を支える
浄化槽と下水処理の現場

川子 博己

職業・団体名
浄化槽管理・一般廃棄物処理
(環境整美工社)
出身
栃木県
学歴
職歴
子供の頃の夢
中学生の時の部活動
剣道部

未来を作るための第一歩を担う
解体業のお仕事とは?

花園 賢吾

職業・団体名
解体業
出身
福島県
学歴
中学校卒業
職歴
解体業
子供の頃の夢
空手家
中学生の時の部活動
無所属

自動車部品を世界に届ける貿易の仕事って?

川井 聡子

職業・団体名
貿易実務(車部品)
出身
三重県
学歴
大学卒業
職歴
文房具メーカー営業-車部品メーカー貿易実務
子供の頃の夢
猫カフェで働く
中学生の時の部活動
陸上競技(短距離)

頭脳スポーツ麻雀!
ギャンブルというイメージをなくし
麻雀の楽しさを世に広めたい!

内田 慶

職業・団体名
雀士✖健康マージャン店経営
出身
神奈川県
学歴
【有馬中学校】
厚木高校卒業
職歴
フリーでカルチャー講師(マージャン)-(株)グリーンフィールズ役員 (マージャン店経営、カルチャー事業など)
子供の頃の夢
マスメディア関係
中学生の時の部活動
将棋部

楽しかったあの頃に戻る?
イベントサークルを企画するお仕事に潜入

安原 拓海

職業・団体名
社会人サークル運営(イベント企画)
出身
大阪府
学歴
職歴
株式会社Casa-社会人サークルカムバックチルドレン運営責任者・イベント企画
<会社HP>
→→社会人サークルカムチル
子供の頃の夢
大工さん
中学生の時の部活動
卓球部

「法律」という道具を使って依頼者の悩みを解決
弁護士の役割とは?

田代 宰

職業・団体名
弁護士(春水法律事務所)
出身
神奈川県
学歴
職歴
法律事務所の事務職員(アルバイト)ー弁護士(春水法律事務所)
子供の頃の夢
柔道のオリンピックで金メダルをとる
中学生の時の部活動
柔道部
  • 「柔道一筋からの転機、法学部進学を選んだ理由」

    田代さんが弁護士の道を目指したきっかけを教えてください。

    高校時代、私は全国1位を目指すような学校で、本気で柔道と向き合ってきました。しかし、そんな学校だからこそ、現実として、オリンピックを目指すことの難しさも見えてしまい、夢の実現ができないという挫折を味わいました。その後、柔道を続けていけば、それなりの成績を残し、警察官などにはなれるとは思いましたが、自分が本当にやりたいこととは少し違うように感じていました。

    そうして、柔道とは別の道に進むことを決意し、自分の学力で進める進路を探してみたところ、「法学部」が選択肢として浮かんできました。もともと、弁護士になりたくて法学部を選んだというよりは、進学可能な学部として法学部を選んだのが、法律の道に進むきっかけとなりました。

  • 「一歩踏み出してわかった、法律を学ぶ面白さ」

    法学部に進まれた後、弁護士になることも決めたのはどのタイミングだったのでしょうか。

    法学部に進学したときは「法学部は法律の勉強をするところ」というくらいの知識しかありませんでした。でも、せっかく法学部に行くなら、何か目標を持って取り組もうと思ったのです。また、大学に入学して間もない頃、大学の先生から「法律の勉強は、みんな大学に入ってから学ぶから、どの大学に行ってもスタートは同じ。頑張れば、いろんな道が開ける。」と言われ、その言葉も後押しとなり「法律を本気で学んでみよう」と思うようになりました。

    実際に法律を学び始めると、最初は難しく感じましたが、徐々にその面白さに気づいていきました。(※)司法試験 への興味が出てきたのもこの頃です。

    (※) 司法試験 ・・・司法試験とは、弁護士、裁判官、検察官になるために必要な国家試験。

  • 「司法試験の先に広がる、3つのキャリア」

    弁護士になるまでに必要な道のりを教えてください。

    弁護士になるには、いくつかのステップを踏む必要があります。まず、大学を卒業した後、「法科大学院」に進むか、「予備試験」という試験を受ける2つのルートがあります。このどちらかをクリアすると、司法試験を受ける資格が得られます。そして、司法試験に合格すると、次は「司法修習」という1年間の研修を受けます。その研修を終えるときに行われる卒業試験に合格すると、弁護士、検察官、裁判官のいずれかの職業に就くことができます。

    裁判官や検察官になるには、国から任用されなければなりませんので、司法試験に合格したからといって、全員がなれるわけではありません。一方で、弁護士は資格を得た後、自分で仕事を始めることができる職業です。私自身も司法修習を受けながら、「裁判官、検察官、弁護士、どの道がいいだろう」と考えましたが、最終的に弁護士を選びました。弁護士は自分でどのような仕事をしたいかを選び、自由に働ける部分が魅力だと感じたからです。

