【対談】
「知っている世界」の枠を超えて。
横須賀市立鷹取中学校 『卒業記念講演』より
2025年3月3日、神奈川県横須賀市立鷹取中学校にて開催された卒業講演会に講師としてお招きいただきました。本講演会の企画・ご準備を担当された加島先生に、このタイミングで弊社に講演を依頼いただいた理由や、現在の生徒たちが抱える課題、そして生徒の皆様にこれから期待していることなどについてお話を伺いました。
横須賀市立中学校 加島先生 ・ インタビュアー:白石(株式会社PRONAL 代表)
「知っている世界」の枠を超えて。
“リアルな社会”と繋がる問いが、生徒の主体性を呼び覚ます
ー将来を考えるきっかけに。社会とつながる一歩として
白石
このたびは「鷹取中学校様の卒業記念公演」にお招きいただき、誠にありがとうございます。今回の講演をご依頼いただいた背景や思いについて教えてください。
加島先生
今回の講演は、3月に卒業する3年生に向けて、これからの人生において「主体的に行動することの大切さ」を伝えたいという思いから依頼しました。そこにあわせて、現代の社会で求められている力やニーズについても、講師の方から直接お話しいただくことで、まだ遠く感じられる社会のリアルを自分事として捉え、自分たちの将来と結びつけて考えるきっかけにしてほしいと考えていました。
ー「限られた枠」の中で完結してしまう子供たち
白石
そのような思いの背景には、先生ご自身が日頃から感じている、今の子どもたちへの課題意識や願いがあったのでしょうか。
加島先生
今の生徒たちは、自分たちが知っている人間関係や課題、解決方法といった、限られた枠の中で物事を考えているように感じます。また、自分を客観視できている一方で、「これが限界だよね」と、どこか無意識のうちに自分の可能性を決めてしまっているようにも感じています。そこで、もっと視野を広げ、自らの可能性を広げてほしいという思いから、今回の講演をお願いしました。
ー学校全体で共有する学び。卒業講演が生む新たな価値
白石
今回の講演は全校参加型でしたが、その狙いについて教えてください。
加島先生
全校参加型には、「蓄積」に意味があると考えています。全校で実施することで、3年生は3年間を通して複数の講師の話に触れることになります。その中で、「以前はこういう考え方を聞いた」「今回は別の視点だった」といった比較が生まれ、理解が深まり、学んだことが「蓄積」されていきます。また、全学年で同じ話を聞くことで、感想を学校全体で共有できる点も、卒業記念講演ならではの価値だと感じています。
ー「聞くだけ」で終わらせない。主体性を引き出す講演設計
白石
当日のワークや内容で、特に子供たちに響いたと感じた点を教えてください。
加島先生
3点あります。1点目は、「問題解決能力」の重要性が分かりやすく伝わった点です。職業選択の考え方や具体的なエピソードを通して、実感を伴って理解できていました。教員が伝える場合と比べ、実社会で活躍されている方の言葉として届いたことで、納得感が高まっていたと感じます。
2点目は、「好きなことの分析の仕方」です。これまでのキャリア教育にはない視点であり、フレームワークを使って、自分の「興味・関心をどのように深掘りするか」を考えるきっかけになっていました。
3点目は、生徒参加型で講演が進められていた点です。双方向の学びが求められる中で、隣同士での対話を通して理解を補い合い、学びが深まります。話し合うことで自分の言葉に置き換え、自分事として考える時間が生まれ、生徒が主体的に講演に参加できていたと感じます。

ー手がたくさん挙がっていた
白石
今回の講演では、私の問いかけに、生徒たちが積極的に発言してくれていたのが印象的でした。
加島先生
発表する場面や質疑応答で、あんなに手が挙がっているのには私も驚きました。子どもたちが真剣に、かつ楽しみながら自分事として考えていた表れだと感じました。
ー様々な葛藤を抱える中学生に
白石
最後に、この講演をどのような学校や生徒にお勧めしたいですか。
加島先生
これから一歩先へ進む生徒に勧めたいと感じています。中学生は、現実を直視し始め、「やりたいけれど、なれない・やれない」といった葛藤を抱え始める時期です。今の子どもたちは一見落ち着いて見えますが、SNSなどの見えにくい場所で葛藤や憤りを抱えていることもあります。そうした中で、地域の外にある社会のリアルへと視野を広げる機会は重要です。だからこそ、今回のような話は響くのだと思います。今回の講演は、そうしたニーズに合致していると感じました。

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