  • 「交通事故から相続まで──私が向き合う日常の法律問題」

    田代さんが、現在やられている弁護士のお仕事についておしえてください。

    私が普段担当している仕事は、交通事故、借金問題、相続問題、離婚問題が多くを占めます。これらは、多くの人たちにとって、比較的身近な問題です。

    これらの問題を依頼者と一緒に解決策を考え、問題を解決するお手伝いをしています。例えば、交通事故でけがをした人の治療費をどうするかを話し合ったり、借金で苦しんでいる人が新しいスタートを切れるようサポートしたりします。

  • 「法律だけじゃない、弁護士に必要な寄り添う力」

    田代さんが弁護士として大切にしていることはなんでしょうか。

    弁護士の仕事は、「法律」という道具を使って依頼者の悩みを解決することです。しかし、それをただ当てはめるだけでは十分ではありません。依頼者にはそれぞれの背景や思いがあり、「その思いに寄り添いながら、問題を解決する力を持つこと」それが、依頼者や社会から弁護士に期待される役割です。

    法律は、問題を整理し、解決するためのルールを示してくれますが、法律だけに頼らず、相談者の思いに寄り添いながら解決策を見つけることを大切にしています。

  • 「自由に働き、志を貫ける仕事」

    田代さんが思う弁護士の魅力をおしえてください。

    弁護士の仕事の魅力は「自由であること」です。弁護士は、自分で受ける案件を選ぶことができたり、自分の働き方も自由に決められたりするので、「たくさん仕事をして稼ぐ」こともできれば、「生活に必要な分だけ働く」という選択も可能です。

    私自身、交通事故や借金問題などの案件を中心に取り組んでいますが、興味のある分野にも挑戦しています。例えば、子どもの学校の問題や地域のトラブルに関わることもあり、これらは必ずしもお金になる仕事ではありませんが、私にとっては、人生を通じて取り組む仕事のようなものです。地域の弁護士仲間からも、「子どもの問題なら田代さんに」と仕事を振られることが増えてきました。弁護士は、仕事の内容や働き方を自分で選べるのが本当に魅力だと思います。

  • 「弁護士の大変なところ」

    一方で、大変なところも教えてください。

    弁護士は、簡単にいうと「争いごとの真ん中に立つ仕事」です。多くの人は争いごとを避けたいと思いますし、私自身も争うことが好きなわけではありません。でも、弁護士は依頼者の代わりにその問題に向き合い、矢面(やおもて)に立つ役割を担います。

    また、法律は物差しのように基準を示してくれる部分もありますが、争いの原因には人の「感情」が大きく関わっています。例えば、依頼者の話を何時間も聞いていると、怒りや悲しみといった感情が直接伝わってきます。その感情を受け止めながら問題を整理し、冷静にまとめる作業は、とてもエネルギーが必要です。ただ、そうした感情に触れることで、「人とはどういう存在なのか」を深く考えさせられることもあり、それはこの仕事の面白いところでもあります。依頼者の気持ちを理解しながら問題解決に向けて動くのは大変ですが、とてもやりがいのある仕事です。

  • 「弁護士にもいろんな働き方がある」

    弁護士は仕事の内容や働き方を自分で選べるとおっしゃっていましたたが、実際に弁護士が活躍している分野はどのようなものがあるのでしょうか。

    私は「町の弁護士」として、地域の方々からの相談を受けて、裁判や交渉を通じて問題を解決する仕事をしています。私は独立して自分の事務所を持っていますが、弁護士によっては、法律事務所に勤める「勤務弁護士」もいます。さらに、企業の法務部で働いて契約や法律の問題を専門的に扱う弁護士もいます。

  • 「失敗を恐れず、いろんなことに挑戦してみよう」

    この記事を読んでいる中高生にメッセージをお願いします。

    私が学校で授業をする機会があるとき、いつも「いろんなことに興味を持って挑戦してみてください」と伝えています。中高校のうちは、失敗することを怖がらなくて大丈夫です。大人になってからの失敗は大きな影響が出ることもありますが、学生の頃の失敗は、むしろ新しいことを学ぶきっかけになります。

    また、弁護士には文系だけでなく、特許や著作権の問題を扱う理系出身の人もいます。このように、いろんな経験や知識がこの仕事には役立つんです。だから、ぜひ中学生のうちからいろんなことに興味を持ち、失敗を恐れずに挑戦してみてください。その経験が、いつか自分の力になるはずです!

  • 「挑戦と地道な努力の大切さを教えてくれる漫画”ドクターストーン”」

    私のおすすめの1冊!
    田代さんが、中高生におすすめしたい本を教えてください。

    私が中高生のみなさんにおすすめしたい漫画の1つが、「ドクターストーン」です。この作品では、主人公たちが科学の力を使って、地道に問題を解決していく姿が描かれています。漫画の中で、主人公たちは何度も試しては失敗し、また挑戦する「トライアンドエラー」を繰り返しています。一見すると派手に見える場面も、実は長い時間をかけて地道な努力を重ねた結果なんです。

    これを読んでいると、「いまやっていることが、将来どこで役立つかはわからないけれど、それでも挑戦する価値がある」と気づかされます。科学の世界だけでなく、どんなことにも共通する「地道な努力の大切さ」や「挑戦を楽しむ姿勢」を教えてくれる作品だと思います。
    今やっている勉強や経験も、すぐに役立つとは限りません。でも、それがどこかで必ず自分の力になります。そう思って、一歩一歩挑戦を続けてほしいです。興味があれば、ぜひ「ドクターストーン」を読んでみてください!

  • 探究チャレンジ!
    「みんな同じが本当に平等か?」

    田代さんが、中高生に考えてほしい探究テーマを教えてください。

    ー「考えてほしいこと」
    「私たちの社会には、さまざまな考え方や価値観を持つ人が一緒に暮らしています。それぞれの違いを認め、尊重することを「多様性を認める」と言います。そして、多様性を考えるうえで一つの大事なことが「平等」です。私たちは、誰かが特別なサポートを受けていると、「ずるいな」と感じてしまうことがありますが、これは、自然なことです。しかし、だからといって、人によって受けられるサポートが違うということは、「不平等」になるのでしょうか。身近な例でいうと、クラスでポスターを作るとき、絵を描くのが得意な人がデザインを担当し、字を書くのが得意な人がタイトルを書くことがあります。それぞれが得意なことを分担するのは、不平等ではなく自然なことです。
    つまり、「平等」とは「みんなが同じことをする」ことではなく、その人に合った対応やサポートをすることで、皆が結果として平等になることだと思います。このように、人それぞれ、得意なことや苦手なことがあり、その人との「違い」を理解することが、「多様性を認める」ことです。「弁護士の仕事は、この「公平性」を持って論理的に考え、問題解決に向けて実践していくことが求められます。ぜひ、みなさんも、身近なことで「平等」とは何だろう?と考えてみてください。

    例えば、ある日、小学校6年生だけで体育館を使える日がありました。1組は、次の日曜日にドッチボール大会に学校の代表としてでるため、ドッチボールの練習をしたいと言っています。2組は、特にそういった用はありませんが、体育館を使えるようになったのは、2組が、体育館の掃除をがんばったからというものでした。ちなみに1組は体育館の掃除には加わっていません。また、この日の体育館は、別の行事の準備もあり、半分しか使えないため、一度に使えるのは、1組分のスペースだけです。40分の自由時間を1組と2組でどのように分けるのがお互いにとって平等かを考えてみてください。」

    ー「基本知識」
    「平等」の中には、形式的平等と実質的平等の2つの意味があります。形式的平等とは、「一律に同じように扱うこと」、実質的平等とは、「それぞれの状況に合った対応等をして結果として同じに扱うこと」を意味します。


    ↓↓ここからはワークシートとともに学習を進めていこう!!
    ー「学習の進め方」
    STEP1『探究テーマ』:
    「みんな同じが本当に平等か?~1組と2組で体育館の利用時間をどのように分けるのが平等になるか〜」

    STEP2『原因の予想』:
    「1組と2組の体育館の利用時間を現時点での、あなたの意見とその理由を考えてみましょう。」

    STEP3『調べる』:
    「世の中で全く同じでないことを調べてみてください。例えば、電車の中の優先席はなんであるのでしょうか?また、プロのスポーツ選手が、同じチームで活躍していてもMVPなどで特別な扱いを受けることがありますが、なんででしょうか?など、世の中にあるみんなと違う扱いというものが、何があるか、そしてそれがみんなから受け入れられている理由を調べたり、周りの人にも意見をきいてみてください」

    STEP4『解決方法を考える』:
    「調べたり、聞いたりしたことをもとに、
    ➀時間配分をなぜそのようにしたのかの意見をきいてみましょう。
    1組20分、2組20分や1組30分、2組10分やその逆などどうしてそのように分けたのか、その人たちなりの考え方や価値観の置き方などを調べてください。
    ②色々な人の考え方や価値観を知って、自分との考えや価値観の違いを感じて、その違いを受け入れられる練習をしてみてください。
     考えや価値観を受け入れるのは、別にその考えや価値観に従うというものではありません。そういった考え方や価値観があると知り、それを否定しないことです。」

「挑戦し続ける人生」
4部練からFリーグ、
そしてシステム開発の営業の世界へ

松永 託

職業・団体名
システム開発(営業)
出身
熊本県
学歴
職歴
フットサル選手・医療関係-システム開発
子供の頃の夢
サッカー選手
中学生の時の部活動
サッカー部

街並みづくりで街の歴史や文化を紡ぐ

和泉 秀

職業・団体名
街並みづくり(アーバンディレクター)
出身
福岡県
学歴
職歴
Design labo kuroko創業 →デザイン業(個人)代表(現在に至る) - 一級建築士事務所勤務(建築設計業) - urban direction創業(コンサルティング業(個人)代表) - 一級建築士事務所退職 - 株式会社urban direction設立(コンサルティング業( 法人) 代表取締役)- 九州女子大学/非常勤講師
子供の頃の夢
バスケットボール選手
中学生の時の部活動
バスケ部
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